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公開番号2023132987
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-09-22
出願番号2022038622
出願日2022-03-11
発明の名称画像表示用導光板
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人
主分類G02B 27/02 20060101AFI20230914BHJP(光学)
要約【課題】画像表示用導光板において、湿熱環境においてもヘーズ上昇を抑制し、鮮明な画
像が保持でき、生産性にも優れた画像表示用導光板を提供する。
【解決手段】第1樹脂基材と、第1保護層と、ホログラム層とが厚み方向においてこの順
に配置される画像表示用導光板であって、前記第1保護層の85℃かつ85%RHの環境
下における500時間後のヘーズ上昇が0.1%以下であり、前記第1保護層の23℃に
おける表面水接触角が70度以下である、画像表示用導光板。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第1樹脂基材と、多官能(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含む(メタ)アク
リル系樹脂を含有する第1保護層と、ホログラム層とが厚み方向においてこの順に配置さ
れる画像表示用導光板であって、前記第1保護層の85℃かつ85%RHの環境下におけ
る500時間後のヘーズ上昇が0.1%以下であり、前記第1保護層の23℃における表
面水接触角が70度以下である、画像表示用導光板。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記第1保護層が、多官能(メタ)アクリレートを含むマトリックス樹脂成分と分子内
に1つ以上の二重結合を有するとともにパーフルオロアルケニル基を有する化合物とを含
む(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物である第1有機材料層を備える、請求項1に記
載の画像表示用導光板。
【請求項3】
前記化合物がレベリング剤である、請求項1又は2に記載の画像表示用導光板。
【請求項4】
前記(メタ)アクリル系樹脂組成物中の前記レベリング剤の含有量が、前記マトリック
ス樹脂成分100質量部に対して、0.01質量部以上2質量部以下である、請求項3に
記載の画像表示用導光板。
【請求項5】
前記第1保護層の厚みが1μm以上15μm以下である、請求項1~4のいずれか1項
に記載の画像表示用導光板。
【請求項6】
前記第1保護層が、さらに第1無機材料層を備える、請求項1~5のいずれか1項に記
載の画像表示用導光板。
【請求項7】
前記第1無機材料層が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素、硫化ケイ素、酸化
アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム及び硫化アルミニウムからなる
群から選択される少なくとも1種の無機材料を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載
の画像表示用導光板。
【請求項8】
前記第1無機材料層の厚みが50nm以上5000nm以下である、請求項1~7のい
ずれか1項に記載の画像表示用導光板。
【請求項9】
前記ホログラム層が、シングル又は体積ホログラム材料からなる、請求項1~8のいず
れか1項に記載の画像表示用導光板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示用導光板に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
表示装置において、画像表示用導光板が用いられる場合がある。例えば、VR(仮想現
実、Virtual Reality)技術又はAR(拡張現実、Augmented
Reality)技術を用いた表示装置においては、ホログラム層が透明基材に支持され
た画像表示用導光板が用いられる。
【0003】
上記透明基材としては、ガラス基材が用いられることが多いが、軽量化および安全性向
上を目的として、上記透明基材をガラス製からプラスチック製へ変更する検討がなされて
いる。
【0004】
例えば特許文献1には、車載用ヘッドアップディスプレイに用いられるホログラム積層
体が開示されている。このホログラム積層体は、アクリル系樹脂基板、アクリル系接着剤
層、アクリル系フォトポリマーからなるホログラム層、アクリル系接着剤層及びアクリル
系樹脂基板が、この順に積層されている。さらに特許文献1には、アクリル系樹脂基板の
表面平滑性によって、ホログラムの外観変化が発生することが記載されており、ホログラ
ム積層体の表面平滑性を表す最大高さRmaxが50μmを超えると、ホログラムの外観
変化が顕著になる。一方、最大高さRmaxが25μm未満の場合、ホログラムの外観変
化は許容範囲である。
【0005】
上記のアクリル系樹脂基盤のような樹脂製透明基材の構成としては、透明性の高い樹脂
基材に傷つき防止や耐薬品性を向上する目的で樹脂系のハードコート層を設け、さらにホ
ログラム層への吸湿防止の目的でガスバリア層が設けられることが好ましい。さらには、
そのようなハードコート層には平滑性を向上させるため、レベリング剤を添加するのが一
般的である。また、ハードコート層とガスバリア層の密着性向上のためアンカーコートと
呼ばれる接着剤がしばしば用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-296583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このようなレベリング剤は高温高湿環境下において、表面にブリードす
る現象を引き起こす場合がある。その表面状態の変化によってヘーズが上昇し、ひいては
画像表示の際の輝度の低下を引き起こす恐れがある。特許文献1には、湿熱環境下におけ
るホログラム積層体の表面性の変化については言及されていない。
また、ハードコート層にレベリング剤を添加すると、ハードコート層表面の撥水性が向
上する傾向にあり、別の材料層を積層させるために、このハードコート層の表面に別のコ
ーティング剤を塗布すると、ハジキが生じやすくなる傾向にあった。すなわち、ハードコ
ート層のリコート性が低下し、積層体の生産性が損なわれることがある。特許文献1には
、そのようなハードコート層のリコート性についても言及されていない。
【0008】
本発明は、前記のような問題に鑑みてなされたものであり、樹脂基材を用いた画像表示
用導光板において、湿熱耐久性および生産性に優れた画像表示用導光板を提供することを
目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らはこのような状況に鑑み、多官能(メタ)アクリレートをUV照射によるラ
ジカル重合反応により硬化させた樹脂材料が、上記ハードコート層として使用されている
ことに着目し、分子内に二重結合を含み、かつパーフルオロアルケニル基を含むレベリン
グ剤を上記ハードコート層に適用した。これにより、ハードコート層の形成時にレベリン
グ剤が多官能(メタ)アクリレートと化学的に結合することで、高温高湿環境下において
もレベリング剤が表面にブリードすることを抑制できた。また、ハードコート層表面にフ
ッ素が移行しにくくなることで、ハードコート層の撥水性が抑制され、リコート性が改善
された。
本発明は以下の態様を有する。
[1]第1樹脂基材と、多官能(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含む(メタ)
アクリル系樹脂を含有する第1保護層と、ホログラム層とが厚み方向においてこの順に配
置される画像表示用導光板であって、前記第1保護層の85℃かつ85%RHの環境下に
おける500時間後のヘーズ上昇が0.1%以下であり、前記第1保護層の23℃におけ
る表面水接触角が70度以下である、画像表示用導光板。
[2]前記第1保護層が、多官能(メタ)アクリレートを含むマトリックス樹脂成分と、
分子内に1つ以上の二重結合を有するとともにパーフルオロアルケニル基を有する化合物
とを含む(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物である第1有機材料層を備える、[1]
の画像表示用導光板。
[3]前記化合物がレベリング剤である、[1]又は[2]の画像表示用導光板。
[4]前記(メタ)アクリル系樹脂組成物中の前記レベリング剤の含有量が、前記マトリ
ックス樹脂成分100質量部に対して、0.01質量部以上2質量部以下である、[3]
の画像表示用導光板。
[5]前記第1保護層の厚みが1μm以上15μm以下である、[1]~[4]のいずれ
かの画像表示用導光板。
[6]前記第1保護層が、さらに第1無機材料層を備える、[1]~[5]の画像表示用
導光板。
[7]前記第1無機材料層が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素、硫化ケイ素、
酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム及び硫化アルミニウムから
なる群から選択される少なくとも1種の無機材料を含む、[1]~[6]の画像表示用導
光板。
[8]前記第1無機材料層の厚みが50nm以上5000nm以下である、[1]~[7
]の画像表示用導光板。
[9]前記ホログラム層が、シングル又は体積ホログラム材料からなる、[1]~[8]
の画像表示用導光板。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、湿熱耐久性と生産性に優れた画像表示用導光板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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