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公開番号2024019707
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-09
出願番号2023220531,2020538548
出願日2023-12-27,2019-06-20
発明の名称光学的なオレンジの皮を有さない化学強化されたガラスおよびその製造方法
出願人ショット グラス テクノロジーズ (スゾウ) カンパニー リミテッド,SCHOTT GLASS TECHNOLOGIES (SUZHOU) CO., LTD.
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人,個人
主分類C03C 21/00 20060101AFI20240202BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】ガラス物品が最大0.07mmの厚さを有し且つ反射光の下で検査される際に光学的なオレンジの皮を有さない化学強化されたガラス物品、並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】前記の課題は、最大0.07mmの厚さを有する薄ガラス物品を化学強化するための方法であって、以下の段階: ガラス物品を、特定の強化温度を有する溶融塩の浴中に、特定の強化時間の間浸漬させる段階; 強化されたガラス物品を前記塩浴から持ち上げる段階; 強化されたガラス物品を特定の保持時間の間、強化後に保持する段階、ここで、保持温度は、塩浴の融点より高く且つ強化されたガラス物品の転移温度(Tg)よりも低くなるように選択される; 強化されたガラス物品を冷却して洗浄する段階を含む、前記方法によって解決される。
【選択図】図16
特許請求の範囲【請求項1】
最大0.07mmの厚さを有する薄ガラス物品を化学強化するための方法であって、以下の段階:
・ ガラス物品を、特定の強化温度を有する溶融塩の浴中に、特定の強化時間の間浸漬させる段階、
・ 強化されたガラス物品を前記塩浴から持ち上げる段階、
・ 強化されたガラス物品を特定の保持時間の間、強化後に保持する段階、ここで、保持温度は、塩浴の融点より高く且つ強化されたガラス物品の転移温度(T
g
)よりも低くなるように選択される、
・ 強化されたガラス物品を冷却して洗浄する段階
を含む、前記方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
強化されたガラス物品の持ち上げを、<10m/分、好ましくは<5m/分、より好ましくは<1m/分、好ましくは<0.8m/分、より好ましくは<0.6m/分、また好ましくは<0.5m/分である持ち上げ速度で実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
強化されたガラス物品の持ち上げを、>0.001m/分、好ましくは>0.005m/分、好ましくは>0.01m/分、好ましくは>0.03m/分、好ましくは>0.05m/分である持ち上げ速度で実施する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
強化後の保持温度と強化温度との間の差が、<200℃、好ましくは<100℃、好ましくは<70℃、好ましくは<55℃、好ましくは<40℃、好ましくは<20℃、または<10℃である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
強化後の保持温度が、>350℃、好ましくは>360℃、好ましくは>370℃、好ましくは>380℃、好ましくは>390℃、好ましくは>400℃、好ましくは>410℃、好ましくは>420℃である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
強化後の保持時間が、<120分、好ましくは<80分、好ましくは<40分、好ましくは<20分、好ましくは<10分、好ましくは≦5分である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
強化後の保持時間が、>0秒、好ましくは>5秒、好ましくは>15秒、好ましくは>30秒、好ましくは>1分、好ましくは≧2分である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
強化の設定、持ち上げの設定および/または強化後の保持の設定が、強化されたガラス物品の1つの表面に付着する塩残留物の厚さが<9/10×t、好ましくは<7/10×t、好ましくは<5/10×t、好ましくは<3/10×t、好ましくは<1/10×tであるように選択され、ここでtはガラス物品の厚さである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
強化されたガラス物品の1つの表面に付着する塩残留物のTTV(全体の厚さばらつき)が、<9/10×t、好ましくは<7/10×t、好ましくは<5/10×t、好ましくは<3/10×t、好ましくは<1/10×tであり、ここでtはガラス物品の厚さである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
塩浴中の不純物含有率(一価のイオンのモル濃度)を、<5000ppm、好ましくは<3000ppm、好ましくは<2000ppm、好ましくは<1000ppm、好ましくは<700ppm、好ましくは<500ppm、好ましくは<400ppm、好ましくは<300ppm、好ましくは<200ppm、好ましくは<100ppm、好ましくは<50ppm、好ましくは<20ppmであるように制御する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス物品が最大0.07mmの厚さを有し且つ反射光の下で検査される際に、光学的なオレンジの皮を有さない化学強化されたガラス物品、およびそのような化学強化されたガラス物品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
種々の組成を有する薄ガラスは、透明性、高い化学的耐性および耐熱性、および定義された化学的特性および物理的特性が重要である多くの用途のために適した基板材料である。例えば、無アルカリガラスは、ディスプレイパネルのために、およびウェハ形式における電子的なパッケージング材料として使用され得る。アルカリ含有シリケートガラスは、フィルタコーティング基板、タッチセンサ基板および指紋センサモジュールのカバーのために使用される。
【0003】
アルミノシリケート(AS)ガラス、リチウムアルミノシリケート(LAS)ガラス、ホウケイ酸ガラスおよびソーダライムガラスは、指紋センサ(FPS)用のカバー、保護カバーおよびディスプレイカバーなどの用途のために幅広く使用されている。それらの用途において、前記ガラスは通常、特別な試験、例えば2点曲げ(2PB)、球の落下、ペンの落下、鋭利物衝撃耐性、鋭利物接触耐性、引掻耐性およびその他によって測定される高い機械的強度を達成するために化学強化される。
【0004】
現在、製品の新たな機能性およびより広い用途分野についての継続的な要請により、高い強度と柔軟性とを有するさらにより薄く且つ軽いガラス基板およびカバーガラスが必要とされている。適したガラスは超薄ガラス(UTG)である。超薄ガラス(UTG)が典型的に適用される分野は、精密電子機器の保護カバーであり、例えばUTGを、消費者用電子機器のためのフレキシブル且つ折りたたみ可能なディスプレイガラスなどとして使用できる。現在、製品の新たな機能性に対する高まる要請、および新規且つ広範な用途の探索により、新たな特性、例えば柔軟性を有するより薄く且つ軽いガラス基板が必要とされている。UTGの柔軟性に起因して、そのようなガラスは、例えばスマートホン、タブレット、時計および他のウェアラブル機器などの機器のためのカバーガラスおよびディスプレイとして調査および開発されてきた。そのようなガラスは、指紋センサモジュールのカバーガラスとして、およびカメラのレンズカバーとしても使用され得る。
【0005】
しかしながら、純粋なガラスの機械的特性および性能のいくつか(例えば衝撃耐性および曲げ性)は、UTGの非常に薄い厚さゆえに十分ではない。機械的性能を高めるための1つの有効な手段は、化学強化、つまり、イオン交換による表面の変性である。
【0006】
化学強化は、例えばディスプレイ用途のためのカバーガラスとして使用されるソーダライムガラスまたはアルミノシリケート(AS)ガラスまたはリチウムアルミノシリケート(LAS)ガラスまたはホウケイ酸ガラスなどのガラスの強度を高めるための、ガラスについての周知の方法である。この状況下で、表面圧縮応力(CS)は典型的には100~1000MPaであり、且つイオン交換層の深さはガラスの厚さに依存する。
【0007】
しかしながら、ガラスシートが0.5mmより薄くなってくると、主に、破壊をもたらす欠陥、例えばクラックおよびガラス端部での欠けに起因して、取り扱いがどんどん困難になる。また、全体の機械的強度、つまり曲げ強度または衝撃強度に反映される強度は、著しく低下する。従って、薄いガラスについてガラスの強化は極めて重要である。しかしながら、超薄ガラスの強化は、ガラスの高い内部引張応力に起因して、自己破壊のリスクを常に伴う。
【0008】
典型的には、0.4mm未満の厚さの超薄板ガラスは、直接的な熱間成型法、例えばダウンドロー、オーバーフローフュージョンまたは特別なフロート法によって製造できる。リドロー法も可能である。化学的な方法または物理的な方法によって後処理された(例えば研削および研磨によって製造された)薄いガラスと比較して、直接的に熱間成型された薄いガラスは、遙かに良好な表面均一性および表面粗さを有し、なぜなら、表面が高温溶融状態から室温へと冷却されるからである。ダウンドロー法を使用して、0.3mmより薄い、またはさらには0.07mmより薄いガラス、例えばアルミノシリケートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、アルカリホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラスまたは無アルカリアルミノホウケイ酸ガラスを製造できる。
【0009】
UTGの化学強化は説明されている(例えば国際公開第2014/139147号(WO2014/139147A1))。
【0010】
化学強化するために、ガラス物品を、予め決められた温度を有する少なくとも1つの溶融塩の特別な浴中に、定義された時間の間入れる。強化の間、ガラス物品の表面でイオン交換が生じ、そこでは、より小さなカチオン(特に一価のカチオン)がより大きな半径を有するカチオンによって置き換えられる。強化工程後、ガラス物品は塩浴から持ち上げられ、引き続き冷却および洗浄される。
(【0011】以降は省略されています)

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