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公開番号2024024525
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-22
出願番号2022127424
出願日2022-08-09
発明の名称炭化水素の製造方法、還元炉の操業方法および銑鉄の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 32/50 20170101AFI20240215BHJP(無機化学)
要約【課題】硫黄化合物濃度の低いCO2を炭化水素に効率よく変換する方途を提供する。
【解決手段】CO2と硫黄を含む副生ガスから、硫黄化合物濃度の低いCO2ガスを分離するガス分離工程と、前記ガス分離工程からの前記CO2ガスに含まれるCO2を触媒により変換して炭化水素を製造するCO2変換工程と、を有する。ガス分離工程は、吸収塔の内部に供給したメタノール吸収液と吸収塔に導入する副生ガスとを接触させて副生ガスの成分を吸収させ、吸収塔の下段にてCO2リッチ・Sリッチ吸収液を抜き出し、かつ吸収塔の中段にてCO2リッチ吸収液を抜き出す吸収塔抜出工程を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
CO

と硫黄を含む副生ガスから、硫黄化合物濃度の低いCO

ガスを分離するガス分離工程と、
前記ガス分離工程からの前記CO

ガスに含まれるCO

を触媒により変換して炭化水素を製造するCO

変換工程と、を有し、
前記ガス分離工程は、
吸収塔の内部に供給したメタノール吸収液と前記吸収塔に導入する前記副生ガスとを接触させて前記メタノール吸収液に前記副生ガスの成分を吸収させ、前記吸収塔の下段にてCO

および硫黄化合物の吸収量の多いCO

リッチ・Sリッチ吸収液を抜き出し、かつ前記吸収塔の中段にてCO

吸収量の多いCO

リッチ吸収液を抜き出す吸収塔抜出工程と、
前記CO

リッチ・Sリッチ吸収液をCO

脱離塔の中段に導入し、前記CO

リッチ・Sリッチ吸収液を加熱してCO

・硫黄化合物含有ガスを分離し、該CO

・硫黄化合物含有ガスを前記CO

脱離塔の上段に導入する前記CO

リッチ吸収液に接触させ、前記硫黄化合物を吸収させて前記硫黄化合物濃度の低いCO

ガスを抽出し、前記硫黄化合物を吸収させた液を前記CO

リッチ・Sリッチ吸収液と合流させて加熱し、硫黄化合物吸収量の多いSリッチ吸収液を得る、CO

脱離工程と、
前記CO

脱離工程により得られる前記硫黄化合物吸収量の多いSリッチ吸収液を、前記CO

脱離塔下段にて抜き出す脱離塔抜出工程と、
を有する炭化水素の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記CO

脱離塔の下段から抜き出されたSリッチ吸収液を、S脱離塔に導入して前記Sリッチ吸収液から硫黄化合物を脱離させる硫黄化合物脱離工程、
をさらに有する請求項1に記載の炭化水素の製造方法。
【請求項3】
前記硫黄化合物脱離工程において、空気から分離したN

ガスを前記S脱離塔に吹き込む請求項2に記載の炭化水素の製造方法。
【請求項4】
前記N

ガスは、空気の深冷分離によるものであり、空気から分離したN

およびO

の一方または両方と、前記ガス分離工程における各種吸収液および各種ガスの一方または両方との間で熱交換を行う請求項3に記載の炭化水素の製造方法。
【請求項5】
前記CO

変換工程において、前記CO

脱離工程からのCO

ガスにH

ガスを混合させて炭化水素(CH

)に変換する請求項1から4のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
【請求項6】
前記CO

脱離工程において、前記CO

脱離塔にH

ガスを導入する請求項1から4のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
【請求項7】
前記H

ガスは液化H

の気化により得られ、かつ前記液化H

と前記硫黄化合物脱離工程から排出される吸収液との間で熱交換を行う請求項5に記載の炭化水素の製造方法。
【請求項8】
前記CO

脱離工程に、前記CO

変換工程にて得られた炭化水素を導入する請求項1から4のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法によって得られた炭化水素を、CO

由来還元剤として還元炉に吹き込む還元炉の操業方法。
【請求項10】
請求項9に記載の還元炉の操業方法において、前記還元炉は高炉であって、請求項9に記載の還元炉の操業方法によって銑鉄を製造する、銑鉄の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高炉や転炉の炉頂ガスなどの副生ガス、特にCO

とH

SおよびCOSなどの硫黄化合物とを含有する副生ガスから、CO

の他の不純物を除去した高純度CO

を分離回収して炭化水素を製造する方法、この方法によって製造される炭化水素を使用する還元炉の操業方法およびこの操業方法によって銑鉄を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止のために二酸化炭素(CO

)の排出量削減が求められており、大規模排出源である製鉄所、特に高炉においてCO

排出量抑制は重要な課題である。一般的な高炉では、羽口から送風ガスとして高温の空気を吹き込み、コークスや微粉炭などの還元剤と反応させて一酸化炭素や水素を得て、鉄鉱石を還元している。本過程においてCO

が発生する。CO

排出量削減に向けては、高炉ガス中のCO

を回収し、貯留もしくは再利用することが必要となる。
【0003】
製鉄所にてCO

を再利用する方法としては、触媒を用いてCO

とH

を反応させてメタン(CH

)などの炭化水素に変換し、炉における還元剤として再利用する方法が知られている。例えば、特許文献1には熱風炉などの燃焼炉排ガスのCO

を分離した後にCH

に変換し、高炉にて還元剤として再利用する方法が記載されている。
【0004】
また、副生ガス処理の関連技術として、特許文献2には、酸化鉄を用いた乾式脱硫剤による脱硫プロセスが開示されている。同様に、特許文献3には、アミン系吸収液を用いたCO

分離プロセスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-5510号公報
特公平6-31350号公報
特開2014-156379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発明は、製鉄所ガス中のCO

を分離し、触媒などによりCH

へ変換する構成としている。製鉄所ガスは、原料として用いる石炭に由来して、硫化水素(H

S)、硫化カルボニル(COS)、硫黄酸化物(SOx)などの硫黄化合物も含有する。ここで、CH

変換触媒としてはNi系触媒が知られている。このNi系触媒は、硫黄化合物の流通により性能が劣化することが知られている。従って、分離したCO

中にこれら硫黄化合物が混入されている場合には、頻繁な触媒交換を必要とするだけでなく、操業の不安定化が問題となる。さらに、Ni系触媒はCO雰囲気下にて炭素析出による触媒劣化も発生しやすいことから、脱硫に加えCOの除去も必要となる。
【0007】
一方、特許文献2では、酸化鉄を用いた乾式脱硫剤による脱硫プロセスが示されているが、脱硫に併せてCOを除くことは難しくCOを十分に除去できないところに問題を残していた。
【0008】
同様に、特許文献3に記載の、アミン系吸収液を用いたCO

分離プロセスは、H

SやCOSを除去してCO

分離を行うことが難しく、これら不純物を十分に除去できないところに問題を残していた。
【0009】
そこで、本発明は、前記課題を解決し、硫黄化合物濃度の低いCO

を炭化水素に効率よく変換する方途について提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1.CO

と硫黄を含む副生ガスから、硫黄化合物濃度の低いCO

ガスを分離するガス分離工程と、
前記ガス分離工程からの前記CO

ガスに含まれるCO

を触媒により変換して炭化水素を製造するCO

変換工程と、を有し、
前記ガス分離工程は、
吸収塔の内部に供給したメタノール吸収液と前記吸収塔に導入する前記副生ガスとを接触させて前記メタノール吸収液に前記副生ガスの成分を吸収させ、前記吸収塔の下段にてCO

および硫黄化合物の吸収量の多いCO

リッチ・Sリッチ吸収液を抜き出し、かつ前記吸収塔の中段にてCO

吸収量の多いCO

リッチ吸収液を抜き出す吸収塔抜出工程と、
前記CO

リッチ・Sリッチ吸収液をCO

脱離塔の中段に導入し、前記CO

リッチ・Sリッチ吸収液を加熱してCO

・硫黄化合物含有ガスを分離し、該CO

・硫黄化合物含有ガスを前記CO

脱離塔の上段に導入する前記CO

リッチ吸収液に接触させ、前記硫黄化合物を吸収させて前記硫黄化合物濃度の低いCO

ガスを抽出し、前記硫黄化合物を吸収させた液を前記CO

リッチ・Sリッチ吸収液と合流させて加熱し、硫黄化合物吸収量の多いSリッチ吸収液を得る、CO

脱離工程と、
前記CO

脱離工程により得られる前記硫黄化合物吸収量の多いSリッチ吸収液を、前記CO

脱離塔下段にて抜き出す脱離塔抜出工程と、
を有する炭化水素の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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