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公開番号2023173357
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-07
出願番号2022085549
出願日2022-05-25
発明の名称固体電解質粉末、固体酸化物形電解セル用の燃料極用部材および固体電解質層用部材、ならびに固体酸化物形電解セル
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人
主分類C01G 23/00 20060101AFI20231130BHJP(無機化学)
要約【課題】本発明では、低温側においても有意に高いイオン伝導率を有する固体電解質粉末を提供することを目的とする。
【解決手段】固体電解質粉末であって、ペロブスカイト型構造の化合物と、マイエナイト型構造の化合物とを含み、前記ペロブスカイト型構造の化合物は、CaおよびTiを含み、当該固体電解質粉末は、TiとAlの合計量に対するAlの含有量y(=Al/(Ti+Al))が、原子比で、0.05以上0.60未満である、固体電解質粉末。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
固体電解質粉末であって、
ペロブスカイト型構造の化合物と、マイエナイト型構造の化合物とを含み、
前記ペロブスカイト型構造の化合物は、CaおよびTiを含み、
当該固体電解質粉末は、TiとAlの合計量に対するAlの含有量y(=Al/(Ti+Al))が、原子比で、0.05以上0.60未満である、固体電解質粉末。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ペロブスカイト型構造の化合物とマイエナイト型構造の化合物の合計に対するマイエナイト化合物の重量存在比は、0.1wt%~40wt%の範囲である、請求項1に記載の固体電解質粉末。
【請求項3】
前記ペロブスカイト型構造の化合物のTiサイトの一部は、Alで置換されており、
前記ペロブスカイト型構造の化合物の格子定数は、3.8020Å~3.8150Åの範囲である、請求項1または2に記載の固体電解質粉末。
【請求項4】
前記ペロブスカイト型構造の化合物の結晶構造は、立方晶である、請求項3に記載の固体電解質粉末。
【請求項5】
遷移金属または遷移金属化合物の粉末と、
請求項3に記載の固体電解質粉末と、
を有する、固体酸化物形電解セルの燃料極部材用の粉末。
【請求項6】
分散媒と、
請求項5に記載の燃料極部材用の粉末と、
を有する、固体酸化物形電解セルの燃料極用のペースト。
【請求項7】
分散媒と、
請求項3に記載の固体電解質粉末と、
を有する、固体酸化物形電解セルの固体電解質層用のペースト。
【請求項8】
固体酸化物形電解セル用の燃料極用部材であって、
当該燃料極用部材は、遷移金属および固体電解質を有し、
該固体電解質は、ペロブスカイト型構造の化合物と、マイエナイト型構造の化合物とを含み、
前記ペロブスカイト型構造の化合物は、CaおよびTiを含み、
前記固体電解質は、TiとAlの合計量に対するAlの含有量y(=Al/(Ti+Al))が、原子比で、0.05以上0.60未満である、燃料極用部材。
【請求項9】
固体酸化物形電解セル用の固体電解質層用部材であって、
当該固体電解質層用部材は、固体電解質を有し、
該固体電解質は、ペロブスカイト型構造の化合物と、マイエナイト型構造の化合物とを含み、
前記ペロブスカイト型構造の化合物は、CaおよびTiを含み、
前記固体電解質は、TiとAlの合計量に対するAlの含有量y(=Al/(Ti+Al))が、原子比で、0.05以上0.60未満である、固体電解質層用部材。
【請求項10】
燃料極と、
酸素極と、
前記燃料極と前記酸素極との間に設置された固体電解質層と、
を有し、
前記燃料極は、請求項8に記載の燃料極用部材で構成され、および/または前記固体電解質層は、請求項9に記載の固体電解質層用部材で構成される、固体酸化物形電解セル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質粉末、固体酸化物形電解セル用の燃料極用部材および固体電解質層用部材、ならびに固体酸化物形電解セルに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、水蒸気や二酸化炭素、またはそれらの混合ガスを電気分解し、水素および一酸化炭素を生成することができる固体酸化物形電解セル(SOEC)が着目されている。SOECは、燃料極および酸素極と、両電極の間に設けられた固体電解質層とを有し、この固体電解質層中を酸化物イオンが伝導することにより作動する。
【0003】
通常、固体電解質層には、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)のような固体電解質が使用され、燃料極には、NiとYSZの混合物などが使用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
高橋武彦,原弘育,市村剛重,「チタン酸カルシウムを母体とした固溶体のCaTi1-xAlxO3-αのイオン導電性」,電気化学および工業物理化学,37巻,第12号,p.857-862,1962-12,電気化学会
F.M.Lea,C.H.Desch,The Chemistryof Cement and Concrete,2nd ed.,p.52,Edward Arnold&Co.,London,1956
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
SOECの低電力での作動を実現するためには、燃料極や固体電解質層に含まれる材料の酸化物イオン伝導率を高めることが必要となる。このため、YSZに代わる候補材料の研究開発が進められている。
【0006】
非特許文献1には、例えば、CaTiO

系ペロブスカイト型構造の化合物において、Tiのサイトの一部をAlで置換することにより、高温域でのイオン伝導率が向上することが記載されている。
【0007】
ただし、非特許文献1によれば、CaTi
1-x
Al



系化合物は、ある温度を境に、温度とイオン伝導率の間の関係が変化する挙動を有し、すなわち、温度とイオン伝導率の関係において、800℃~900℃の範囲に「折れ点」が生じることが示されている。温度とイオン伝導率の間の関係に、そのような「折れ点」が生じると、低温側で材料のイオン伝導率が大きく低下してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、低温側においても有意に高いイオン伝導率を有する固体電解質粉末を提供することを目的とする。また、本発明では、そのような固体電解質粉末から作製された固体酸化物形電解セル用の燃料極用部材を提供することを目的とする。また、本発明では、そのような固体電解質粉末で構成された固体酸化物形電解セル用の固体電解質層用部材を提供することを目的とする。さらに、本発明では、そのような燃料極用部材および/または固体電解質層用部材を有する固体酸化物形電解セルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、
固体電解質粉末であって、
ペロブスカイト型構造の化合物と、マイエナイト型構造の化合物とを含み、
前記ペロブスカイト型構造の化合物は、CaおよびTiを含み、
当該固体電解質粉末は、TiとAlの合計量に対するAlの含有量y(=Al/(Ti+Al))が、原子比で、0.05以上0.60未満である、固体電解質粉末が提供される。
【0010】
また、本発明では、
固体酸化物形電解セル用の燃料極用部材であって、
当該燃料極用部材は、遷移金属および固体電解質を有し、
該固体電解質は、ペロブスカイト型構造の化合物と、マイエナイト型構造の化合物とを含み、
前記ペロブスカイト型構造の化合物は、CaおよびTiを含み、
前記固体電解質は、TiとAlの合計量に対するAlの含有量y(=Al/(Ti+Al))が、原子比で、0.05以上0.60未満である、燃料極用部材が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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