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公開番号2023079169
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2022165733
出願日2022-10-14
発明の名称水路内堆積物の除去方法
出願人日鉄環境株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C02F 11/147 20190101AFI20230531BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】水が流れている水路内から堆積物を含む水を吸い上げて簡便に処理でき、しかも小規模な設備で迅速且つ効果的に行うことができる水路内堆積物の除去方法の開発。
【解決手段】水路内堆積物を水路内の水を抜くことなく除去する方法であり、堆積物は、貝殻等の粗大夾雑物と、該粗大夾雑物以外の、貝殻の破片やヘドロ等の粗粒と微粒とを含むその他の夾雑物を有し、水路内からポンプで堆積物を含む水を吸い上げて、粗大夾雑物を網の目開きを利用して分級して分離する分別工程と、該分別工程で粗大夾雑物を分離した後の、その他の夾雑物である残留堆積物を含む水を沈殿物処理用の設備内に導入し、残留堆積物を前記設備内に沈降させ、残留堆積物と水とを分離する固液分離工程を有し、粗大夾雑物の分別工程で、網の目開きを利用して粗大夾雑物を分級して分離するよりも前に、水路内堆積物を含む水に高分子凝集・沈降剤を添加する水路内堆積物の除去方法。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
移送する水中の夾雑物に由来して水路内に堆積した堆積物を、水路内の水を抜くことなく除去するための水路内堆積物の除去方法であって、
前記水路内堆積物は、貝殻等の粗大夾雑物と、該粗大夾雑物以外の、貝殻の破片や砂やシルトやヘドロ等の粗粒と微粒とを含むその他の夾雑物とを有しており、
前記水路内からポンプで前記水路内堆積物を含む水を吸い上げて、該水路内堆積物中に含まれている前記粗大夾雑物を、網の目開きを利用して分級して分離する粗大夾雑物の分別工程と、
前記分別工程で粗大夾雑物を分離した後の、前記その他の夾雑物である残留堆積物を含む水を沈殿物処理用の設備内に導入して、前記残留堆積物を前記沈殿物処理用の設備内に沈降させ、前記残留堆積物と水とを分離する固液分離工程とを有し、
前記粗大夾雑物の分別工程で、網の目開きを利用して前記水路内堆積物中の粗大夾雑物を分級して分離するよりも前に、前記水路内堆積物を含む水に高分子凝集・沈降剤を添加することを特徴とする水路内堆積物の除去方法。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記高分子凝集・沈降剤の添加を、前記粗大夾雑物の分別工程において、前記水路内からポンプで吸い上げられた前記水路内堆積物を含む水が、前記網に到達する前の時点で行う請求項1に記載の水路内堆積物の除去方法。
【請求項3】
前記高分子凝集・沈降剤の添加を、前記粗大夾雑物の分別工程における、前記水路内からポンプで前記水路内堆積物を含む水を吸い上げる際の、ポンプの吸い込み口又は吸い込み口の周辺に前記高分子凝集・沈降剤を添加することで行う請求項1に記載の水路内堆積物の除去方法。
【請求項4】
前記高分子凝集・沈降剤の添加を、さらに、前記分別工程で粗大夾雑物を分離した後の前記残留堆積物を含む水が、前記沈殿物処理用の設備内に導入される前でも行う請求項1~3のいずれか1項に記載の水路内堆積物の除去方法。
【請求項5】
前記粗大夾雑物の分別工程で、網の目開きが2mm~15mmであるトロンメルを用いる請求項1~3のいずれか1項に記載の水路内堆積物の除去方法。
【請求項6】
前記粗粒の長径が、150μm以上であり、前記微粒の長径が、50μm以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の水路内堆積物の除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水路内堆積物の除去方法に関し、詳しくは、水路に堆積した底質(堆積物)を、水路内の水を抜いたり、大規模な設備を用意したりすることなく、水路から堆積物を含む水を吸い上げて、簡便な手段で堆積物中の粗大夾雑物を分級して分別し、粗大夾雑物を除去した後の、その他の夾雑物である残留堆積物を含む水を小規模な沈殿槽や沈殿池等の沈殿物処理用の設備で、迅速且つ効果的に固液分離することを実現し、これにより、水路に堆積した底質(堆積物)を効率よく経済的に除去することを実現可能にする技術に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、鉄鋼製造や発電所等においては大量の冷却水を必要とする。これに対し、海水を冷却水として用いることが一般的に行われており、大量の海水が、用水路を介して工場や発電所内に運ばれて冷却水に利用されている。海水には、貝殻や砂利や砂や泥やヘドロ等の様々な夾雑物が含まれており、海水と一緒にこれらの夾雑物も用水路を介して工場内などに運ばれてくることになる。このため、大量の海水が流れる海水の取水路の底には、これらの夾雑物に由来した堆積物(底質)が溜まるので、定期的に、水路内の堆積物を除去することが行われている。なお、上記した海水に限らず、河川や、湖沼や、ため池等の水を取り込むための各種の用水路でも、取水路の底に溜まる堆積物(底質)を除去する必要がある。
【0003】
取水路内の堆積物を除去する一般的な方法としては、下記のような方法がある。まず、水路を塞き止めて水を抜いた後、作業者が機材を用いて、水路の底に溜まった堆積物を掻き出している。掻き出した堆積物は、別の場所に運搬して移動して貯溜し、その後に堆積物を脱水するなどした後、処分している。しかし、この方法は、人手による多大な労力を要することに加えて、機材や、作業者や、作業スペースの確保などが必要であるという問題がある。また、従来の方法は、水路を塞き止めるための止水に要する期間、さらに水路の水抜きに要する作業時間も含め工期が長くなる。このため、操業への影響が大きく、このことが原因して、水路内の状況に応じて、最適な時期に、或いは、頻繁に、堆積物の除去を行うことができないという問題もある。
【0004】
これに対し、特許文献1では、取水路内を走行させて、取水路の壁面に厚層に付着した海生物を、周囲への散乱を最小限に抑えつつ確実に除去でき、取水路の清掃作業を効率よく行えるとした取水路清掃装置が提案されている。この装置によれば、監視装置を設けることで、取水路内での清掃作業を地上部で監視し、清掃作業の進捗状況を把握することができるとされている。また、海水中を自在に走行し、上下面及び側面の壁に走行車が貼り付き走行しながら清掃を行う遠隔操作式異物除去清掃装置等についての提案もある(特許文献2等参照)。これらの装置を用いれば、止水することなく、取水路の清掃をすることが可能になる。しかし、これらの技術はいずれも、取水路に適した特殊な清掃装置と、その運転技術や監視技術などを必要とし、簡便に汎用できる実用技術とは言い難い。また、これらの技術は、基本的には、重量物である清掃装置が取水路の底面を走行するため、底面の堆積物が踏み固められてしまうといったような別の問題もある。
【0005】
これに対し、水路を塞き止めた後(すなわち、止水して)水路内の水を抜く作業をすることなく、取水路内の堆積物を除去する方法として、下記のような方法が行われている。例えば、取水した海水から、トロンメル等の、特定の目開きの篩(フルイ)を用いて貝殻や砂利等の粗大な夾雑物を選別して取り除き、粗大な夾雑物を取り除いた海水を沈殿槽等に導入し、泥や砂やヘドロ等の夾雑物と海水とを固液分離し、分離した海水を冷却水等に使用することが行われている。しかし、この方法は、先述した従来の方法のように、水路を塞き止め、操業を停止させる必要はないものの、固液分離に時間がかかるという問題がある。また、冷却水に利用する場合などの、大量の海水を必要とする場合には、大きな沈殿槽が必要になるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開5-230819号公報
特開昭63-302985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、従来技術は、いずれも、水路に堆積した底質(堆積物)を効率よく、経済的に除去することを実現できるものではなかった。すなわち、水路内の水を抜くためには止水する必要があることから操業に支障をきたし、加えて、多大な労力と、広い作業スペースと、機材を必要とするものであった。また、水路内の水を抜くことなく清掃することが可能な方法であっても、特殊な清掃装置を必要とし、加えて装置の運転技術や監視技術などを必要として、汎用性に劣る技術であった。また、冷却水等に使用するための大量の海水を確保するためには、大容量の沈殿槽を必要とし、しかも固液分離に長時間を要するなどの問題があった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、水路を塞き止めて止水する必要が生じる水路内の水を抜くことなく、また、大規模な設備や特殊な装置を必要とすることもなく、水路に堆積した底質(堆積物)の除去を、水が流れている状態の水路内から堆積物を含む水を吸い上げて簡便に処理でき、しかも、小規模な設備で、迅速且つ効果的に行うことが実現可能な、水路内堆積物の除去方法についての実用価値の高い技術を開発することにある。本発明の目的は、特に、大量に必要になる冷却水等として広く用いられている海水の取水路に堆積した、海水中の、貝殻や砂利や砂や泥やヘドロ等の、大小様々なサイズの夾雑物に由来する底質(堆積物)を、大規模な沈殿槽等の沈殿物処理用の設備を必要とせず、小規模な設備で、簡便に効率よく、安定して経済的に除去することを実現できる汎用技術を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、下記の水路内堆積物の除去方法を提供する。
[1]移送する水中の夾雑物に由来して水路内に堆積した堆積物を、水路内の水を抜くことなく除去するための水路内堆積物の除去方法であって、前記水路内堆積物は、貝殻等の粗大夾雑物と、該粗大夾雑物以外の、貝殻の破片や砂やシルトやヘドロ等の粗粒と微粒とを含むその他の夾雑物とを有しており、前記水路内からポンプで前記水路内堆積物を含む水を吸い上げて、該水路内堆積物中に含まれている前記粗大夾雑物を、網の目開きを利用して分級して分離する粗大夾雑物の分別工程と、前記分別工程で粗大夾雑物を分離した後の、前記その他の夾雑物である残留堆積物を含む水を沈殿物処理用の設備内に導入して、前記残留堆積物を前記沈殿物処理用の設備内に沈降させ、前記残留堆積物と水とを分離する固液分離工程とを有し、前記粗大夾雑物の分別工程で、網の目開きを利用して前記水路内堆積物中の粗大夾雑物を分級して分離するよりも前に、前記水路内堆積物を含む水に高分子凝集・沈降剤を添加することを特徴とする水路内堆積物の除去方法。
【0010】
上記した本発明の水路内堆積物の除去方法の好ましい形態としては、下記が挙げられる。
[2]前記高分子凝集・沈降剤の添加を、前記粗大夾雑物の分別工程において、前記水路内からポンプで吸い上げられた前記水路内堆積物を含む水が、前記網に到達する前の時点で行う上記[1]に記載の水路内堆積物の除去方法。
[3]前記高分子凝集・沈降剤の添加を、前記粗大夾雑物の分別工程における、前記水路内からポンプで前記水路内堆積物を含む水を吸い上げる際の、ポンプの吸い込み口又は吸い込み口の周辺に前記高分子凝集・沈降剤を添加することで行う上記[1]に記載の水路内堆積物の除去方法。
[4]前記高分子凝集・沈降剤の添加を、さらに、前記分別工程で粗大夾雑物を分離した後の前記残留堆積物を含む水が、前記沈殿物処理用の設備内に導入される前でも行う[1]~[3]のいずれかに記載の水路内堆積物の除去方法。
(【0011】以降は省略されています)

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