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公開番号2023160183
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-02
出願番号2022070343
出願日2022-04-21
発明の名称極低温冷却装置及び超電導装置
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類F25B 9/08 20060101AFI20231026BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】冷却ガスの温度を低下させる膨張機構を、可動部が無く構造が簡単で、メンテナンスを不要にできること。
【解決手段】被冷却物1との間のガス配管12により冷却ガスXを循環させる圧縮機11と、圧縮機に戻る低圧側の冷却ガスにより圧縮機からの高圧側の冷却ガスを冷却する熱交換器13と、熱交換器からの高圧側の冷却ガスを膨張させて温度低下させる膨張機構とを有し、膨張機構からの冷却ガスにより被冷却物を冷却する極低温冷却装置10であって、圧縮機に戻る低圧側の冷却ガスの圧力は冷却ガスの臨界圧力以上に設定され、膨張機構は、ノズル17、ディフューザ18、注入口、吸込口及び吐出口を備えたエジェクタ14であり、注入口が熱交換器からの高圧側の冷却ガスを導くガス配管に接続され、吐出口が、被冷却物側へ吐出ガスとしての冷却ガスを導くガス配管に接続され、吸込口が、吐出口からの吐出ガスCの一部を抽出する循環配管22に接続される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被冷却物との間に設けられたループ状のガス配管により冷却ガスを循環させるために圧縮する圧縮機と、
前記ガス配管に配設され、前記圧縮機に戻る低圧側の冷却ガスにより前記圧縮機から吐出した高圧側の冷却ガスを熱交換して冷却する熱交換器と、
前記ガス配管に接続され、前記熱交換器から流出した高圧側の冷却ガスを膨張させて温度低下させる膨張機構とを有し、
前記膨張機構からの温度低下した冷却ガスにより前記被冷却物を冷却する極低温冷却装置であって、
前記圧縮機に戻る低圧側の冷却ガスの圧力は冷却ガスの臨界圧力以上に設定され、
前記膨張機構は、高圧側の冷却ガスを駆動ガスとして注入口から注入し噴射させるノズルと、冷却ガスを吸い込む吸込口と、これらの吸い込まれた吸込ガスと駆動ガスとを混合し昇圧して吐出口から吐出させるディフューザと、を備えたエジェクタであり、
前記注入口が、前記熱交換器からの高圧側の冷却ガスを導く前記ガス配管に接続され、前記吐出口が、被冷却物側へ吐出ガスとしての冷却ガスを導く前記ガス配管に接続され、前記吸込口が、前記吐出口からの吐出ガスの一部を抽出する循環配管に接続されて構成されたことを特徴とする極低温冷却装置。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記熱交換器からの高圧側の冷却ガスをエジェクタに導くガス配管に配設されて、前記エジェクタに導入される前の冷却ガスを冷却する冷却源を、更に有することを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
【請求項3】
前記冷却源は、冷却ガスと熱交換可能な液冷媒が貯溜された液冷媒タンクであることを特徴とする請求項2に記載の極低温冷却装置。
【請求項4】
前記冷却源は、別系統の冷却装置により冷却された冷媒を断熱配管により導き、この冷媒と冷却ガスとを熱交換可能な冷却源熱交換器であることを特徴とする請求項2に記載の極低温冷却装置。
【請求項5】
前記冷却源は、単段冷凍機の冷却ステージと冷却ガスとを熱交換可能な冷却源熱交換器、または多段冷凍機の複数の冷却ステージのそれぞれと冷却ガスとを熱交換可能な直列接続された複数の冷却源熱交換器であることを特徴とする請求項2に記載の極低温冷却装置。
【請求項6】
前記冷却源は、直列接続された複数の冷却源熱交換器間を流れる冷却ガスを、被冷却物を冷却した後の戻り冷却ガスにより熱交換する追加熱交換器を、更に有することを特徴とする請求項5に記載の極低温冷却装置。
【請求項7】
前記被冷却物が超電導コイルである請求項1または2に記載の極低温冷却装置を有して構成されたことを特徴とする超電導装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷却ガスを用いて被冷却物を冷却するガス循環冷却方式の極低温冷却装置、及びこの極低温冷却装置を備えた超電導装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
超電導コイルを極低温に冷却する極低温冷却装置として、極低温冷凍機を用いた伝導冷却方式がある。この伝導冷却方式は、液体ヘリウムで冷却する方式に比べて、専門知識が必要な液体ヘリウムを取扱う必要が無いことや、近年のヘリウム資源の枯渇問題での液体ヘリウムの入手困難性等の影響を受けないメリットがある。しかし、極低温冷凍機が磁場中では使用できず超電導コイルから距離を離す必要がある場合や、一つの極低温冷凍機で複数の被冷却物を冷却する場合には、極低温冷凍機と超電導コイルとの伝熱距離が長くなる。このため、伝導冷却方式では、極低温冷凍機と超電導コイルとの間の温度差が大きくなってしまう問題がある。
【0003】
そこで、極低温冷凍機で冷却した冷却ガスを循環させて冷却するガス循環冷却方式の極低温冷却装置が有利となる。このガス循環冷却方式では、極低温冷凍機と超電導コイルとの距離を離しても両者の温度差が大きくならない利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-75284号公報
特開平10-311618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガス循環冷却方式の極低温冷却装置において冷却ガスの温度を下げる手段(膨張機構)としては、膨張タービンにより冷却ガスから仕事を取り出して、理想的には等エントロピ膨張させる方法がある。図7に示す従来の極低温冷却装置100では、冷却ガスMを圧縮機101により圧縮して高圧側の冷却ガスMとし、この高圧側の冷却ガスMを熱交換器102により熱交換して冷却した後、膨張タービン103により膨張させて温度低下させ、この温度低下した冷却ガスMにより被冷却物104を冷却させる冷凍サイクルを形成している。なお、図7中の符号105は真空容器を示す。しかしながら、膨張タービン103には可動部があるため高価でメンテナンスが必要になる。
【0006】
一方、構造が簡単な膨張弁を用いて冷却ガスを絞り膨張させる極低温冷却装置があるが、この場合には等エンタルピ膨張であるため、温度低下に利用できる温度域が冷媒(冷却ガス)の逆転温度以下に制約される。このような背景から、冷却ガスの温度を低下させると共に、可動部が無く安価で信頼性の高い膨張機構が求められている。
【0007】
ところで、特許文献1には、エジェクタがガス循環冷却方式に使用されている例が開示されている。このエジェクタは、被冷却体からの戻りガスを、冷却段階からの高圧の噴射ガスにより吸入して昇圧するポンプとして機能するものである。このエジェクタからの吐出ガスは気液二相流となり、エジェクタの出口に気液分離器が設けられている。
【0008】
別の先行例として特許文献2では、エジェクタは真空容器内の低温領域のガスを循環させるポンプとして機能し、真空容器外の室温領域から流入するガス流量を減らすことで、低温領域への熱侵入量を減少するために用いられている。
【0009】
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、冷却ガスの温度を低下させる膨張機構を、可動部が無く構造が簡単で、且つメンテナンスを不要にできる極低温冷却装置及び超電導装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態における極低温冷却装置は、被冷却物との間に設けられたループ状のガス配管により冷却ガスを循環させるために圧縮する圧縮機と、前記ガス配管に配設され、前記圧縮機に戻る低圧側の冷却ガスにより前記圧縮機から吐出した高圧側の冷却ガスを熱交換して冷却する熱交換器と、前記ガス配管に接続され、前記熱交換器から流出した高圧側の冷却ガスを膨張させて温度低下させる膨張機構とを有し、前記膨張機構からの温度低下した冷却ガスにより前記被冷却物を冷却する極低温冷却装置であって、前記圧縮機に戻る低圧側の冷却ガスの圧力は冷却ガスの臨界圧力以上に設定され、前記膨張機構は、高圧側の冷却ガスを駆動ガスとして注入口から注入し噴射させるノズルと、冷却ガスを吸い込む吸込口と、これらの吸い込まれた吸込ガスと駆動ガスとを混合し昇圧して吐出口から吐出させるディフューザと、を備えたエジェクタであり、前記注入口が、前記熱交換器からの高圧側の冷却ガスを導く前記ガス配管に接続され、前記吐出口が、被冷却物側へ吐出ガスとしての冷却ガスを導く前記ガス配管に接続され、前記吸込口が、前記吐出口からの吐出ガスの一部を抽出する循環配管に接続されて構成されたことを特徴とするものである。
(【0011】以降は省略されています)

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