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公開番号2024025043
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022128144
出願日2022-08-10
発明の名称天然イモゴライトの分離・精製方法
出願人株式会社アステック
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 33/26 20060101AFI20240216BHJP(無機化学)
要約【課題】イモゴライトの分離・精製に関する上記のような問題を解決しようとするものであり、皮膜状イモゴライトを含む風化浮石層において、目視観察によらずにイモゴライト含有量の高い部分を選択的に採取し、採取された部分の風化軽石粒子から皮膜状イモゴライトを分離して集め、集められた皮膜状イモゴライトから、イモゴライト自身の損失を避けながら、皮膜に包含された軽石粒子やその他の二次鉱物粒子を効率よく除去することができるようなイモゴライトの分離・精製方法を提供すること。
【解決手段】掘削した風化浮石を、目開きが浮石粒子の平均直径の10倍ないしそれ以上の大きさの格子からなる篩で、篩別することによって、イモゴライト含有量が相対的に高い部位を選別することを特徴とするイモゴライトの分離・精製方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
掘削した風化浮石を、目開きが浮石粒子の平均直径の10倍ないしそれ以上の大きさの格子からなる篩で、篩別することによって、イモゴライト含有量が相対的に高い部位を選別することを特徴とするイモゴライトの分離・精製方法。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
請求項1に記載する篩別で、前記篩を通過しなかった風化軽石集合体を、水中で解きほぐした後、撹拌した後、放置し、上澄み部分を前記篩に通すことによって皮膜状イモゴライトを採集することを特徴とするイモゴライトの分離・精製方法。
【請求項3】
請求項2に記載される工程で、前記篩上に捕集された皮膜状イモゴライトを、ローラー間の間隔0.1mm~0.5mmの1対のローラーで圧砕した後、前記篩上で洗浄することを特徴とするイモゴライトの分離・精製方法。
【請求項4】
請求項3の工程を経た皮膜状イモゴライトを、クエン酸ナトリウムの存在下、炭酸水素ナトリウムでpHを7.0~7.5に調節した後、
亜二チオン酸ナトリウムで酸化水酸化鉄及び二酸化マンガンを除去し、
引き続いて過酸化水素処理によって、クエン酸イオン、亜二チオン酸イオンおよび元々含まれていた腐植物質を含む有機物を除去することを特徴とするイモゴライトの分離・精製方法。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載される工程で使用される水のpHを9以上に保ち、水のイオン強度を0.01mol/L以上に保つことを特徴とするイモゴライトの分離・精製方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、風化した火山放出物堆積層から皮膜状のイモゴライトを分離し精製する天然イモゴライトの分離・精製方法することに関する。
ここで本発明における皮膜状のイモゴライトの「分離」とは、風化した火山放出物堆積層を構成成分である風化した火山灰粒子、風化した浮石粒子、風化の過程で生成したイモゴライト以外の二次鉱物の大部分が混入しないようにして、皮膜状のイモゴライトを取り出すことを指す。
また、皮膜状のイモゴライトの「精製」とは、皮膜状イモゴライトから、それに包含された火山灰粒子、軽石粒子、風化の過程で生成したイモゴライト以外の二次鉱物の大部分を除去することを指す。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
イモゴライトは Al

SiO

(OH)

という化学組成を持つアルミニウムケイ酸塩であり、その構造単位は、内径約1nm、外径約2nmの中空管状という特異な形態を持つ。この中空管の外側にはアルミニウムに配位したヒドロキシ基が、そして内側にはケイ素に配位したヒドロキシ基が露出・整列している。そのため、内表面、外表面共に親水性である。
【0003】
特許文献1には、この特異な形態と表面の性質を利用し、親水性高分子と複合させて含水性エラストマーを製造する方法が記載されている。また特許文献2には、イモゴライトを充填した耐圧容器をメタン貯蔵に用いることができることが記載されている。さらに特許文献3には、イモゴライトは電場応答性強誘電性液晶として利用可能なことが記載されている。
【0004】
このようにイモゴライトは、無機物からなる中空ナノチューブという特性を利用した産業利用が可能である。しかし、イモゴライトは風化した火山放出物堆積層には広く分布するものの、その含有量が極めて低いため天然のイモゴライトを採集して産業利用することは容易ではない。
【0005】
特許文献1~3で示されているようなイモゴライトの利用においては、人工的に合成されたものを利用することが暗黙に仮定されている。
イモゴライトは人工的に合成することができる。たとえば特許文献4にはイモゴライトの合成法が示されているが、この方法は1回あたり0.5日~3日を要するバッチ式での合成法であり、仕込液1m

あたりのイモゴライトの収率は最大300g程度である。
【0006】
人工合成によれば、純度の高いイモゴライトを得ることができるが、利用目的によって必要とされる純度は異なる。特許文献3に示されている電場応答性強誘電性液晶としての利用においては高い純度が必要である。一方、特許文献2に示されているようなメタン貯蔵体としての応用においては、液晶として利用する場合よりも低い純度のイモゴライトも利用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開昭61-051017号公報
特開2002-159850号公報
特開2020-112753号公報
特開2011-042520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
イモゴライトは風化した火山放出物堆積層には広く分布するが、一般にその含有量は極めて低く、そこから、合成によって得られるイモゴライトと同等の純度のイモゴライトを大量に得ることは難しい。
【0009】
しかし、火山放出物の堆積環境、風化期間などによって、イモゴライト含量が比較的高くなっている場合もある。特に風化浮石層においては、浮石粒子の間隙を充填する皮膜としてイモゴライトが生成している場所があることが知られている。ただし、そのような浮石層においてもイモゴライトの分布は不均一であり、イモゴライトをほとんど含まない部分もある。
【0010】
風化浮石層において、イモゴライトの含有率が比較的高い部位においても、その含有量はたかだか2質量パーセント程度である。
したがって産業利用のためには、まず浮石層の中でイモゴライト含有率の高い部分を特定すること、その部分を選択的に採取すること、さらに浮石粒子から皮膜状イモゴライトを分離して集めて用いることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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