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公開番号2024015806
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-06
出願番号2022118118
出願日2022-07-25
発明の名称乗員保護装置
出願人豊田合成株式会社
代理人個人
主分類B60R 21/2338 20110101AFI20240130BHJP(車両一般)
要約【課題】シートベルト装着時に、乗員の体格差により、エアバッグの折畳収納部位がラップベルト部に沿ってずれても、膨張したエアバッグにより円滑に乗員を保護可能な乗員保護装置を提供すること。
【解決手段】乗員保護装置10は、シートベルトのラップベルト部13に収納されるエアバッグ29が、乗員を受止可能に膨張するバッグ本体部30と、ガス供給装置からの膨張用ガスをバッグ本体部に供給するガス供給路部45と、バッグ本体部と連通する膝前膨張部53と、を備える。膝前膨張部には、座部5の左右両側付近にそれぞれ連結されて、膝当接面56aを乗員の膝MK(L,R)に当てて、膝前膨張部を座部前面8側の中央8a付近に配置させる位置調整テザー61,62、が配設される。テザー62は、端部62b側を、タング18に連結させ、テザー61は、端部61b側を、シートベルトの固定端11b付近に連結させている。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
シートの背もたれ部における左右方向の一方の上端部側に配設されたリトラクタから繰り出されるシートベルトが、先端を、シートの座部における左右方向の前記リトラクタを設けた側に固定される固定端として、前記座部の左右方向の前記固定端側と逆方向に配設されたバックルに対し、組み付けられたタングを締結させることにより、左右両端を前記座部の左右に連結させた状態として、シートに着座した乗員の腰部の前方側に、ラップベルト部、を配設させる構成とし、
前記ラップベルト部に折り畳まれて配設されて、作動時に、膨張用ガスを流入させて膨張し、前方移動する乗員の上半身を受け止めて保護可能なエアバッグ、を備えて構成されるとともに、
前記エアバッグが、
乗員を受止可能に膨張するバッグ本体部と、
前記シートベルトの固定端側に配設される膨張用ガスのガス供給装置に先端を連結させて、前記バッグ本体部に膨張用ガスを供給可能に、元部側を前記バッグ本体部に連通させるガス供給路部と、
を備えて構成される乗員保護装置であって、
前記エアバッグが、前記バッグ本体部と連通し、前記バッグ本体部の前端下部に配設されて、乗員の左右の膝の前方側に配設される膝前膨張部、を備えて構成され、
膨張完了時の前記膝前膨張部の左右両側に、前記座部の左右両側付近にそれぞれ連結されて、前記膝前膨張部の後面を乗員の左右の膝に当接させる膝当接面として、前記膝前膨張部を前記座部の前面側における左右方向の中央付近に配置させる位置調整テザー、が配設され、
前記ガス供給路部の元部側を連通させた前記バッグ本体部と膝前膨張部とが、折り畳まれて、左右の前記位置調整テザー及び前記ガス供給路部の元部側とともに、膨張時の前記バッグ本体部と前記膝前膨張部との突出を可能としたバッグカバーに覆われて、前記シートベルトの前記ラップベルト部の収納部位に、収納される構成として、
左右の前記位置調整テザーにおける一方の前記バックル側の前記テザーが、前記膝前膨張部から離れた端部側を、前記タングに連結させ、
左右の前記テザーにおける他方の前記テザーが、前記膝前膨張部から離れた端部側を、前記シートベルトにおける前記固定端付近に、連結させて、配設されていることを特徴とする乗員保護装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、乗員保護装置としては、エアバッグが、シートベルトのラップベルト部の部位に、折り畳まれて配設されて、作動時に、膨張用ガスを流入させて膨張し、膨張完了時、下面側の支持面を、シートに着座した乗員の大腿部に支持させた状態で、後面側の乗員拘束面により、前方移動する乗員の上半身を受け止めて保護するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、シートベルトは、シートの背もたれ部における左右方向の一方の上端部側に配設されたリトラクタから繰り出される構成として、先端を、シートの座部における左右方向のリトラクタを設けた側に固定される固定端とし、シートの座部の左右方向の固定端側と逆方向に配設されたバックルに対し、組み付けられたタングを締結させることにより、左右両端をシートの左右に連結させた状態として、シートに着座した乗員の腰部の前方側に、ラップベルト部、を配設させる構成としていた。そして、エアバッグは、乗員を受止可能に膨張するバッグ本体部と、シートベルトの固定端側に配設される膨張用ガスのガス供給装置に先端を連結させて、バッグ本体部に膨張用ガスを供給可能なガス供給路部と、を備えて構成されていた。この乗員保護装置では、シートに着座した乗員が、シートベルトを引き出して、タングをバックルに締結させて、リトラクタからタングまでの部位のショルダーベルト部を乗員の上半身の前面側に配置させ、乗員の腰部の前面側にラップベルト部を配置させれば、乗員に対して装着することができる。その後、車両の衝突等に伴なって、ガス供給路部を経て、エアバッグのバッグ本体部に膨張用ガスが供給されれば、バッグ本体部が、膨張して、バッグ本体部の下面側の支持面を、シートに着座した乗員の大腿部に支持させた状態で、バッグ本体部の後面側の乗員拘束面により、前方移動する乗員の上半身を受け止めて保護することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-66425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の乗員保護装置では、シートベルトのタングをバックルに締結する際、例えば、乗員が小柄であれば、固定端側からバックルまでのラップベルト部の長さ寸法が、大柄乗員の場合に比べて、短くなり、ラップベルト部に収納したエアバッグのバッグ本体部の折畳収納部位が、バックル側にずれて、乗員(小柄乗員)に対して、正対させてバッグ本体部を膨張させ難くなってしまう。また、乗員が大柄であれば、逆に、シートベルトのタングをバックルに締結する際、バッグ本体部の折畳収納部位が、シートベルトの固定端側にずれ、乗員(大柄乗員)に対して、正対させてバッグ本体部を膨張させ難くなってしまう。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、シートベルト装着時に、乗員の体格差により、エアバッグの折畳収納部位がラップベルト部に沿ってずれても、膨張したエアバッグにより円滑に乗員を保護可能な乗員保護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乗員保護装置では、シートの背もたれ部における左右方向の一方の上端部側に配設されたリトラクタから繰り出されるシートベルトが、先端を、シートの座部における左右方向の前記リトラクタを設けた側に固定される固定端として、前記座部の左右方向の前記固定端側と逆方向に配設されたバックルに対し、組み付けられたタングを締結させることにより、左右両端を前記座部の左右に連結させた状態として、シートに着座した乗員の腰部の前方側に、ラップベルト部、を配設させる構成とし、
前記ラップベルト部に折り畳まれて配設されて、作動時に、膨張用ガスを流入させて膨張し、前方移動する乗員の上半身を受け止めて保護可能なエアバッグ、を備えて構成されるとともに、
前記エアバッグが、
乗員を受止可能に膨張するバッグ本体部と、
前記シートベルトの固定端側に配設される膨張用ガスのガス供給装置に先端を連結させて、前記バッグ本体部に膨張用ガスを供給可能に、元部側を前記バッグ本体部に連通させるガス供給路部と、
を備えて構成される乗員保護装置であって、
前記エアバッグが、前記バッグ本体部と連通し、前記バッグ本体部の前端下部に配設されて、乗員の左右の膝の前方側に配設される膝前膨張部、を備えて構成され、
膨張完了時の前記膝前膨張部の左右両側に、前記座部の左右両側付近にそれぞれ連結されて、前記膝前膨張部の後面を乗員の左右の膝に当接させる膝当接面として、前記膝前膨張部を前記座部の前面側における左右方向の中央付近に配置させる位置調整テザー、が配設され、
前記ガス供給路部の元部側を連通させた前記バッグ本体部と膝前膨張部とが、折り畳まれて、左右の前記位置調整テザー及び前記ガス供給路部の元部側とともに、膨張時の前記バッグ本体部と前記膝前膨張部との突出を可能としたバッグカバーに覆われて、前記シートベルトの前記ラップベルト部の収納部位に、収納される構成として、
左右の前記位置調整テザーにおける一方の前記バックル側の前記テザーが、前記膝前膨張部から離れた端部側を、前記タングに連結させ、
左右の前記テザーにおける他方の前記テザーが、前記膝前膨張部から離れた端部側を、前記シートベルトにおける前記固定端付近に、連結させて、配設されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る乗員保護装置では、シートに着座した乗員がシートベルトを装着した後、車両の衝突等により、作動されて、膨張用ガスがガス供給路部からバッグ本体部内に流入すれば、バッグカバーを押し開いて、バッグ本体部が膨張するとともに、膝前膨張部も膨張する。そして、膝前膨張部が、左右の位置調整テザーに左右両縁側を引っ張られて、後面を膝当接面として、乗員の左右の膝の前方側で膨張する。その際、膝前膨張部は、左右の位置調整テザーにより、座部の前面側における左右方向の中央付近に配置されるように膨張する。そのため、ラップベルト部の装着時に、装着した乗員が小柄乗員であって、バッグ本体部の折畳収納部位がラップベルト部のバックル側にずれても、膝前膨張部が膨張すれば、左右の位置調整テザーによって、膝前膨張部が、座部の前面側の左右方向の中央付近で膨張するように位置調整され、位置調整された膝前膨張部により、バックル側で膨張するバッグ本体部もずれ移動する。すなわち、バッグ本体部は、バックル側にずれて膨張しようとしても、そのずれを、位置調整された膝前膨張部により、修正されて、小柄乗員に正対させるように、バックル側から離れる側となる座部の左右方向の中央側に移動することとなり、その結果、小柄乗員に正対するように膨張したバッグ本体部により、小柄乗員が良好に保護可能となる。また、ラップベルト部を装着した乗員が大柄乗員であって、バッグ本体部の折畳収納部位がラップベルト部におけるシートベルトの固定端側にずれても、膝前膨張部が膨張すれば、左右の位置調整テザーによって、膝前膨張部が、座部の前面側の左右方向の中央付近で膨張するように位置調整され、位置調整された膝前膨張部により、固定端側で膨張するバッグ本体部もずれ移動する。すなわち、バッグ本体部は、固定端側にずれて膨張しようとしても、そのずれを、位置調整された膝前膨張部により、修正されて、大柄乗員に正対させるように、固定端側から離れる側となる座部の左右方向の中央側に移動することとなり、その結果、大柄乗員に正対するように膨張したバッグ本体部により、大柄乗員が良好に保護可能となる。勿論、膝前膨張部の左右の位置調整テザーは、膝前膨張部から離れた端部側を、シートに対して、直接、連結させずに、シートベルトのタングや固定端側付近に連結させており、単に、ラップベルト部を装着するだけで、左右の位置調整テザーにおける膝前膨張部から離れた端部側を、座部の左右両側に、円滑に配設させることができる。また、膨張を完了させた膝前膨張部は、乗員の左右の膝の前面側を覆えることから、膝の前方側の車体側部位(例えば、インストルメントパネルや前席等)から、乗員の膝を保護することができる。
【0008】
したがって、本発明に係る乗員保護装置では、シートベルト装着時に、乗員の体格差により、エアバッグの折畳収納部位がラップベルト部に沿ってずれても、膨張したエアバッグにより円滑に乗員を保護することができ、さらに、乗員の膝を保護することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態である乗員保護装置を搭載したシートの斜視図である。
実施形態の乗員保護装置を搭載したシートの左側面図である。
実施形態の乗員保護装置を搭載したシートの正面図であり、シートベルトが乗員に装着された状態を示し、また併せて、エアバッグの膨張時を二点鎖線で示すとともに、さらに、エアバッグの配設部位の概略縦断面図を示す。
実施形態の乗員保護装置のエアバッグの膨張状態を示す後方側から見た概略斜視図である。
実施形態のエアバッグの構成材料を示す図である。
実施形態の乗員保護装置の作動時におけるエアバッグの膨張完了時を示す正面図である。
実施形態の乗員保護装置の作動時におけるエアバッグの膨張完了時を示す左側面図である。
実施形態の乗員保護装置の作動時におけるエアバッグの膨張完了時を示す右側面図である。
実施形態の乗員保護装置の作動時における小柄乗員の場合の説明図である。
実施形態の乗員保護装置の作動時における大柄乗員の場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の乗員保護装置10は、図1~4に示すように、車両のシート1に搭載されるもので、シートベルト11と、エアバッグ29と、エアバッグ29に膨張用ガスを供給するガス供給装置としてのインフレーター24と、を備えて構成されている。シート1は、背もたれ部2と座部5とを備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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