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公開番号2024012105
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-25
出願番号2023098259
出願日2023-06-15
発明の名称ポリフェニレンスルフィド樹脂成形材料、および成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 5/04 20060101AFI20240118BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
成形性と優れた特性を両立するPPS樹脂成形品を得る。
【解決手段】
連続したガラス繊維束1~50重量%の周囲を被覆するように、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物99~50重量%が配置されている、長さ3.0~50mmの芯鞘構造を有し、該PPS樹脂組成物は、(A)PPS樹脂100重量部に対して、(B)エポキシ基、アミノ基、およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシラン化合物を0.1~5.0重量部配合してなり、該連続したガラス繊維束は、エポキシ化合物で表面処理されていることを特徴とするPPS樹脂成形材料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
連続したガラス繊維束1~50重量%の周囲を被覆するように、ポリフェニレンスルフィド(以下、「PPS」ということがある)樹脂組成物99~50重量%が配置されてなる、長さ3.0~50mmの芯鞘構造を有し、該PPS樹脂組成物は、(A)PPS樹脂100重量部に対して、(B)エポキシ基、アミノ基、およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシラン化合物0.1~5.0重量部配合してなり、該連続したガラス繊維束は、エポキシ化合物で表面処理されていることを特徴とするPPS樹脂成形材料。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記PPS樹脂組成物が、キャピラリーレオメーターを用いて温度310℃、せん断速度1216/sの条件で求めた溶融粘度が50~400Pa・sである請求項1に記載のPPS樹脂成形材料。
【請求項3】
前記連続したガラス繊維束が、JIS R3420(2013)に従い測定した強熱減量が0.3~25重量%である請求項1に記載のPPS樹脂成形材料。
【請求項4】
前記PPS樹脂組成物が、(A)PPS樹脂100重量部に対して、さらに(C)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂を1~200重量部配合してなるPPS樹脂組成物であって、(A)PPS樹脂が連続相を形成し、(C)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂が分散相を形成することを特徴とする請求項1に記載のPPS樹脂成形材料。
【請求項5】
前記PPS樹脂組成物の(C)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる分散相の数平均分散粒子径が1000nm以下であることを特徴とする請求項4に記載のPPS樹脂成形材料。
【請求項6】
前記(C)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂が、オレフィン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、およびフッ素系樹脂から選択されるいずれかである請求項5に記載のPPS樹脂成形材料。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のPPS樹脂成形材料を成形してなる成形品。
【請求項8】
成形品のガラス繊維の重量平均繊維長(Lw)が300μm以上2000μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の成形品。
【請求項9】
成形品のガラス繊維の重量平均繊維長(Lw)と数平均繊維長(Ln)の比(Lw/Ln)が1.30以上、4.00以下であることを特徴とする請求項7に記載の成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた特性を有するポリフェニレンスルフィド樹脂成形材料、および成形品に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略すことがある)樹脂は優れた耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気特性を有するエンジニアリングプラスチックであり、自動車部品、水廻り部品、電気電子部品を中心に使用されている。
【0003】
PPSはガラス繊維等の無機フィラーを配合して剛性を向上させて使用されることが多いが、他のエンジニアリングプラスチックに比べて耐衝撃性や靱性に劣る課題がある。
【0004】
この課題に対して、連続した強化繊維束にPPS樹脂を含浸させた長繊維強化PPS樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような含浸法によって得られる樹脂組成物の成形品は、繊維長が長い強化繊維が残存するため耐衝撃性の向上に有効である。
【0005】
一方、PPS樹脂を強化繊維束に十分含浸させなければ、成形加工、特に射出成形において強化繊維の分散不良が生じてしまうため、低粘度のPPS樹脂を用いて、高温で加工する必要がある。そのため、PPS樹脂組成物の設計自由度が低く、高粘度のPPS樹脂を用いて靱性を高めることや、PPS以外の熱可塑性樹脂を配合して様々な特性を付与することや、PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂をPPS樹脂中に微分散化させることは困難であった。そこで、連続した強化繊維束に対して、PPS樹脂と特定の構造を有する熱可塑性エラストマーを含む樹脂組成物を含浸した長繊維強化PPS樹脂成形品が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、連続した強化繊維束と特定の分子量分布を有するPPSからなる芯構造に対して、熱可塑性樹脂を被覆した芯鞘構造の成形材料が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2017/159706号
特開2016-183316号公報
特開2008-231292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載された長繊維強化PPS樹脂組成物は、ブロー成形性に優れるものの、射出成形時のガラス繊維の分散は不十分であった。
【0008】
また、特許文献3に記載されたPPS成形材料は、低分子量のPPSが配合されるため、得られた成形品の靱性が低下する課題があった。また特定のアルコキシシラン化合物やPPS樹脂の連続相に熱可塑性樹脂を分散させることについて開示はない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、連続した特定のガラス繊維束の芯構造に対して、特定のアルコキシシラン化合物を含むPPS樹脂組成物を被覆した芯鞘構造の成形材料により、上記課題が解消されることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は以下の構成を有するものである。
1.連続したガラス繊維束1~50重量%の周囲を被覆するように、ポリフェニレンスルフィド(以下、「PPS」ということがある)樹脂組成物99~50重量%が配置されてなる、長さ3.0~50mmの芯鞘構造を有し、該PPS樹脂組成物は、(A)PPS樹脂100重量部に対して、(B)エポキシ基、アミノ基、およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシラン化合物0.1~5.0重量部配合してなり、該連続したガラス繊維束は、エポキシ化合物で表面処理されていることを特徴とするPPS樹脂成形材料、
2.前記PPS樹脂組成物が、キャピラリーレオメーターを用いて温度310℃、せん断速度1216/sの条件で求めた溶融粘度が50~400Pa・sである1項に記載のPPS樹脂成形材料、
3.前記連続したガラス繊維束が、JIS R3420(2013)に従い測定した強熱減量が0.3~25重量%である1または2項に記載のPPS樹脂成形材料、
4.前記PPS樹脂組成物が、(A)PPS樹脂100重量部に対して、さらに(C)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂を1~200重量部配合してなるPPS樹脂組成物であって、(A)PPS樹脂が連続相を形成し、(C)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂が分散相を形成することを特徴とする1~3項のいずれかに記載のPPS樹脂成形材料、
5.前記PPS樹脂組成物の(C)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる分散相の数平均分散粒子径が1000nm以下であることを特徴とする4項に記載のPPS樹脂成形材料、
6.前記(C)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂が、オレフィン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、およびフッ素系樹脂から選択されるいずれかである4または5項に記載のPPS樹脂成形材料、
7.1~6項のいずれかに記載のPPS樹脂成形材料を成形してなる成形品、
8.成形品のガラス繊維の重量平均繊維長(Lw)が300μm以上2000μm以下であることを特徴とする7項に記載の成形品、
9.成形品のガラス繊維の重量平均繊維長(Lw)と数平均繊維長(Ln)の比(Lw/Ln)が1.30以上、4.00以下であることを特徴とする7または8項に記載の成形品。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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