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公開番号2023129719
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-09-14
出願番号2023124383,2021516352
出願日2023-07-31,2019-09-23
発明の名称ヒト多能性成人幹細胞
出願人アプステム セラピューティクス、インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/078 20100101AFI20230907BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ヒト成人組織に存在する特定の小さな細胞の集団は、活性化/発達してヒト多能性幹細胞の集団を形成することができる。
【解決手段】これらの小さな細胞は、一般的に直径が6マイクロメートル未満で、CD49fに陽性であり、本明細書では、ヒト初期段階の前駆体またはCD49f+細胞と呼ばれている。したがって、ヒト成人組織サンプルからCD49f+細胞を濃縮した細胞集団および組成物、ならびにこれらのCD49f+細胞の活性化/発達を促進するための方法および組成物が提供される。活性化された幹細胞は、分化した後、様々な治療目的で使用することができる。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
(a)6μm未満の直径を有し、かつ(b)CD49f

細胞であるヒト細胞を培養する方法であって、
初代肝細胞及び肝細胞株からなる群から選択された少なくとも1つと接触している培地で、又は、初代肝細胞及び肝細胞株からなる群から選択された少なくとも1つにより馴化された培地で前記ヒト細胞を培養することを含む、方法。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記ヒト細胞が、ヒトの血液から得られ、CD49f及びCD117を発現し、CD90及びABCG2を発現しない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒト細胞が、SSEA4において陽性であるとさらに特徴付けられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒト細胞が、Linにおいて陰性であるとさらに特徴づけられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ヒト細胞が、Oct4において陽性であり、Li28において陰性であるとさらに特徴づけられる、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ヒト細胞が、CD45において陽性であり、CD4において陰性であるとさらに特徴付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒト細胞が、CD105をさらに発現する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ヒト細胞が、CD3、CD8、CD11b、及びCD41を発現しない、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ヒト細胞が、培養後、ABCG2を発現する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記培養は、少なくとも1時間である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、米国特許法に基づく利益を主張するものである。2018年9月21日に出願された米国仮出願シリアル番号62/734,740の§119(e)の内容は、参照により全体として本開示に組み込まれている。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
幹細胞ベースの治療法は、重大疾患や怪我の治療に大きな期待が寄せられている。幹細胞の自己再生能力と分化能力は、損傷細胞、組織または臓器の修復、置換または再生を助ける大きな可能性を秘めている。現在、様々な種類の幹細胞が前臨床試験や臨床試験で研究されている。その中には、胚性幹細胞(ESC)、成人組織から単離された幹細胞(例えば、間葉系幹細胞(MSC)、造血幹細胞(HSC)など)、人工多能性幹細胞(iPS細胞またはiPSC)、および上記の他の細胞源から分化して得られる様々な特異性細胞などが含まれている。
【0003】
多能性幹細胞は、他の多能性または一能性体性幹細胞の提供源と比較して、in vitroでの強固な自己再生能力と、3種の胚性胚葉の誘導体に分化する能力である「多能性」という点で、様々な利点を提供する。現在の多能性幹細胞の例には、ESCおよびiPSCが含まれている。ヒトESCについては、患者に適合したESCの作製は実現可能性がないため、倫理的問題、腫瘍性、免疫拒絶反応など、細胞治療への利用を妨げる多くの問題がある。倫理的問題や免疫拒絶反応など、これらの問題の一部は、患者自身の細胞から直接得られるiPSCによって回避できる可能性があるが、iPSCの派生の腫瘍性および低頻度性はまだ解決されていない。そのため、幹細胞治療においては、所望の安全性、有効性、臨床使用のための培養拡大の実現可能性を備えた成人組織由来のヒト多能性幹細胞の供給源が求められている。
【0004】
幹細胞治療の主な課題の1つは、動物モデルを用いた幹細胞の研究を、ヒトに応用することである。例えば、マウスESCが初めてマウスに単離されて研究されたのは80年代初期のことであるが、1998年になって初めて、in vitroでヒト胚性幹細胞を単離および培養する技術が研究者に開発され、画期的な成果が得られた。マウスはヒトの生物学を研究する上で最も重要なモデル生物と考えられているが、マウスの幹細胞とヒトの幹細胞は大きく異なる可能性がある。マウスESCとヒトESCの間には、分子シグネチャ、シグナル伝達経路、コロニーの形状、成長速度、表面マーカ、発達可能性など、基本的な差異が存在する。
【0005】
そのため、in vitroで拡張可能、分化効率が高い、非腫瘍化であり、ヒト成人組織から単離されたヒト多能性幹細胞の同定が求められている。また、これらのヒト多能性幹細胞を細胞ベースの治療法のためにin vitroで培養するプロトコルの確立が求められている。このようにヒト成人組織から単離された多能性幹細胞は、組織損傷や慢性疾患、加齢に関連する疾患を治療する実用的な細胞ベースの治療への道を開くものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ヒト成人組織から拡張性のある多能性幹細胞を同定し、それらをin vitroで培養するプロトコルを確立することは、組織損傷や慢性および加齢に関連する疾患の治療のための実用的な細胞ベースの治療への道を開くものである。
【0007】
本開示は、(1)少なくとも一部分の赤血球を血液サンプルから除去することと、(2)3,000xg-15,000xgでサンプルを遠心分離してペレットを取得することと、(3)ペレット内の細胞を溶液に懸濁させることと、(4)CD49f

細胞を溶液中で濃縮することとを備える、細胞集団を調製する方法を提供する。いくつかの実施形態において、溶液中の細胞の少なくとも40%が、CD49fを発現し、6μm未満の直径を有するCD49f

細胞である。いくつかの態様においては、サンプルは5,000xg、6,000xg、または7,000xg超で遠心分離される。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞は、さらにSSEA4に陽性である。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞は、さらにABCG2およびLinに陰性である。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞は、さらにCD73およびCD45に陽性であって、CD4およびLin28に陰性である。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞が、Oct4、Nanog、CD31、CD117、およびCD105からなる群から選択される1または複数のマーカをさらに発現する。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞が、CD3、CD4、CD8、CD11b、およびCD41からなる群から選択される1または複数のマーカを発現しない。いくつかの態様においては、前記細胞の20%未満が、赤血球である。
【0008】
前記細胞の少なくとも40%が、CD49fを発現し、6μm未満の直径を有するCD49f

細胞である、少なくとも1000個の細胞を含む組成物も提供される。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞は、さらにSSEA4に陽性である。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞は、さらにABCG2およびLinに陰性である。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞は、さらにCD73およびCD45に陽性であって、CD4およびLin28に陰性である。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞が、Oct4、Nanog、CD31、CD117、およびCD105からなる群から選択される1または複数のマーカをさらに発現する。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞が、CD3、CD4、CD8、CD11b、およびCD41からなる群から選択される1または複数のマーカを発現しない。いくつかの態様においては、前記細胞の20%未満が、赤血球である。いくつかの態様においては、CD49f

細胞が、1または複数の因子を含む培地によって活性化されることができ、ならびに、活性化された細胞はABCG2を発現する。
【0009】
複数のヒト細胞を、初代肝細胞および肝細胞株からなる群から選択された少なくとも1つと接触している、またはこれによって馴化された培地で培養することを含む、細胞を培養する方法も提供される。いくつかの態様においては、前記肝細胞株は、肝細胞癌由来の細胞株、不死化肝細胞、トランスジェニック動物から単離した不死化肝細胞、肝細胞/肝細胞癌ハイブリッド細胞、遺伝子操作された肝細胞、肝細胞前駆細胞、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様においては、前記ヒト細胞が(a)6μm未満の直径を有し、および(b)CD49f

細胞である。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞は、さらにSSEA4に陽性である。いくつかの態様においては、前記CD49f

細胞は、さらにABCG2およびLinに陰性である。いくつかの態様においては、培養後の細胞は、ABCG2を発現する。いくつかの態様においては、前記ヒト細胞が、1または複数の幹細胞型を含む。
【0010】
本開示は、CD49fを表現し、Linを発現しない、単離したヒト細胞をさらに提供する。いくつかの態様においては、前記ヒト細胞が、ABCG2に陽性であることをさらに特徴とする。いくつかの態様においては、前記ヒト細胞が、SSEA4に陽性であることをさらに特徴とする。いくつかの態様においては、前記ヒト細胞が、Oct4、Nanog、Lin28、CD73およびCD105に陽性であることをさらに特徴とする。いくつかの態様においては、前記ヒト細胞が、CD45、CD14および/またはCD19を発現しな。いくつかの態様においては、前記ヒト細胞が、1または複数の因子を含む培地で一定期間培養された後、コロニーに発達する。本明細書に開示されるように、前記細胞の集団も提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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