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公開番号2024014436
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-01
出願番号2022117258
出願日2022-07-22
発明の名称情報処理システム、風速の減衰乱れ効果推定方法、およびプログラム
出願人東京瓦斯株式会社,国立大学法人九州大学,ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社
代理人個人,個人
主分類F03D 17/00 20160101AFI20240125BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】風力発電装置の後方の風況の予測を実態に即したものとすることで、実態に即していない予測に比べて予測結果の利用範囲を拡大させる。
【解決手段】管理サーバ50の制御部51では、風況情報取得部501が、複数枚のブレードを回転させる風車に流入する流入風の状況に関する風況情報を取得し、ウエイク情報取得部503が、ブレードの回転に起因する流入風の風速の減衰、風向、および乱れの効果に関するウエイク情報を取得する。取得された風況情報およびウエイク情報は、教師データとして記憶される。また、制御部51では、モデル生成部504が、入力された風況情報に応じた効果情報を出力する学習モデルを教師データに基づいて生成し、ウエイク推定部505が、学習モデルを用いて、1または複数の風車の各々の風況情報から、流入風の風速の減衰、風向き、および乱れの効果を推定する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
複数枚のブレードを回転させる風車に流入する流入風の状況に関する風況情報と、当該ブレードの回転に起因する当該流入風の風速の減衰、風向き、および乱れの効果に関する効果情報とを教師データとして記憶させる制御を行い、
入力された前記風況情報に応じた前記効果情報を出力する学習モデルを前記教師データに基づいて生成し、
前記学習モデルを用いて、1または複数の前記風車の各々の前記風況情報から前記効果を推定することを特徴とする、
情報処理システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、
前記学習モデルを用いて、予め定められた領域に設置される複数の前記風車の各々の前記風況情報から前記効果を推定することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、
前記領域で前記複数の風車が前後に縦列に並んで設置されている場合、前側に設置された風車の前記効果情報を含む前記風況情報から、後側に設置された風車の前記効果を推定することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記風況情報および前記効果情報は、前記風速、風向、乱れ、温度、および圧力の各々を示す情報のうち1または複数の情報の組み合わせであることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記風況情報および前記効果情報は、前記風車の高さ方向の予め定められた複数の位置の各々について取得されることを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記風況情報および前記効果情報は、前記風車の水平方向の予め定められた複数の位置の各々についてさらに取得されることを特徴とする、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、
前記風車に関する風車情報をさらに含む情報を前記教師データとして記憶させる制御を行い、
前記教師データに基づいて、入力された前記風況情報および前記風車情報に応じた前記効果情報を出力する前記学習モデルを生成することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記風車情報は、前記風車の高さ、設置場所、ロータ径、モータ回転数、前記ブレードのピッチ角、ねじり角の各々を示す情報、および当該風車の制御に関する情報のうち1または複数の情報の組み合わせであることを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
複数枚のブレードを回転させる風車に流入する流入風の状況に関する風況情報と、当該ブレードの回転に起因する当該流入風の風速の減衰および乱れの効果に関する効果情報とを教師データとして記憶させる制御を行い、
入力された前記風況情報に応じた前記効果情報を出力する学習モデルを前記教師データに基づいて生成し、
前記学習モデルを用いて、1または複数の前記風車の各々の前記風況情報から前記効果を推定することを特徴とする、
風速の減衰乱れ効果推定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数枚のブレードを回転させる風車に流入する流入風の状況に関する風況情報と、当該ブレードの回転に起因する当該流入風の風速の減衰および乱れの効果に関する効果情報とを含む教師データを取得する機能と、
入力された前記風況情報に応じた前記効果情報を出力する学習モデルを前記教師データに基づいて生成する機能と、
を実現させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、風速の減衰乱れ効果推定方法、およびプログラムに関する。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
風力発電装置の前方の風況を入力して、その風力発電装置の後方の風況を予測するための風況モデルを生成する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-218937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の風力発電装置の後方の風況の予測では、風車の羽であるブレードの回転に起因とする風向の変化や風の乱れが考慮されないため、実態に即した予測が実現されず、予測結果の利用範囲が限定されていた。
【0005】
本発明の目的は、風力発電装置の後方の風況の予測を実態に即したものとすることで、実態に即していない予測に比べて予測結果の利用範囲を拡大させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、複数枚のブレードを回転させる風車に流入する流入風の状況に関する風況情報と、当該ブレードの回転に起因する当該流入風の風速の減衰、風向き、および乱れの効果に関する効果情報とを教師データとして記憶させる制御を行い、入力された前記風況情報に応じた前記効果情報を出力する学習モデルを前記教師データに基づいて生成し、前記学習モデルを用いて、1または複数の前記風車の各々の前記風況情報から前記効果を推定することを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記学習モデルを用いて、予め定められた領域に設置される複数の前記風車の各々の前記風況情報から前記効果を推定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記領域で前記複数の風車が前後に縦列に並んで設置されている場合、前側に設置された風車の前記効果情報を含む前記風況情報から、後側に設置された風車の前記効果を推定することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記風況情報および前記効果情報は、前記風速、風向、乱れ、温度、および圧力の各々を示す情報のうち1または複数の情報の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記風況情報および前記効果情報は、前記風車の高さ方向の予め定められた複数の位置の各々について取得されることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記風況情報および前記効果情報は、前記風車の水平方向の予め定められた複数の位置の各々についてさらに取得されることを特徴とする、請求項5に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記風車に関する風車情報をさらに含む情報を前記教師データとして記憶させる制御を行い、前記教師データに基づいて、入力された前記風況情報および前記風車情報に応じた前記効果情報を出力する前記学習モデルを生成することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記風車情報は、前記風車の高さ、設置場所、ロータ径、モータ回転数、前記ブレードのピッチ角、ねじり角の各々を示す情報、および当該風車の制御に関する情報のうち1または複数の情報の組み合わせであることを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、複数枚のブレードを回転させる風車に流入する流入風の状況に関する風況情報と、当該ブレードの回転に起因する当該流入風の風速の減衰および乱れの効果に関する効果情報とを教師データとして記憶させる制御を行い、入力された前記風況情報に応じた前記効果情報を出力する学習モデルを前記教師データに基づいて生成し、前記学習モデルを用いて、1または複数の前記風車の各々の前記風況情報から前記効果を推定することを特徴とする、風速の減衰乱れ効果推定方法である。
請求項10に記載された発明は、コンピュータに、複数枚のブレードを回転させる風車に流入する流入風の状況に関する風況情報と、当該ブレードの回転に起因する当該流入風の風速の減衰および乱れの効果に関する効果情報とを含む教師データを取得する機能と、入力された前記風況情報に応じた前記効果情報を出力する学習モデルを前記教師データに基づいて生成する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、風車の後方の風況の予測を実態に即したものとすることで、実態に即していない予測に比べて予測結果の利用範囲を拡大させる情報処理システムを提供できる。また、風向や風速が時々刻々と変化する複雑な風況においても、風車の後方の領域の風況の予測を精度良く行うことが可能になる。これにより、例えば、風車が風力発電装置の風車である場合には、風況の変化が発電量に与える影響や、風力発電装置の故障のリスクをより精緻に評価することができるようになる、その結果、O&M(オペレーション アンド メンテナンス)コストの削減や、風力発電装置の最適な配置を実現させ、経済性を向上させることが可能になる。
請求項2の本発明によれば、学習モデルを用いて、風車の後方の領域に設置される複数の風車の各々の風況の予測を実態に即したものとすることができる。具体的には、例えば、複数の風車が風力発電装置の風車である場合には、複数の風車の後方の領域の風況が相互作用する場合においても、より精緻に年間発電量を評価することが可能になる。また、例えば、風力発電装置の建設現場の的確な選定や、複数の風力発電装置を設置する際の全体的なレイアウト、複数の風力発電装置の大きさ、数量等の的確な選定に寄与させることができる。
請求項3の本発明によれば、学習モデルを用いて、前後に縦列に並んだ複数の風車の各々の後方の風況の予測を実態に即したものとすることができる。
請求項4の本発明によれば、風車の後方の風況として、風速、風向、乱れ、温度、および圧力の予測を実態に即したものとすることができる。
請求項5の本発明によれば、風車の高さ方向の複数の位置の各々にて取得される風況情報および効果情報に基づいて、風車の後方の風況の予測を実態に即したものとすることができる。
請求項6の本発明によれば、風車の水平方向の複数の位置の各々にて取得される風況情報および効果情報に基づいて、風車の後方の風況の予測を実態に即したものとすることができる。すなわち、風車の高さ方向の風況情報と、風車の水平方向の風況情報とを合わせた情報により、3次元空間のウエイクの推定が可能になる。
請求項7の本発明によれば、風車情報が考慮された学習モデルを用いて、風車の後方の風況の予測を実態に即したものとすることができる。
請求項8の本発明によれば、風車情報として、風車の高さ、設置場所、ロータ径、モータ回転数、ブレードのピッチ角、ねじり角の各々を示す情報、および当該風車の制御に関する情報が考慮された学習モデルを用いて、風車の後方の風況の予測を実態に即したものとすることができる。
請求項9の本発明によれば、風車の後方の風況の予測を実態に即したものとすることで、実態に即していない予測に比べて予測結果の利用範囲を拡大させることができる。
請求項10の本発明によれば、風車の後方の風況の予測を実態に即したものとすることで、実態に即していない予測に比べて予測結果の利用範囲を拡大させるプログラムを提供できる。具体的には、例えば、学習モデルをシミュレーションソフトに組み込むことで、風車の後方の風況の変化が考慮された、より精緻な風況解析が可能となる。また、例えば、学習モデルをスクリプトファイルとしてユーザの端末で実行できるようにすることができる。この場合、ユーザは、風況に関する情報や風車に関する情報(例えばロータの径など)を入力するだけで、風車の後方の風況の変化に起因する風速減衰率や乱れの度合いなどを短時間かつ簡易的に知得できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
管理サーバの制御部の機能構成の一例を示す図である。
ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
管理サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ユーザ端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ウエイクモデルの生成に必要となる教師データの具体例を示す図である。
ウエイクモデルの具体例を示すイメージ図である。
ウエイクモデルの具体例を示すイメージ図である。
ウエイクモデルの具体例を示すイメージ図である。
本実施の形態のウエイクモデルを用いた風洞試験の結果をグラフで示した図である。
本実施の形態のウエイクモデルを用いた風力発電装置のウエイクの推定結果と、従来モデルを用いたウエイクの推定結果とをグラフで示した図である。
風力発電装置が前後に縦列に複数設置されている場合の具体例を示す図である。
ウエイク情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、測定装置10-1乃至10-n(nは2以上の整数値)と、ユーザ端末30と、管理サーバ50とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。なお、測定装置10-1乃至10-nの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて測定装置10と呼ぶ。
【0010】
情報処理システム1を構成する測定装置10は、風の性質を計測する装置である。測定装置10としては、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)等の技術を採用した機器など一般的な機器が用いられる。LiDARは、光を用いたリモートセンシング技術である。具体的には、上空に向けて赤外領域のレーザを照射し、そのレーザが大気中の粉塵や水滴等に反射すると、ドップラー効果による波長のズレを利用して風速や風向等を計測する。LiDARは、高度40m(メートル)乃至300m程度の風の状況を計測する。
(【0011】以降は省略されています)

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