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公開番号2023166601
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-21
出願番号2023154150,2021195074
出願日2023-09-21,2016-08-22
発明の名称プログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)iRNA組成物およびその使用方法
出願人アルナイラム ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド,ALNYLAM PHARMACEUTICALS, INC.
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/113 20100101AFI20231114BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】PD-L1遺伝子のRNA転写物のRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)媒介切断に影響するRNAi組成物を提供する。
【解決手段】プログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(RNAi)剤であって、該RNAi剤が、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、該センス鎖が、特定のヌクレオチド配列からなる配列の部分配列の群のうちのいずれか1つとは3つ以下のヌクレオチドが異なる、連続する少なくとも15ヌクレオチドを含み、該アンチセンス鎖が、もう一つの特定のヌクレオチド配列の相補的部分とは3つ以下のヌクレオチドが異なる、連続する少なくとも15ヌクレオチドを含み、かつ該RNAi剤が、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む、二本鎖RNAi剤である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(RNAi)剤であって、該RNAi剤が、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、該センス鎖が、SEQ ID NO:1のヌクレオチド配列のヌクレオチド3221~3243、351~372、618~641、618~639、619~640、620~641、1093~1115、1093~1114、1094~1115、1167~1188、1293~1314、1518~1539、2103~2124、2220~2261、2220~2241、2240~2261、2648~2680、2648~2669、2658~2679、2659~2680、3143~3164、3198~3219、3221~3242、または3222~3243のうちのいずれか1つとは3つ以下のヌクレオチドが異なる、連続する少なくとも15ヌクレオチドを含み、該アンチセンス鎖が、SEQ ID NO:2のヌクレオチド配列の相補的部分とは3つ以下のヌクレオチドが異なる、連続する少なくとも15ヌクレオチドを含み、かつ該RNAi剤が、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む、二本鎖RNAi剤。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
プログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(RNAi)剤であって、該RNAi剤が、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、該アンチセンス鎖が、二重鎖AD-67635、AD-67637、AD-67658、AD-67632、AD-67629、AD-67631、AD-67633、AD-67643、AD-67653、AD-67640、AD-67650、AD-67676、AD-67661、AD-67667、AD-67655、AD-67672、AD-67659、AD-67673、AD-67664、AD-67662、AD-67660、AD-67656、AD-67628、AD-67647、AD-67626、またはAD-67645のうちのいずれか1つにおけるアンチセンス配列のうちのいずれか1つとは3つ以下のヌクレオチドが異なる、連続する少なくとも15ヌクレオチドを含む相補性領域を含む、二本鎖RNAi剤。
【請求項3】
センス鎖およびアンチセンス鎖が、二重鎖AD-67635、AD-67637、AD-67658、AD-67632、AD-67629、AD-67631、AD-67633、AD-67643、AD-67653、AD-67640、AD-67650、AD-67676、AD-67661、AD-67667、AD-67655、AD-67672、AD-67659、AD-67673、AD-67664、AD-67662、AD-67660、AD-67656、AD-67628、AD-67647、AD-67626、またはAD-67645のうちのいずれか1つにおけるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つからなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項1または2記載のdsRNA剤。
【請求項4】
センス鎖のヌクレオチドの実質的に全てまたはアンチセンス鎖のヌクレオチドの実質的に全てが、ヌクレオチド修飾を含む、請求項1~3のいずれか一項記載のdsRNA剤。
【請求項5】
センス鎖のヌクレオチドの全ておよびアンチセンス鎖のヌクレオチドの全てが、修飾を含む、請求項1~3のいずれか一項記載のdsRNA剤。
【請求項6】
プログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(RNAi)剤であって、該二本鎖RNAi剤が、二本鎖領域を形成しているセンス鎖およびアンチセンス鎖を含み、
該センス鎖が、SEQ ID NO:1のヌクレオチド配列のヌクレオチド3221~3243、351~372、618~641、618~639、619~640、620~641、1093~1115、1093~1114、1094~1115、1167~1188、1293~1314、1518~1539、2103~2124、2220~2261、2220~2241、2240~2261、2648~2680、2648~2669、2658~2679、2659~2680、3143~3164、3198~3219、3221~3242、または3222~3243のうちのいずれか1つとは3つ以下のヌクレオチドが異なる、連続する少なくとも15ヌクレオチドを含み、該アンチセンス鎖が、SEQ ID NO:2のヌクレオチド配列の相補的部分とは3つ以下のヌクレオチドが異なる、連続する少なくとも15ヌクレオチドを含み、
該センス鎖のヌクレオチドの実質的に全ておよび該アンチセンス鎖のヌクレオチドの実質的に全てが、ヌクレオチド修飾を含み、かつ
該センス鎖が、3'末端に結合したリガンドにコンジュゲートしている、
二本鎖RNAi剤。
【請求項7】
センス鎖のヌクレオチドの全ておよびアンチセンス鎖のヌクレオチドの全てが、修飾を含む、請求項6記載の二本鎖RNAi剤。
【請求項8】
ヌクレオチド修飾のうちの少なくとも1つが、デオキシ-ヌクレオチド、3'末端デオキシ-チミン(dT)ヌクレオチド、2'-O-メチル修飾ヌクレオチド、2'-フルオロ修飾ヌクレオチド、2'-デオキシ-修飾ヌクレオチド、ロックドヌクレオチド、アンロックドヌクレオチド、配座固定ヌクレオチド、拘束エチルヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、2'-アミノ-修飾ヌクレオチド、2'-O-アリル-修飾ヌクレオチド、2'-C-アルキル-修飾ヌクレオチド、2'-ヒドロキシル(hydroxly)-修飾ヌクレオチド、2'-メトキシエチル修飾ヌクレオチド、2'-O-アルキル-修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホロアミデート、非天然塩基を含むヌクレオチド、テトラヒドロピラン修飾ヌクレオチド、1,5-アンヒドロヘキシトール修飾ヌクレオチド、シクロヘキセニル修飾ヌクレオチド、ホスホロチオエート基を含むヌクレオチド、メチルホスホネート基を含むヌクレオチド、5'-ホスフェートを含むヌクレオチド、および5'-ホスフェートミミックを含むヌクレオチドからなる群より選択される、請求項1~6のいずれか一項記載のRNAi剤。
【請求項9】
ヌクレオチド修飾が、3'末端デオキシ-チミンヌクレオチド(dT)の短い配列を含む、請求項8記載のRNAi剤。
【請求項10】
相補性領域が、少なくとも17ヌクレオチド長である、請求項2記載のRNAi剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2015年9月2日に出願された米国仮特許出願第62/213,224号の恩典を主張し、この出願の全内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
続きを表示(約 3,800 文字)【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された、その全体が参照により本明細書に組み入れられる配列表を含む。2016年7月29日に作成されたASCIIコピーは、名称が121301-04220_SL.txtであり、サイズが108,003バイトである。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
プログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)は、マウス19番染色体およびヒト9番染色体上のCD274遺伝子によってコードされる、アミノ酸290個のI型膜貫通タンパク質である。PD-L1の発現は、慢性感染、例えば、慢性ウイルス感染(例えば、とりわけHIV、HBV、HCVおよびHTLVを含む)、慢性細菌感染(例えば、とりわけヘリコバクター-ピロリ(Helicobacter pylori)を含む)、および慢性寄生虫感染(例えば、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)を含む)に関与する免疫応答の回避に関与する。PD-L1の発現は、T細胞、B細胞、マクロファージ、樹状細胞、ならびに内皮細胞、肝細胞、筋肉細胞、および胎盤を含む非造血細胞を含む多数の組織および細胞型において検出されている。
【0004】
PD-L1の発現は、抗腫瘍免疫活性の抑制にも関与する。腫瘍は、宿主T細胞によって認識され得る抗原を発現するが、腫瘍の免疫学的排除は稀である。この失敗の一部は、腫瘍の微小環境による免疫抑制のせいである。多くの腫瘍上のPD-L1の発現は、この抑制環境の構成要素であり、他の免疫抑制シグナルと協調して作用する。PD-L1の発現は、乳房、肺、結腸、卵巣、黒色腫、膀胱、肝臓、唾液、胃、グリオーマ、甲状腺、胸腺上皮、頭部、および頸部を含む多種多様な固形腫瘍上にインサイチューで示されている(Brown JA et al., 2003. J. Immunol. 170:1257-66; Dong H et al. 2002. Nat. Med. 8:793-800; Hamanishi J, et al. 2007. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104:3360-65; Strome SE et al. 2003. Cancer Res. 63:6501-5; Inman BA et al. 2007. Cancer 109:1499-505; Konishi J et al. 2004. Clin. Cancer Res. 10:5094-100; Nakanishi J et al. 2007. Cancer Immunol. Immunother. 56:1173-82; Nomi T et al. 2007. Clin. Cancer Res. 13:2151-57; Thompson RH et al. 2004. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101:17174-79; Wu C, Zhu Y, Jiang J, Zhao J, Zhang XG, Xu N. 2006. Acta Histochem. 108:19-24)。加えて、PD-L1に対する受容体であるプログラム細胞死タンパク質1(PD-1およびCD279としても公知)の発現は、腫瘍浸潤リンパ球上でアップレギュレーションされ、これは腫瘍の免疫抑制にも寄与する(Blank C et al. 2003. J. Immunol. 171:4574-81)。最も重要なことに、腫瘍上でのPD-L1の発現を疾患の転帰と関係づける研究は、PD-L1の発現が腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、乳がん、胃がん、および膵臓がんにおける予後不良と強く相関することを示している(Hamanishi J et al. 2007. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104:3360-65; Inman BA et al. 2007. Cancer 109:1499-505; Konishi J et al. 2004. Clin. Cancer Res. 10:5094-100; Nakanishi J et al. 2007. Cancer Immunol. Immunother. 56:1173-82; Nomi T et al. 2007. Clin. Cancer Res. 13:2151-57; Thompson RH et al. 2004. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101:17174-79; Wu C, Zhu Y, Jiang J, Zhao J, Zhang XG, Xu N. 2006. Acta Histochem. 108:19-24)。加えて、これらの研究は、腫瘍上でのより高いレベルのPD-L1発現が腫瘍の病期の進行およびより深い組織構造への浸潤を促進する場合があることを示唆している。
【0005】
PD-1経路は、血液悪性腫瘍にも役割を果たすことができる。PD-L1は、正常な形質細胞上ではなく、多発性骨髄腫細胞上に発現される(Liu J et al. 2007. Blood 110:296-304)。PD-L1は、いくつかの原発性T細胞リンパ腫、特に未分化大細胞Tリンパ腫上に発現される(Brown JA et al., 2003. J. Immunol. 170:1257-66)。PD-1は、血管免疫芽球性リンパ腫のT細胞上に高度に発現され、PD-L1は、関連する濾胞樹状細胞ネットワーク上に発現される(Dorfman DM et al. 2006. Am. J. Surg. Pathol. 30:802-10)。結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫において、リンパ球または組織球(L&H)細胞と関連するT細胞は、PD-1を発現する。PD-1連結によって誘導される遺伝子の読出しを使用するマイクロアレイ分析は、ホジキンリンパ腫において腫瘍関連T細胞がインサイチューでPD-1シグナルに応答性であることを示唆している(Chemnitz JM et al. 2007. Blood 110:3226-33)。PD-1およびPD-L1は、HTLV-1媒介成人T細胞白血病およびリンパ腫においてCD4 T細胞上に発現される(Shimauchi T et al. 2007. Int. J. Cancer 121: 2585-90)。これらの腫瘍細胞は、TCRシグナルに低応答性である。
【0006】
動物モデルにおける研究は、腫瘍上のPD-L1がT細胞活性化および腫瘍細胞の溶解を阻害し、場合によっては増加した腫瘍特異的T細胞死を導くことを実証している(Dong H et al. 2002. Nat. Med.8:793-800; Hirano F et al. 2005. Cancer Res.65:1089-96)。腫瘍関連APCは、PD-1:PD-L経路を利用して抗腫瘍T細胞応答を制御することもできる。腫瘍関連骨髄DC集団上のPD-L1の発現は、腫瘍の環境因子によってアップレギュレーションされる(Curiel TJ et al. 2003. Nat. Med. 9:562-67)。B16黒色腫の腫瘍流入領域リンパ節における形質細胞様樹状細胞(DC)は、制御性T細胞の抑制活性を強く活性化するIDOを発現する。IDOで処置された制御性T細胞の抑制活性は、IDO発現DCとの細胞接触を必要とした(Sharma MD et al. 2007. J. Clin. Invest. 117:2570-82)。
【0007】
したがって、当技術分野において、慢性細胞内感染症などの感染症、例えば、 ウイルス疾患、例えば、肝炎感染、または細菌感染、例えば、結核感染;およびがん、例えば、肝臓がん、例えば、肝細胞がんといった、PD-L1関連疾患のための有効な処置の必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、PD-L1遺伝子のRNA転写物のRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)媒介切断に影響するiRNA組成物を提供する。PD-L1遺伝子は、細胞、例えば、ヒトなどの対象内の細胞の内部にあり得る。
【0009】
したがって、一局面では、本発明は、プログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(RNAi)剤であって、RNAiが、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、センス鎖が、SEQ ID NO:1のヌクレオチド配列とは3つ以下のヌクレオチドが異なる、連続する少なくとも15ヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖が、SEQ ID NO:2のヌクレオチド配列とは3つ以下のヌクレオチドが異なる、連続する少なくとも15ヌクレオチドを含む、RNAi剤を提供する。
【0010】
特定の態様では、センス鎖およびアンチセンス鎖は、表3における配列のうちのいずれかより選択される配列を含む。他の態様では、センス鎖およびアンチセンス鎖は、表5における配列のうちのいずれかより選択される配列を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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