TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2023079201
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2022187616
出願日2022-11-24
発明の名称ポリイミド系フィルム
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20230531BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高周波帯域での伝送損失の低いCCL等の金属張積層板を形成し得る、Dfの低いポリイミド系フィルムを提供する。
【解決手段】テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)とジアミン由来の構成単位(B)とを含有するポリイミド系樹脂を含み、式1に定義される面内配向指数は58以上である、ポリイミド系フィルム。
面内配向指数 = [(180-FWHW)/180]×100 (式1)
[式1中、FWHMは、前記フィルムのTD方向と平行にX線を入射して測定した、透過法X線回折測定の2次元回折像の解析で得られる、2θ=16°における方位角プロファイルにおいて、前記フィルムのND方向に対応する方位角に現れるピークの半値幅を表す。]
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)とジアミン由来の構成単位(B)とを含有するポリイミド系樹脂を含み、式1に定義される面内配向指数は58以上である、ポリイミド系フィルム。
面内配向指数 = [(180-FWHM)/180]×100 (式1)
[式1中、FWHMは、前記フィルムのTD方向と平行にX線を入射して測定した、透過法X線回折測定の2次元回折像の解析で得られる、2θ=16°における方位角プロファイルにおいて、前記フィルムのND方向に対応する方位角に現れるピークの半値幅を表す。]
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
式2で表される分子周期性指数は7.0以上である、請求項1に記載のポリイミド系フィルム。
分子周期性指数 = I(16°)/I(min) (式2)
[式2中、I(16°)は、反射法X線回折測定で得られる回折強度プロファイルにおいて、2θ

=15.5~16.5°での回折強度の最大値を表し、
I(min)は、反射法X線回折測定で得られる回折強度プロファイルにおいて、2θ

=20~30°での回折強度の最小値を表す。]
【請求項3】
式3で定義される面内異方性指数Aが0.8以上1.2以下であり、式4で定義される面内異方性指数Bが1.1より大きい、請求項1又は2に記載のポリイミド系フィルム。
面内異方性指数A = I(MD)/I(TD) (式3)
面内異方性指数B = I(MAX)/I(MIN) (式4)
[式3及び式4中、前記フィルムのND方向と平行にX線を入射して測定した、透過法X線回折測定の2次元回折像の解析で得られる、2θ

=16°における方位角プロファイルにおいて、I(MD)は前記フィルムのMD方向に対応する回折強度を表し、I(TD)はTD方向に対応する回折強度を表し、I(MAX)は回折強度の最大値を表し、I(MIN)は回折強度の最小値を表す。]
【請求項4】
前記構成単位(A)は、エステル結合含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A1)を含む、請求項1~3のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
【請求項5】
前記構成単位(A)は、ビフェニル骨格含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A2)を含む、請求項1~4のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
【請求項6】
前記構成単位(A)は、式(X):
(前記構成単位(A1)及び前記構成単位(A2)以外のテトラカルボン酸無水物由来の構成単位の含有量)/(前記構成単位(A1)及び前記構成単位(A2)の総量)<1.1 (X)
の関係を満たす、請求項5に記載のポリイミド系フィルム。
【請求項7】
前記構成単位(A1)は、式(a1):
TIFF
2023079201000023.tif
30
100
[式(a1)中、Zは2価の有機基を表し、

a1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
sは互いに独立に、0~3の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(a1)である、請求項4~6のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
【請求項8】
前記構成単位(A2)は、式(a2):
TIFF
2023079201000024.tif
39
71
[式(a2)中、R
a2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
tは、互いに独立に、0~3の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(a2)である、請求項5~7のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
【請求項9】
前記構成単位(B)は、ビフェニル骨格含有ジアミン由来の構成単位(B1)を含む、請求項1~8のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
【請求項10】
前記構成単位(B1)は、式(b1):
TIFF
2023079201000025.tif
20
81
[式(b1)中、R
b1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
pは0~4の整数を表す]
で表されるジアミン由来の構成単位(b1)である、請求項9に記載のポリイミド系フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
高周波帯域用のプリント回路基板やアンテナ基板に対応可能な基板材料などに利用できるポリイミド系フィルム及びその製造方法、並びに、該ポリイミド系フィルムを含む積層フィルム及びフレキシブルプリント回路基板に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント回路基板(以下、FPCと記載することがある)は、薄く軽量で可撓性を有するため、立体的、高密度な実装が可能であり、携帯電話、ハードディスク等の多くの電子機器に使用され、その小型化、軽量化に寄与している。従来、FPCには、耐熱性、機械的物性、電気絶縁性に優れるポリイミド樹脂が広く用いられており、例えば、FPCに使用される銅張積層板(以下、CCLと略すことがある)等の金属張積層板として、単層または複数層のポリイミドフィルムの片面または両面に銅箔層を有する積層体が知られている。
近年、5Gと称される第5世代移動通信システムが本格的に普及しつつある(例えば特許文献1)。
【0003】
特開2021-161285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来用いられてきたポリイミド材料を適用した金属張積層板では、5Gの通信に用いられる高周波信号を伝送する際に、伝送損失が大きく、電気信号のロスや信号の遅延時間が長くなる等の不都合が生じる。そのため、伝送損失の低減を目的として、誘電正接(以下、Dfと記載することがある)及び比誘電率(以下、Dkと記載することがある)の低いポリイミドフィルムが検討されているが、比誘電率及び誘電正接が十分に低いポリイミドフィルムは見出されていない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、高周波帯域での伝送損失の低いCCL等の金属張積層板を形成し得る、Dfの低いポリイミド系フィルム及びその製造方法、並びに、該ポリイミド系フィルムを含む積層フィルム及びフレキシブルプリント回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリイミド系樹脂の高次構造を特定の条件に調整することで、Dfを低減したポリイミド系フィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
【0007】
[1]テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)とジアミン由来の構成単位(B)とを含有するポリイミド系樹脂を含み、式1に定義される面内配向指数は58以上である、ポリイミド系フィルム。
面内配向指数 = [(180-FWHM)/180]×100 (式1)
[式1中、FWHMは、前記フィルムのTD方向と平行にX線を入射して測定した、透過法X線回折測定の2次元回折像の解析で得られる、2θ=16°における方位角プロファイルにおいて、前記フィルムのND方向に対応する方位角に現れるピークの半値幅を表す。]
[2]式2で表される分子周期性指数は7.0以上である、[1]に記載のポリイミド系フィルム。
分子周期性指数 = I(16°)/I(min) (式2)
[式2中、I(16°)は、反射法X線回折測定で得られる回折強度プロファイルにおいて、2θ

=15.5~16.5°での回折強度の最大値を表し、
I(min)は、反射法X線回折測定で得られる回折強度プロファイルにおいて、2θ

=20~30°での回折強度の最小値を表す。]
[3]式3で定義される面内異方性指数Aが0.8以上1.2以下であり、式4で定義される面内異方性指数Bが1.1より大きい、[1]又は[2]に記載のポリイミド系フィルム。
面内異方性指数A = I(MD)/I(TD) (式3)
面内異方性指数B = I(MAX)/I(MIN) (式4)
[式3及び式4中、前記フィルムのND方向と平行にX線を入射して測定した、透過法X線回折測定の2次元回折像の解析で得られる、2θ

=16°における方位角プロファイルにおいて、I(MD)は前記フィルムのMD方向に対応する回折強度を表し、I(TD)はTD方向に対応する回折強度を表し、I(MAX)は回折強度の最大値を表し、I(MIN)は回折強度の最小値を表す。]
[4]前記構成単位(A)は、エステル結合含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A1)を含む、[1]~[3]のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
[5]前記構成単位(A)は、ビフェニル骨格含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A2)を含む、[1]~[4]のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
[6]前記構成単位(A)は、式(X):
(前記構成単位(A1)及び前記構成単位(A2)以外のテトラカルボン酸無水物由来の構成単位の含有量)/(前記構成単位(A1)及び前記構成単位(A2)の総量)<1.1 (X)
の関係を満たす、[5]に記載のポリイミド系フィルム。
[7]前記構成単位(A1)は、式(a1):
TIFF
2023079201000001.tif
30
100
[式(a1)中、Zは2価の有機基を表し、

a1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
sは互いに独立に、0~3の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(a1)である、[4]~[6]のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
[8]前記構成単位(A2)は、式(a2):
TIFF
2023079201000002.tif
37
68
[式(a2)中、R
a2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
tは、互いに独立に、0~3の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(a2)である、[5]~[7]のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
[9]前記構成単位(B)は、ビフェニル骨格含有ジアミン由来の構成単位(B1)を含む、[1]~[8]のいずれかに記載のポリイミド系フィルム。
[10]前記構成単位(B1)は、式(b1):
TIFF
2023079201000003.tif
20
81
[式(b1)中、R
b1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、
pは0~4の整数を表す]
で表されるジアミン由来の構成単位(b1)である、[9]に記載のポリイミド系フィルム。
[11]前記構成単位(B1)の含有量は、前記構成単位(B)の総量に対して30モル%を超える、[9]又は[10]に記載のポリイミド系フィルム。
[12]前記構成単位(B)は、式(b2):
TIFF
2023079201000004.tif
30
71
[式(b2)中、R
b2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはアリールオキシ基を表し、R
b2
に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
Wは、互いに独立に、-O-、-CH

-、-CH

-CH

-、-CH(CH

)-、-C(CH



-、-C(CF

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高周波帯域での伝送損失の低いCCL等の金属張積層体を形成し得る、Dfの低いポリイミド系フィルムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、透過法X線回折測定により面内配向指数を求める方法を説明するための概略図である。
図2は、実施例4のポリイミド系フィルムの透過法X線回折測定により得られる方位角プロファイルを示す図である。
図3は、反射法X線回折測定により分子周期性指数を求める方法を説明するための概略図である。
図4は、実施例4のポリイミド系フィルムの反射法X線回折測定により得られる回折強度プロファイルを示す図である。
図5は、透過法X線回折測定により面内異方性指数を求める方法を説明するための概略図である。
図6は、実施例4のポリイミド系フィルムの透過法X線回折測定により得られる方位角プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[ポリイミド系フィルム]
(面内配向指数)
本発明のポリイミド系フィルムは、テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)とジアミン由来の構成単位(B)とを含有するポリイミド系樹脂を含み、下記式1に定義される面内配向指数(単に面内配向指数ともいう)が58以上である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社日本触媒
組成物
28日前
三菱ケミカル株式会社
積層体
今日
東レ株式会社
多孔質フィルム
22日前
株式会社コバヤシ
成形体
1か月前
株式会社きもと
障子用フィルム
1か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
16日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
株式会社松風
光硬化性組成物
7日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
2か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
2か月前
株式会社ADEKA
組成物及び硬化物
2か月前
株式会社日本触媒
無機粒子含有分散体
23日前
サンノプコ株式会社
樹脂組成物
1か月前
株式会社魁半導体
機能性粉体及び組成物
1か月前
テクノUMG株式会社
物品
22日前
AGC株式会社
水性分散液
7日前
株式会社カネカ
硬化性組成物
1か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
1か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
1か月前
ユニチカ株式会社
多孔質ポリアミドイミド
7日前
株式会社カネカ
樹脂組成物およびフィルム
22日前
ユニチカ株式会社
延伸ポリアミドフィルム
2か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルムロール
2か月前
国立大学法人九州大学
ポリマー化合物
2か月前
東レ株式会社
重合装置および重合体の製造方法
22日前
サンデン株式会社
樹脂被膜及び摺動部材
1か月前
株式会社日本製鋼所
プリプレグ製造装置
今日
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
16日前
帝人株式会社
樹脂組成物および光学部材
22日前
松本油脂製薬株式会社
ポリマー粒子及びその用途
2か月前
住友電気工業株式会社
成形体
1か月前
帝人株式会社
樹脂組成物およびその成形品
2か月前
日本エイアンドエル株式会社
熱可塑性樹脂組成物
2か月前
株式会社コバヤシ
成形体及びその製造方法
16日前
三和化工株式会社
発泡体の製造方法
22日前
続きを見る