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公開番号2024024578
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-22
出願番号2023044504
出願日2023-03-20
発明の名称セル構造体用接続具、接続構造、及び接続方法
出願人東京インキ株式会社
代理人
主分類E02D 17/20 20060101AFI20240215BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】現場での穴あけ作業がなく、連結が外れず、かつ容易に着脱可能なセル構造体同士の接続方法を提供する。
【解決手段】孔が設けられた複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を厚さ方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合したハニカム状立体補強材を厚さ方向に展張したハニカム状のセル集合体に充填材を充填してなるセル構造体同士を接続するセル構造体用接続具で、接続具はボルト部を有するA部材と、ナット部を有するB部材の2つの部材で構成され、A部材は手で把持するための持手部と、持手部より略垂直に伸びる円柱状のボルト部を有し、ボルト部の円柱側面部分には螺旋状の溝があり、B部材は手で把持するための持手部と、持手部の略中心にA部材ボルト部を挿入するための上面から下面に貫通している円柱状の孔を有するナット部を有し、ナット部の円柱状孔の側面部分には螺旋状の溝があるセル構造体用接続具。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
孔が設けられた複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を厚さ方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合したハニカム状立体補強材を前記厚さ方向に展張してなるハニカム状のセル集合体に充填材を充填してなるセル構造体同士を接続するためのセル構造体用接続具であって、
当該接続具はボルト部を有するA部材と、前記A部材ボルト部を挿入するナット部を有するB部材の2つの部材で構成され、
当該A部材は手で把持するための持手部と、当該持手部より略垂直に伸びる円柱状のボルト部を有し、当該ボルト部の円柱側面部分には螺旋状の溝が掘られており、
当該B部材は手で把持するための持手部と、当該持手部の略中心に前記A部材ボルト部を挿入するための上面から下面に貫通している円柱状の孔を有するナット部を有し、当該ナット部の円柱状孔の側面部分には螺旋状の溝が掘られている構造を有するセル構造体用接続具。
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
前前記A部材持手部及びB部材持手部は上面から見た際に短辺と長辺を有する左右に細長い略長方形状と当該略長方形状の中心付近に前記短辺の長さよりも直径の大きな弧を有し長方形と円弧との複合構造をしており、
前記A部材持手部及びB部材持手部は中央部に孔を有しており、
前記A部材持手部及びB部材持手部は樹脂製であり、
前記A部材ボルト部及びB部材ナット部は金属製である請求項1記載のセル構造体用接続具。
【請求項3】
前記A部材ボルト部の頭頂部(A部材ボルト部頭)が樹脂製の持手部に被さるように配置され、かつ前記ボルト部の頭頂部(A部材ボルト部頭)にドライバー溝(A部材ボルト部ドライバー溝)が掘られ、かつA部材持手部の上部が持手部窓(A部材持手部窓)を介してボルト部の頭頂部(A部材ボルト部頭)が露出している請求項2記載のセル構造体用接続具。
【請求項4】
孔が設けられた複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を厚さ方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合したハニカム状立体補強材を前記厚さ方向に展張してなるハニカム状のセル集合体に充填材を充填してなるセル構造体同士を接続するためのセル構造体用接続具で接続されたセル構造体の接続構造であって、
当該セル構造体用接続具はボルト部を有するA部材と、前記A部材のボルト部を挿入するナット部を有するB部材の2つの部材で構成され、
当該A部材は手で把持するための持手部と、当該持手部より略垂直に伸びる円柱状のボルト部を有し、当該ボルト部の円柱側面部分には螺旋状の溝が掘られており、
当該B部材は手で把持するための持手部と、当該持手部の略中心に前記A部材ボルト部を挿入するための上面から下面に貫通している円柱状の孔を有するナット部を有し、当該ナット部の円柱状孔の側面部分には螺旋状の溝が掘られている構造を有するセル構造体用接続具であり、
2つのセル構造体のストリップ材がおのおのの接続用孔が貫通するように隣接し、当該貫通した接続用孔に接続具のA部材ボルト部が配置され、一方のストリップ材外側には接続具のA部材持手部が他方のストリップ材外側には接続具のB部材持手部がおのおのストリップ材に隣接して配置され、さらに当該A部材ボルト部が接続具のB部材ナット部の中を貫通して配置されているセル構造体の接続構造。
【請求項5】
孔が設けられた複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を厚さ方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合したハニカム状立体補強材を前記厚さ方向に展張してなるハニカム状のセル集合体に充填材を充填してなるセル構造体同士を接続するためのセル構造体用接続具で接続されたセル構造体の接続構造であって、
当該セル構造体用接続具はボルト部を有するA部材と、前記A部材ボルト部を挿入するナット部を有するB部材の2つの部材で構成され、
当該A部材は手で把持するための持手部と、当該持手部より略垂直に伸びる円柱状のボルト部を有し、当該ボルト部の円柱側面部分には螺旋状の溝が掘られており、
当該B部材は手で把持するための持手部と、当該持手部の略中心に前記A部材ボルト部を挿入するための上面から下面に貫通している円柱状の孔を有するナット部を有し、当該ナット部の円柱状孔の側面部分には螺旋状の溝が掘られている構造を有するセル構造体用接続具であり、
2つのセル構造体のストリップ材は当該ストリップ材の幅方向に長径の長穴の接続用孔が設けられ、おのおのの接続用孔が貫通するように隣接し、
当該貫通した接続用孔に接続具のA部材ボルト部が配置され、一方のストリップ材外側には接続具のA部材持手部が他方のストリップ材外側には接続具のB部材持手部がおのおのストリップ材に隣接し、かつ当該A部材及びB部材の持手部の長径が前記接続用孔の長径と直交するように配置され、
さらに当該A部材ボルト部が接続具のB部材ナット部の中を貫通して配置されているセル構造体の接続構造。
【請求項6】
孔が設けられた複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を厚さ方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合したハニカム状立体補強材を前記厚さ方向に展張してなるハニカム状のセル集合体に充填材を充填してなるセル構造体同士を接続するためのセル構造体用接続具で接続させるセル構造体の接続方法であって、
当該セル構造体用接続具はボルト部を有するA部材と、前記A部材ボルト部を挿入するナット部を有するB部材の2つの部材で構成され、
当該A部材は手で把持するための持手部と、当該持手部より略垂直に伸びる円柱状のボルト部を有し、当該ボルト部の円柱側面部分には螺旋状の溝が掘られており、
当該B部材は手で把持するための持手部と、当該持手部の略中心に前記A部材ボルト部を挿入するための上面から下面に貫通している円柱状の孔を有するナット部を有し、当該ナット部の円柱状孔の側面部分には螺旋状の溝が掘られている構造を有するセル構造体用接続具であり、
2つのセル構造体のストリップ材がおのおのの接続用孔が貫通するように隣接させ、一方のストリップ材の当該接続用孔に接続具のA部材ボルト部を挿入させ、他方のストリップ材の外側に接続具のA部材ボルト部の端部を露出させる工程と、
他方のストリップ材の外側に露出させた前記接続具のA部材ボルト部の端部がB部材ナット部に挿入する工程と、
A部材ボルト部の端部に挿入されたB部材ナット部を回転させてボルト部に沿ってスライドさせることによりB部材をストリップ材に隣接させ、2つのセル構造体のストリップ材をA部材持手部とB部材持手部挟み込んで固定させる工程とを含むセル構造体の接続方法。
【請求項7】
孔が設けられた複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を厚さ方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合したハニカム状立体補強材を前記厚さ方向に展張してなるハニカム状のセル集合体に充填材を充填してなるセル構造体同士を接続するためのセル構造体用接続具で接続させるセル構造体の接続方法であって、
当該セル構造体用接続具はボルト部を有するA部材と、前記A部材ボルト部を挿入するナット部を有するB部材の2つの部材で構成され、
当該A部材は手で把持するための持手部と、当該持手部より略垂直に伸びる円柱状のボルト部を有し、当該ボルト部の円柱側面部分には螺旋状の溝が掘られており、
当該B部材は手で把持するための持手部と、当該持手部の略中心に前記A部材のボルト部を挿入するための上面から下面に貫通している円柱状の孔を有するナット部を有し、当該ナット部の円柱状孔の側面部分には螺旋状の溝が掘られている構造を有するセル構造体用接続具であり、
2つのセル構造体のストリップ材がおのおのの接続用孔が貫通するように隣接させ、一方のストリップ材の当該接続用孔に接続具のA部材ボルト部を挿入させ、他方のストリップ材の外側に接続具のA部材ボルト部の端部を露出させる工程と、
他方のストリップ材の外側に露出させた前記接続具のA部材ボルト部の端部がB部材のナット部に挿入する工程と、
B部材持手部を片方の手で把持しつつ、もう一方の手にドライバーを持ち、A部材ボルト部頭のドライバー用の溝にドライバーの先端をかみ合わせてドライバーを回転させてA部材とB部材の締め込みをおこなっていく工程とを含むセル構造体の接続方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セル構造体の施工方法に関する。更に詳しくは、セル構造体同士を接続する接続具、接続構造、及び接続方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
法面などの傾斜面を安定させたり、構造物の基礎や路盤の敷設、或いは擁壁の構築を行ったりするための工法として、ジオセル工法と呼ばれる工法がある。この工法では、複数のセル構造体をハニカム状などの配置で前後左右に連ねて配置し、各セル構造体内に、土や砕石等の中詰材を充填する。セル構造体は、合成樹脂などの可撓性の材料からなる軽量の型枠である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
セル構造体を施工する際、現場にてセル構造体同士を簡易に連結する必要が生じ、そのための連結方法が開示されている。例えば特許文献2には、セル構造体同士を連結する方法を開示している。すなわちその方法は、相互に連結される一対のセル構造体のオーバーラップ部分の帯状材をビス材で貫き、帯状材から突出したビス材先端部分にキャップ材を挿入させ固定させる方法であり、ビス材が容易に離脱することはなくなり、隣接するセル構造体同士の連結部位の耐荷重性能が高かった。
【0004】
また、特許文献3には、挿入部、挿入延長部、ハンドル部からなる連結具を用いてセル状保持構造体を係止する方法を開示している。具体的には隣接する2つのセル状保持構造体同士のおのおのの開放長孔を重ね合わせ、当該開放長孔に連結部の挿入部より連結具を挿入し、当該開放長孔の部分に当該連結具の挿入延長部が位置するように設置し、ハンドル部を回転させることで隣接する2つのセル状保持構造体同士の連結を実現している。本方法は簡単に連結出来る反面、簡単に連結が外れるという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2012-504058号公報
特開2015-121030号公報
特許第5443503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ビスによる接続の方法(特許文献2)では、現場で帯状材にドリルなどを使って孔をあける作業が必要となり、手間がかかる。また、挿入部、挿入延長部、ハンドル部からなる連結具による連結(特許文献3)はハンドル部を手で持って挿入部を開放長孔に挿入してハンドル部を回転させることでセル状保持構造体同士を容易に係止することができる反面、容易に連結が外れてしまうという欠点を持つ。本発明の目的は、現場での穴あけ作業がなく容易に接続が外れず、かつ容易に着脱可能なセル構造体同士の接続方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、2つのセル構造体(セル集合体)同士を接続する接続具として、
ボルト部を有するA部材と、前記A部材ボルト部を挿入するナット部を有するB部材の2つの部材からなり、当該A部材は手で把持するための持手部と、当該持手部より略垂直に伸びる円柱状のボルト部を有し、当該ボルト部の円柱側面部分には螺旋状(ネジ状)の溝が掘られており、当該B部材は手で把持するための持手部と、当該持手部の略中心に前記A部材のボルト部を挿入するための上面から下面に貫通している円柱状の孔を有するナット部を有し、当該ナット部の円柱状孔の側面部分には螺旋状(ネジ状)の溝が掘られている構造を有するセル構造体用接続具を用いることで、現場にて2つのセル構造体(セル集合体)同士を容易に接続が外れず、かつ容易に着脱可能なセル構造体同士の接続ができることを見いだした。
【0008】
請求項1記載の発明は、
孔が設けられた複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を厚さ方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合したハニカム状立体補強材を前記厚さ方向に展張してなるハニカム状のセル集合体に充填材を充填してなるセル構造体同士を接続するためのセル構造体用接続具であって、
当該接続具はボルト部を有するA部材と、前記A部材ボルト部を挿入するナット部を有するB部材の2つの部材で構成され、
当該A部材は手で把持するための持手部と、当該持手部より略垂直に伸びる円柱状のボルト部を有し、当該ボルト部の円柱側面部分には螺旋状の溝が掘られており、
当該B部材は手で把持するための持手部と、当該持手部の略中心に前記A部材ボルト部を挿入するための上面から下面に貫通している円柱状の孔を有するナット部を有し、当該ナット部の円柱状孔の側面部分には螺旋状の溝が掘られている構造を有するセル構造体用接続具である。
【0009】
すなわち本発明の接続具は、ボルト部を有するA部材と、前記A部材ボルト部を挿入する円柱状の孔を有するナット部を有するB部材の2つの部材で構成されている。そして、セル構造体(セル集合体)同士を接続する際にはA部材とB部材で重ねた2つのセル集合体のストリップ材(2aと2b)を挟み、A部材のボルト部をB部材のナット部の孔に挿入し、A部材またはB部材の持手部を回転させることにより、2つのセル構造体(セル集合体)のストリップ材(2aと2b)が接続される。
【0010】
A部材は、持手部8aと、当該持手部8aの略中心より下方に垂直に伸びる円柱状のボルト部8bよりなり、ボルト部8bの円柱の側面部分には螺旋状(ネジ状)の溝が掘られている。B部材は、持手部9aと、当該持手部9aの略中心のナット部9bよりなりナット部9bの円柱状の孔の内側には螺旋状(ネジ状)の溝が掘られている。ボルト部8bの円柱の側面部分には螺旋状(ネジ状)の溝と、ナット部9bの円柱状の孔の内側には螺旋状(ネジ状)の溝は、螺合できるようになっている。
(【0011】以降は省略されています)

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