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公開番号2023129753
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-09-19
出願番号2022033999
出願日2022-03-06
発明の名称スリーブ付き磁石式義歯アタッチメントとその製造方法
出願人マグネデザイン株式会社
代理人
主分類A61C 13/235 20060101AFI20230911BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】磁石式義歯アタッチメントの吸着力を飛躍的に改善すると同時に、自動調心機能を付与して、デジタルデンチャーの維持装置としての機能を提供する。
【解決手段】スリーブ付き磁石式義歯アタッチメント本来の吸着力は、ステンレス鋼磁石を活用することで改善を図る。その上で、スリーブ111をキャップ11に一体成形し、スリーブとキーパー20との勘合で、横方向の移動や回転を抑制して、磁石構造体10とキーパーの被吸着面211を平行に維持し続けて、食事中に本来の強い吸着力を維持し続けることを可能にする。スリーブについては、キャップと同じであるCr系ステンレス磁性材料として、冷間プレスで一体成形し、吸着力を低下させることなく、キーパーとの篏合性および製造しやすさを実現した。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
義歯床に配設されるスリーブ付きの磁石構造体と支台歯の上に配設される軟磁性材料からなる凸形状のキーパーとからなり、前記磁石構造体に設けられた吸着面と前記キーパーに設けられた被吸着面とを当接させることにより両者が磁気吸引力によって互いに吸着するように構成されたスリーブ付き磁石式義歯アタッチメントにおいて、
前記磁石構造体は、永久磁石と該永久磁石を内蔵するキャップと、該キャップの開口部に蓋をするシールドプレートと、該キャップの開口部の先端から径方向外方に延在するスリーブとを備え、
前記キャップと前記スリーブは、同じCr系軟磁性ステンレス鋼よりなり、両者は一体的に形成されており、
前記シールドプレートは、非磁性のCr-Ni系ステンレス鋼よりなる外縁部とCr-Ni系ステンレス磁石よりなる外縁部以外とからなり、
かつ、前記キャップと前記シールドプレートとの境界部は、溶接によって接合されており、その溶接部は平滑化された吸着面を形成しており、
前記凸形状のキーパーは、Cr系軟磁性ステンレス鋼よりなり、下部は円板状にて上部は外周側に傾斜面を有して前記スリーブの凹部との両者で嵌め合い状態を形成し、
かつ、前記磁石構造体の前記吸着面の全面が前記キーパーの被吸着面に吸着するように両者の吸着面・被吸着面の直径が関係づけられていることを特徴とするスリーブ付き磁石式義歯アタッチメント。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記磁石構造体は、直径1.5mm~5mm、高さ0.6mm~2mmからなり、
前記スリーブは、深さ0.1mm~0.3mm、最大内径1.7mm~7mmからなり、
前記キーパーは、前記凸部の上面の直径は1.55mm~5.20mm、高さは0.1mm~1.5mmにて、底面の直径は1.7mm~7mmからなることを特徴とするスリーブ付き磁石式義歯アタッチメント。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記Cr-Ni系ステンレス磁石は、8,000~12,000Gの飽和磁化、100~200Oeの保磁力、800G以上の異方性磁界かつ6,000~10,000Gの残留磁気を有することを特徴とするスリーブ付き磁石式義歯アタッチメント。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
前記キーパーの被吸着面は、Cr拡散層を有していることを特徴とするスリーブ付き磁石式義歯アタッチメント。
【請求項5】
永久磁石とCr系軟磁性ステンレス鋼製のスリーブ付きキャップ素材、Cr-Ni系ステンレス磁石とその外縁部は非磁性のCr-Ni系ステンレス鋼とからなるシールドプレートとから構成される磁石式義歯アタッチメント用のスリーブ付き磁石構造体の製造方法であって、
(1)Cr-Ni系ステンレス鋼ワイヤを冷間伸線加工にて50%以上のマルテンサイト変態を生ぜしめ、長さ方向に繊維組織を形成し、張力を0~30kg/mm

負荷した状態で450℃~570℃の温度で張力熱処理を施したのちに、そのワイヤから円板を切り出し、次に、このマルテンサイト変態状態の円板の外縁部(外周部)を加熱してオーステナイト相に戻す非磁性改質を行ない、外縁部は非磁性材料で外縁部以外(外周部以外)は半硬質磁性材料からなる複合シールド板を作製する工程と、
(2)Cr系軟磁性ステンレス鋼の鋼板を打ち抜いて円筒素形材を形成し、前記円筒素形材を冷間加工によりスリーブ付きキャップ素形材を作製する工程と、
(3)前記スリーブ付きキャップ素形材を温度700℃~850℃にて熱処理する工程と、
(4)熱処理された前記スリーブ付きキャップ素形材Aのキャップ内に永久磁石を内蔵した後、前記キャップの開口部を複合シールド板により蓋をして磁石構造体を組み立てる工程と、
(5)前記キャップの開口部と前記複合シールド板との境界部を溶接により接合する工程と、
(6)前記磁石構造体素体の溶接部と前記複合シールド板の吸着面とを研磨により平滑化する工程と、
(7)前記スリーブ付きキャップ素形材Aのスリーブを内周側に曲げ加工する工程と、
(8)工程(1)から(7)で作製した磁石構造体を高さ方向に着磁装置により着磁する工程と、
からなり、工程(3)については省略することも可能であることを特徴とするスリーブ付き磁石構造体の製造方法。
【請求項6】
磁石式義歯アタッチメント用の磁石構造体を構成するシールドプレートの製造方法であって、
(1)Cr-Ni系ステンレス鋼ワイヤを長手方向に冷間延伸加工し、50%以上のマルテンサイト変態を生じせしめる工程、
(2)前記マルテンサイト変態した半硬質磁性材料を切断加工、または打ち抜き加工により円板状のシールド板に加工する工程と、
(3)前記シールド板の外縁部のみを非磁性改質する工程と、
(4)前記外縁部の非磁性材料と外縁部以外の半硬質磁性材料とよりなる複合シールド板を作製する工程と、
(5)磁石構造体を構成するキャップに永久磁石を内蔵し、前記複合シールド板でもって蓋をし、前記キャップと前記複合シールド板との境界部を溶接により接合した後に接合部を研磨・平滑化して、前記永久磁石と前記複合シールド板を重ねて電磁石により印可する工程と、
からなることを特徴とするシールドプレートの製造方法。
【請求項7】
請求項6において、
(1)Cr-Ni系ステンレス鋼板を冷間圧延加工により20%以上のマルテンサイト変態を生じせしめる工程と、
(2)打ち抜き加工により円板状のシールド板を作製する工程と、
からなることを特徴とするシールドプレートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科医療分野において磁石吸引力を利用して義歯を維持固定するために用いる強力な吸着力を有するキャップ状のスリーブ付き磁石式義歯アタッチメントに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
義歯としては、有床義歯、ブリッジおよびインプラントなどがある。支台歯への維持の仕方は、ねじ、クラスプ、接着剤および磁石が使用されており、ねじ、クラスプ、接着剤は義歯と支台歯とを勘合する必要がある。しかし、接続面の精密加工を必要とし、義歯の製作には高度な技能を有するとともに手間暇がかかっており、高価である。一方磁石方式は、自己吸引力で吸着するために義歯の製作が容易であり、さらに義歯の着脱が容易である。有床義歯の維持装置として、特許文献1に開示されている磁石構造体を使用しているタイプが、広く普及している(図11)。
しかし、磁石は垂直方向には大きな力を提供できるが、水平方向には力は生じない。さらに義歯が水平方向の力を受けると回転力に変化し、磁石は回転力で傾斜して、簡単に外れてしまうという欠点がある。
【0003】
特許文献2(図1)では、図12に示すような磁石構造体側に非磁性のガイドリングを取り付けて、上記欠点を解消した強力な吸着力を有するキャップ状の磁石式義歯アタッチメントが開示されている。ガイドリング材質に非磁性素材を使用してガイドリングから磁束が漏れることを防いでいる。またキーパーとガイドリングの傾斜を同じとし、かつ嵌め合い精度を両側で0.2mmとして、篏合力を強めている。
しかし、磁石構造体の直径が4mmのものが6mmと大きくなりすぎるという欠点があること、構造が複雑で組立・溶接作業が難しいことによる品質を安定させることが難しいこと、非磁性ガイドリングの精密部品の製作が高価であることなどの問題があり、実用化に至っていない。それゆえに小型で安価で品質が安定した勘合タイプの磁石式義歯アタッチメントの開発が求められている。
【0004】
また、磁石のメリットと欠点を考慮して、ブリッジやインプラントへの応用も試みられている。
特許文献3では、図13に示すように、インプラントの人工歯(補綴冠)とインプラント先端芯部
との精密篏合と磁石の吸着力を併用して十分な維持力を有する可撤性インプラントが開示されている。
しかし、臨床の現場で、人工歯(補綴冠)内面のテーパとインプラント先端のテーパおよび磁石埋設用穴の芯部の精密加工が難しいうえ、磁石とキーパーの2部品を人工歯内奥部とインプラント先端に接着剤で精密よく固定することが困難で実用化されていない。工場で出荷される際に、製品として精密度を確保した勘合タイプの磁石式義歯アタッチメントの開発が求められている。
【0005】
近年義歯は、X線画像解析装置や3次元の形状測定を使って、口腔内の歯列状態を診断して、コンピュータで義歯を設計し、設計したデジタルデータをもとに、3次元プリンターで製作され始めている。つまり義歯は、精密鋳造デンチャーからデジタルデンチャーへと変わりつつある。3次元プリンターで製作した義歯個々に維持装置を精度よく設計することは難しいので、デジタルデンチャーの維持装置として、強力な力で吸着する磁石が期待されている。さらに、デジタルデンチャーには、0.1mm程度の遊びが生じてしまい、高精密な勘合力で義歯を維持する機械的維持装置をデジタルデンチャーには使用するのが難しいという問題が浮かび上がってきている。
デジタルデンチャーの維持装置として、自動調心機能を有し、かつ小型で強力な吸着力を有する磁石式義歯アタッチメントの開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平8-317941号公報
特開2005-270678号公報
特開平7-95988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
第1の課題は、特許文献1に開示されている磁石構造体よりも、さらに強い吸着力を有する新たな磁石構造体設計を考案し、強力な吸着力を実現することである。また吸着面の硬さを上げて摩耗しにくくすることである。さらに溶接部強度を高めて破損しにくくすることである。
【0008】
第2の課題は、特許文献2に開示されている非磁性ガイドリングを使った水平力や回転力に強い外れにくい磁石構造体の欠点を解決することである。キャップとガイドリングの2部品を製作して、それらを溶接するという方法は、高価で製造コストが高く、しかも品質を安定的に確保するには難しい工法である。これに代わる信頼性が高く、安価に製造可能な構造と工法を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の課題に対しては、本発明者らは、シールドプレートを従来の軟磁性ステンレス鋼に代えて、Cr-Ni系ステンレス磁石に置き換えた新たな磁気回路を形成すると、磁気吸引力の向上を図ることができるのではないかとの新しい考えに思い至った。そこで、Cr―Ni系ステンレス磁石の残留磁気を種々代えて磁石式磁性アタッチメントの吸着力に対する影響を調査することにした。その結果、この新しい考えの有効性を確認した。
【0010】
研究は磁場解析プログラムを使って行った。
磁石構造体の大きさは、直径4.0mm、高さ1.3mmで、内蔵されている永久磁石は50MGOeのNdFeB磁石(以下、Nd磁石という。)にて、その直径は3.2mm、高さ0.9mmとする。
(【0011】以降は省略されています)

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