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公開番号2023163799
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-10
出願番号2022074942
出願日2022-04-28
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/08 20060101AFI20231102BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】高温高湿度環境における長期間の印字を経てもボタ落ちや、スジの発生が少ないトナー。
【解決手段】ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子及びシリカ微粒子を含有するトナーであって、該シリカ微粒子の飛行時間型二次イオン質量分析における測定においてD単位構造に対応するフラグメントイオンが観測され、該シリカ微粒子をエタノールとNaCl水溶液の混合液に分散し水酸化ナトリウムを用いた滴定操作を行ったとき特定の範囲の滴定量となり、該シリカ微粒子の固体29Si-NMR測定において、-25~-15ppmの範囲にピークトップが存在するピークの面積をDとし、-19ppmを超え-17ppm以下の範囲にピークトップが存在するピークの面積をD1としたとき、シリカ微粒子の比表面積、D及びD1が特定の関係で存在し、該トナー粒子の表面に該ポリエステル樹脂が存在する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子及び該トナー粒子の表面のシリカ微粒子を含有するトナーであって、
該シリカ微粒子の飛行時間型二次イオン質量分析における測定において、下記式(1)で示される構造に対応するフラグメントイオンが観測され、
TIFF
2023163799000013.tif
37
153
該式(1)中、nは1以上の整数を示し、
該シリカ微粒子2.00gをエタノール25.0gと20質量%NaCl水溶液75.0gの混合液に分散し水酸化ナトリウムを用いた滴定操作を行ったとき、
Sn={(a-b)×c×NA}/(d×e)で定義されるSnが、下記式(2)を満たし、
0.05≦Sn≦0.20 ・・・(2)
該式(2)において、
aは、該シリカ微粒子を分散させた該混合液をpH9.0に調整するのに必要なNaOH滴定量(L)であり、
bは、エタノール25.0gと20質量%NaCl水溶液75.0gの混合液をpH9.0に調整するのに必要なNaOH滴定量(L)であり、
cは、滴定に用いたNaOH溶液の濃度(mol/L)であり、
NAは、アボガドロ数であり、
dは、該シリカ微粒子の質量(g)であり、
eは、該シリカ微粒子のBET比表面積(nm

/g)であり、
該シリカ微粒子の固体
29
Si-NMR DD/MAS法で得られるケミカルシフトにおいて、-25~-15ppmの範囲にピークトップが存在するピークの面積をDとし、-140~100ppmの範囲に存在するM単位、D単位、T単位、及びQ単位のピークの面積の総和をSとし、該シリカ微粒子の比表面積をB(m

/g)としたとき、
(D/S)のBに対する比の値(D/S)/Bが、5.7×10
-4
~4.9×10
-3
であり、
該シリカ微粒子をクロロホルムで洗浄した後に測定した該(D/S)/Bが、1.7×10
-4
~4.9×10
-3
であり、
該ケミカルシフトにおいて、-19ppmを超え-17ppm以下の範囲にピークトップが存在するピークの面積をD1としたとき、D1のDに対する比の値(D1/D)が、0.09~0.32であり、
該トナー粒子の表面に該ポリエステル樹脂が存在する
ことを特徴とするトナー。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記トナー粒子の表面における前記ポリエステル樹脂の存在率をSp(面積%)としたとき、該Spが、50面積%以上である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記ケミカルシフトにおいて、-23~-19ppmの範囲にピークトップが存在するピークの面積をD2としたとき、D1のD2に対する比の値(D1/D2)が、0.15~0.42である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項4】
前記D2の前記Dに対する比の値(D2/D)が、0.30~0.90である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項5】
前記トナーの表面の走査電子顕微鏡による観察像から算出した、前記トナー粒子の表面に対する前記シリカ微粒子による被覆率をSsiとしたとき、
該Ssiが、30面積%以上である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項6】
前記トナー粒子の表面における前記ポリエステル樹脂の存在率をSp(面積%)とし、
前記トナーの表面の走査電子顕微鏡による観察像から算出した、前記トナー粒子の表面に対する前記シリカ微粒子による被覆率をSsiとしたとき、
該Spの該Ssiに対する比の値(Sp/Ssi)が、0.70~2.50である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項7】
前記シリカ微粒子の含有量が、前記トナー粒子100質量部に対して、0.3~2.0質量部である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項8】
前記シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、5~50nmである請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項9】
前記シリカ微粒子が、少なくとも下記式(3)で示される化合物で表面処理されている請求項1又は2に記載のトナー。
TIFF
2023163799000014.tif
37
153
(式(3)中のR

、R

は、それぞれ独立してカルビノール基、ヒドロキシ基、エポキシ基、カルボキシ基、アルキル基、又は水素原子であり、mは1~200の整数である。)
【請求項10】
前記トナー粒子の表面における前記ポリエステル樹脂の存在率をSp(面積%)とし、
前記ポリエステル樹脂の酸価をAv(mgKOH/g)としたとき、
該Avが、2.0~30.0であり、
該Sp、該Av及び前記Snより算出される(Av/Sp)/Snが、0.20~7.00である請求項1又は2に記載のトナー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真法などの画像形成方法に用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年複写機やプリンターの長寿命化と環境安定性の改良が進められており、トナーには長期間の印字におけるカートリッジ内の摩擦にも耐えられる耐ストレス性と高温高湿度環境でも帯電が落ちない帯電安定性が求められている。
【0003】
これまで耐ストレス性を向上させることを目的として、例えば、特許文献1では、トナー粒子にポリエステル樹脂を含有させる手段が検討されている。
また、環境安定性を向上させることを目的として、例えば特許文献2では、トナー粒子に環状シロキサン又はジメチルシリコーンオイルで表面を疎水化処理したシリカ粒子を外添する手段が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-147831号公報
特開2016-167029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のトナーにより、耐ストレス性は向上する。しかし、ポリエステル樹脂は高温高湿度環境で水分が吸着しやすいため、トナーの帯電が低下しやすい。その結果、現像ローラのトナー規制部より下流部において、トナーが現像ローラに保持されずに非印字部にトナーが印字されてしまう「ボタ落ち」といわれる画像弊害を起こしやすいことがわかってきた。
また、特許文献2のトナーにより初期の環境安定性には一定の効果が見られるが、長期間の印字を経ることでシリカ微粒子の表面処理が劣化しやすく安定した帯電性を発揮することが難しい。
以上の理由から、耐ストレス性と環境安定性に優れるトナーの開発が望まれている。
本開示は、高温高湿度環境における長期間の印字を経てもボタ落ちや、スジの発生が少ないトナーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子及び該トナー粒子の表面のシリカ微粒子を含有するトナーであって、
該シリカ微粒子の飛行時間型二次イオン質量分析における測定において、下記式(1)で示される構造に対応するフラグメントイオンが観測され、
TIFF
2023163799000001.tif
37
153
該式(1)中、nは1以上の整数を示し、
該シリカ微粒子2.00gをエタノール25.0gと20質量%NaCl水溶液75.0gの混合液に分散し水酸化ナトリウムを用いた滴定操作を行ったとき、
Sn={(a-b)×c×NA}/(d×e)で定義されるSnが、下記式(2)を満たし、
0.05≦Sn≦0.20 ・・・(2)
該式(2)において、
aは、該シリカ微粒子を分散させた該混合液をpH9.0に調整するのに必要なNaOH滴定量(L)であり、
bは、エタノール25.0gと20質量%NaCl水溶液75.0gの混合液をpH9.0に調整するのに必要なNaOH滴定量(L)であり、
cは、滴定に用いたNaOH溶液の濃度(mol/L)であり、
NAは、アボガドロ数であり、
dは、該シリカ微粒子の質量(g)であり、
eは、該シリカ微粒子のBET比表面積(nm

/g)であり、
該シリカ微粒子の固体
29
Si-NMR DD/MAS法で得られるケミカルシフトにおいて、-25~-15ppmの範囲にピークトップが存在するピークの面積をDとし、-140~100ppmの範囲に存在するM単位、D単位、T単位、及びQ単位のピークの面積の総和をSとし、該シリカ微粒子の比表面積をB(m

/g)としたとき、
(D/S)のBに対する比の値(D/S)/Bが、5.7×10
-4
~4.9×10
-3
であり、
該シリカ微粒子をクロロホルムで洗浄した後に測定した該(D/S)/Bが、1.7×10
-4
~4.9×10
-3
であり、
該ケミカルシフトにおいて、-19ppmを超え-17ppm以下の範囲にピークトップが存在するピークの面積をD1としたとき、D1のDに対する比の値(D1/D)が、0.09~0.32であり、
該トナー粒子の表面に該ポリエステル樹脂が存在するトナーに関する。
【発明の効果】
【0007】
本開示により、高温高湿度環境における長期間の印字を経てもボタ落ちや、スジの発生が少ないトナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示において、数値範囲を示す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。また、モノマーユニットとは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
【0009】
上記トナーにより課題を解決できる理由を本発明者らは次のように考えている。耐久性向上のためにトナー粒子はポリエステル樹脂を含有し、かつトナー粒子表面にポリエステル樹脂が存在することが必要である。これによりトナーの弾性が向上し、長期間の印字においてもスジの発生を抑えることができる。
【0010】
また、シリカ微粒子の飛行時間型二次イオン質量分析TOF-SIMSにおける測定において、式(1)で示される構造に対応するフラグメントイオンが観測されることが必要である。式(1)で示されるフラグメントイオンが観測されることは、シリカ微粒子が、ポリジメチルシロキサン構造を有する表面処理剤で表面処理されていることを示す。ポリジメチルシロキサンは疎水性であり、ポリジメチルシロキサン構造を有する処理剤による表面処理によってシリカ微粒子の高温高湿度環境でのトナーへの水分吸着を防ぐことができる。
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(【0011】以降は省略されています)

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