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公開番号2023080180
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-08
出願番号2023064027,2019197477
出願日2023-04-11,2019-10-30
発明の名称オーステナイト化フェライト系ステンレス鋼
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G04B 37/22 20060101AFI20230601BHJP(時計)
要約【課題】耐食性を有し、かつ、製造工程を簡素化できる時計用部品を提供すること。
【解決手段】時計用部品は、フェライト相で構成された基部と、オーステナイト化相で構成された表面層と、基部と表面層との間に形成されフェライト相とオーステナイト化相とが混在する混在層と、を備えるオーステナイト化フェライト系ステンレス鋼で構成され、基部は、質量%で、Cr:18~22%、Mo:1.3~2.8%、Nb:0.05~0.50%、Cu:0.1~0.8%、Ni:0.5%未満、Mn:0.8%未満、Si:0.5%未満、P:0.10%未満、S:0.05%未満、N:0.05%未満、C:0.05%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、表面層の窒素の含有量は、質量%で1.0~1.6%であり、表面層の表面には、AES分析における酸素プロファイル換算で、2.5nm以上の厚さの酸化膜を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
フェライト相で構成された基部と、オーステナイト化相で構成された表面層と、前記基部と前記表面層との間に形成され前記フェライト相と前記オーステナイト化相とが混在する混在層と、を備えるオーステナイト化フェライト系ステンレス鋼で構成され、
前記基部は、質量%で、Cr:18~22%、Mo:1.3~2.8%、Nb:0.05~0.50%、Cu:0.1~0.8%、Ni:0.5%未満、Mn:0.8%未満、Si:0.5%未満、P:0.10%未満、S:0.05%未満、N:0.05%未満、C:0.05%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
前記表面層の窒素の含有量は、質量%で1.0~1.6%であり、
前記表面層の表面には、AES分析における酸素プロファイル換算で、2.5nm以上の厚さの酸化膜を有する
ことを特徴とする時計用部品。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
請求項1に記載の時計用部品において、
前記酸化膜は、JIS G0577に基づく孔食電位測定試験において、1000mV以上の電位において2次不動態域を有する
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の時計用部品において、
前記酸化膜は、JIS G0577に基づく孔食電位測定試験において、1000mV以上の電位において電流密度の降下が発生する
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の時計用部品において、
前記酸化膜は、SPM測定において10V印加時における電流値の最大値が1×10
-9
nA以下である
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計用部品を備えることを特徴とする時計。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用部品および時計に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ステンレス鋼からなる基材に、湿式メッキ法で形成した被膜層と、乾式メッキ法で形成した被膜層とを積層させた時計用外装部品が開示されている。
特許文献1では、基材に複数の被膜層を積層させることにより、高級感があり、かつ、外観品質が劣化しにくくできるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-56301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、複数種類のメッキ法を組み合わせて、基材に被膜層を積層させる必要があるので、製造工程が煩雑になってしまうといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の時計用部品は、フェライト相で構成された基部と、オーステナイト化相で構成された表面層と、前記基部と前記表面層との間に形成され前記フェライト相と前記オーステナイト化相とが混在する混在層と、を備えるオーステナイト化フェライト系ステンレス鋼で構成され、前記基部は、質量%で、Cr:18~22%、Mo:1.3~2.8%、Nb:0.05~0.50%、Cu:0.1~0.8%、Ni:0.5%未満、Mn:0.8%未満、Si:0.5%未満、P:0.10%未満、S:0.05%未満、N:0.05%未満、C:0.05%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記表面層の窒素の含有量は、質量%で1.0~1.6%であり、前記表面層の表面には、AES分析における酸素プロファイル換算で、2.5nm以上の厚さの酸化膜を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
一実施形態の時計を示す正面図。
ケースの要部を示す断面図。
孔食電位測定試験結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[実施形態]
以下、本開示の一実施形態の時計1を図面に基づいて説明する。
図1は、時計1を示す正面図である。本実施形態では、時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計として構成される。
図1に示すように、時計1は、金属製のケース2を備える。そして、ケース2の内部には、円板状の文字板10と、秒針3、分針4、時針5と、りゅうず7と、Aボタン8と、Bボタン9とを備える。なお、ケース2は、本開示の時計用部品の一例である。
文字板10には、時刻を指示するためのアワーマーク6が設けられている。
【0008】
[ケース]
図2は、ケース2の要部を示す断面図である。なお、図2では、ケース2を表面221から深さ方向に切断した断面図を示している。
図2に示すように、ケース2は、フェライト相で構成された基部21と、オーステナイト化相で構成された表面層22と、フェライト相とオーステナイト化相とが混在する混在層23とを備え、オーステナイト化フェライト系ステンレス鋼により構成される。
【0009】
[基部]
基部21は、質量%で、Cr:18~22%、Mo:1.3~2.8%、Nb:0.05~0.50%、Cu:0.1~0.8%、Ni:0.5%未満、Mn:0.8%未満、Si:0.5%未満、P:0.10%未満、S:0.05%未満、N:0.05%未満、C:0.05%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼により構成される。
【0010】
Crは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動速度およびフェライト相における窒素の拡散速度を高める元素である。Crが18%未満であると、窒素の移動速度および拡散速度が低くなる。さらに、Crが18%未満であると、表面層22の耐食性が低下する。一方、Crが22%を超えると、硬質化して、材料としての加工性が悪化する。さらに、Crが22%を超えると、美的外観が損なわれる。そのため、Crの含有量は、18~22%であるのが好ましく、20~22%とするのがより好ましく、19.5~20.5%とするのがさらに好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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