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公開番号2024024156
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-22
出願番号2022126780
出願日2022-08-09
発明の名称導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類H05K 3/20 20060101AFI20240215BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】簡便な方法で、積層時の空隙の発生を抑制した、厚膜で高精細な導電パターンを有する導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法を提供すること。
【解決手段】基材上に、導電粒子(a)およびバインダー樹脂(b)を含有する厚みTA1[μm]の導電パターン(A)を有する導電パターン付き基材を準備し、導電パターン(A)を基材上からセラミックグリーンシート上に転写する工程(転写工程)を有する導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法であって、前記転写工程において、転写後に導電パターン(A)のうちセラミックグリーンシート面から露出した部分の厚みTA2[μm]を、TA2<TA1とし、かつ、TA2≦7.0とする、導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材上に、導電粒子(a)およびバインダー樹脂(b)を含有する厚みT
A1
[μm]の導電パターン(A)を有する導電パターン付き基材を準備し、導電パターン(A)を基材上からセラミックグリーンシート上に転写する工程(転写工程)を有する導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法であって、
前記転写工程において、転写後に導電パターン(A)のうちセラミックグリーンシート面から露出した部分の厚みT
A2
[μm]を、T
A2
<T
A1
とし、かつ、

A2
≦7.0とする、導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
セラミックグリーンシート上に、導電粒子(a)およびバインダー樹脂(b)を含有する厚みT
A1
[μm]の導電パターン(A)を形成し、加圧により導電パターン(A)の一部をセラミックグリーンシートに埋め込む工程(埋め込み工程)を有する導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法であって、
前記埋め込み工程において、転写後の導電パターン(A)のうちセラミックグリーンシート面から露出した部分の厚みT
A2
[μm]を、T
A2
<T
A1
とし、かつ、T
A2
≦7.0とする、導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
【請求項3】
前記厚みT
A1
が、10<T
A1
≦25を満たす、請求項1または2記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
【請求項4】
前記セラミックグリーンシートの厚みT

が、T
A1
+4≦
TB
を満たす、請求項1または2記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
【請求項5】
前記導電パターン(A)が、さらに感光剤(c)を含有する、請求項1または2記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
【請求項6】
前記導電パターン付きセラミックグリーンシートにおける導電パターン(A)の頂部幅W

[μm]の、底部幅W

[μm]に対する比(W

/W

)が、0.3≦(W

/W

)<1を満たす、請求項1または2記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
【請求項7】
前記導電パターン付きセラミックグリーンシートにおける導電パターン(A)の表面粗さRa[μm]が、Ra<1.0を満たす、請求項1または2記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
【請求項8】
前記導電パターン(A)の軟化点t

[℃]と、セラミックグリーンシートの軟化点t

[℃]が、t

<t

を満たす、請求項1または2記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
【請求項9】
前記導電パターン(A)が、さらにウレタン結合を有する化合物を含有する、請求項1または2記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
【請求項10】
導電パターン付きセラミックグリーンシートを複数積層してなる積層体の製造方法であって、
請求項1または2記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法により、第1の導電パターンを形成し、導電パターン付きセラミックグリーンシートを得る工程、
第1の導電パターン付きセラミックグリーンシートの導電パターン側にセラミックグリーンシートを形成する工程、および、
第1の導電パターン付きセラミックグリーンシート形成したセラミックグリーンシート上に、請求項1または2記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法により、第2の導電パターンを形成する工程
を有する、積層体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法、それを用いた積層体の製造方法および焼成体の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子部品の小型化・高性能化の要求に伴い、内部配線の高精細化、高アスペクト化が求められている。電子部品の一種であるインダクタは、セラミックからなる絶縁体の内部にコイル状の内部電極を有し、一般的に、セラミックからなる平面状の絶縁層上に巻き線状に内部電極を形成したものが、複数層積層されてなる。インダクタの高性能化のためには、内部電極断面の抵抗値を低くすることが重要であり、導電パターンの高精細化の観点から、内部電極のアスペクト比を大きくすることが検討されている。かかる技術として、例えば、基材に感光性絶縁性組成物を塗布する工程、前記感光性絶縁性組成物の塗膜を所望のパターンに露光する工程、前記露光された感光性絶縁性組成物の塗膜を現像して溝を有する絶縁層を形成する工程、前記絶縁層上および前記溝内に感光性導電性組成物を塗布する工程、前記感光性導電性組成物の塗膜を前記溝に対応させて露光する工程、ならびに、前記露光された感光性導電性組成物の塗膜を現像して前記溝に対応する位置に回路パターンを形成する工程を含み、前記溝が側面に逆テーパー形状を有することを特徴とする、回路パターン付き基板の製造方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-55762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内部電極の厚みを厚くしてアスペクト比を大きくすると、導電パターン付きセラミックグリーンシートを複数層積層する工程において、セラミックグリーンシートと内部電極との段差が大きいことから、内部電極端部に空隙が生じやすい傾向にある。特許文献1に記載されるように溝を形成することにより、かかる段差は低減される。しかしながら、特許文献1に記載される方法においては、溝に感光性導電性組成物を塗布する工程において、溝の端部まで十分に感光性導電性組成物を充填することが困難であり、特に高精細化した場合に、回路パターン端部になお空隙が生じやすい課題があった。また、絶縁層に溝を形成するため、工程数が多く、生産性の向上が求められていた。
【0005】
そこで本発明は、簡便な方法で、積層時の空隙の発生を抑制した、厚膜で高精細な導電パターンを有する導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、主として以下の構成を有する。
(1)基材上に、導電粒子(a)およびバインダー樹脂(b)を含有する厚みT
A1
[μm]の導電パターン(A)を有する導電パターン付き基材を準備し、
導電パターン(A)を基材上からセラミックグリーンシート上に転写する工程(転写工程)を有する導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法であって、
前記転写工程において、転写後に導電パターン(A)のうちセラミックグリーンシート面から露出した部分の厚みT
A2
[μm]を、T
A2
<T
A1
とし、かつ、

A2
≦7.0とする、導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
(2)セラミックグリーンシート上に、導電粒子(a)およびバインダー樹脂(b)を含有する厚みT
A1
[μm]の導電パターン(A)を形成し、加圧により導電パターン(A)の一部をセラミックグリーンシートに埋め込む工程(埋め込み工程)を有する導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法であって、
前記埋め込み工程において、転写後の導電パターン(A)のうちセラミックグリーンシート面から露出した部分の厚みT
A2
[μm]を、T
A2
<T
A1
とし、かつ、T
A2
≦7.0μmとする、導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
(3)前記厚みT
A1
が、10<T
A1
≦25を満たす、(1)または(2)記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
(4)前記セラミックグリーンシートの厚みT

[μm]が、T
A1
+4≦
TB
を満たす、(1)~(3)のいずれか記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
(5)前記導電パターン(A)が、さらに感光剤(c)を含有する、(1)~(4)のいずれか記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
(6)前記導電パターン付きセラミックグリーンシートにおける導電パターン(A)の頂部幅W

[μm]の、底部幅W

[μm]に対する比(W

/W

)が、0.3≦(W

/W

)<1を満たす、(1)~(5)のいずれか記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
(7)前記導電パターン付きセラミックグリーンシートにおける導電パターン(A)の表面粗さRa[μm]が、Ra<1.0を満たす、(1)~(6)のいずれか記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
(8)前記導電パターン(A)の軟化点t

[℃]と、セラミックグリーンシートの軟化点t

[℃]が、t

<t

を満たす、(1)~(7)のいずれか記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。(9)前記導電パターン(A)が、さらにウレタン結合を有する化合物を含有する、(1)~(8)のいずれか記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法。
(10)導電パターン付きセラミックグリーンシートを複数積層してなる積層体の製造方法であって、
(1)~(9)のいずれか記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法により、第1の導電パターンを形成し、導電パターン付きセラミックグリーンシートを得る工程、
第1の導電パターン付きセラミックグリーンシートの導電パターン側にセラミックグリーンシートを形成する工程、および、
第1の導電パターン付きセラミックグリーンシート形成したセラミックグリーンシート上に、(1)~(9)のいずれか記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法により、第2の導電パターンを形成する工程
を有する、積層体の製造方法。
(11)導電パターン付きセラミックグリーンシートを複数積層してなる積層体の製造方法であって、
(1)~(9)のいずれか記載の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法により、複数の導電パターン付きセラミックグリーンシートを得る工程、および、
複数の導電パターン付きセラミックグリーンシートを積層して熱圧着する工程
を有する、積層体の製造方法。
(12)(1)~(9)のいずれかに記載の製造方法により導電パターン付きセラミックグリーンシートを得る工程、および、得られた導電パターン付きセラミックグリーンシートを焼成する工程を有する、焼成体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡便な方法で、積層時の空隙の発生を抑制した、厚膜で高精細な導電パターンを有する導電パターン付きセラミックグリーンシートを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明における導電パターン付きセラミックグリーンシートは、基材上に、セラミックグリーンシートおよび導電パターンを有する。例えば、インダクタに用いる場合には、これを複数層積層し、焼成することにより、セラミックグリーンシートは絶縁層を、導電パターンは内部電極を構成する。
【0009】
本発明の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法は、後述する転写工程または埋め込み工程において、転写または埋め込み前の導電パターン(A)の厚みT
A1
[μm]に対して、転写工程もしくは埋め込み工程後の導電パターン(A)のうちセラミックグリーンシートから露出した部分の厚みT
A2
[μm]を、T
A2
<T
A1
とし、かつ、T
A2
≦7.0とすることを特徴とする。本発明においては、転写工程または埋め込み工程によりT
A2
<T
A1
とするため、特許文献1に記載するような溝を形成する工程を要しないことから、生産性に優れる。また、所望の形状の導電パターンを転写または埋め込むため、溝の端部まで十分に感光性導電性組成物を充填することが困難であることに起因する空隙の発生を抑制することができる。さらに、T
A2
≦7.0とすることにより、導電パターン付きセラミックグリーンシートを複数層積層する工程において、セラミックグリーンシートと導電パターンとの段差を低減し、空隙の発生を抑制することができる。
【0010】
本発明の導電パターン付きセラミックグリーンシートの製造方法の第一の態様は、基材上に、導電粒子(a)およびバインダー樹脂(b)を含有する厚みT
A1
[μm]の導電パターン(A)を有する導電パターン付き基材を準備し、導電パターン(A)を基材上からセラミックグリーンシート上に転写する工程(転写工程)を有する。導電ペーストをセラミックグリーンシートへ直接塗布する従来の技術に対して、予め基材上に形成した導電パターンをセラミックグリーンシート上に転写するため、生産性に優れ、空隙の発生を抑制することができる。また、セラミックグリーンシート上における高温乾燥を要しないため、熱によるセラミックグリーンシートの収縮を抑制し、高精細な導電パターンを形成することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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