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公開番号2023167725
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-24
出願番号2022079123
出願日2022-05-13
発明の名称セメント含有疎水性材料の製造方法
出願人群馬県,ベスト資材株式会社
代理人
主分類C04B 18/16 20230101AFI20231116BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】セメント含有材料の粉粒体の熱処理によって有機物を燃焼除去し、CSHが保持する水和水を除去しても再び空気中の湿気を吸収するため、建築構造物中に混練しても乾燥収縮ひび割れを抑制することが困難である。
【解決手段】本発明では、有機物が混合されたセメント含有材料の粉粒体に支燃性ガスを供給しながら900℃以上の温度で熱処理することで、有機物を燃焼除去できるだけでなく、表面親水性の低下と吸湿量の低減が可能となることを見出した。これにより、コンクリートの単位水量を低減でき、乾燥収縮に伴うひび割れを抑制できる。また、この他にも本発明は、例えばプラスチック成形品のフィラーや電気・電子部品に用いられる絶縁粉末といった低吸湿性が要求される用途で利用できる。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
50wt.%以下の割合で有機物を含むセメント含有材料の粉粒体を、支燃性ガスを供給しつつ、加熱手段により900℃以上~1200℃以下の温度で燃焼させ、前記セメント含有材料の粉粒体表面の親水性を低減させるセメント含有疎水性材料の製造方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記セメント含有材料の粉粒体が、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、エコセメントのうち、少なくとも1種類以上を含有する請求項1に記載のセメント含有疎水性材料の製造方法。
【請求項3】
前記支燃性ガスが、空気、酸素、オゾン、亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素よりなる群から少なくとも1種類以上を含有する請求項1に記載のセメント含有疎水性材料の製造方法。
【請求項4】
選択された前記支燃性ガスが、空気の場合、送り量が100aW/T~900aW/Tの範囲であり、選択された前記支燃性ガスが、酸素、オゾンまたは二酸化窒素の場合、送り量が20aW/T~180aW/Tの範囲であり、選択された前記支燃性ガスが、亜酸化窒素または一酸化窒素の場合、送り量が40aW/T~360aW/Tの範囲である請求項3に記載のセメント含有疎水性材料の製造方法。
ただし、前記支燃性ガスの送り量の単位記号において、Wは、前記セメント含有材料の一種の窯業系サイディングの重量(kg)を表し、aは、窯業系サイディングに含有される有機物の重量割合(wt.%) を表し、Tは、熱処理時間(分)を表す。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はフィラーや骨材に使用可能なセメント含有疎水性材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
(セメント含有材料について)
建築物の住宅外壁材や外構などに利用されているコンクリート、モルタルあるいは窯業系サイディングを構成する主要のセメント含有材料は、セメントに繊維質原料、混和剤および水を添加し、任意の形状に成形して固形化したものである。
【0003】
上述のセメントにはケイ酸三カルシウム(エーライト、3CaO・SiO

)、ケイ酸二カルシウム(ビーライト、2CaO・SiO

)、水酸化カルシウム(Ca(OH)

)といった無機成分が含有されており、水と反応してセメント水和物(以下、CSHと呼称する。)を形成することにより硬化するようになる。また、セメント含有材料は表面吸着水の他、CSHが有する微細空隙への凝集水といった水分を保持しており、水分保持量は相対湿度によって可逆的に変動する。
【0004】
(セメント含有材料のリサイクルについて)
一方、セメント含有材料には機械的強度の向上や軽量化、保水性の向上といった機能性を付与する上に、デザイン性付与などを目的として有機物が混練されている。このようなセメント含有材料を建築物へ施工した後、建築物の取り壊し等で発生するセメント含有材料、あるいは工場におけるプレカットで発生する端材や粉末などは、廃棄する際の埋立地の確保難や、資源の有効活用の観点から、再利用する技術の確立が急務となっている。しかし、セメント含有材料のうち、特に窯業系サイディングの場合は有機物の混合割合が高く、またCSHと有機物を分離することも困難なため、現状でほとんど再利用されずに産業廃棄物として埋立処分されているのが現状である。
【0005】
このような背景から、これまで有機物を多く含むため再利用が困難だった窯業系サイディングを再利用する方法として、支燃性ガスを導入しながら500~600℃で加熱することにより有機物の燃焼除去と、CSHが保持する水和水の除去を同時に行う技術が提案されている。例えば、特許文献1および特許文献2などである。つまり、窯業系サイディング粉粒体も、熱処理することでCSHより水和水が除去され水分率を低減できる提案である。
【0006】
また、特許文献1および特許文献2によれば有機物を除去したセメント含有材料については、コンクリートやモルタルを製造する際の骨材として混合することで硬化時の発熱抑制や製造コストの低減に寄与できることも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-077572号
特開2020-083727号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、セメント含有材料の粉粒体の熱処理によって有機物を燃焼除去し、CSHが保持する水和水を除去しても、再び空気中の湿気を吸収するため、建築構造物に利用したとしても、乾燥収縮ひび割れを抑制することが困難な場合が多い。以上のことから、表面親水性が低く(表面疎水性が高く)、なおかつ吸湿量の少ないセメント含有材料の粉粒体が希求されている。
【0009】
そこで本発明は、上述の問題点に鑑みて、使用済みのセメント含有材料の粉粒体を、コンクリート、モルタルあるいは窯業系サイディングなどに再利用した際の乾燥収縮ひび割れの抑制を可能にするため、疎水的な表面に改質する。なおかつ前述の疎水性が長期間持続するようなセメント含有疎水性材料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための手段1は、
50wt.%以下の割合で有機物を含むセメント含有材料の粉粒体に、支燃性ガスを供給しつつ、900℃以上~1200℃以下の温度範囲で燃焼効率よく加熱する方法である。すなわち、作用効果を考えた場合、先行技術とは全く異なる観点の発明であり、前述の粉粒体の形状があまり変形しない範囲で燃焼加熱するという方法により、含有される有機物を燃焼させ、取り除くのである。この結果、粉粒体の少なくとも表面の有機物を除去したセメント含有疎水性材料を製造する方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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