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公開番号
2024017000
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-02-08
出願番号
2022119342
出願日
2022-07-27
発明の名称
グロメット
出願人
矢崎総業株式会社
代理人
弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
主分類
H02G
3/22 20060101AFI20240201BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】重量の増加を抑えつつ貫通孔の周縁部に対する保持力を確保すること。
【解決手段】円環状の嵌合体10と、一方の空間で配索材Weを挿通させる第1筒体20と、他方の空間で配索材によって拡管される第2筒体30と、外周縁部を嵌合体に連結させ且つ内周縁部を第1筒体に連結させた第1隔壁41と、外周縁部を嵌合体に連結させた第2隔壁42と、内周縁部を第2筒体に連結させた第3隔壁43と、第3隔壁の外周縁部から第1隔壁側に向けて突出させ且つその端部を第2隔壁の内周縁部よりも径方向内側に配置させた第4隔壁44と、第2隔壁の内周縁部と第4隔壁の端部とを連結させた連結壁45と、第2隔壁の外壁面から軸周りに複数膨出させ、かつ、第4隔壁の外壁面に対して径方向外側に隙間を空けて対向配置させた外部係止体51と、外部係止体よりも径方向内側で第3隔壁と第4隔壁の内壁面から外部係止体毎に膨出させた被係止体52と、を有すること。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
2つの空間の間で配索材を通す円形の貫通孔に配置され、かつ、前記貫通孔の周縁部に内径側から嵌め込ませる円環状の嵌合溝が設けられた円環状の嵌合体と、
前記嵌合体よりも小径の円筒形状に形成され、かつ、一方の前記空間で前記嵌合体の軸線と同軸上に配置され、かつ、筒内に前記配索材を挿通させる第1筒体と、
前記嵌合体よりも小径の円筒形状に形成され、かつ、他方の前記空間で前記軸線と同軸上に配置され、かつ、筒内に挿通させた前記配索材で拡管される第2筒体と、
前記軸線と同軸上で円形のドーナツ状に形成され、かつ、その外周縁部を前記一方の空間で前記嵌合体に連結させ、かつ、その内周縁部を前記第1筒体の一端に連結させた第1隔壁と、
前記軸線と同軸上で円形のドーナツ状に形成され、かつ、その外周縁部を前記他方の空間で前記嵌合体に連結させた第2隔壁と、
前記軸線と同軸上で円形のドーナツ状に形成され、かつ、その内周縁部を前記他方の空間で前記第2筒体の一端に連結させた第3隔壁と、
前記第3隔壁の外周縁部から前記第1隔壁側に向けて突出させ、かつ、前記第1隔壁側の円環状の端部を前記第2隔壁の内周縁部よりも径方向内側に配置させた円環状の第4隔壁と、
前記第2隔壁の前記内周縁部と前記第4隔壁の前記端部とを連結させた円環状の連結壁と、
前記第2隔壁の外壁面から前記軸線の軸周りに等間隔で複数膨出させ、かつ、前記第4隔壁の外壁面に対して径方向外側に隙間を空けて対向配置させた外部係止体と、
前記外部係止体よりも径方向内側で前記第3隔壁及び前記第4隔壁のそれぞれの内壁面から前記外部係止体毎に膨出させた被係止体と、
を有することを特徴としたグロメット。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記被係止体は、前記第2筒体が前記第1筒体側への力を前記配索材から受けた際の前記第2隔壁の前記外周縁部と前記第3隔壁の前記内周縁部と前記連結壁のそれぞれの撓みに伴って、前記第4隔壁を介して前記外部係止体を係止することを特徴とした請求項1に記載のグロメット。
【請求項3】
前記被係止体は、前記第2筒体が前記第1筒体側への力を前記配索材から受けた際の前記第2隔壁の前記外周縁部と前記第3隔壁の前記内周縁部と前記連結壁のそれぞれの撓みに伴って、前記第4隔壁を介して前記外部係止体を係止し、かつ、その係止状態で前記第4隔壁を介して前記外部係止体から反力を受けているときに変形不能な形状に形成され、
前記外部係止体は、前記係止状態で前記第4隔壁を介して前記被係止体に力を加えているときに変形不能な形状に形成されることを特徴とした請求項1に記載のグロメット。
【請求項4】
前記外部係止体の裏側で前記第2隔壁の内壁面から前記外部係止体毎に膨出させ、かつ、前記嵌合体における前記嵌合溝の溝底よりも径方向内側の円環状の内周面に対して径方向内側に隙間を空けて対向配置させた内部係止体を有することを特徴とした請求項1,2又は3に記載のグロメット。
【請求項5】
前記内部係止体は、前記第2筒体が前記第1筒体側への力を前記配索材から受けた際の前記第2隔壁の前記外周縁部と前記第3隔壁の前記内周縁部と前記連結壁のそれぞれの撓みに伴って、前記嵌合体における前記嵌合溝の溝底よりも径方向内側の前記内周面に係止させることを特徴とした請求項4に記載のグロメット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、グロメットに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、2つの空間の間の貫通孔に電線等の配索材を通す際には、その配索材を貫通孔の周縁部から保護するためのグロメットが設置されることがある。そして、そのグロメットについては、水等の液体が2つの空間を行き来せぬように、防液性を持たせることがある。このグロメットは、貫通孔の周縁部に嵌合させる円形のドーナツ状の本体と、この本体と同軸上に配置され、かつ、内周面側を配索材の外周面に密着させる円筒の筒体と、本体の内周縁部と筒体の一端を繋ぐ円環状の連結体と、を有している。例えば、この種のグロメットについては、下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-85748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のグロメットの本体は、周方向に亘って複数に分割された分割体を有しており、それぞれの分割体が連結体を介して筒体に繋がれている。このグロメットにおいては、筒体が筒軸方向の力を配索材から受けた際に、連結体を撓ませ且つ本体の複数の分割体を変形させ、それぞれの分割体を筒体の外周面に係止させることによって、本体のこれ以上の変形を抑止している。また、このグロメットにおいては、筒体が筒軸方向の力を配索材から受けた際に、連結体を撓ませ且つ本体の複数の分割体を変形させ、それぞれの分割体を周方向の隣同士で係止させ合うことによって、本体のこれ以上の変形を抑止している。従来のグロメットは、その何れの形態を採るにせよ、本体のこれ以上の変形を抑止することによって、貫通孔の周縁部に対する本体の保持力の低下を抑え、この本体を貫通孔の周縁部から脱離させないようにしている。しかしながら、従来のグロメットは、本体の大径化に伴って、それぞれの分割体の体格も大きくしなければ、筒体が筒軸方向の力を配索材から受けた際の本体の変形を抑えることができない。このため、従来のグロメットは、本体の大径化が進むほど、重量が大きく増加してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、重量の増加を抑えつつ貫通孔の周縁部に対する保持力を確保できるグロメットを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、2つの空間の間で配索材を通す円形の貫通孔に配置され、かつ、前記貫通孔の周縁部に内径側から嵌め込ませる円環状の嵌合溝が設けられた円環状の嵌合体と、前記嵌合体よりも小径の円筒形状に形成され、かつ、一方の前記空間で前記嵌合体の軸線と同軸上に配置され、かつ、筒内に前記配索材を挿通させる第1筒体と、前記嵌合体よりも小径の円筒形状に形成され、かつ、他方の前記空間で前記軸線と同軸上に配置され、かつ、筒内に挿通させた前記配索材で拡管される第2筒体と、前記軸線と同軸上で円形のドーナツ状に形成され、かつ、その外周縁部を前記一方の空間で前記嵌合体に連結させ、かつ、その内周縁部を前記第1筒体の一端に連結させた第1隔壁と、前記軸線と同軸上で円形のドーナツ状に形成され、かつ、その外周縁部を前記他方の空間で前記嵌合体に連結させた第2隔壁と、前記軸線と同軸上で円形のドーナツ状に形成され、かつ、その内周縁部を前記他方の空間で前記第2筒体の一端に連結させた第3隔壁と、前記第3隔壁の外周縁部から前記第1隔壁側に向けて突出させ、かつ、前記第1隔壁側の円環状の端部を前記第2隔壁の内周縁部よりも径方向内側に配置させた円環状の第4隔壁と、前記第2隔壁の前記内周縁部と前記第4隔壁の前記端部とを連結させた円環状の連結壁と、前記第2隔壁の外壁面から前記軸線の軸周りに等間隔で複数膨出させ、かつ、前記第4隔壁の外壁面に対して径方向外側に隙間を空けて対向配置させた外部係止体と、前記外部係止体よりも径方向内側で前記第3隔壁及び前記第4隔壁のそれぞれの内壁面から前記外部係止体毎に膨出させた被係止体と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るグロメットにおいては、第2筒体が第1筒体側への力を配索材から受けているときに、外部係止体と被係止体の組み合わせ毎にこれらが係止状態になり、第2隔壁における外周縁部側を起点にしたこれ以上の倒れ込みが抑止される。これにより、このグロメットにおいては、嵌合体の変形が抑えられ、嵌合溝の変形が抑止されるので、貫通孔の周縁部に対する保持力を確保することができる。更に、本発明に係るグロメットにおいては、嵌合体の大径化が図られた場合、複数の外部係止体と複数の被係止体の大型化は免れないが、従来の分割体ほどの大きな体格を必要としないので、従来よりも重量の増加を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施形態のグロメットを示す斜視図である。
図2は、グロメットを軸線方向に見た平面図である。
図3は、グロメットを軸線方向に対する直交方向に見た平面図である。
図4は、図2のX1-X1線断面図である。
図5は、図2のX2-X2線断面図である。
図6は、図2のX1-X1線断面に相当する荷重印加時の変形状態を示す図である。
図7は、図2のX2-X2線断面に相当する荷重印加時の変形状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係るグロメットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
本発明に係るグロメットの実施形態の1つを図1から図7に基づいて説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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