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公開番号2023150883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-16
出願番号2022060213
出願日2022-03-31
発明の名称化学蓄熱装置
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F28D 20/00 20060101AFI20231005BHJP(熱交換一般)
要約【課題】蓄熱材に吸着物質を素早く且つエネルギー効率良く吸着させる
【解決手段】化学蓄熱装置20は、吸着物質Wと蓄熱材と噴霧装置26とを備える。吸着物質Wは、常温で液体である。蓄熱材は、吸着物質Wの吸着によって吸着熱を放出し、吸着物質Wの脱離によって吸着熱を蓄える。噴霧装置26は、蓄熱材に吸着熱を放出させる放熱時に、吸着物質Wを蓄熱材に噴霧する。以上の構成によれば、吸着物質Wを蓄熱材に噴霧することによって、蓄熱材の内部における吸着物質Wの拡散速度を向上させることができる。それによって、蓄熱材に吸着物質Wを素早く吸着させることができる。しかも、吸着物質Wに熱を加えて吸着物質Wを気化させる場合に比べて、エネルギー効率が良い。
【選択図】図5

特許請求の範囲【請求項1】
常温で液体の吸着物質と、
前記吸着物質の吸着によって吸着熱を放出し、前記吸着物質の脱離によって吸着熱を蓄える蓄熱材と、
前記蓄熱材に前記吸着熱を放出させる放熱時に、前記吸着物質を前記蓄熱材に噴霧する噴霧装置と、
を備える化学蓄熱装置。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記蓄熱材を格納する容器と、
前記容器の内部に存在する前記吸着物質の量を制御する制御装置と、
を有する、請求項1に記載の化学蓄熱装置。
【請求項3】
制御装置は、前記放熱時に、前記容器の内部に存在する前記吸着物質の量を、前記容器の内部に格納されている全ての前記蓄熱材による前記吸着物質の飽和吸着量の100~400%に制御する、
請求項2に記載の化学蓄熱装置。
【請求項4】
前記噴霧装置が噴霧する前記吸着物質の平均粒径は、1~200μmである、
請求項1~3のいずれか1つに記載の化学蓄熱装置。
【請求項5】
前記噴霧装置は、前記放熱時に噴霧する全噴霧量を、多段階に分けて噴霧し、
前記多段階の噴霧における1噴霧サイクルが1秒以下である、
請求項1~4のいずれか1つに記載の化学蓄熱装置。
【請求項6】
前記吸着物質を貯蔵するタンクと、前記タンク内を加圧するポンプと、を有し、
前記ポンプは、前記放熱時の事前に前記タンク内を加圧し、
前記噴霧装置は、前記放熱時に前記タンク内の圧力によって前記吸着物質を噴霧する、
請求項1~5のいずれか1つに記載の化学蓄熱装置。
【請求項7】
前記化学蓄熱装置は、移動体に搭載されており、
前記化学蓄熱装置は、前記移動体を移動させる駆動装置に電力を供給するバッテリの温度を制御する、
請求項1~6のいずれか1つに記載の化学蓄熱装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着熱を蓄える化学蓄熱装置に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年は、二酸化炭素の排出を低減して地球環境上の悪影響を低減する等の観点から、EVやHEV等の電動車両の普及が進んでいる。電動車両等には、リチウムイオン電池等のバッテリが搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第2022-039705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、バッテリは、温度が高過ぎると、放電や劣化が進んでしまう。他方、温度が低過ぎると、充分な電圧を出力することができない。そのため、バッテリについては、温度制御が重要となる。
【0005】
本発明者らは、MOF等の蓄熱材を用いて、バッテリの温度を制御することを考えた。具体的には、例えばバッテリの高温時には、蓄熱材に吸着している水等の吸着物質をバッテリの熱によって蓄熱材から脱離させることによって、蓄熱材に潜熱として吸着熱を蓄えると共にその際の吸熱によってバッテリを冷却する。他方、バッテリの低温時には、蓄熱材に吸着物質を吸着させることによって、蓄熱材から吸着熱を放出させると共にその際の発熱によってバッテリを暖機する。
【0006】
その暖機を短時間で完了させるためには、蓄熱材に吸着物質を素早く吸着させる必要がある。しかしながら、その一方で、蓄熱材に吸着物質が吸着し易くなるように、例えば吸着物質に熱を加えて吸着物質を気化させた際には、気化熱が必要となるため、エネルギー効率が悪い。また、飽和蒸気圧を有する吸着物質は結露により供給速度が制限されるため、短時間で多くの吸着反応を促すことができない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、蓄熱材に吸着物質を素早く且つエネルギー効率良く吸着させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、噴霧装置を用いて吸着物質を蓄熱材に噴霧すれば、蓄熱材に吸着物質を素早く且つエネルギー効率良く吸着させられることに着目して、本発明に至った。本発明は、以下の(1)~(7)の構成の化学蓄熱装置である。
【0009】
(1)常温で液体の吸着物質と、
前記吸着物質の吸着によって吸着熱を放出し、前記吸着物質の脱離によって吸着熱を蓄える蓄熱材と、
前記蓄熱材に前記吸着熱を放出させる放熱時に、前記吸着物質を前記蓄熱材に噴霧する噴霧装置と、
を備える化学蓄熱装置。
【0010】
本構成によれば、吸着物質を蓄熱材に噴霧することによって、蓄熱材の内部における吸着物質の拡散速度を向上させることができる。それによって、蓄熱材に吸着物質を素早く吸着させることができる。しかも、吸着物質に熱を加えて吸着物質を気化させる場合に比べて、エネルギー効率が良い。以上、本構成によれば、蓄熱材に吸着物質を素早く且つエネルギー効率良く吸着させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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