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公開番号2023107570
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-08-03
出願番号2022008831
出願日2022-01-24
発明の名称受信装置及び受信方法
出願人日本放送協会
代理人個人
主分類H04J 99/00 20090101AFI20230727BHJP(電気通信技術)
要約【課題】階層分割多重(LDM)方式の受信処理を低減しつつ、高い階層分離精度で受信性能を向上させた受信装置及び受信方法を提供する。
【解決手段】本発明のLDM方式の受信装置20は、LDM信号を受信して直交復調しLDMシンボルを抽出する直交復調部22と、受信したLDMシンボルをULとみなして対数尤度比(LLR)を計算するUL用のLLR計算部23と、該LLRを示すUL信号に対して復号処理を施すUL用の誤り訂正復号部24と、当該UL信号の復号結果を基に、受信したLDMシンボルにおけるLL用のシンボルが取りうるシンボル位置を示す基準点の絞り込みを行う基準点判定部25Rと、基準点判定部25Rにより決定した基準点のみに基づいてUL信号に対応する受信したLDMシンボルに対するLLRを計算するLL用のLLR計算部27Rと、該LLRを示すLL信号に対して復号処理を施すLL用の誤り訂正復号部28と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
階層分割多重(LDM)方式の受信装置であって、
高階層(UL)と低階層(LL)として2つの変調信号が異なる電力で多重化され、同一周波数帯で直交変調して伝送されたLDM信号を受信して、直交復調処理を施してLDMシンボルを抽出する直交復調部と、
前記LDMシンボルについて、UL用のシンボルとみなし、LDMシンボルが取りうる全てのシンボル位置又はUL用として予め定めた変調方式に従うシンボル位置を示す基準点を用いて対数尤度比を計算し、該対数尤度比を示すUL信号を生成するUL用のLLR計算部と、
前記UL信号に対して、UL用として予め定めた誤り訂正復号処理を施し、前記UL信号の復号ビットを生成するUL用の誤り訂正復号部と、
前記UL信号の復号ビットを基に、LDMシンボルが取りうる全てのシンボル位置を示す基準点のうち受信したLDMシンボルにおけるLL用のシンボルが取りうるシンボル位置を示す基準点の絞り込みを行うことにより、前記UL信号の復号ビットに応じてLL復号用の対数尤度比の計算に用いる基準点を決定する基準点判定部と、
前記基準点判定部により決定した基準点のみに基づいて、前記UL信号に対応する受信したLDMシンボルに対する対数尤度比を計算し、該対数尤度比を示すLL信号を生成するLL用のLLR計算部と、
前記LL信号に対して、LL用として予め定めた誤り訂正復号処理を施し、前記LL信号の復号ビットを生成するLL用の誤り訂正復号部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記UL用の誤り訂正復号部は、前記基準点判定部によって前記UL信号に対応するLDMシンボルを識別可能とする識別情報を付して、前記UL信号の復号ビットを示す復号結果を前記基準点判定部にフィードバックすることを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記LL用のLLR計算部は、前記UL信号に対応するLL信号を生成するために、前記識別情報を基に可変に、受信したLDMシンボルについて遅延調整を行った上で、前記基準点判定部により決定した基準点のみを用いて、前記UL信号に対応する受信したLDMシンボルに対する対数尤度比を計算し、該対数尤度比を示すLL信号を生成することを特徴とする、請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記LL用のLLR計算部は、前記UL信号に対応するLL信号を生成するための固定時間分、受信したLDMシンボルについて遅延調整を行った上で、前記基準点判定部により決定した基準点のみを用いて、前記UL信号に対応する受信したLDMシンボルに対する対数尤度比を計算し、該対数尤度比を示すLL信号を生成することを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項5】
前記UL用のLLR計算部は、前記LDMシンボルが取りうる全てのシンボル位置を示す基準点を用いて対数尤度比を計算するものとし、
前記UL信号として示される対数尤度比の計算に用いた受信したLDMシンボル毎の各基準点に対するユークリッド距離の情報を所定シンボル数分、更新しながら一時蓄積するユークリッド距離蓄積部を更に備え、
前記基準点判定部は、前記UL用の誤り訂正復号部によってUL信号について復号したLDMシンボル毎に、前記UL信号の復号ビットを基に、前記ユークリッド距離蓄積部に蓄積した各基準点のユークリッド距離のうちLL信号の復号に用いる基準点のユークリッド距離を選択するユークリッド距離選択部を有し、
前記LL用のLLR計算部は、前記ユークリッド距離選択部によってLL信号の復号用に選択したユークリッド距離のみを用いて、前記UL信号に対応する受信したLDMシンボルに対する対数尤度比を計算し、該対数尤度比を示すLL信号を生成することを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項6】
階層分割多重(LDM)方式の受信方法であって、
高階層(UL)と低階層(LL)として2つの変調信号が異なる電力で多重化され、同一周波数帯で直交変調して伝送されたLDM信号を受信して、直交復調処理を施してLDMシンボルを抽出するステップと、
前記LDMシンボルについて、UL用のシンボルとみなし、LDMシンボルが取りうる全てのシンボル位置又はUL用として予め定めた変調方式に従うシンボル位置を示す基準点を用いて対数尤度比を計算し、該対数尤度比を示すUL信号を生成するステップと、
前記UL信号に対して、UL用として予め定めた誤り訂正復号処理を施し、前記UL信号の復号ビットを生成するステップと、
前記UL信号の復号ビットを基に、LDMシンボルが取りうる全てのシンボル位置を示す基準点のうち受信したLDMシンボルにおけるLL用のシンボルが取りうるシンボル位置を示す基準点の絞り込みを行うことにより、前記UL信号の復号ビットに応じてLL復号用の対数尤度比の計算に用いる基準点を決定するステップと、
該ステップにより決定した基準点のみに基づいて、前記UL信号に対応する受信したLDMシンボルに対する対数尤度比を計算し、該対数尤度比を示すLL信号を生成するステップと、
前記LL信号に対して、LL用として予め定めた誤り訂正復号処理を施し、前記LL信号の復号ビットを生成するステップと、
を含むことを特徴とする受信方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星放送又は地上放送における階層分割多重(LDM:Layered Division Multiplexing)方式を用いた伝送システムに関するものであり、特に、高階層(UL)と低階層(LL)として2つの変調信号が異なる電力で多重化され、同一周波数帯で直交変調して伝送されたLDM信号を受信して処理するLDM方式の受信装置及び受信方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
周波数利用効率の向上を目的とした無線伝送方式の一つに、2つの変調信号を異なる電力で多重化し、同一周波数帯で伝送する階層分割多重方式(以下、「LDM方式」と称する。)がある。地上デジタル放送においてもLDM方式の利用が検討されており、LDM方式を用いて新たな地上波放送方式を現行の地上波放送を多重するシステムが検討されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
【0003】
LDM方式は2つの変調信号について電力差を付けて同一周波数帯で多重化する方式であり、一般的に電力の高い方をUL(Upper Layer)、低い方をLL(Lower Layer)とし、高階層(UL)と低階層(LL)の階層間の電力比は、LLの平均電力に対するULの平均電力の比を表すIL(Injection Level)によって定義される。
【0004】
図11は、従来技術における典型的なLDM方式の送信装置10の概略構成を示すブロック図である。図11ではシングルキャリア伝送によるLDM方式の送信装置10の概略構成を例示しているが、マルチキャリアによるOFDM伝送にもLDM方式を適用可能であり、LDM方式の信号伝送自体に係る構成は同様である。図11に示すLDM方式の送信装置10は、UL用の誤り訂正符号化部11及びマッピング部12と、LL用の誤り訂正符号化部13及びマッピング部14と、電力調整部15と、合成部16と、直交変調部17と、を備える。
【0005】
誤り訂正符号化部11は、LDM方式のULで伝送したい情報であるUL用伝送情報を入力して、UL用として予め定めた誤り訂正符号化処理(LDPC符号等)を施し、マッピング部12に出力する。
【0006】
マッピング部12は、誤り訂正符号化部11から得られる誤り訂正符号化処理後のデータに対してUL用として予め定めた変調方式(QPSK等)でマッピングし、同相成分Iと直交位相成分QのIQ平面で表すことが可能なIQ信号としてUL用のシンボルを有する変調信号を生成して合成部16に出力する。
【0007】
誤り訂正符号化部13は、LDM方式のLLで伝送したい情報であるLL用伝送情報を入力して、LL用として予め定めた誤り訂正符号化処理(LDPC符号等)を施し、マッピング部14に出力する。尚、UL用とLL用の各誤り訂正符号化処理は、それぞれ同一の誤り訂正符号化方式及び符号化率としてもよいし、それぞれ異なる誤り訂正符号化方式及び符号化率としてもよい。
【0008】
マッピング部14は、誤り訂正符号化部13から得られる誤り訂正符号化処理後のデータに対してLL用として予め定めた変調方式(QPSK等)でマッピングし、IQ信号としてLL用のシンボルを有する変調信号を生成して電力調整部15に出力する。尚、UL用とLL用の各変調方式は、それぞれ同一変調方式としてもよいし、それぞれ異なる変調方式としてもよく、QPSKとする以外にも、π/2シフトBPSK,8PSK,16APSK等とすることができる。
【0009】
電力調整部15は、予め定められたILの値によって、マッピング部14から得られるLL用のシンボルについて振幅を調整し(即ち、ILに応じた階層間の電力比の調整を行い)、この振幅調整後のLL用のシンボルを合成部16に出力する。尚、ここでは、電力調整部15によって、LL用のシンボルについて振幅の調整を行う構成例を示しているが、ILに応じた階層間の電力比の調整を行うことができればよく、このような電力調整部15は、UL用とLL用のシンボルのいずれか一方又は双方について振幅の調整を行うとしてもよい。
【0010】
合成部16は、マッピング部12及び電力調整部15からそれぞれ得られるUL用とLL用の各シンボルについて電力加算することにより、LDMシンボルを生成し、直交変調部17に出力する。
(【0011】以降は省略されています)

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