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公開番号2024019746
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-13
出願番号2022122402
出願日2022-07-31
発明の名称グラフェン接合体同士の間隙にグラフェンの集まりを析出させ、該グラフェンの集まりの摩擦圧接によって、グラフェン接合体同士を接合させ、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を製造する方法
出願人個人
代理人
主分類C01B 32/194 20170101AFI20240205BHJP(無機化学)
要約【課題】より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】グラフェンの集まり3をメタノールに分散した懸濁液と、グラフェン接合体4の集まりを混合し、混合物を容器に注入する。容器に3方向の振動加速度を繰り返し加え、面を上にしてグラフェンの集まりを平面状に並ばせ、また、面を上にしてグラフェン接合体の集まりを平面状に並ばせる。この後、メタノールを気化させ、容器内のグラフェン接合体の集まりを圧縮する。これによって、グラフェン接合体同士の間隙を埋め尽くしたグラフェンの集まりが、グラフェン接合体に摩擦圧接し、また、グラフェン同士が摩擦圧接し、摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して、グラフェン接合体同士が接合され、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体が形成される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
グラフェン接合体同士の間隙にグラフェンの集まりを析出させ、該グラフェンの集まりの摩擦圧接によって、グラフェン接合体同士を接合させ、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を製造する方法は、
グラフェンの集まりをメタノールに分散した懸濁液を作成し、グラフェン接合体の集まりを、前記グラフェンの集まりの重量より多い重量として秤量し、該グラフェン接合体の集まりを、前記懸濁液に混合して第一の混合物を作成する第一の工程と、
前記第一の混合物の一部を容器に注入し、該容器に、左右、前後、上下の3方向の0.3-0.5Gからなる振動加速度を、各々の方向に順番に繰り返し加え、最後に、0.3-0.5Gからなる上下方向の振動加速度を加える、これによって、前記グラフェンの集まりが前記メタノールを介して面を上にして平面状に並ぶとともに、前記グラフェン接合体の集まりも前記メタノールを介して面を上にして平面状に並び、該グラフェンの集まりと、該グラフェン接合体の集まりとが、ランダムにメタノール中で積層して、メタノール中に分散した第二の混合物を作成する第二の工程と、
前記容器を前記メタノールの沸点に昇温し、該容器から前記メタノールを気化させ、前記面を上にして平面状に並んだグラフェンの集まりと、前記面を上にして平面状に並んだグラフェン接合体の集まりが、互いに重なり合ってランダムに積層し、前記全てのグラフェン接合体同士の間隙が前記グラフェンの集まりで埋め尽くされた第三の混合物が、前記容器の底面に形成される第三の工程と、
前記第三の混合物の表面全体を板材で覆い、該板材の表面全体を均等に圧縮し、前記第三の混合物の表面全体を均等に圧縮する、これによって、前記全てのグラフェン接合体同士の間隙を埋め尽くした前記グラフェンの集まりが、前記グラフェン接合体に摩擦圧接するとともに、前記グラフェン同士が摩擦圧接し、前記全てのグラフェン接合体同士の間隙が、前記摩擦圧接したグラフェンの集まりで埋め尽くされ、該摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して、前記グラフェン接合体同士が接合され、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体が前記容器の底面に該底面の形状として形成される第四の工程と、
前記容器の底面の5-9個所に、0.3-0.5Gからなる衝撃加速度を断続的に繰り返し加え、該容器の底面に形成された前記グラフェン接合体を、該容器の底面から引き剥がし、該グラフェン接合体を取り出す第五の工程とからなり、
前記した5つの工程における全ての処理を順番に連続して実施することで、グラフェン接合体同士の間隙にグラフェンの集まりを析出させ、該グラフェンの集まりの摩擦圧接によって、グラフェン接合体同士が接合され、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体が製造される方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載したグラフェンの集まりがメタノールに分散した懸濁液を作成する方法は、
2枚の平行平板電極からなる電極板対の一方の平行平板電極を容器に配置させ、該一方の平行平板電極の表面に、鱗片状黒鉛粒子の集まりないしは塊状黒鉛粒子の集まりを平坦に引き詰め、さらに、前記容器にメタノールを注入し、前記一方の平行平板電極と前記鱗片状黒鉛粒子の集まりないしは前記塊状黒鉛粒子の集まりを、前記メタノール中に浸漬させる、さらに、前記電極板対を構成する他方の平行平板電極板を、前記鱗片状黒鉛粒子の集まりないしは前記塊状黒鉛粒子の集まりを介して、前記一方の平行平板電極の上に重ね合わせ、前記2枚の平行平板電極からなる電極板対を前記メタノール中に浸漬させる、この後、該電極板対の間隙に、前記鱗片状黒鉛粒子ないしは前記塊状黒鉛粒子を形成する黒鉛結晶からなる基底面の層間結合を破壊させることができる大きさからなる直流の電位差を印加する、これによって、該直流の電位差の大きさを前記電極板対の間隙の大きさで割った値に相当する電界が、前記鱗片状黒鉛粒子の集まりないしは前記塊状黒鉛粒子の集まりに印加され、該電界の印加によって、前記鱗片状黒鉛粒子ないしは前記塊状黒鉛粒子を形成する黒鉛結晶からなる基底面の層間結合の全てが同時に破壊され、前記電極板対の間隙に前記基底面からなるグラフェンの集まりが析出する、この後、前記電極板対の間隙を拡大し、さらに、該電極板対をメタノール中で傾斜させ、さらに、前記容器に左右、前後、上下の3方向の0.2-0.3Gからなる振動加速度を、各々の方向に順番に加え、前記グラフェンの集まりを、前記電極板対の間隙から前記メタノール中に移動させる、この後、前記容器から前記電極板対を取り出す、
前記した全ての処理を順番に連続して実施することで、グラフェンの集まりがメタノールに分散した懸濁液が作成される方法。
【請求項3】
請求項1に記載したより面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を製造する方法は、
請求項1に記載したグラフェン接合体の集まりが、同一の形状と同一の厚みからなる複数のグラフェン接合体であって、該同一の形状と同一の厚みからなる複数のグラフェン接合体を、請求項1に記載したグラフェン接合体の集まりとして用い、請求項1に記載した製造方法に従って、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を製造する方法。
【請求項4】
請求項3に記載した同一の形状と同一の厚みからなる複数のグラフェン接合体を同時に製造する方法は、
同一の形状と、同一の深さとからなる複数の溝を容器に形成し、請求項1に記載したグラフェンの集まりがメタノールに分散した懸濁液の同じ量を、前記複数の溝の各々の溝に注入し、さらに、前記容器に対し、左右、前後、上下の3方向の0.3-0.5Gからなる振動加速度を、各々の方向に順番に繰り返し加え、最後に、0.3-0.5Gからなる上下方向の振動加速度を加える、これによって、前記溝に注入した懸濁液における前記メタノール中に分散されたグラフェンの集まりが、前記メタノール中で面を上にして平面状に並ぶとともに、該平面状に並んだグラフェンの集まりが、前記メタノールを介して互いに重なり合ったグラフェンの集まりが前記溝内に形成される第一の工程と、
前記容器を前記メタノールの沸点に昇温し、前記複数の溝から前記メタノールを気化させ、該複数の溝の底面に、前記平面状に並んだグラフェンの集まりが、互いに重なり合って積層した該グラフェンの集まりを形成させる、この後、前記容器の複数の溝の側面と接触する位置に形成される第一の特徴と、前記複数の溝の深さより長さが長い同一の長さを持つ第二の特徴と、前記複数の溝と同じ数からなる第三の特徴とを兼備する複数の突起を形成した板材を用意し、該板材の複数の突起が、前記容器の複数の溝に挿入するように、該板材を前記容器の上に重ね合わせ、該板材の前記突起が形成された反対側の表面の全体を均等に圧縮し、前記複数の突起の先端が、前記複数の溝の底面に形成された前記平面状に並んだグラフェンの集まりが互いに重なり合って積層した該グラフェンの集まりを圧縮する、これによって、該平面状に並んで重なり合ったグラフェン同士が、該重なり合った面で摩擦圧接し、該摩擦圧接で接合したグラフェンの集まりからなるグラフェン接合体が前記複数の溝の底面に、該底面の形状として形成される第二の工程と、
前記複数の溝が形成された前記容器の底面に該当する複数の部位に、0.3-0.5Gからなる衝撃加速度を断続的に繰り返し加え、前記複数の溝の底面に形成された前記グラフェン接合体を、該複数の溝の底面から引き剥がし、該グラフェン接合体を前記複数の溝から取り出す第三の工程とからなり、
前記した3つの工程における全ての処理を順番に連続して実施することで、同一の形状と同一の厚みからなる複数のグラフェン接合体が複数の溝に同時に製造される、同一の形状と同一の厚みからなる複数のグラフェン接合体を同時に製造する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全てのグラフェン接合体同士の間隙を、面を上にして析出したグラフェンの集まりで埋め尽くし、この後、グラフェン接合体の集まりを圧縮し、グラフェンの集まりをグラフェン接合体に摩擦圧接させるとともに、グラフェン同士が摩擦圧接し、該グラフェンの集まりの摩擦圧接を介してグラフェン接合体同士が接合され、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を形成させる発明である。
つまり、グラフェンの厚みが0.332nmと極めて薄いため、グラフェンの厚みに対する面積の比率であるアスペクト比が極めて大きい。また、グラフェンの面同士を接合したグラフェン接合体は、グラフェン接合体の厚みの増大に比べ、グラフェン接合体の面積の増大が著しく大きくなるため、厚みに対する面積の比率であるアスペクト比がさらに大きい。いっぽう、グラフェンの大きさは、グラフェン接合体の大きさより著しく小さい。従って、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を形成するに当たり、グラフェン接合体同士を直接摩擦圧接するより、グラフェン接合体同士の間隙に、グラフェンの集まりが面を上にして析出させ、該グラフェンの集まりの摩擦圧接によって、グラフェン接合体同士を接合する方が容易である。
これによって、接合するグラフェン接合体の数が多くなるほど、また、接合するグラフェン接合体の面積が大きいほど、ないしは、厚みが厚いほど、接合されたグラフェン接合体の面積が大きく、ないしは、厚みが厚い。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
面を上にしてグラフェン同士が接合したグラフェン接合体は、グラフェンに近い性質を持つ。また、グラフェン接合体同士を、面を上にしたグラフェンの集まりによって接合したグラフェン接合体は、グラフェンに近い性質を持つ。つまり、グラフェンの厚み方向の熱伝導率は小さく、面方向に熱が優先して伝わる。また、グラフェンの厚み方向の導電率は小さく、面方向に電子が優先して伝わる。このように、グラフェンの性質は異方性を持つ。従って、グラフェン接合体の面同士が、面同士で接合したグラフェンの集まりによって接合すれば、接合したグラフェン接合体は、全てのグラフェンが平面状に並んで接合したグラフェン接合体で構成されるため、グラフェンに近い性質を持つ。いっぽう、グラフェンの厚みが0.332nmと極めて薄く、グラフェンの厚みに対する面積の比率であるアスペクト比が極めて大きい。さらに、グラフェン同士を接合したグラフェン接合体は、接合したグラフェンの枚数に比べ、接合したグラフェンによる面積の増加の方が著しく大きくなり、グラフェン接合体のアスペクト比は、グラフェンのアスペクト比よりさらに大きい。このため、グラフェン同士を接合させる際には、面を上にしてグラフェン同士が接合する。また、グラフェン接合体同士を接合させる際に、面を上にしてグラフェン接合体同士が接合する。
ここで、グラフェンの性質を説明する。前記したように、グラフェンは異方性に基づく様々な優れた性質を持つ。つまり、グラフェンの厚みは0.332nmと極めて薄いため、グラフェンの性質は厚み方向に垂直な面方向の性質になる。
例えば、熱伝導率が1880W/mKで、金属の中で最も熱伝導率が高い銀の熱伝導率の4.5倍に相当する熱伝導率を持つ。体積固有抵抗率は1.3μΩcmで、金属の中で最も体積固有抵抗率が小さい銀の体積固有抵抗率である1.6μΩcmよりさらに小さい。融点が3000℃を超える単結晶材料で、耐熱温度が3000℃を超える。破断強度が42N/mであり、鋼の100倍を超える強度を持ち、ヤング率が1020GPaと極めて大きい強靭な素材である。酸およびアルカリと反応しないない極めて安定した物質である。いっぽう、グラフェンの面同士で接合したグラフェン接合体は、グラフェンの異方性によって、例えば、グラフェン同士が重なり合ったグラフェンの面の方向に、熱が優先して伝わり、また、グラフェンの面の方向に、電子が優先して移動する。このため、グラフェン接合体の熱伝導率はグラフェンの熱伝導率に近く、導電率はグラフェンの導電率に近い。さらに、グラフェン接合体の面同士が、面同士で接合したグラフェンの集まりによって接合したグラフェン接合体は、全てのグラフェンが平面状に並んで接合したグラフェン接合体で構成されるため、グラフェン接合体は、グラフェンの面の方向に、熱が優先して伝わり、また、グラフェンの面の方向に、電子が優先して移動する。このため、銀より優れた熱伝導性と電気導電性を持つ。
このグラフェン接合体の優れた熱伝導性と電気導電性を利用して、例えば、面積が1cm×1cmより小さく、厚みが0.1μmより薄い電極や接点として、また、例えば、面積が0.5cm×10cmで、厚みが0.1μm前後の細長い配線パターンとして用いることができる。いっぽう、グラフェンの導電性によって、グラフェン接合体は、グラフェンの体積固有抵抗率に応じた電磁波のシールド性を発揮し、電磁波遮蔽被膜として作用する。また、グラフェンの導電性によって、グラフェン接合体は、帯電防止被膜として作用する。また、グラフェンの熱伝導性によって、グラフェン接合体は、放熱被膜として作用する。さらに、グラフェン接合体の表面は、グラフェンの厚みに相当する0.332nmに過ぎない平坦度を有するため、完全な平面に近く、グラフェン接合体は、潤滑性被膜として作用する。また、グラフェンが耐食性と耐熱性とに優れているため、グラフェン接合体は、耐食性被膜や耐熱性被膜として作用する。さらに、グラフェンは、せん断弾性率が440GPaで、最も強靭な物質であるため、グラフェン接合体は、耐摩耗性被膜や非破壊性被膜として作用する。これらのグラフェン接合体からなる被膜の面積は、例えば、面積が1m×1mを超え、厚みが1μmを超える場合もある。こうした被膜を基材や部品の表面に摩擦圧接すれば、前記したグラフェン接合体の様々な性質が、基材や部品に付与できる。
前記のように、グラフェン接合体の用途が広いため、グラフェン接合体は、用途に応じた面積と厚みが必要になる。いっぽう、グラフェンのせん断弾性率が440GPaで、最も強靭な物質であるため、グラフェン接合体を切断することができない。
ところで、グラフェン接合体同士を接合し、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を形成するに当たり、グラフェン接合体同士を重ね合わせた面でグラフェン接合体同士を直接摩擦圧接させる場合は、グラフェン接合体同士が重なり合った面の比率に応じて、接合したグラフェン接合体の接合強度が変わる。従って、グラフェン接合体同士が重なり合った面の比率が高まるように、グラフェン接合体同士を重ね合わせることが必要になる。しかし、グラフェン接合体の大きさと形状にバラツキがある場合は、グラフェン接合体同士が重なり合った面の比率を高めることが困難になる。また、接合するグラフェン接合体の集まりの面積が大きくなるほど、また、厚みが厚くなるほど、グラフェン接合体の集まりを、均一に圧縮することが難しくなり、全てのグラフェン接合体を、直接摩擦圧接させることが難しくなる。
これに対し、全てのグラフェン接合体同士の間隙にグラフェンの集まりを析出させ、該全てのグラフェン接合体同士の間隙をグラフェンの集まりで埋め尽くし、この後、全てのグラフェン接合体の集まりを圧縮する。この際、グラフェンの大きさがグラフェン接合体の大きさより著しく小さいため、グラフェンの集まりが全てのグラフェン接合体に摩擦圧接し、また、グラフェン同士が摩擦圧接し、全てのグラフェン接合体同士の間隙は、摩擦圧接したグラフェンの集まりで埋め尽くされる。この結果、摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して、全てのグラフェン接合体同士が接合される。従って、グラフェン接合体同士が重なり合った面の比率の如何に関わらず、また、接合させるグラフェン接合体の集まりの大きさと厚みとに関わらず、グラフェン接合体同士が接合できる。本発明は、こうした考えに基づく。
【0003】
ここで、本発明に関わりがある本発明者の先行出願特許を説明する。
第一の先行出願特許は、メタノール中で、黒鉛粒子の集まりにおける黒鉛結晶の層間結合を同時に破壊して、グラフェンの集まりを容器内に製造し、該容器に3方向の振動を繰り返し加え、グラフェンの扁平面同士がメタノールを介して重なり合った該グラフェンの集まりを、容器の底面に該底面の形状として形成し、この後、グラフェンの集まりの上方の平面を均等に圧縮し、グラフェン同士を同時に摩擦圧接によってグラフェン接合体を製造する方法に関わる特許である(特許文献1)。
第二の先行出願特許は、有機化合物のメタノール希釈液中にグラフェンの集まりを分散させたペーストを製造し、該ペーストを新たな容器に移し、この後、新たな容器に3方向の振動加速度を繰り返し加え、グラフェン同士を有機化合物のメタノール希釈液を介して重なり合わせ、該グラフェン同士が前記有機化合物のメタノール希釈液を介して重なり合った該グラフェンの集まりを形成する方法に関わる特許である(特許文献2)。
【0004】
本発明は、全てのグラフェン接合体同士の間隙に、グラフェンの集まりを析出させ、全てのグラフェン接合体同士の間隙を、グラフェンの集まりで埋め尽くし、グラフェン接合体の集まりを圧縮し、グラフェンの集まりをグラフェン接合体に摩擦圧接させるとともに、グラフェン同士が摩擦圧接し、該摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して、グラフェン接合体同士が接合し、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を形成させる。
いっぽう、第一の先行出願は、容器の底面に重なり合ったグラフェンの集まりを形成し、グラフェンの集まりの上方の平面を均等に圧縮し、グラフェン同士を同時に摩擦圧接によってグラフェン接合体を製造する。このため、グラフェンの集まりの面積と厚みとが大きくなるほど、グラフェンの集まりを均等に圧縮することが困難になる。従って、製造するグラフェン接合体の大きさと厚みに制約がある。これに対し、本発明では、グラフェン接合体同士の間隙に、グラフェン接合体より面積が著しく小さく、厚みも著しく薄いグラフェンの集まりを析出させ、該グラフェンの集まりを摩擦圧接させ、グラフェン接合体同士を接合させるため、接合するグラフェン接合体の大きさと厚みに制約がない。このため、本発明は第一の先行出願に比べ、より面積が広く、より厚みが厚いグラフェン接合体が形成できる。
第二の先行出願では、有機化合物を介してグラフェン同士を重ね合わせたグラフェンの集まりからなるペーストを製造する方法に関わる。従って、第二の先行出願も、第一の先行出願と同様に、グラフェン接合体を製造するに当たり、グラフェン同士を同時に摩擦圧接することによってグラフェン接合体を製造するため、製造するグラフェン接合体の大きさと厚みに制約がある。これに対し、本発明では、グラフェンの集まりがメタノールに分散した懸濁液に、グラフェン接合体の集まりを混合し、該混合物を容器に注入し、メタノールを気化させた後に、混合物の表面全体を圧縮する。これによって、全てのグラフェン接合体同士の間隙を埋め尽くして析出したグラフェンの集まりが圧縮され、該グラフェンの集まりがグラフェン接合体に摩擦圧接し、また、グラフェン同士が摩擦圧接する。この摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して、グラフェン接合体同士を接合される。従って、接合するグラフェン接合体の大きさは、容器の大きさで決まり、接合するグラフェン接合体の厚みは、容器に注入する混合物の量で決まる。従って、本発明は第二の先行出願に比べ、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体が形成できる。
つまり、グラフェン接合体同士を重ね合わせ、全てのグラフェン接合体同士を同時に摩擦圧接し、さらに面積が大きい、さらに厚みが厚いグラフェン接合体を製造する際に、製造するグラフェン接合体の面積が大きくなるほど、ないしは、製造するグラフェン接合体の厚みが厚くなるほど、重ね合わせるグラフェン接合体の数が多くなり、また、重ね合わせるグラフェン接合体の面積が大きくなり、全てのグラフェン接合体を均等に圧縮し、全てのグラフェン接合体を同時に摩擦圧接することが難しくなる。
これに対し、全てのグラフェン接合体同士の間隙にグラフェンの集まりを析出させ、全てのグラフェン接合体同士の間隙をグラフェンの集まりで埋め尽くし、この後、グラフェン接合体の集まりを圧縮すると、グラフェンが、グラフェン接合体より面積が著しく小さく、厚みが著しく薄いため、グラフェンの集まりが、グラフェン接合体に容易に摩擦圧接し、また、グラフェン同士が容易に摩擦圧接し、全てのグラフェン接合体同士の間隙は、摩擦圧接したグラフェンの集まりで埋め尽くされる。この結果、摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して、グラフェン接合体同士が容易に接合される。これによって、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体が形成できる。
従って、接合するグラフェン接合体の数が多くなるほど、また、接合するグラフェン接合体の面積が大きいほど、ないしは、厚みが厚いほど、接合されたグラフェン接合体の面積が大きく、ないしは、厚みが厚い。
つまり、グラフェン接合体同士を直接摩擦圧接させる場合は、摩擦圧接されるグラフェン接合体の全ての面に圧縮応力を加える必要がある。これに対し、グラフェン接合体より著しく面積が小さく、厚みが薄いグラフェンに、圧縮応力を加えることは容易である。従って、全てのグラフェン接合体同士の間隙に、グラフェンの集まりを析出させ、該グラフェンの集まりの摩擦圧接を介して、グラフェン接合体同士を接合させることは容易である。この考えから本発明に至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特願2019-107537
特願2020-112197
特許第6166860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2段落で説明したように、グラフェン接合体の用途が広いため、グラフェン接合体は、用途に応じて面積と厚みとが大きく異なる。また、グラフェンが最も固い物質であるため、グラフェン接合体を切断することができない。従って、面積と厚みとが異なる多くの種類のグラフェン接合体が容易に製造できれば、用途に応じた面積と厚みとを有するグラフェン接合体が選択できる。
いっぽう、本発明におけるより面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を形成するに当たっては、次の3つの課題がある。本発明が解決しようとする課題は、これら3つの課題である。
第一に、全てのグラフェン接合体同士の間隙に、グラフェンの集まりを析出させ、全てのグラフェン接合体同士の間隙を、グラフェンの集まりで埋め尽くす方法を見出す。なお、グラフェンは、グラフェン接合体同士を接合させる接合材の役割を担うため、グラフェン接合体同士の間隙に析出するグラフェンの集まりは、少なくてよい。
第二、面を上にしてグラフェンの集まりを平面状にランダムに並ばせ、また、面を上にしてグラフェン接合体の集まりを平面状にランダムに並ばせ、こうしたグラフェンの集まりと、こうしたグラフェン接合体の集まりが、ランダムに積層した混合物を作成する方法を見出す。つまり、この混合物の表面全体を均等に圧縮すると、平面状に並んだグラフェン接合体同士が圧縮され、これによって、グラフェン接合体同士の間隙に積層した平面状に並んだグラフェンの集まりが圧縮され、グラフェンがグラフェン接合体に摩擦圧接するとともに、グラフェン同士が摩擦圧接し、該摩擦圧接したグラフェンの集まりによって、グラフェン接合体同士が接合され、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体が容易に形成できる。
第三に、同一の形状と同一の厚みからなるグラフェン接合体を製造する方法を見出す。つまり、同一の形状と同一の厚みからなるグラフェン接合体同士を、摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して接合したグラフェン接合体の集まりは、グラフェン接合体同士が重なり合う面積の割合が増えるため、接合したグラフェン接合体の集まりの機械的強度が高まる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明におけるグラフェン接合体同士の間隙にグラフェンの集まりを析出させ、該グラフェンの集まりの摩擦圧接によって、グラフェン接合体同士を接合させ、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を製造する方法は、
グラフェンの集まりをメタノールに分散した懸濁液を作成し、グラフェン接合体の集まりを、前記グラフェンの集まりの重量より多い重量として秤量し、該グラフェン接合体の集まりを、前記懸濁液に混合して第一の混合物を作成する第一の工程と、
前記第一の混合物の一部を容器に注入し、該容器に、左右、前後、上下の3方向の0.3-0.5Gからなる振動加速度を、各々の方向に順番に繰り返し加え、最後に、0.3-0.5Gからなる上下方向の振動加速度を加える、これによって、前記グラフェンの集まりが、前記メタノールを介して面を上にして平面状に並ぶとともに、前記グラフェン接合体の集まりも、前記メタノールを介して面を上にして平面状に並び、該グラフェンの集まりと、該グラフェン接合体の集まりとが、ランダムにメタノール中で積層して、メタノール中に分散した第二の混合物を作成する第二の工程と、
前記容器を前記メタノールの沸点に昇温し、該容器から前記メタノールを気化させ、前記面を上にして平面状に並んだグラフェンの集まりと、前記面を上にして平面状に並んだグラフェン接合体の集まりが、互いに重なり合ってランダムに積層し、前記全てのグラフェン接合体同士の間隙が前記グラフェンの集まりで埋め尽くされた第三の混合物が、前記容器の底面に形成される第三の工程と、
前記第三の混合物の表面全体を板材で覆い、該板材の表面全体を均等に圧縮し、前記第三の混合物の表面全体を均等に圧縮する、これによって、前記全てのグラフェン接合体同士の間隙を埋め尽くした前記グラフェンの集まりが、前記グラフェン接合体に摩擦圧接するとともに、前記グラフェン同士が摩擦圧接し、前記全てのグラフェン接合体同士の間隙は、前記摩擦圧接したグラフェンの集まりで埋め尽くされ、該摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して、前記グラフェン接合体同士が接合され、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体が前記容器の底面に該底面の形状として形成される第四の工程と、
前記容器の底面の5-9個所に、0.3-0.5Gからなる衝撃加速度を断続的に繰り返し加え、該容器の底面に形成された前記グラフェン接合体を、該容器の底面から引き剥がし、該グラフェン接合体を取り出す第五の工程とからなり、
前記した5つの工程における全ての処理を順番に連続して実施することで、グラフェン接合体同士の間隙にグラフェンの集まりを析出させ、該グラフェンの集まりの摩擦圧接によって、グラフェン接合体同士が接合され、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体が製造される方法である。
【0008】
本発明は、5つの工程からなる。
第一の工程は、グラフェンの集まりをメタノールに分散した懸濁液を作成し、グラフェン接合体の集まりを、グラフェンの集まりの重量より多い重量として秤量し、該グラフェン接合体の集まりを、懸濁液に混合して混合物を作成する。
つまり、グラフェンの厚みは0.332nmと極めて薄いため、殆ど質量を持たない。このグラフェンの集まりを、低粘度で低密度のメタノールに混合し、メタノールを撹拌すれば、グラフェンがメタノールに分散した懸濁液が作成される。この後、グラフェン同士を接合したグラフェン接合体を、グラフェンの集まりの重量より多い重量として秤量し、懸濁液に混合して混合物を作成する。つまり、グラフェンは、グラフェン接合体同士を接合させる接合材の役割を担うため、グラフェン接合体同士の間隙を埋め尽くすグラフェンの集まりの量は、グラフェン接合体を構成するグラフェンの量より少ない。また、グラフェン同士を接合したグラフェン接合体も、殆ど質量を持たないため、グラフェン接合体の集まりを懸濁液に混合し、メタノールを撹拌すれば、グラフェン接合体は、グラフェンとともにメタノールに容易に分散する。例えば、グラフェンを10枚重ね合わせて接合したグラフェン接合体の厚みは、僅かに3.32nmである。従って、グラフェン接合体の面積が1cm×1cmであっても、グラフェン接合体の質量は極僅かである。
第二の工程は、前記した混合物の一部を容器に注入し、容器の大きさに応じて、容器に、左右、前後、上下の3方向の0.3-0.5Gからなる振動加速度を、例えば、各々の方向の振動加速度を5秒間ずつ5回繰り返して加え、この後、上下方向の振動加速度を5秒間加える。
この際、グラフェンが殆ど質量を持たず、厚みに対する面積の比率であるアスペクト比が大きいため、メタノール中に分散されたグラフェンの集まりが、3方向の振動加速度を受けると、振動加速度の方向にメタノールとともに移動するが、グラフェンのアスペクト比が大きいため、面を上にしてメタノール中を移動するのが最もグラフェンに負荷が加わらない。このため、グラフェンは、面を上にしてメタノール中を移動する。グラフェンの集まりが3方向の振動加速度を繰り返し受けることで、グラフェンの集まりは、メタノール中でランダムに平面状に並ぶ。また、グラフェン接合体も殆ど質量を持たず、厚みに対する面積の比率であるアスペクト比は、グラフェンよりさらに大きい。このため、メタノール中に分散されたグラフェン接合体も、3方向の振動加速度を受けると、振動加速度の方向にメタノールとともに移動するが、グラフェン接合体のアスペクト比が大きいため、面を上にしてメタノール中を移動するのが最もグラフェン接合体に負荷が加わらない。このため、グラフェン接合体も、面を上にしてメタノール中を移動する。グラフェン接合体の集まりが3方向の振動加速度を繰り返し受けることで、グラフェン接合体の集まりは、メタノール中でランダムに平面状に並ぶ。なお、加える振動加速度の大きさは、溝の大きさに応じて、0.3-0.5Gからなる振動加速度を加える。
つまり、グラフェンとグラフェン接合体とは、低粘度で低密度のメタノールで覆われ、メタノール中に分散している。メタノール中に分散しているグラフェンとグラフェン接合体とが注入されている容器に、3方向の振動加速度を繰り返して加えると、低粘度で低密度のメタノールが、殆ど質量を持たないグラフェンとグラフェン接合体とを伴って振動加速度の方向に移動する。いっぽう、グラフェンのアスペクト比を、厚みに対する面積の比率とすると、厚みが僅かに0.322nmであるため、アスペクト比は極めて大きい。また、グラフェン接合体は、厚みがグラフェンより厚いが、面積がグラフェンより著しく大きいため、グラフェン接合体のアスペクト比は、グラフェンのアスペクト比より著しく大きい。いっぽう、グラフェンとグラフェン接合体は、アスペクト比が大きいため、面を上にしてメタノール中を移動するのが、グラフェンとグラフェン接合体に最も負荷が加わらない。このため、グラフェンとグラフェン接合体は、面を上にしてメタノール中を移動し、繰り返し3方向の振動加速度を受けることで、グラフェンとグラフェン接合体はメタノール中でランダムに平面状に並ぶ。この結果、面を上にして平面状に並んだグラフェンの集まりと、面を上にして平面状に並んだグラフェン接合体の集まりとが、ランダムにメタノール中で積層し、かつ、メタノール中に分散した混合物が、容器に形成される。最後に、上下方向の振動加速度を加え、平面状に並んだグラフェンの集まりと、平面状に並んだグラフェン接合体の集まりとが、互いに重なり合ってメタノール中にランダムに積層した混合物が、確実に容器に形成される。なお、容器に加える振動加速度の大きさは、容器の大きさに応じて、0.3-0.5Gからなる振動加速度を加える。これによって、6段落に記載した第二の課題が解決される。
第三の工程は、容器をメタノールの沸点に昇温し、容器からメタノールを気化させ、面を上にして平面状に並んだグラフェンの集まりと、面を上にして平面状に並んだグラフェン接合体の集まりが、互いに重なり合ってランダム積層した混合物が、容器の底面に該底面の形状として形成される。いっぽう、グラフェンの大きさが、グラフェン接合体の大きさより、著しく小さいため、メタノールを気化させると、グラフェン接合体同士の間隙を埋め尽くしてグラフェンの集まりが析出する。この結果、平面状に並んだ全てのグラフェン接合体同士の間隙が、平面状に並んだグラフェンの集まりで埋め尽くされる。これによって、6段落に記載した第一の課題が解決される。
第四の工程は、容器内に形成された混合物の表面全体を板材で覆い、該板材の表面全体を均等に圧縮し、混合物の表面全体を均等に圧縮する。これによって、全てのグラフェン接合体同士の間隙を埋め尽くして析出したグラフェンの集まりが、グラフェン接合体に摩擦圧接するとともに、グラフェン同士が摩擦圧接し、グラフェン接合体同士の全ての間隙は、摩擦圧接したグラフェンの集まりで埋め尽くされる。この結果、摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して、グラフェン接合体同士が接合され、より面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体が容器の底面に該底面の形状として形成される。なお、混合物の表面に存在するグラフェン接合体と、混合物の裏面に存在するグラフェン接合体との双方のグラフェン接合体も、面を埋め尽くして析出したグラフェンの集まりが、グラフェン接合体の表面に摩擦圧接するとともに、グラフェン同士が摩擦圧接し、摩擦圧接したグラフェンがグラフェン接合体の表面に摩擦圧接する。
第五の工程は、容器の底面の5-9個所に、0.3-0.5Gからなる衝撃加速度を断続的に繰り返し加え、容器の底面に形成されたグラフェン接合体を、容器の底面から引き剥がし、グラフェン接合体を取り出す。
【0009】
以上に説明した方法で形成したグラフェン接合体は、グラフェン同士が面を上にして重なり合い、重なり合ったグラフェン同士が摩擦熱で直接接合し、また、摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して、グラフェン接合体同士が接合した。このため、グラフェン接合体は、面同士が重なり合ったグラフェンの集まりで構成されるため、2段落に記載したグラフェンに近い性質を持つ。
第一に、グラフェンが20枚重なり合って接合したグラフェン接合体の厚みは、僅かに6.64nmであり、大きさが1cm×1cmのグラフェン接合体であっても、重量は僅かである。このグラフェン接合体の10枚が、10層を形成して重なり合ったグラフェンによって接合しても、厚みは僅かに3.32nmに過ぎない。従って、グラフェン接合体同士が接合しても、重量は極めて小さい。このため、グラフェン接合体の重量は極めて小さく、殆ど質量を持たない。
第二に、グラフェン接合体が、面を上にして接合したグラフェンの集まりで構成されるため、グラフェン接合体は、重なり合ったグラフェンの面の方向に熱が優先して伝わる。このため、グラフェン接合体の熱伝導率は、グラフェンの熱伝導率に近い。つまり、グラフェンの厚み方向の熱伝導率は極めて小さく、面方向に熱が優先して伝わる。従って、グラフェン接合体は、銀より優れた熱伝導性を持つ基板として作用する。
第三に、グラフェン接合体に照射された電磁波は、重なり合ったグラフェンの面の方向に電磁波が伝わり、グラフェンの体積固有抵抗率に応じた電磁波のシールド性を発揮する。このため、銀より優れた電磁波シールド性を被膜として作用する。
第四に、厚みに対する面積の比率であるアスペクト比が極めて大きいグラフェンが、グラフェン同士が重なり合った面で強固に接合するため、グラフェン接合体の機械的強度は、グラフェンの機械的強度に近い。グラフェンの破断強度が42N/mと大きく、鋼の100倍を超える強度を持つため、極めて高い破断強度を持つ被膜として作用する。
第五に、摩擦熱でグラフェン同士が接合したグラフェン接合体の耐熱性は、グラフェンの耐熱性に近い。このため、金属の融点を超える耐熱性を持つ被膜として作用する。
第六に、グラフェン接合体の形状と面積は、混合物を注入する容器の形状に応じて自在に変えられる。いっぽう、グラフェンの大きさが、グラフェン接合体の大きさより著しく小さいため、混合物からメタノールを気化させると、全てのグラフェン接合体同士の間隙を埋め尽くして平面状に並んだグラフェンの集まりが析出する。この結果、全てのグラフェン接合体同士の間隙が、平面状に並んだグラフェンの集まりで埋め尽くされる。この後、混合物を圧縮すると、グラフェンの集まりが、全てのグラフェン接合体に摩擦圧接するとともに、グラフェン同士が摩擦圧接し、全てのグラフェン接合体同士が、摩擦圧接したグラフェンの集まりを介して接合される。従って、製造するグラフェン接合体の形状と面積に制約がない。
第七に、接合するグラフェン接合体の数が多くなるほど、また、接合するグラフェン接合体の面積が大きいほど、ないしは、厚みが厚いほど、接合されたグラフェン接合体の面積が大きく、ないしは、厚みが厚くなる。従って、本発明におけるより面積が広く、厚みが厚いグラフェン接合体を製造するグラフェン接合体の大きさと厚みに制約がない。このため、面積と厚みとが異なる多くの種類のグラフェン接合体が容易に製造でき、用途に応じた面積と厚みとを有するグラフェン接合体が選択できる。
【0010】
7段落に記載したグラフェンの集まりがメタノールに分散した懸濁液を作成する方法は、
2枚の平行平板電極からなる電極板対の一方の平行平板電極を容器に配置させ、該一方の平行平板電極の表面に、鱗片状黒鉛粒子の集まりないしは塊状黒鉛粒子の集まりを平坦に引き詰め、さらに、前記容器にメタノールを注入し、前記一方の平行平板電極と前記鱗片状黒鉛粒子の集まりないしは前記塊状黒鉛粒子の集まりを、前記メタノール中に浸漬させる、さらに、前記電極板対を構成する他方の平行平板電極板を、前記鱗片状黒鉛粒子の集まりないしは前記塊状黒鉛粒子の集まりを介して、前記一方の平行平板電極の上に重ね合わせ、前記2枚の平行平板電極からなる電極板対を前記メタノール中に浸漬させる、この後、該電極板対の間隙に、前記鱗片状黒鉛粒子ないしは前記塊状黒鉛粒子を形成する黒鉛結晶からなる基底面の層間結合を破壊させることができる大きさからなる直流の電位差を印加する、これによって、該直流の電位差の大きさを前記電極板対の間隙の大きさで割った値に相当する電界が、前記鱗片状黒鉛粒子の集まりないしは前記塊状黒鉛粒子の集まりに印加され、該電界の印加によって、前記鱗片状黒鉛粒子ないしは前記塊状黒鉛粒子を形成する黒鉛結晶からなる基底面の層間結合の全てが同時に破壊され、前記電極板対の間隙に前記基底面からなるグラフェンの集まりが析出する、この後、前記電極板対の間隙を拡大し、さらに、該電極板対をメタノール中で傾斜させ、さらに、前記容器に左右、前後、上下の3方向の0.2-0.3Gからなる振動加速度を、各々の方向に順番に加え、前記グラフェンの集まりを、前記電極板対の間隙から前記メタノール中に移動させる、この後、前記容器から前記電極板対を取り出す、
前記した全ての処理を順番に連続して実施することで、グラフェンの集まりがメタノールに分散した懸濁液が製造される方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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