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公開番号2023079984
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-08
出願番号2022062233
出願日2022-04-04
発明の名称キメラアデノ随伴ウイルスの分析方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C12N 7/02 20060101AFI20230601BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 複数の血清型の特徴を有したキメラアデノ随伴ウイルス(AAV)を、構造を保持したまま分析する方法を提供すること。
【解決手段】 不溶性担体と当該担体に固定化したKIAA0316Lの細胞外ドメイン1およびドメイン2に相当するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む吸着剤に試料中に含まれるキメラAAVを吸着させる工程と、前記吸着剤に吸着したキメラAAVを溶出液を用いて溶出させる工程とを含む、キメラAAVの分析方法により、前記課題を解決する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
試料中に含まれるアデノ随伴ウイルス(AAV)を不溶性担体と当該担体に固定化したAAV結合性タンパク質とを含む吸着剤に吸着させる工程と、前記吸着剤に吸着したAAVを溶出液を用いて溶出させる工程とを含む、AAVの分析方法であって、
前記試料が複数の血清型の特徴を有したキメラAAVを少なくとも含み、かつ前記AAV結合性タンパク質が以下の(i)から(iii)のいずれかから選択されるポリペプチドである、前記方法;
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、312番目のセリンから401番目のグルタミン酸までのアミノ酸残基または409番目のイソロイシンから500番目のアスパラギン酸までのアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド、
(ii)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、312番目のセリンから401番目のグルタミン酸までのアミノ酸残基または409番目のイソロイシンから500番目のアスパラギン酸までのアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該312番目から401番目までのアミノ酸残基または当該409番目から500番目までのアミノ酸残基において、1もしくは数個の位置での1もしくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含むアミノ酸配列を有し、かつAAV結合活性を有するポリペプチド、
(iii)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、312番目のセリンから401番目のグルタミン酸までのアミノ酸残基または409番目のイソロイシンから500番目のアスパラギン酸までのアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該312番目から401番目までのアミノ酸残基または当該409番目から500番目までのアミノ酸残基からなるアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有し、かつAAV結合活性を有するポリペプチド。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
AAV結合性タンパク質が、以下の(iv)から(vi)のいずれかから選択されるポリペプチドである、請求項1に記載の方法;
(iv)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち312番目のセリンから500番目のアスパラギン酸までのアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド、
(v)配列番号1に記載のアミノ酸配列の312番目のセリンから500番目のアスパラギン酸までのアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該312番目から500番目までのアミノ酸残基において、1もしくは数個の位置での1もしくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含むアミノ酸配列を有し、かつAAV結合活性を有するポリペプチド、
(vi)配列番号1に記載のアミノ酸配列の312番目のセリンから500番目のアスパラギン酸までのアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該312番目から500番目までのアミノ酸残基からなるアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有し、かつAAV結合活性を有するポリペプチド。
【請求項3】
試料が複数の血清型の特徴を有したキメラAAVと単一の血清型のAAVとを少なくとも含む、請求項1又は2に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アデノ随伴ウイルス(AAV)の分析方法に関する。特に本発明は、試料中に含まれる複数の血清型の特徴を有したキメラAAVを分析する方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
アデノ随伴ウイルス(AAV)はパルボウイルス科(Parvoviridae)、ディペンドウイルス属(Dependovirus)に分類される非エンベロープウイルスである。AAV外殻粒子は3種類のタンパク質(VP1、VP2およびVP3)で構成されており、約60のタンパク質分子がおよそVP1:VP2:VP3=1:1:10の比率で混在し集合することで、直径20nmから30nmの正二十面体の形状をしている。
【0003】
自然界でのAAVは自立性の増殖能を欠き、複製はアデノウイルスやヘルペスウイルスなどのヘルパーウイルスに依存する。前記ヘルパーウイルスが存在すると、AAVゲノムは宿主細胞内で複製され、AAVゲノムを含む完全なAAV粒子が形成され、宿主細胞からAAV粒子が放出される。一方、前記ヘルパーウイルスが存在しない場合、AAVゲノムはエピソームに維持された状態または宿主染色体に組込まれた状態(潜伏状態)となる。
【0004】
AAVはヒトを含む広範な種の細胞に感染可能で、血球、筋、神経細胞などの分化を終えた非分裂細胞にも感染すること、ヒトに対する病原性がないため副作用の心配が低いこと、ウイルス粒子が物理化学的に安定であること、などから、先天性遺伝子疾患の治療を目的とした遺伝子導入用のベクターとしての利用価値が注目されている。
【0005】
遺伝子組換えAAVベクター(以下、単にAAVベクターとも表記)の製造は、通常、AAV粒子形成に必須な要素をコードする核酸を細胞に導入することで、AAVを産生する能力を有する細胞(以下、AAV産生細胞とも表記)を作製し、当該細胞を培養してAAV粒子形成に必須な要素を発現させることで行なう。製造したAAVベクターはAAV産生細胞から回収精製し、治療用AAVベクター製剤を得る。
【0006】
AAVベクターには、複数の血清型(セロタイプ)が存在し、各血清型の細胞指向性や感染能が異なる(非特許文献1)。また近年、複数の血清型の特徴を有したキメラAAVベクターも知られており、一例として、血清型1(AAV1)と血清型2(AAV2)とのキメラAAVベクター(非特許文献2)や、血清型2(AAV2)と血清型5(AAV5)とのキメラAAVベクター(非特許文献3)があげられる。キメラAAVベクターは数種類の血清型の性質を有することができ、各血清型の細胞指向性や感染能の特徴を踏襲できる点で有用であり、当該ベクターを、構造を保持したまま分析することは、AAVベクターの性質を把握するために必須である。
【0007】
従来より、構造を維持したままAAVベクターを分析する方法として、透過型電子顕微鏡法、ゲルろ過分析法、動的光散乱法などが用いられている。しかしながらこれらの方法はいずれも、大きさや形状などの情報は得られるものの、キメラAAVベクターの分析は困難であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Ellis B.et al.,Virol J,74,10,2013
Hauck B.et al.,Mol Ther,7,419,2003
Excoffon K.et al.,Proc Natl Acad Sci USA,106,3865,2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、複数の血清型の特徴を有したキメラアデノ随伴ウイルスを、構造を保持したまま分析する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討した結果、不溶性担体と当該担体に固定化したAAV結合性タンパク質とを含む吸着剤を用いて分析することで、試料中に含まれるキメラAAVを分析できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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