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公開番号2024025092
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022128249
出願日2022-08-10
発明の名称鉛蓄電池
出願人古河電池株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 4/14 20060101AFI20240216BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】製造コストが低い正極集電板を備えていながら、高温耐久性に優れ、高温地域で使用された場合でも電解液の水分減少量が抑えられる鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】正極板10は、格子状部を含む正極集電板と、格子状部に保持された正極合剤と、を有し、格子状部の両板面110a,110bに正極合剤からなる層15A,15Bが形成され、正極集電板は、カルシウム(Ca)の含有率が0.035質量%以上0.080質量%以下、錫(Sn)の含有率が0.50質量%以上0.90質量%以下、銀(Ag)の含有率が0.003質量%以上0.035質量%以下、ビスマス(Bi)の含有率が0.0000質量%超0.0200質量%以下で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成され、格子状部の各板面に形成された正極合剤からなる層15A,15Bの厚さは同じであるか、異なる場合でも厚い方が薄い方の2.50倍以下である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
電解液と積層体を備え、
前記積層体は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、からなり、
前記正極板は、格子状部を含む正極集電板と、前記格子状部に保持された正極合剤と、を有し、前記格子状部の両板面に前記正極合剤からなる層が形成され、
前記正極集電板は、カルシウム(Ca)の含有率が0.035質量%以上0.080質量%以下、錫(Sn)の含有率が0.50質量%以上0.90質量%以下、銀(Ag)の含有率が0.003質量%以上0.035質量%以下、ビスマス(Bi)の含有率が0.0000質量%超0.0200質量%以下で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成され、
前記格子状部の各板面に形成された前記正極合剤からなる層の厚さは同じであるか、異なる場合でも厚い方が薄い方の2.50倍以下である鉛蓄電池。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
前記正極集電板の前記格子状部の厚さは0.8mm以上2.0mm以下であり、
前記正極合剤からなる層の厚さは0.20mm以上0.50mm以下であり、
前記正極板の厚さは1.5mm以上3.0mm以下である請求項1記載の鉛蓄電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛蓄電池に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
一般的な鉛蓄電池である液式鉛蓄電池は、セル室を有する電槽と、セル室に収納された極板群と、セル室に注入された電解液と、を備えている。極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、を有する。正極板は、格子状部を含む正極集電板と、格子状部に保持された正極合剤(正極活物質を含む合剤)と、を有し、格子状部の両板面に正極合剤からなる層が形成されている。負極板は、格子状部を含む負極集電板と、格子状部に保持された負極合剤(負極活物質を含む合剤)と、を有し、格子状部の両板面に負極合剤からなる層が形成されている。電解液としては希硫酸が使用されている。このような液式鉛蓄電池は自動車用バッテリーなどとして広く使用されている。
【0003】
近年、自動車のエンジンルームは、装備が増加していることと無駄な空間を排除したデザインとなっていることなどに起因して、内部の温度上昇が著しい状態となっている。よって、自動車用の液式鉛蓄電池は、正極集電板に腐食やグロース(集電板の伸びによる変形)が生じ易い環境下で使用されるため、寿命を長くするための対策が強く求められている。
また、自動車用の液式鉛蓄電池は過充電状態で使用されることが多く、正極集電板の腐食やグロースがさらに生じ易い環境となっており、短寿命になる要因の一つとして、正極集電板の腐食やグロースにより正極板が湾曲することで、軟化した活物質が集電板から剥離しやすくなり、短寿命に繋がる恐れがある。
【0004】
特許文献1には、高温下で長寿命の鉛蓄電池を得るとともに、格子体(集電板)の作業性(強度)を向上するために、正極格子体(正極集電板)をなす鉛合金として、0.05~0.085質量%のCa、1.2~2.0質量%のSn、0.002~0.02質量%のBi、0.0001~0.002質量%のAg、及び0.005~0.03質量%のAlを含有し、残部がPb及び不可避的不純物からなる鉛合金を用いることが開示されている。特に、正極格子体を形成する鉛合金中のSnの含有量については、正極集電板の腐食を抑制する観点から1.2質量%以上であることが好ましいと記載されている。
鉛蓄電池としては、液式鉛蓄電池以外に制御弁式鉛蓄電池が挙げられる。制御弁式鉛蓄電池は、電解液と積層体を備えた密閉構造を有し、積層体は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、からなる。電解液は、セパレータであるガラス繊維マットに染み込ませるか、ゲル化により非流動化されている。
【0005】
制御弁式鉛蓄電池は、通信・電力・防災等のバックアップ電源用途に使用されることが多く、メンテナンス頻度が少ないことが求められる。そのため、電解液の水分の減少を少なくすることが液式鉛蓄電池より重視されており、電解液の水分の減少、所謂液枯れによる早期寿命に至らないような電池設計がなされている。
制御弁式鉛蓄電池において電解液の水分減少が起こるメカニズムは以下の通りである。制御弁式鉛蓄電池は、充電時に水の電気分解により正極板から生成した酸素ガスが、負極活物質の酸素ガス吸収能力により負極板に吸収され、吸収された酸素ガスから水が生成し、正極板から生成した酸素ガスが電池外へ放出することを抑制する反応機構を有する。しかし、正極板で発生する酸素ガス量が、負極活物質の酸素ガス吸収能力を超えると、電池内の酸素ガスが制御弁から電池外に放出されて電解液の水分減少を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6406457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
錫(Sn)の含有率が高い鉛合金からなる集電板は製造コストが高くなるため、特許文献1に記載された正極集電板には、コストの面で改善の余地がある。
また、高温地域で使用される鉛蓄電池には、高温耐久性に優れるとともに、電解液の水分減少量を少なくすることが求められている。
本発明の課題は、特許文献1よりも製造コストが低い正極集電板を備えていながら、高温耐久性に優れ、高温地域で使用された場合でも電解液の水分減少量が抑えられる鉛蓄電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、下記の構成(1)~(4)を備えた鉛蓄電池を提供する。
(1)電解液と積層体を備え、前記積層体は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、からなる。
(2)前記正極板は、格子状部を含む正極集電板と、前記格子状部に保持された正極合剤と、を有し、前記格子状部の両板面に前記正極合剤からなる層が形成されている。
(3)前記正極集電板は、カルシウム(Ca)の含有率が0.035質量%以上0.080質量%以下、錫(Sn)の含有率が0.50質量%以上0.90質量%以下、銀(Ag)の含有率が0.003質量%以上0.035質量%以下、ビスマス(Bi)の含有率が0.0000質量%超0.0200質量%以下で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。
(4)前記格子状部の各板面に形成された前記正極合剤からなる層の厚さは同じであるか、異なる場合でも厚い方が薄い方の2.50倍以下である。
【0009】
本発明の一態様の鉛蓄電池が液式鉛蓄電池の場合、上記構成(2)~(4)と、上記構成(1)に含まれる下記の構成(11)を備えている。
(11)セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備えている。前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の鉛蓄電池は、特許文献1よりも製造コストが低い正極集電板を備えているが、高温耐久性に優れ、高温地域で使用された場合でも電解液の水分減少量が抑えられたものとなることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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