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公開番号
2024023209
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-02-21
出願番号
2023187413,2020554303
出願日
2023-11-01,2019-04-02
発明の名称
組成物、その製造方法及びその使用
出願人
イリカ テクノロジーズ リミテッド
代理人
個人
主分類
C01G
53/00 20060101AFI20240214BHJP(無機化学)
要約
【課題】容量及びサイクル寿命といったリチウムイオン電池において有利な特性を有する結晶配向を有するコバルト酸リチウム組成物を提供する。
【解決手段】(a)R-3m空間群に属する岩塩構造の層状混合金属酸化物による主相で、成分元素として45~55原子%のリチウムと、20~55原子%の、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルトの遷移金属と、0~25原子%の、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、銅、ルテニウム、亜鉛、モリブデン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、スズ、鉛、ビスマス、ランタン、セリウム、ガドリニウム、及びユウロピウムの追加ドーパント元素と、を含有する主相と、(b)前記層状混合金属酸化物の結晶構造を有しない金属酸化物で、前記層状混合金属酸化物に含まれる、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、及びコバルトを含有する副次相と、を有する組成物とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
組成物であって、
(a)R-3m空間群に属する岩塩構造を有する層状混合金属酸化物によって与えられ
る主相であって、前記層状混合金属酸化物が成分元素として、前記層状酸化物中の酸素を
除く全原子に対する%で原子%を表した場合に、
45~55原子%のリチウムと、
20~55原子%の、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、及びそれらの組み
合わせからなる群から選択される1種以上の遷移金属と、
0~25原子%の、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、ジルコニウ
ム、バナジウム、銅、ルテニウム、亜鉛、モリブデン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム
、スズ、鉛、ビスマス、ランタン、セリウム、ガドリニウム、及びユウロピウムからなる
群から選択される1種以上の追加ドーパント元素と、を含有する主相と、
(b)前記層状混合金属酸化物の結晶構造を有しない金属酸化物によって与えられ、前
記層状混合金属酸化物に含まれる、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、及びコバルトから
なる群から選択される前記遷移金属のうちの1種以上を含有する副次相と、を有し、
前記主相が前記組成物の総質量の90%~99.5%を与え、前記副次相が前記組成物
の総質量の0.5%~10%を与える、組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記副次相が1原子%未満のリチウムを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記副次相がリチウムを実質的に含まない、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記層状混合金属酸化物が、
45~55原子%のリチウムと、
40~55原子%の、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、及びそれらの組み
合わせからなる群から選択される1種以上の遷移金属と、
0~5原子%の、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム
、バナジウム、銅、ルテニウム、亜鉛、モリブデン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、
スズ、鉛、ビスマス、ランタン、セリウム、ガドリニウム、及びユウロピウムからなる群
から選択される1種以上の追加ドーパント元素と、を含有する、請求項1~3のいずれか
一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記層状混合金属酸化物が、
45~55原子%のリチウムと、
45~55原子%の、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、及びそれらの組み
合わせからなる群から選択される1種以上の遷移金属と、を含有する、請求項4に記載の
組成物。
【請求項6】
前記副次相が前記組成物の総質量の1%~10%を与える、請求項1~5のいずれか一
項に記載の組成物。
【請求項7】
前記副次相が前記組成物の総質量の2.5%~10%を与える、請求項1~6のいずれ
か一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、上面と底面とを備え、前記上面と前記底面との間の高さが1~50μm
である薄膜層である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記副次相が、前記底面に沿うシード層の形で存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記層状混合金属酸化物が、一般式Li
1
Co
1-2y
Mn
y
Ni
y
O
2
を有し、前記
副次相が、コバルト、マンガン及びニッケルからなる群から選択される1種以上の遷移金
属を含有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、岩塩構造を有する層状混合金属酸化物によって与えられる第1の相と、当該
層状混合金属酸化物の結晶構造を有しない金属酸化物によって与えられる第2の相とを有
する組成物に関する。より詳細には、本組成物は、本明細書に記載のように、Co
3
O
4
と、リチウム及びコバルトの結晶性酸化物とを含有してよく、任意選択で1種以上のドー
パント元素を含有する。また、本発明は、本組成物の作製方法及びその使用、特に、電気
化学セル、特にリチウムイオン電池における電極としての使用に関する
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、充電式電池の一種であり、リチウムイオン(Li
+
)が放電時
に負極から正極に移動し、充電時に逆方向に移動する。非充電式のリチウムイオン電池で
は金属リチウムが使用されるのに対し、リチウムイオン電池は、リチウムのインターカレ
ーション化合物を電極材料の1つとして使用する。リチウムイオン電池の構成要素は、イ
オンの移動を可能にする電解質、及び2つの電極である。
【0003】
典型的には、リチウムイオン電池は少なくとも3つの構成要素から構成される。2つの
活性電極(アノード及びカソード)が電解質によって分離される。これらの構成要素は、
それぞれ支持基板上に順次堆積された薄膜として形成される。集電体、界面改質剤及び封
止剤などの更なる構成要素を設けることもできる。製造時には、これら構成要素を、例え
ば、カソード集電体、カソード、電解質、アノード、アノード集電体及び封止剤の順序で
堆積させることができる。
【0004】
リチウムイオンの例では、アノード及びカソードは、リチウムを可逆的に貯蔵すること
ができる。アノード材料及びカソード材料に求められる別の性質として、少ない質量及び
体積の材料からできる限り多くの貯蔵容量を重量及び体積面で得て、単位あたりの貯蔵リ
チウムイオン数をできる限り増やすことが挙げられる。これらの材料は、電池の充電及び
放電プロセス中にイオン及び電子が電極を通って移動できるように、許容できる電子伝導
性及びイオン伝導性を有する必要がある。
【0005】
多くの機器、限定するものではないが特に携帯型の電子機器は、R-3m空間群に属す
る岩塩構造を有する層状混合金属酸化物をベースとするリチウムイオン電池を使用する。
この層状混合金属酸化物は、式Li
x
M′
y
O
2
(M′は、クロム、マンガン、鉄、ニッ
ケル、コバルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される遷移金属)を有する
。この構造では、リチウムイオンの層と遷移金属のイオンの層とが酸化物イオンの立方最
密充填格子の八面体部分を交互に占める。リチウムイオンはリチウム面に沿って優先的に
拡散する。
【0006】
このような混合金属酸化物の例としては、Li
x
Mn
1-y
M
y
O
2
(Mは、クロム、
鉄、ニッケル、コバルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される遷移金属)
及びコバルト酸リチウム(lithium cobalt oxide)(LiCoO
2
)が挙げられる。Li
CoO
2
は六方晶層状結晶構造を有し、O‐Co‐Oのシート間の八面体部位にLi
+
イ
オンが存在している。リチウム面内の空格子点ホッピングによってLi
+
が拡散する。
【0007】
Li
+
の移動度、したがってLiCoO
2
の電気化学的特性が結晶配向に大きく依存す
ることが当該技術分野で知られている。(101)、(104)、及び(110)の配向
のカソードではLiの至適な拡散が生じることが文献に報告されている。コバルト酸リチ
ウムのこれらの構造は、例えば、以下に引用する非特許文献2、及び以下に引用する非特
許文献7に報告されているように、Liイオンの拡散が主として粒界領域に制限される(
003)よりも好ましい。(110)配向は、基板に対して垂直に並んだリチウム面を有
しており、この配向は、リチウムイオンに容易にアクセスして構造からの引き出しが比較
的容易であり、Li
+
の高速な拡散と高いリチウム貯蔵容量とを可能にするため好ましい
。(101)配向及び(104)配向は、(110)配向よりわずかにリチウム面が傾斜
しているものの、Li
+
を容易に引き出して構造に導入することができる。(003)配
向は、基板に平行に並んだLi
+
面からなり、この配向は、リチウムイオンにアクセスし
にくく構造に効果的に捕捉されるため、あまり好ましくない。
【0008】
コバルト酸リチウムの多くの製造方法が当該技術分野で知られている。例えば、特許文
献1は、コバルト酸リチウムなどの結晶性リチウム含有化合物を作製するための気相堆積
法について記載している。基板上で成分元素が反応して結晶性材料を形成すると、基板上
にコバルト酸リチウム膜が形成される。特許文献1に記載されている堆積法は、文献(非
特許文献1)に報告されている物理気堆積(PVD)システム中で実施されている。
【0009】
非特許文献2は、アルゴン及びO
2
の混合ガス中でLiCoO
2
ターゲットから100
~1000nm/分の速度で交流電圧を用いてスパッタリング(RFスパッタリング)す
ることによるコバルト酸リチウム膜の製造を記載している。非特許文献2は、非常に薄い
コバルト酸リチウム膜(膜厚0.5μm未満)では、表面エネルギーを最小化するために
(003)配向が優先的に成長(RFスパッタリング)する傾向があるのに対し、厚いコ
バルト酸リチウム膜(膜厚1μm未満)では、アニーリングプロセス中に生じる体積歪み
エネルギーを最小化するために、好ましい(101)‐(104)配向が生じることを報
告している。非特許文献2は、アニーリングによって結晶化したX線非晶質膜が得られる
ことを記載している。一部の膜ではX線回折パターンにCo
2
O
3
、Co
3
O
4
、Li
1
.47
Co
3
O
4
、及びPt
3
O
4
が観察されるものの、これらについての更なる記載は
ない。加熱前の膜がX線非晶質であると記載があるため、これらはアニーリングプロセス
の副生成物であると考えることができる。また、非特許文献2は基板温度の影響について
も論じている。高温堆積時には、結晶粒が大きくなり、空隙の割合が増加する(すなわち
、材料中の空いた空間の割合が、総体積に対する空隙の体積の割合として増加する)。非
特許文献2は、Co
3
O
4
を膜に導入したりシーディング層として使用したりする試みに
ついては記載しておらず、膜組成の分析も行っていない。
【0010】
非特許文献3は、パルスレーザ蒸着(PLD)で成長させた膜厚0.3~0.5μmの
コバルト酸リチウム膜の配向に対する基板の影響について記載している。非特許文献3は
、ステンレス鋼(SS)基板では表面が粗くランダムな配向の膜が得られる一方、シリカ
/シリコン(SiO
2
/Si;SOS)基板では、好ましい(003)配向を持つ比較的
滑らかな表面が得られると記載している。同文献に記載された電気化学的性質(electroc
hemistry)は、SS上に堆積した粗い膜は膜の利用度が高いのに対し、SOS上に堆積し
た滑らかな膜は容量保持能が高く、構造的に安定していることを示している。同文献は、
X線回折パターン中の基板以外のピークは全てLiCoO
2
薄膜に起因し、XRDディフ
ラクトグラムではCo
3
O
4
などの不純物のピークは観察されないことを報告している。
(【0011】以降は省略されています)
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