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公開番号2024011052
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-25
出願番号2022112734
出願日2022-07-13
発明の名称ポリエステル系支持体の回収方法およびポリエステル製品の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B29B 17/02 20060101AFI20240118BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】ポリエステル系支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有するポリエステル系基材から純度の高いポリエステル系支持体を、安全に、かつ採算性良く、短時間で効率的に回収する方法を提供すること。
【解決手段】ポリエステル系支持体上の少なくとも一部に少なくとも1層の塗布膜を有してなるポリエステル系基材から塗布膜を除去してポリエステル系支持体を回収する方法であって、ポリエステル系基材の少なくとも前記塗布膜を有する面に、界面活性剤または界面活性剤を溶解した水溶液を接触させる第1の工程と、第1の工程の後にポリエステル系基材にアルカリ性の処理液を接触させる第2の工程とを含むポリエステル系支持体の回収方法とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステル系支持体上の少なくとも一部に少なくとも1層の塗布膜を有してなるポリエステル系基材から前記塗布膜を除去して前記ポリエステル系支持体を回収する方法であって、
前記ポリエステル系基材の少なくとも前記塗布膜を有する面に、界面活性剤または界面活性剤を溶解した水溶液を接触させる第1の工程と、前記第1の工程の後に前記ポリエステル系基材にアルカリ性の処理液を接触させる第2の工程とを含むことを特徴とするポリエステル系支持体の回収方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記第1の工程の前に、前記ポリエステル系基材の少なくとも前記塗布膜を有する面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、火焔処理及び紫外線処理からなる群から選択される少なくとも1つの表面改質処理を実施することを特徴とする、請求項1に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
【請求項3】
前記第2の工程の後に、水による洗浄を実施することを特徴とする、請求項2に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
【請求項4】
前記第1の工程において、前記界面活性剤または界面活性剤を溶解した水溶液を、300秒以内で接触させることを特徴とする、請求項3に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
【請求項5】
前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤であることを特徴とする、請求項4に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
【請求項6】
前記第2の工程において、前記アルカリ性の処理液が、温度100℃未満かつアルカリ濃度0.04質量%以上15質量%以下のアルカリ性の処理液であり、前記アルカリ性の処理液を、1秒以上180秒以下で接触させることを特徴とする、請求項5に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
【請求項7】
前記ポリエステル系支持体を、長尺状のまま回収することを特徴とする、請求項6に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のポリエステル系支持体の回収方法で回収したポリエステル系支持体を、押し出し成形してポリエステル製品を製造するポリエステル製品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系支持体上の少なくとも一部に少なくとも1層の塗布膜を有してなるポリエステル系基材からポリエステル系支持体を回収する方法、およびポリエステル製品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステル系支持体は、その機械的、物理的、化学的性能が優れているため、繊維、フィルム、その他の成形物に多様な用途で用いられている。これらポリエステル系支持体の多くの表面には、片面または両面に、種々の機能を有する塗布膜が積層されている。
【0003】
上記ポリエステル系支持体が多様な用途で使用されていることに伴い、発生する廃棄対象物、使用済み品も多量になりつつあるのが現状であり、地球環境の悪化につながる。この問題を解消して、ポリエステル系支持体のリサイクルを図るために、ポリエステル系基材から塗布膜を除去することで、再びポリエステル系支持体として利用することが好ましい。
【0004】
このような技術として、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1では、基材フィルムの少なくとも一方の面に有する塗布膜を、90~140℃の温度に加熱された20~60質量%のアルカリ性の処理液に接触させることによって上記塗布膜を除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-90094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、高温かつ高濃度のアルカリ性の処理液との接触により、ポリエステル系支持体が変質するという問題がある。また、高温かつ高濃度のアルカリを使用しているため、安全性、採算性が低下するという問題もある。
【0007】
本発明は、上記理由に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリエステル系支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有してなるポリエステル系基材から純度の高いポリエステル系支持体を、安全に、かつ採算性良く、短時間で効率的に回収する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、前記の課題を解決すべく検討を行った結果、前記ポリエステル系基材に界面活性剤または界面活性剤を溶解した水溶液を接触させることでポリエステル系基材の表面を親水化した後、該ポリエステル系基材をアルカリ性の処理液で処理することにより所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。界面活性剤または界面活性剤を溶解した水溶液にてポリエステル系基材の表面を親水化する第1の工程とアルカリ性の処理液で処理する第2の工程とに工程を分けることで、第1の工程と第2の工程を異なる温度で処理できる。第1の工程におけるポリエステル系基材の表面の親水化と第2の工程における塗布膜の除去をそれぞれ最適な温度条件で行うことで、ポリエステル系支持体の回収を短時間で効率的に行うことが可能となる。
【0009】
本発明の構成は以下のとおりである。
(1)ポリエステル系支持体上の少なくとも一部に少なくとも1層の塗布膜を有してなるポリエステル系基材から前記塗布膜を除去して前記ポリエステル系支持体を回収する方法であって、前記ポリエステル系基材の少なくとも前記塗布膜を有する面に、界面活性剤または界面活性剤を溶解した水溶液を接触させる第1の工程と、前記第1の工程の後に前記ポリエステル系基材にアルカリ性の処理液を接触させる第2の工程とを含むことを特徴とするポリエステル系支持体の回収方法。
(2)前記第1の工程の前に、前記ポリエステル系基材の少なくとも前記塗布膜を有する面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、火焔処理及び紫外線処理からなる群から選択される少なくとも1つの表面改質処理を実施することを特徴とする、前記(1)に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
(3)前記第2の工程の後に、水による洗浄を実施することを特徴とする、前記(2)に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
(4)前記第1の工程において、前記界面活性剤または界面活性剤を溶解した水溶液を、300秒以内で接触させることを特徴とする、前記(3)に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
(5)前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤であることを特徴とする、前記(4)に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
(6)前記第2の工程において、前記アルカリ性の処理液が、温度100℃未満かつアルカリ濃度0.04質量%以上15質量%以下のアルカリ性の処理液であり、前記アルカリ性の処理液を、1秒以上180秒以下で接触させることを特徴とする、前記(5)に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
(7)前記ポリエステル系支持体を、長尺状のまま回収することを特徴とする、前記(6)に記載のポリエステル系支持体の回収方法。
(8)前記(1)~(7)のいずれか1つに記載のポリエステル系支持体の回収方法で回収したポリエステル系支持体を、押し出し成形してポリエステル製品を製造するポリエステル製品の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ポリエステル系支持体上の少なくとも一部に少なくとも1層の塗布膜を有してなるポリエステル系基材から塗布膜を効率的に除去できるので、従来廃棄されていた使用済みポリエステル系基材から、短時間で効率良く、純度の高いポリエステル系支持体を回収することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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