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公開番号2023164464
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-10
出願番号2023135905,2020514404
出願日2023-08-23,2019-04-16
発明の名称ロールフィルム、ロールフィルムの製造方法、銅張積層体の製造方法、及びプリント基板の製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C08J 5/18 20060101AFI20231102BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】銅張積層体に用いたときに、前記銅張積層体から電食試験での安定性に優れたプリント基板が得られる誘電体フィルム及びその製造方法の提供。
【解決手段】イオン捕捉能を発揮する官能基を有するフッ素樹脂を含み、25℃における寸法を基準として150℃で30分間加熱し、その後25℃まで冷却した際のMD及びTD各々の寸法変化率の絶対値が0.1%以下である、銅張積層体用誘電体フィルム。イオン捕捉能を発揮する官能基を有するフッ素樹脂を含む誘電体フィルムに対し、80℃以上300℃以下の温度でアニール処理を行う、銅張積層体用誘電体フィルムの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
25℃における寸法を基準として150℃で30分間加熱し、その後25℃まで冷却した際のMD及びTD各々の寸法変化率の絶対値が1.0%未満である、熱溶融性フッ素樹脂を主成分とする、厚さが1~100μmのロールフィルム。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記MDの寸法変化率の絶対値に対する巻き取りにおける張力の比が、100~1000000である、請求項1に記載のロールフィルム。
【請求項3】
銅張樹脂積層体に用いられる、請求項1又は2に記載のロールフィルム。
【請求項4】
前記熱溶融性フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレンに由来する単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に由来する単位とを含むフッ素樹脂である、請求項1~3のいずれか1項に記載のロールフィルム。
【請求項5】
前記熱溶融性フッ素樹脂が、イオン捕捉能を発揮する官能基を有するフッ素樹脂である、請求項1~4のいずれか1項に記載のロールフィルム。
【請求項6】
イオン捕捉能を発揮する官能基を有する熱溶融性フッ素樹脂と該熱溶融性フッ素樹脂以外の熱溶融性フッ素樹脂とを主成分とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のロールフィルム。
【請求項7】
熱溶融性フッ素樹脂の層とイオン捕捉能を発揮する官能基を有する熱溶融性フッ素樹脂の層とを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のロールフィルム。
【請求項8】
イオン捕捉能を発揮する官能基が、カルボニル基、カルボキシ基、カルボン酸無水物基(-C(=O)-O-C(=O)-)、カルボン酸エステル基、スルフォニル基、スルホ基及びスルフォン酸無水物基(-S(=O)

-O-S(=O)

-)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5~7のいずれか1項に記載のロールフィルム。
【請求項9】
厚さが、3~75μmである、請求項1~8のいずれか1項に記載のロールフィルム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のロールフィルムの製造方法であって、
熱溶融性フッ素樹脂を主成分とする厚さが1~100μmのフィルムを、前記熱溶融性フッ素樹脂の溶融温度(Tm)より210℃低い温度からTmから20℃低い温度にてアニール処理してから巻き取る、方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールフィルムと、ロールフィルム、銅張積層体及びプリント基板の製造方法とに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
プリント基板の用途は、携帯電話、パソコン、自動車、オンラインシステム、人工衛星等、様々な電化製品やシステムに及んでいる。近年、情報の大容量化のため、信号の高周波化や、プリント基板のパターン回路の微細化が進んでいる。
【0003】
プリント基板の製造において、一般に、誘電体フィルムの表面に銅箔を積層した銅張積層体が用いられる。最も簡単な構造の片面基板の製造においては、銅張積層体の銅箔の上に、得ようとする回路パターンをスクリーン印刷又は感光性粘着フィルムの焼き付け及び現像によって形成し、これをエッチングレジストとして銅箔をエッチングする。
両面基板や多層基板の製造においては、層間接続のためにスルーホールめっきが多用されている。スルーホールめっきでは、一般に、パネルめっきと呼ばれる全面めっきで層間接続用の穴内と基板表面を銅めっき膜で被覆する。回路パターンは、銅箔とその上に形成された銅めっき膜を一括エッチングすることで形成される。最近の微細回路基板では、エッチング精度向上のため、厚さ12μm以下の薄銅箔が多用される。中でもライン幅50μm、スペース幅50μm程度のラインアンドスペースパターンのような微細回路の形成では、厚さ5μmの極薄めっき銅箔を用いることで、回路形成時の銅厚を低減し、エッチング精度向上を容易にしている。
スルーホールめっきされたプリント基板には、仕上り状態の評価及び信頼性試験が行われる。仕上り状態の評価は、めっき厚、めっき形状、めっき物性の3項目である。信頼性試験は、温度サイクルによる疲労寿命評価と、電食試験と呼ばれる恒温恒湿バイアス下での絶縁寿命評価が中心となる。電食試験では、くし型パターンを用いたパターン間絶縁信頼性試験が重要な信頼性試験であることが知られている(非特許文献1)。
【0004】
誘電体フィルムとしては、ポリイミドフィルム(特許文献1)、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂及びフッ素樹脂からなる群から選択された少なくとも1種で構成されたフィルム(特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4880911号公報
特開2015-146469号公報
【非特許文献】
【0006】
Hajime NAKAYAMA、表面技術 Vol.53、No.2、p.110-115(2002)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電食試験は、スルーホール間やスルーホール-内層パターン間の恒温恒湿バイアス試験であり、めっき膜材や基材、製造状態等のスルーホールめっき部の安定性の総合評価試験として採用される。高精度なプリント基板を製造するためには、誘電特性と電食試験での安定性とに優れた誘電体フィルムが望まれる。しかし、特許文献1のフィルムは、比誘電率が高く、高い伝送性能を発現できない。特許文献2のフィルムは、電食試験での安定性に劣る。
フッ素樹脂フィルムは、誘電特性に優れることが知られている。しかし、そのロールフィルムを用いて製造されるプリント基板は電食試験での安定性が未だ充分ではない点と、その原因がロールフィルムの寸法安定性に起因する点とを、本発明者らは知見している。そのため、フッ素樹脂のロールフィルムを使用して、電食試験で優れた安定性を示すプリント基板を効率よく製造するのが困難である。
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、高精度なプリント基板の製造に適した、所定の厚さの寸法安定性に優れたフッ素樹脂のロールフィルムを得た。
本発明の目的は、電食試験での安定性に優れたプリント基板の効率的な製造に適する、フッ素樹脂のロールフィルム及びその製造方法と、前記ロールフィルムを用いた、銅張積層体及びプリント基板の製造方法との提供である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の〔1〕~〔15〕の構成を有する、ロールフィルム、ロールフィルムの製造方法、銅張積層体の製造方法、及びプリント基板の製造方法を提供する。
[1] 25℃における寸法を基準として150℃で30分間加熱し、その後25℃まで冷却した際のMD及びTD各々の寸法変化率の絶対値が1.0%未満である、熱溶融性フッ素樹脂を主成分とする、厚さが1~100μmのロールフィルム。
[2] 前記MDの寸法変化率の絶対値に対する巻き取りにおける張力の比が、100~1000000である、[1]に記載のロールフィルム。
[3] 銅張樹脂積層体に用いられる、[1]又は[2]に記載のロールフィルム。
[4] 前記熱溶融性フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレンに由来する単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に由来する単位とを含むフッ素樹脂である、[1]~[3]のいずれか1項に記載のロールフィルム。
[5] 前記熱溶融性フッ素樹脂が、イオン捕捉能を発揮する官能基を有するフッ素樹脂である、[1]~[4]のいずれか1項に記載のロールフィルム。
[6] イオン捕捉能を発揮する官能基を有する熱溶融性フッ素樹脂と該熱溶融性フッ素樹脂以外の熱溶融性フッ素樹脂とを主成分とする、[1]~[5]のいずれか1項に記載のロールフィルム。
[7] 熱溶融性フッ素樹脂の層とイオン捕捉能を発揮する官能基を有する熱溶融性フッ素樹脂の層とを有する、[1]~[6]のいずれか1項に記載のロールフィルム。
[8] イオン捕捉能を発揮する官能基が、カルボニル基、カルボキシ基、カルボン酸無水物基(-C(=O)-O-C(=O)-)、カルボン酸エステル基、スルフォニル基、スルホ基及びスルフォン酸無水物基(-S(=O)

-O-S(=O)

-)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[5]~[7]のいずれか1項に記載のロールフィルム。
[9] 厚さが、3~75μmである、[1]~[8]のいずれか1項に記載のロールフィルム。
[10] [1]~[9]のいずれか1項に記載のロールフィルムの製造方法であって、熱溶融性フッ素樹脂を主成分とする厚さが1~100μmのフィルムを、前記熱溶融性フッ素樹脂の溶融温度(Tm)より210℃低い温度からTmから20℃低い温度にてアニール処理してから巻き取る、方法。
[11] 前記フィルムにかかる張力を10N/m以下として前記アニール処理をする、[10]に記載の製造方法。
[12] 前記フィルムにかかる張力を500N/m以下として前記フィルムを巻き取る、[10]又は[11]に記載の製造方法。
[13] [1]~[9]のいずれか1項に記載のロールフィルムを巻き出し、巻き出されたフィルムの表面に銅層を形成する、銅張積層体の製造方法。
[14] 交流抵抗値が1.0×10
-9
Ω・cm超の銅層を形成する、[13]に記載の製造方法。
[15] [13]又は[14]に記載の製造方法により銅張積層体を製造し、前記銅層をエッチングしてパターン回路を形成する、プリント基板の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のロールフィルムによれば、電食試験での安定性に優れたプリント基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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