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公開番号2023079135
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2022005612
出願日2022-01-18
発明の名称ファイバーセンシング装置
出願人国立大学法人徳島大学
代理人
主分類G01N 21/41 20060101AFI20230531BHJP(測定;試験)
要約【課題】測定対象の物理量を、周囲温度の影響を受けずに、高感度かつ高精度に検出するファイバーセンシング装置を実現する。
【解決手段】共振器内にファイバーセンサー10を有し、検知した測定対象物理量の変化に対して繰り返し周波数が変化する光周波数コムを発生する光周波数コム共振器100と、所定の周波数の高周波基準信号を発生する局部発振器と、前記光周波数コムを受光して、繰り返し周波数の高次高調波成分の高周波信号と、前記局部発振器の高周波基準信号のビート信号を出力するミキシング素子27と、を具備する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
共振器内にファイバーセンサーを有し、検知した測定対象物理量の変化に対して繰り返し周波数が変化する光周波数コムを発生する光周波数コム共振器と、
所定の周波数の高周波基準信号を発生する局部発振器と、
前記光周波数コムを受光して、繰り返し周波数の高次高調波成分の高周波信号と、前記局部発振器の高周波基準信号のビート信号を出力するミキシング素子、を具備するファイバーセンシング装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記ミキシング素子は、前記光周波数コムを受光して、繰り返し周波数の高次高調波成分を高周波フォトキャリア信号として内部生成し、前記局部発振器の高周波基準信号と光伝導ミキシングを行い、高次高調波フォトキャリア信号と高周波基準信号のビートを生成する光伝導アンテナ素子であることを特徴とする、請求項1に記載のファイバーセンシング装置。
【請求項3】
前記ミキシング素子は、前記光周波数コムと前記局部発振器の高周波基準信号を受光して、光周波数コムを構成する光周波数モード列に高周波基準信号の周波数に等しいサイドバンドを生成し、それに隣接した周波数の光周波数モードとの光ビートを生成する電気光学結晶であることを特徴とする、請求項1に記載のファイバーセンシング装置。
【請求項4】
前記光伝導アンテナ素子は、光伝導膜と、前記光伝導膜表面に互いに対向する金属平行伝送線路と金属アンテナを有し、前記光周波数コムは前記金属アンテナ間のギャップに集光され、前記高次高調波フォトキャリア信号をギャップの光伝導膜に生成し、前記高周波基準信号は前記光周波数コムの受光面と反対側から前記金属アンテナに供給されることを特徴とする、請求項2に記載のファイバーセンシング装置。
【請求項5】
前記電気光学結晶は、前記光周波数コムと前記局部発振器の高周波基準信号を同一方向もしくは逆方向から共軸で所定の偏光方向で入射し、サイドバンドの発生効率が最大となる配置の結晶軸を有することを特徴とする、請求項3に記載のファイバーセンシング装置。
【請求項6】
前記高周波基準信号の周波数は、前記光周波数コム共振器のセンサー部分が前記測定対象に接していない状態において、前記高次高調波成分に隣接するように予め設定されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のファイバーセンシング装置。
【請求項7】
前記光周波数コムの繰り返し周波数を、前記光周波数コム共振器のセンサー部分が前記測定対象に接していない状態において、既知量だけ変化させた時のビート周波数の変化量から、高次高調波の次数を決定する演算部を有したことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のファイバーセンシング装置。
【請求項8】
共振器内に第1のファイバーセンサーを有し、第1の光周波数コムを生成する第1の光周波数コム共振器と、
共振器内に第2のファイバーセンサーを有し、第2の光周波数コムを生成する第2の光周波数コム共振器と、
前記第1の光周波数コムを受光して、繰り返し周波数の高次高調波成分を高周波電波信号として自由空間に出力する発生素子と、
前記第2の光周波数コムの繰り返し周波数の高次高調波成分の高周波信号と、前記発生素子から出力された高周波電波信号のビート信号を出力するミキシング素子を具備し、
前記第1のファイバーセンサーと第2のファイバーセンサーのいずれか一方のみが、測定対象に接触したときに検知した物理量の変化に対して繰り返し周波数が変化するアクティブセンサーであり、他のファイバーセンサーはダミーセンサーである、ファイバーセンシング装置。
【請求項9】
前記ミキシング素子は、前記第2の光周波数コムを受光して、繰り返し周波数の高次高調波成分を高周波フォトキャリア信号として内部生成し、前記発生素子から出力された高次高調波電波信号と光伝導ミキシングを行い、高次高調波フォトキャリア信号と高次高調波電波信号のビート周波数を生成する第1の光伝導アンテナであることを特徴とする、請求項8に記載のファイバーセンシング装置。
【請求項10】
前記発生素子は、前記第1の光周波数コムを受光して、繰り返し周波数の高次高調波成分を高周波電波信号として生成することを特徴とする第2の光伝導アンテナまたは非線形光学結晶または単一走行キャリア・フォトダイオードであることを特徴とする、請求項8に記載のファイバーセンシング装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光周波数コム共振器を用いたファイバーセンシング装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ファイバー光周波数コム共振器の光/電気周波数変換機能を用いたファイバーセンシング(ファイバーセンシング光周波数コム)は、高精度計測が可能な電気周波数読み出し型ファイバーセンシング手法である。例えば、バイオセンシングや屈折率センシングでは、ファイバーセンサーをファイバー光周波数コム共振器内に配置し、測定物理量に依存した光スペクトル・シフトを、共振器ファイバーの屈折率分散を介して光RF信号(繰り返し周波数)の周波数シフトに変換して計測を行う。また歪センシングでは、光周波数コム共振器ファイバーそのものをセンサーとして用い、歪みによる光RF信号の周波数の偏移を計測する。何れにおいても、光RF信号は光検出素子を用いて電気周波数信号として観測可能であるので、電気周波数標準を基準としたRF計測機器で高精度計測が可能である。
【0003】
測定物理量の中でも屈折率の測定は特に有用である。屈折率は物質中の光の速度を示す指標であり、光と物質の相互作用を表す物質固有の誘電率から導かれる。そのため、屈折率の正確な測定技術は、光学部品、工業製品、飲料製品、食品などの評価に用いることが出来る。更に、屈折率センサーの表面に分子識別層を化学修飾することにより、有毒化学物質の含有量の検出あるいはウィルスやタンパク質の特定等に用いることができる。屈折率を高感度に検出するセンサーとして、表面プラズモン共鳴現象を応用したSPRセンサー(特許文献1)や、光ファイバー内のマルチモード干渉とグースヘンシェンシフト効果を利用したマルチモード干渉(MMI)ファイバーセンサー(特許文献2)が注目されている。
【0004】
このMMIファイバーセンサーの一例は、両端にシングルモード光ファイバーを配置したクラッドレス・マルチモード光ファイバーを基本構成としている(特許文献3)。このクラッドレス・マルチモード光ファイバーの内部を全反射しながら光が伝搬する。このクラッドレス・マルチモード光ファイバー側面に溶液や懸濁液等の対象物が接触するとグースヘンシェンシフト効果が生じ、その屈折率に応じて全反射面で位相変化が生じる。これにより、MMIファイバーセンサーを通過する光がサンプル依存性の光スペクトル・シフトを示し、この光スペクトル・シフトを測定すれば対象物の屈折率や濃度を知ることができる。
【0005】
MMIファイバーセンサーは光ファイバー光学系と相性が良く、ファイバー光周波数コム共振器内に組み込むことにより、対象物の屈折率(または濃度)の変化を光RF信号周波数の変化として高感度に検出できることが既に実証されている(特許文献3)。また、デュアル光周波数コム分光の分野において、2台のファイバー光周波数コム共振器に機械的に共有することにより光RF信号周波数変動を相殺する技術が報告されている(非特許文献1)。また、電気光学結晶部材を用いて(特許文献4)、あるいは光伝導アンテナを用いて(非特許文献2)、テラヘルツ帯のRF信号を受信する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-257631号公報
特開2012-251963号公報
特開2019-039723号公報
特開2002-031658号公報
【非特許文献】
【0007】
Y. Nakajima, Y. Kusumi, and K. Minoshima, “Mechanical sharing dual-comb fiber laser based on an all-polarization-maintaining cavity configuration”, Optics Letters, Vol. 46, Issue 21, pp. 5401-5404 (2021).
S.Yokoyama, R.Nakamura1, M.Nose, T.Araki,and T.Yasui, “Terahertz spectrum analyzer based on a terahertz frequency comb”, Optics Express, Vol.16,Issue 17, pp.13052-13061 (2008).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、MMIファイバーセンサーを光周波数コム共振器に組み込んだ屈折率測定は0.001程度の屈折率変化が検出できる一方、信号周波数の変化が数十ヘルツ程度と、RF信号周波数に対して甚だ小さいため、検出の際の周波数変化の拡大が課題となっていた。また、一般に光周波数コム共振器は周囲温度の影響を受けやすく、測定の際の温度ドリフトにより誤差が生じることも課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るファイバーセンシング装置は、共振器内にファイバーセンサーを有し、検知した測定対象物理量の変化に対して繰り返し周波数が変化する光周波数コムを発生する光周波数コム共振器と、所定の周波数の高周波基準信号を発生する局部発振器と、前記光周波数コムを受光して、繰り返し周波数の高次高調波成分の高周波信号と、前記局部発振器の高周波基準信号のビート信号を出力するミキシング素子、を具備するものである。
【0010】
前記ミキシング素子は、前記光周波数コムを受光して、繰り返し周波数の高次高調波成分を高周波フォトキャリア信号として内部生成し、前記局部発振器の高周波基準信号と光伝導ミキシングを行い、高次高調波フォトキャリア信号と高周波基準信号のビートを生成する光伝導アンテナ素子であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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