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公開番号2023166614
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-21
出願番号2023158204,2021500497
出願日2023-09-22,2019-03-21
発明の名称SHP2ホスファターゼ阻害剤およびこれらの使用方法
出願人リレー セラピューティクス, インコーポレイテッド,ディ.イー.ショー リサーチ,エルエルシー,D.E.SHAW RESEARCH,LLC
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07D 213/70 20060101AFI20231114BHJP(有機化学)
要約【課題】SHP2ホスファターゼ阻害剤およびこれらの使用方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、新規化合物およびその薬学的組成物、ならびに本開示の化合物および組成物を用いてSHP2ホスファターゼの活性を阻害するための方法に関する。本開示はさらに、SHP2脱調節に関連する障害を、本開示の化合物および組成物を用いて処置するための方法に関するが、これらに限定されない。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2023166614000567.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">15</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">33</com:WidthMeasure> </com:Image> 本明細書中に記載される方法はまた、治療有効量の抗体、抗体-薬物結合体、免疫調節薬、またはヒストンデアセチラーゼ阻害剤をさらに投与する工程を包含し得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式X:
TIFF
2023166614000536.tif
30
33
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、式Xにおいて;
Xは、-CH

-、-CH(R

)-、-C(R



-、-C(O)-、-NH-、-N(R

)-、または-O-であり;
Yは、C、CH、C(R

)、またはNであり;
TIFF
2023166614000537.tif
5
7
は、YがCH、C(R

)、またはNである場合には、単結合であるか;あるいは
TIFF
2023166614000538.tif
6
7
は、YがCである場合には、二重結合であり;


は、L

-Cy

-L

-R

であり;
Cy

は、フェニル、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1個~4個のヘテロ原子を有する単環式の5員~6員のヘテロアリール;または窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1個~5個のヘテロ原子を有する二環式の8員~10員のヘテロアリールであり;ここでCy

は、m個の例のR

により置換されており;
Cy

は、ベンゾ;窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1個~4個のヘテロ原子を有する5員~6員のヘテロアリーロ;3員~7員の飽和もしくは部分不飽和の脂環式縮合;または窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1個~2個のヘテロ原子を有する3員~7員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロシクロであり;ここでCy

がヘテロシクロまたはヘテロアリーロである場合、該ヘテロ原子は、Cy

内の任意の位置に存在し得;そして各場合に、Cy

は、n個の例のR

により置換されており;


は、共有結合または-C(O)-であり;


は、共有結合であるか、またはC
1~4
の二価の飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここで該鎖の1個または2個のメチレン単位は、-CH(R

)-、-C(R



-、C
3~5
シクロアルキレン、-N(R)-、-N(R)C(O)-、-C(O)N(R)-、-N(R)S(O)

-、-S(O)

N(R)-、-O-、-C(O)-、-OC(O)-、-C(O)O-、-S-、-S(O)-、または-S(O)

-により必要に応じて独立して置き換えられており;


は、水素、R

、またはR

であり、そしてR

がR

である場合、R

は、q個の例のR

により置換されており;
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記化合物が、式:
TIFF
2023166614000540.tif
40
137
のうちの1つの化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項3】
Cy

が:
TIFF
2023166614000541.tif
40
134
からなる群より選択され、
ここでCy

は、m個の例のR

により置換されている、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物が、式:
TIFF
2023166614000542.tif
74
109
TIFF
2023166614000543.tif
49
108
のうちの1つの化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項5】
前記化合物が、式:
TIFF
2023166614000544.tif
22
73
のうちの1つの化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項6】
前記化合物が、式:
TIFF
2023166614000545.tif
21
73
のうちの1つの化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項7】
前記化合物が、式:
TIFF
2023166614000546.tif
19
72
のうちの1つの化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項8】
前記化合物が、式:
TIFF
2023166614000547.tif
19
72
のうちの1つの化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項9】
前記化合物が、式:
TIFF
2023166614000548.tif
19
71
のうちの1つの化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項10】
変数aが2である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の引用
本願は、米国仮出願第62/646,099号(2018年3月21日出願);同第62/649,834号(2018年3月29日出願);同第62/646,083号(2018年3月21日出願;同第62/661,902号(2018年4月24日出願;および同第62/737,819号(2018年9月27日出願の利益および優先権を主張する。これらの米国仮出願の各々の内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
背景
Srcホモロジー領域2(SH2)含有プロテインチロシンホスファターゼ2(SHP2)は、PTPN11遺伝子によりコードされるプロテインチロシンホスファターゼである。SHP2は、2つのSrcホモロジー2(SH2)NH2末端ドメインおよび1つのC末端プロテイン-チロシンホスファターゼドメインを含む。これは、種々の組織および細胞型において、遍在的に発現される。SHP2は、細胞の生物学的プロセスを調節するための広範なシグナル伝達経路において、重要な役割を果たし、そして種々の増殖因子およびサイトカインのシグナル伝達経路に関与する。1つのシグナル伝達経路内で、SHP2は、細胞内シグナル伝達プロセスにおける正の(シグナルを増強する)役割と負の(シグナルを減少させる)役割との両方を果たすことができる。SHP2は、その関連するシグナル伝達分子を脱リン酸化させ、これにより局所的なシグナル伝達流を減衰させることによって、機能すると考えられている。しかし、大部分のシグナル伝達経路(例えば、増殖因子、成長因子、サイトカイン、および細胞外マトリックス受容体)におけるSHP2作用の主要な影響は、シグナル伝達を増強することである。例えば、SHP2は、ERK/MAPKシグナル伝達経路の正のレギュレーターであり、細胞の増殖および生存を調節するのに主要な役割を果たす。(SHP2ホスファターゼの概説については、例えば、K.S.Grossman et al.,Adv.Cancer Res.2010,106,53-89;およびそれに引用される参考文献を参照のこと。)
基礎状態において、SHP2は通常、そのN末端SH2(N-SH2)ドメインとその触媒(PTP)ドメインとの間の分子内相互作用(これは、その触媒部位への接近を遮断する)に起因して、自己阻害されている。SH2ドメインと相互作用するタンパク質の活性化は、この阻害を逆転させるコンフォメーション変化を誘導し、そして基質がこの触媒部位に接近することを可能にする。SHP2の基礎的な阻害に関与するN-SH2またはPTPドメインの残基に影響を与えるPTPN11遺伝子の変異は、SHP2タンパク質の、より容易に活性化可能な形態をもたらし、これは、調節されないかまたは増大したSHP2活性をもたらし得る。SHP2のこのような活性化変異体は、ヌーナン症候群(SHP2のほぼ全ての変異形態が増大したPTP活性を示す)などの発達障害に関連付けられている。従って、SHP2ホスファターゼ阻害剤化合物、ならびにこれらの化合物を用いてがんおよび他の障害を処置するための方法が、必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
K.S.Grossman et al.,Adv.Cancer Res.2010,106,53-89
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要旨
いくつかの実施形態において、本開示は、
TIFF
2023166614000001.tif
40
98
によって表される、式IaもしくはIbの化合物、もしくはその薬学的に受容可能な塩または立体異性体を提供し、式IaおよびIbにおいて、
Dは、フェニル、S、OまたはNからなる群より各々独立して選択される1個または2個のヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリール、およびC
3~6
シクロアルキルからなる群より選択され、ここでDは、利用可能な炭素上で、R
D1
から各々独立して選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されており、そして存在する場合には窒素上で、R
D2
から各々独立して選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されており;
Uは、C、CR

またはNであり;
Vは、C、CR

またはNであり;ここでUまたはVのうちの少なくとも一方は、C、CR

またはNでなければならず;
Bは、DとBとにより共有される2個の原子が、両方が炭素であるか、または一方が炭素であり一方が窒素であるように、Dと縮合しており;


は独立して、水素、-C(O)N(R



、-N(R



、および-C
1~3
アルキル-N(R



からなる群より選択され;


は、各存在について独立して、H、-(C

~C

)アルキル、-C(O)OC
1~4
アルキル、およびフェニルからなる群より選択され;

D1
は、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、および-N(R



からなる群より選択され;

D2
は、-(C

~C

)アルキルおよびフェニルから選択され;
Xは、結合、-O-、-NR
X1
-、および-S(O)

-(ここでwは0、1もしくは2である)からなる群より選択され;


は、8員~12員の二環式ヘテロアリール、フェニル、5員~7員の単環式ヘテロアリール、および4員~7員のヘテロシクリルからなる群より選択される環部分であり、ここでこの環部分は、R
10
、-OR
10
、-S(O)


10
(ここでwは0、1もしくは2である)、-C
1~6
アルキル-S(O)

-C
1~3
アルキル、-N(R
10


、-N(CO)R
10
、-N-S(O)
【0005】
本開示はまた、例えば、本明細書中に記載される化合物を含有する薬学的組成物を提供する。さらに、本開示は、治療有効量の本明細書中に記載される化合物または組成物を、必要とする被験体(例えば、ヒト)に投与することにより、被験体におけるSHP2ホスファターゼ活性を阻害する方法を提供する。
【0006】
本開示はさらに、例えば、治療有効量の本明細書中に記載される化合物または組成物を、その必要がある被験体に投与することにより、被験体における障害を処置する方法を提供する。障害の例としては、ヌーナン症候群、好中球減少症、糖尿病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、若年性白血病、若年性骨髄単球性白血病、乳がん、肺がん、および結腸直腸がんが挙げられる。本明細書中に記載される化合物または組成物に加えて、このような方法は、治療有効量の抗体、抗体-薬物結合体、免疫調節薬、またはヒストンデアセチラーゼ阻害剤の投与を包含し得る。
【0007】
本開示は、部分的には、本願の実施例の節により十分に記載されている特定の発見に基づく。例えば、本開示は、部分的には、本明細書中に開示される化合物、およびこのような化合物により示されるSHP2ホスファターゼ阻害の発見に基づく。
【0008】
本開示のこれらおよび他の実施形態は、本願の以下の節(詳細な説明、実施例、および特許請求の範囲が含まれる)に、さらに記載されている。本開示のさらに他の目的および利点は、本明細書中の開示(これらは単に説明的であり、限定的ではない)から、当業者に明らかになる。従って、他の実施形態は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者により認識される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1Aは、エルロチニブ(EGFR阻害剤)および本開示のSHP2阻害剤を使用する、KYSE520(頭頚部の扁平上皮癌細胞)の相乗増殖阻害を示すアイソボログラム(isobologram)を図示する。
図1Bは、クリゾチニブ(ALK阻害剤)および本開示のSHP2阻害剤を使用する、NCI-H3122(非小細胞肺がん細胞)の相乗増殖阻害を示すアイソボログラムを図示する。
図2Aは、セルメチニブ(selumetinib)(MEK阻害剤)および本開示のSHP2阻害剤を使用する、NCI-N87(胃がん細胞)の相乗増殖阻害を示すアイソボログラムを図示する。
図2Bは、ARS-1620(KRAS G12C阻害剤)および本開示のSHP2阻害剤を使用する、NCI-H23(KRAS G12C変異非小細胞肺がん細胞)の相乗増殖阻害を示すアイソボログラムを図示する。
図3。AZD-4547(FGFR阻害剤)および本開示のSHP2阻害剤を使用する、HuH-7(肝細胞癌細胞)の相乗増殖阻害を示すアイソボログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
活性化SHP2変異は、若年性骨髄単球性白血病(例えば、Q506P)、慢性骨髄単球性白血病(例えば、Y63C)、神経芽細胞腫(例えば、T507K)、黒色腫(例えば、R138Q)、急性骨髄性白血病(例えば、G503V)、乳がん、肺がん(例えば、E76V)、結腸直腸がん(例えば、E76G)において検出されている。(M.Bentires-Alj et al.,Cancer Res.2004,64,8816-8820;およびそれに引用される参考文献。
(【0011】以降は省略されています)

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