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公開番号2023170846
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-01
出願番号2022082911
出願日2022-05-20
発明の名称ポリエーテルポリオールの製造方法、ポリウレタン樹脂の製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類C08G 65/26 20060101AFI20231124BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、高生産性を実現しやすいポリエーテルポリオールの製造方法;および前記製造方法で得られたポリエーテルポリオールを用いるポリウレタン樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のポリエーテルポリオールの製造方法は、触媒および環状エーテルを含む混合液が反応する反応槽10と、反応槽10内の混合液を冷却する冷却系と、反応槽10内の混合液を攪拌する攪拌翼2,2とを有するバッチ式反応器20Aを用い、攪拌翼2が、撹拌時の回転によって反応槽10内の液面付近の混合液を上方に移動させながら、反応槽10の内壁面に向けて放射する流路となる部材2cを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
開始剤および触媒の存在下で、少なくとも1種以上の環状エーテルを反応させるポリエーテルポリオールの製造方法であって、
開始剤、触媒および環状エーテルを含む混合液が反応する反応槽と、前記反応槽内の前記混合液を冷却する冷却系と、前記反応槽内の前記混合液を攪拌する攪拌部材とを有するバッチ式反応器を用い、かつ、前記撹拌部材が、撹拌時の回転によって前記反応槽内の液面付近の前記混合液を上方に移動させながら前記反応槽の内壁面に向けて放射する流路となる部材を有する、ポリエーテルポリオールの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記冷却系が、前記反応槽内の混合液を冷却可能な槽内型の冷却器を含み、
前記攪拌部材によって液面より上方に移動した前記混合液を前記槽内型の冷却器と接触させる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記冷却系が、前記反応槽の壁面を冷却可能な外付け型の冷却器を含み、
前記攪拌部材によって液面より上方に移動した前記混合液を前記反応槽の内壁面と接触させる、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記攪拌部材が、一枚の平板と、前記平板と任意の角度をなして前記攪拌部材の回転軸から離れる向きに折り曲げて形成された部材とを有し、
前記平板は、前記反応槽内での正面視において前記回転軸の中心線を境とした斜め上方に位置する上方部と、前記中心線を境とした斜め下方に位置する下方部とを含み、
前記平板の形状は、前記上方部から前記下方部に向うにしたがい面積が漸次広がる形状である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
開環付加重合させる際の圧力が、1.0MPaG以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記開始剤が、炭素数が1~32の1価の脂肪族アルコール;炭素数が1~16の脂肪族ジオール;炭素数が1~16であり、かつ、水酸基を3~8個有する脂肪族ポリオール;水酸基価が10~750mgKOH/gであるポリオキシアルキレンモノオール;および水酸基価が10~1600mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記環状エーテルの炭素数が、2~4である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ポリエーテルポリオールの水酸基価換算分子量が、300~100000である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項9】
前記触媒が、アルカリ触媒または複合金属シアン化物錯体触媒である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項10】
請求項1または2に記載の製造方法で得られたポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを反応させることを含む、ポリウレタン樹脂の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエーテルポリオールの製造方法、ポリウレタン樹脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエーテルポリオールは、例えば、ポリウレタン樹脂、機能性油剤の原料として種々の用途に使用される。ポリエーテルポリオールは、水酸基等の活性水素含有基を有する開始剤に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルを触媒の存在下で開環付加重合させる方法で製造できる。
触媒としては、水酸化カリウム等のアルカリ触媒、複合金属シアン化物錯体触媒(DMC触媒)が使用されることが多い。アルカリ触媒を使用すると、ある程度分子量の高いポリエーテルポリオールが得られる。DMC触媒を使用すると、環状エーテルの開環付加重合の反応速度がアルカリ触媒と比較してさらに高くなる。また、さらに高分子量のポリエーテルポリオールを製造できる(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1では、図9に示すような反応器120を用いてポリエーテルポリオールを得ることが提案されている。反応器120は、反応槽110と;反応槽110の中心軸に沿って設けられた回転軸101と;回転軸101に装着された攪拌翼102と;反応槽110内の液体と接触可能に配置された冷却コイル103と;反応槽110の壁面を冷却する冷却ジャケット104と;温度計105と;を有する。
攪拌翼102は、回転軸101の下端に固定され、かつ、反応槽110の径方向に延びる板状のボトムパドル106と;ボトムパドル106より上方の回転軸101に固定された格子翼107と;が一体化したものである。
【0004】
反応槽110においては、槽頂部に形成された投入口108から開始剤および触媒が槽内に供給される。そして、槽底部に形成されたフィード口109から環状エーテルが反応槽110内に供給され、ポリエーテルポリオールの合成反応が開始する。回転軸101は槽外の駆動源によって回転可能である。反応槽110で反応を行う間、回転軸101および攪拌翼102が図10の矢印で示すように反時計回りに回転することで、反応槽110内の液体を攪拌する。この攪拌翼102が回転すると、槽底部の混合液がパドル翼106の回転による遠心力の作用を受け、回転軸101の下方から反応槽110の内壁面に向かう放射流が発生する。結果、攪拌翼102と反応槽110の内壁面の間に上昇流が発生し、また、回転軸101および格子翼107の付近に下降流が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2013/065802号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
環状エーテルの開環付加重合反応では、大きな反応熱が生じる。特に、DMC触媒を用いる場合、反応速度がより高いため、単位時間あたりの発熱量もより大きくなりやすい。よって、ポリエーテルポリオールの製造においては、反応槽を冷却し、かつ、環状エーテルの供給量の増減によって反応熱を制御することで、その生産性をできるだけ高めている。結果、ポリエーテルポリオールの生産効率は、反応槽の冷却能力に依存する。
【0007】
しかし、従来の製造方法では、図9に示すような反応槽110内の反応液の液面が低いときには、反応液と冷却コイル103との接触面積、反応液と冷却ジャケット104との接触面積が狭くなる。そのため、反応槽110内の反応液を充分に冷却できないおそれがある。結果、反応開始時点から時間がしばらく経過するまでの間は発熱量との関係で環状エーテルの供給量を少なくせざるを得ないため、ポリエーテルポリオールを製造する際の生産性を高めにくいという課題がある。
【0008】
本発明は、高生産性を実現しやすいポリエーテルポリオールの製造方法;および前記製造方法で得られたポリエーテルポリオールを用いるポリウレタン樹脂の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記の態様を有する。
[1]開始剤および触媒の存在下で、少なくとも1種以上の環状エーテルを反応させるポリエーテルポリオールの製造方法であって;開始剤、触媒および環状エーテルを含む混合液が反応する反応槽と、前記反応槽内の前記混合液を冷却する冷却系と、前記反応槽内の前記混合液を攪拌する攪拌部材とを有するバッチ式反応器を用い、かつ、前記撹拌部材が、撹拌時の回転によって前記反応槽内の液面付近の前記混合液を上方に移動させながら前記反応槽の内壁面に向けて放射する流路となる部材を有する、ポリエーテルポリオールの製造方法。
[2]前記冷却系が、前記反応槽内の混合液を冷却可能な槽内型の冷却器を含み;前記攪拌部材によって液面より上方に移動した前記混合液を前記槽内型の冷却器と接触させる、[1]の製造方法。
[3]前記冷却系が、前記反応槽の壁面を冷却可能な外付け型の冷却器を含み;前記攪拌部材によって液面より上方に移動した前記混合液を前記反応槽の内壁面と接触させる、[1]または[2]の製造方法。
[4]前記攪拌部材が、一枚の平板と、前記平板と任意の角度をなして前記攪拌部材の回転軸から離れる向きに折り曲げて形成された部材とを有し;前記平板は、前記反応槽内での正面視において前記回転軸の中心線を境とした斜め上方に位置する上方部と、前記中心線を境とした斜め下方に位置する下方部とを含み;前記平板の形状は、前記上方部から前記下方部に向うにしたがい面積が漸次広がる形状である、[1]~[3]のいずれかの製造方法。
[5]開環付加重合させる際の圧力が、1.0MPaG以下である、[1]~[4]のいずれかの製造方法。
[6]前記開始剤が、炭素数が1~32の1価の脂肪族アルコール;炭素数が1~16の脂肪族ジオール;炭素数が1~16であり、かつ、水酸基を3~8個有する脂肪族ポリオール;水酸基価が10~750mgKOH/gであるポリオキシアルキレンモノオール;および水酸基価が10~1600mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、[1]~[5]のいずれかの製造方法。
[7]前記環状エーテルの炭素数が、2~4である、[1]~[6]のいずれかの製造方法。
[8]前記ポリエーテルポリオールの水酸基価換算分子量が、300~100000である、[1]~[7]のいずれかの製造方法。
[9]前記触媒が、アルカリ触媒または複合金属シアン化物錯体触媒である、[1]~[8]のいずれかの製造方法。
[10][1]~[9]のいずれかの製造方法で得られたポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを反応させることを含む、ポリウレタン樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高生産性を実現しやすいポリエーテルポリオールの製造方法;および前記製造方法で得られたポリエーテルポリオールを用いるポリウレタン樹脂の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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