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公開番号
2023170885
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2023-12-01
出願番号
2022082968
出願日
2022-05-20
発明の名称
固体電解質およびその製造方法
出願人
兵庫県公立大学法人
,
国立大学法人京都大学
代理人
個人
,
弁理士法人M&Partners
主分類
C04B
35/553 20060101AFI20231124BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】常温付近でのフッ化物イオン伝導性を著しく向上させたBaF
2
・SnF
2
二元化合物からなる固体電解質と、その製造方法とを提供する。
【解決手段】フッ化物イオン伝導性を有する固体電解質であって、Ba
(1-x)
Sn
x
F
2
(但し、0.52≦x<0.55)の全体組成を有するフッ化バリウムスズで構成されると共に、その結晶構造が立方晶相と正方晶相との混相で形成されている、ことを特徴とする。また、その製造方法は、フッ化バリウムとフッ化第一スズとをBa
(1-x)
Sn
x
F
2
(但し、0.52≦x<0.55)の全体組成となるように秤量して粉末原料を調製するステップと、上記の粉末原料を粉砕媒体と共にボールミルにセットしてメカニカルミリング処理するステップと、上記メカニカルミリング処理した粉末原料を焼成して結晶構造が立方晶相と正方晶相との混相で形成されるようにするステップとからなる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
フッ化物イオン伝導性を有する固体電解質であって、
Ba
(1-x)
Sn
x
F
2
(但し、0.52≦x<0.55)の全体組成を有するフッ化バリウムスズで構成されると共に、その結晶構造が立方晶相と正方晶相との混相で形成されている、ことを特徴とする固体電解質。
続きを表示(約 290 文字)
【請求項2】
フッ化物イオン伝導性を有する固体電解質の製造方法であって、
フッ化バリウムとフッ化第一スズとをBa
(1-x)
Sn
x
F
2
(但し、0.52≦x<0.55)の全体組成となるように秤量して粉末原料を調製するステップと、
上記の粉末原料を粉砕媒体と共にボールミルにセットしてメカニカルミリング処理するステップと、
上記メカニカルミリング処理した粉末原料を焼成して結晶構造が立方晶相と正方晶相との混相で形成されるようにするステップとからなる、ことを特徴とする固体電解質の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、常温付近でのイオン伝導性に優れた固体電解質とその製造方法とに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、室温に近い低温領域で動作する高効率な電気化学エネルギー貯蔵デバイスとして、フッ化物イオン電池が注目されている。このフッ化物イオン電池の実用化に向けて解決すべき課題の一つに固体電解質のフッ化物イオン伝導性の向上が挙げられる。
この固体電解質となり得るフッ化物イオン伝導性材料の一つとしてBaF
2
・SnF
2
二元化合物が知られている。現在のところ、このBaF
2
・SnF
2
二元化合物で最も高いフッ化物イオン伝導性を有するものとして、下記の非特許文献1には、室温に近い300K(26.85℃)付近で7×10
-4
S/cmのフッ化物イオン伝導度を示すものが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Preishuber-Pflügl, F. et al., ”Defect-enhanced F- ion conductivity in layer-structured nanocrystalline BaSnF4 prepared by high-energy ball milling combined with soft annealing”, Phys. Status Solidi C 2015, 12, 10_14.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実用面を考慮すると、例えばフッ化物イオン電池を電動車の車載用蓄電池に適用するためには、固体電解質のフッ化物イオン伝導度を室温で10
-2
S/cm程度にまで向上させることが一つの目安となっている。
【0005】
それゆえに、本発明の目的は、常温付近でのフッ化物イオン伝導性を著しく向上させたBaF
2
・SnF
2
二元化合物からなる固体電解質と、その製造方法とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、フッ化物イオン伝導性を有する固体電解質を次のように構成した。
すなわち、Ba
(1-x)
Sn
x
F
2
(但し、0.52≦x<0.55)の全体組成を有するフッ化バリウムスズで構成されると共に、その結晶構造が立方晶相と正方晶相との混相で形成されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明における別の発明は、フッ化物イオン伝導性を有する上記の固体電解質の製造方法であって、フッ化バリウム(BaF
2
)とフッ化第一スズ(SnF
2
)とをBa
(1-x)
Sn
x
F
2
(但し、0.52≦x<0.55)の全体組成となるように秤量して粉末原料を調製するステップと、上記の粉末原料を粉砕媒体と共にボールミルにセットしてメカニカルミリング処理するステップと、上記メカニカルミリング処理した粉末原料を焼成して結晶構造が立方晶相と正方晶相との混相で形成されるようにするステップとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、常温付近でのフッ化物イオン伝導性を著しく向上させたBaF
2
・SnF
2
二元化合物からなる固体電解質と、その製造方法とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
様々な条件で試作した固体電解質に対するXRD測定の結果を示す図である。
メノウ媒体等を用いたメカニカルミリング処理で作製した0.50≦x≦0.58のBa
(1-x)
Sn
x
F
2
からなる固体電解質の様々な特性を示す図で、図2Aは、フッ化物イオン伝導度の温度依存性を示す図であり、図2Bは、各組成の固体電解質における焼成前のミリング条件と室温でのフッ化物イオン伝導度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明における固体電解質とその製造方法について、詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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