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公開番号2023174463
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-07
出願番号2022174121
出願日2022-10-31
発明の名称高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムの製造方法
出願人湖北融通高科先進材料有限公司
代理人個人
主分類C01B 25/45 20060101AFI20231130BHJP(無機化学)
要約【課題】高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムの製造方法を提供する。
【解決手段】(1)リン酸第一鉄前駆体を共沈法により合成し、無水リン酸第一鉄前駆体が得られるように、リン酸第一鉄前駆体を焼結するステップと、(2)リン酸第一マンガン前駆体を共沈法により合成し、無水リン酸第一マンガン前駆体が得られるように、リン酸第一マンガン前駆体を焼結するステップと、(3)スラリーAが得られるように、無水リン酸第一鉄前駆体にリン酸リチウム及び脱イオン水を添加し、ボールミリング及び湿式サンドミルを経るステップと、(4)スラリーBが得られるように、無水リン酸第一マンガン前駆体にリン酸リチウム、有機炭素源、分散剤、ドーパント及び脱イオン水を添加し、ボールミリング及び湿式サンドミルを経るステップと、(5)スラリーAとスラリーBとを混合し、ボールミリング、噴霧乾燥、焼結及び気流粉砕を行うステップと、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムの製造方法であって、
(1)鉄源、リン源、酸化防止剤を溶液に混合し、酸化防止のための保護ガスとして窒素ガスを溶液に通し、リン酸第一鉄前駆体を共沈法により合成し、無水リン酸第一鉄前駆体が得られるように、得られたリン酸第一鉄前駆体を焼結し、全結晶水を除去するステップと、
(2)マンガン源、リン源、酸化防止剤を溶液に混合し、酸化防止のための保護ガスとして窒素ガスを溶液に通し、リン酸第一マンガン前駆体を共沈法により合成し、無水リン酸第一マンガン前駆体が得られるように、得られたリン酸第一マンガン前駆体を焼結し、全結晶水を除去するステップと、
(3)スラリーAが得られるように、ステップ(1)で得られた無水リン酸第一鉄前駆体にリン酸リチウム及び脱イオン水を添加し、ボールミリング及び湿式サンドミルを経るステップと、
(4)スラリーBが得られるように、ステップ(2)で得られた無水リン酸第一マンガン前駆体にリン酸リチウム、有機炭素源、分散剤、ドーパント及び脱イオン水を添加し、ボールミリング及び湿式サンドミルを経るステップと、
(5)前記高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムが得られるように、ステップ(3)及びステップ(4)で得られたスラリーAとスラリーBとを混合し、ボールミリング、噴霧乾燥、焼結及び気流粉砕を行うステップと、を含む、
ことを特徴とする高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムの製造方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
ステップ(1)において、前記鉄源は、硫酸第一鉄であり、リン源は、リン酸、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素二アンモニウムから選ばれる一つ又は複数であり、酸化防止剤は、アスコルビン酸であり、リン酸第一鉄前駆体の化学式は、Fe

(PO



・8H

Oであり、前記焼結は、箱型炉で行い、焼結温度は、350~600℃であり、焼結時間は、1~5hであり、焼結雰囲気は、窒素ガスである、
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ステップ(2)において、前記マンガン源は、硫酸第一マンガンであり、リン源は、リン酸、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素二アンモニウムから選ばれる一つ又は複数であり、酸化防止剤は、アスコルビン酸であり、リン酸第一マンガン前駆体の化学式は、Mn

(PO



・7H

Oであり、前記焼結は、箱型炉で行い、焼結温度は、350~600℃であり、焼結時間は、1~5hであり、焼結雰囲気は、窒素ガスである、
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
ステップ(3)において、前記スラリーAにおけるモル比Fe/P=0.958~0.998であり、モル比Li/Fe=1.025~1.055であり、前記湿式サンドミルにおいて、スラリーAの粒度D50=0.30~0.60umとなるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
ステップ(4)において、前記スラリーBにおけるモル比Mn/P=0.958~0.998であり、モル比Li/Mn=1.025~1.055であり、前記湿式サンドミルにおいて、スラリーBの粒度D50=0.20~0.50umとなるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
ステップ(4)において、前記有機炭素源は、グルコースとポリエチレングリコールとの混合物であり、グルコースの添加量は、無水リン酸第一マンガン前駆体質量の5~10wt%であり、ポリエチレングリコールの添加量は、無水リン酸第一マンガン前駆体質量の1~5wt%であり、前記ドーパントは、二酸化チタン、メタバナジン酸アンモニウム、五酸化ニオブから選ばれる一つ又は複数であり、添加量は、無水リン酸第一マンガン前駆体質量の0~2.5wt%であり、前記分散剤は、アニオン性ポリアクリレート分散剤TC108、ノニオン型ポリマーTC311及びノニオン型ポリマーTC28から選ばれる一つ又は複数であり、添加量は、グルコース添加量の5~10wt%である、
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
ステップ(5)において、前記ボールミリングは、ボールミルで行い、ボールミリング時間は、30~60分であり、前記噴霧乾燥は、窒素雰囲気下で行い、吸気温度が180~240℃となり、排気温度が80~120℃となるように制御し、前記焼結は、箱型炉で行い、焼結温度は、600~800℃であり、焼結時間は、8~20hであり、焼結雰囲気は、窒素ガスであり、前記気流粉砕において、最終粉砕により得られる高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウム粒径D10≧0.30um、D50=0.8~1.8um、D90≦18umとなるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法により製造される高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウム材料。
【請求項9】
リチウム電池用正極材料における請求項8に記載の高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムの用途。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム電池用正極材料の技術分野に属し、特に、高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
現在、新しいリチウム電池用正極材料は、高電圧プラットフォームとマンガン系材料を中心に展開しており、その分岐システムの中で最初に商業化されたのはリン酸マンガン鉄リチウムである。リン酸鉄リチウムと比較して、マンガン高電圧特性により、リン酸マンガン鉄リチウムは、より高い電圧プラットフォームを有するため、同じ容量の場合よりも高いエネルギー密度を有し、同じ条件下でエネルギー密度がリン酸鉄リチウムよりも10~20%高くなる。
【0003】
リン酸マンガン鉄リチウム自体にも性能欠陥が存在する。現在、リン酸鉄リチウムプロセスは成熟しており、安全性と安定性がより優れている。現在、リン酸マンガン鉄リチウムプロセスは、性能が悪く、反応プロセスが複雑であり、製造プロセスにおいて、二価マンガンと二価鉄に酸化還元の可能性が存在しており、最終的に生成されるリン酸マンガン鉄リチウムの完成品は、相均一性が悪い。構造には連続的な共角八面体ネットワークがないため、一次元チャネルにおけるリチウムイオンの移動が制限され、材料の導電性が低下することになる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来技術に存在する欠点を解決するために、高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウム材料を提供することを目的とする。前記高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウム材料は、相がより均一であり、スラリーの安定性がより強く、材料の容量と圧縮性がさらに向上することになる。
【0005】
上記目的を実現するために、本発明によれば、高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムの製造方法であって、
(1)鉄源、リン源、酸化防止剤を溶液に混合し、酸化防止のための保護ガスとして窒素ガスを溶液に通し、リン酸第一鉄前駆体を共沈法により合成し、無水リン酸第一鉄前駆体が得られるように、得られたリン酸第一鉄前駆体を焼結し、全結晶水を除去するステップと、
(2)マンガン源、リン源、酸化防止剤を溶液に混合し、酸化防止のための保護ガスとして窒素ガスを溶液に通し、リン酸第一マンガン前駆体を共沈法により合成し、無水リン酸第一マンガン前駆体が得られるように、得られたリン酸第一マンガン前駆体を焼結し、全結晶水を除去するステップと、
(3)スラリーAが得られるように、ステップ(1)で得られた無水リン酸第一鉄前駆体にリン酸リチウム及び脱イオン水を添加し、ボールミリング及び湿式サンドミルを経るステップと、
(4)スラリーBが得られるように、ステップ(2)で得られた無水リン酸第一マンガン前駆体にリン酸リチウム、有機炭素源、分散剤、ドーパント及び脱イオン水を添加し、ボールミリング及び湿式サンドミルを経るステップと、
(5)前記高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムが得られるように、ステップ(3)及びステップ(4)で得られたスラリーAとスラリーBとを混合し、ボールミリング、噴霧乾燥、焼結及び気流粉砕を行うステップと、を含む高安全性高容量リン酸マンガン鉄リチウムの製造方法という技術的手段が採られる。
【0006】
ステップ(1)において、前記鉄源は、硫酸第一鉄であり、リン源は、リン酸、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素二アンモニウムから選ばれる一つ又は複数であり、酸化防止剤は、アスコルビン酸であり、リン酸第一鉄前駆体の化学式は、Fe

(PO



・8H

Oであり、前記焼結は、箱型炉で行い、焼結温度は、350~600℃であり、焼結時間は、1~5hであり、焼結雰囲気は、窒素ガスであることが好ましい。
【0007】
ステップ(2)において、前記マンガン源は、硫酸第一マンガンであり、リン源は、リン酸、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素二アンモニウムから選ばれる一つ又は複数であり、酸化防止剤は、アスコルビン酸であり、リン酸第一マンガン前駆体の化学式は、Mn

(PO



・7H

Oであり、前記焼結は、箱型炉で行い、焼結温度は、350~600℃であり、焼結時間は、1~5hであり、焼結雰囲気は、窒素ガスであることが好ましい。
【0008】
ステップ(3)において、前記スラリーAにおけるモル比Fe/P=0.958~0.998であり、モル比Li/Fe=1.025~1.055であり、前記湿式サンドミルにおいて、スラリーAの粒度D50=0.30~0.60umとなるように制御することが好ましい。
【0009】
ステップ(4)において、前記スラリーBにおけるモル比Mn/P=0.958~0.998であり、モル比Li/Mn=1.025~1.055であり、前記湿式サンドミルにおいて、スラリーBの粒度D50=0.20~0.50umとなるように制御することが好ましい。
【0010】
ステップ(4)において、前記有機炭素源は、グルコースとポリエチレングリコールとの混合物であり、グルコースの添加量は、無水リン酸第一マンガン前駆体質量の5~10wt%であり、ポリエチレングリコールの添加量は、無水リン酸第一マンガン前駆体質量の1~5wt%であり、前記ドーパントは、二酸化チタン、メタバナジン酸アンモニウム、五酸化ニオブから選ばれる一つ又は複数であり、添加量は、無水リン酸第一マンガン前駆体質量の0~2.5wt%であり、前記分散剤は、アニオン性ポリアクリレート分散剤TC108、ノニオン型ポリマーTC311及びノニオン型ポリマーTC28から選ばれる一つ又は複数であり、添加量は、グルコース添加量の5~10wt%であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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