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公開番号2023079092
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192532
出願日2021-11-26
発明の名称ポリイミド系樹脂
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08G 73/10 20060101AFI20230531BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高周波帯域での伝送損失の低いCCLを形成し得る、Dfの低いポリイミド系フィルムを形成可能なポリイミド系樹脂を提供する。
【解決手段】テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)とジアミン由来の構成単位(B)とを含有し、テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)が、エステル結合含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A1)及びビフェニル骨格含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A2)を含み、ジアミン由来の構成単位(B)が、ビフェニル骨格含有ジアミン由来の構成単位(B1)を含み、前記構成単位(A1)の含有量が15~75モル%であり、前記構成単位(A2)の含有量が25~85モル%であり、前記構成単位(A1)と前記構成単位(A2)との合計含有量が60モル%以上であり、前記構成単位(B1)の含有量が30モル%を超える、ポリイミド系樹脂。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)とジアミン由来の構成単位(B)とを含有するポリイミド系樹脂であって、
テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)は、エステル結合含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A1)及びビフェニル骨格含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A2)を含み、
ジアミン由来の構成単位(B)は、ビフェニル骨格含有ジアミン由来の構成単位(B1)を含み、
前記構成単位(A1)の含有量は、前記構成単位(A)の総量に対して15~75モル%であり、
前記構成単位(A2)の含有量は、前記構成単位(A)の総量に対して25~85モル%であり、
前記構成単位(A1)と前記構成単位(A2)との合計含有量は、前記構成単位(A)の総量に対して60モル%以上であり、
前記構成単位(B1)の含有量は、前記構成単位(B)の総量に対して30モル%を超える、ポリイミド系樹脂。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記構成単位(A1)は、式(a1):
TIFF
2023079092000023.tif
30
100
[式(a1)中、Zは2価の有機基を表し、

a1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアリールオキシ基を表し、
sは互いに独立に、0~3の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(a1)である、請求項1に記載のポリイミド系樹脂。
【請求項3】
前記構成単位(A2)は、式(a2):
TIFF
2023079092000024.tif
41
74
[式(a2)中、R
a2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアリールオキシ基を表し、
sは、互いに独立に、0~3の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(a2)である、請求項1又は2に記載のポリイミド系樹脂。
【請求項4】
前記構成単位(B1)は、式(b1):
TIFF
2023079092000025.tif
20
81
[式(b1)中、R
b1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアリールオキシ基を表し、
pは0~4の整数を表す]
で表されるジアミン由来の構成単位(b1)である、請求項1~3のいずれかに記載のポリイミド系樹脂。
【請求項5】
前記構成単位(B)は、式(b2):
TIFF
2023079092000026.tif
30
72
[式(b2)中、R
b2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアリールオキシ基を表し、R
b2
に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
Wは、互いに独立に、-O-、-CH

-、-CH

-CH

-、-CH(CH

)-、-C(CH



-、-C(CF



-、-COO-、-OOC-、-SO

-、-S-、-CO-又は-N(R

)-を表し、R

は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基を表し、
mは0~4の整数を表し、
qは互いに独立に、0~4の整数を表す]
で表されるジアミン由来の構成単位(b2)を含む、請求項1~4のいずれかに記載のポリイミド系樹脂。
【請求項6】
前記構成単位(b2)中、mが3であり、Wが互いに独立に、-O-又は-C(CH



-である、請求項5に記載のポリイミド系樹脂。
【請求項7】
ガラス転移温度は200~290℃である、請求項1~6のいずれかに記載のポリイミド系樹脂。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のポリイミド系樹脂を含むポリイミド系フィルム。
【請求項9】
10GHzにおける誘電正接は0.004未満である、請求項8に記載のポリイミド系フィルム。
【請求項10】
厚さは5~100μmである、請求項8又は9に記載のポリイミド系フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
高周波帯域用のプリント回路基板やアンテナ基板に対応可能な基板材料などに利用できるポリイミド系フィルムを形成可能なポリイミド系樹脂、該ポリイミド系フィルム及びその製造方法、並びに該ポリイミド系フィルムを含む積層フィルム及びフレキシブルプリント回路基板に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント回路基板(以下、FPCと記載することがある)は、薄く軽量で可撓性を有するため、立体的、高密度な実装が可能であり、携帯電話、ハードディスク等の多くの電子機器に使用され、その小型化、軽量化に寄与している。従来、FPCには、耐熱性、機械的物性、電気絶縁性に優れるポリイミド樹脂が広く用いられており、例えば、FPCに使用される銅張積層板(以下、CCLと略すことがある)として、単層または複数層のポリイミドフィルムの片面または両面に銅箔層を有する積層体が知られている。
近年、5Gと称される第5世代移動通信システムが本格的に普及しつつある(例えば特許文献1)。
【0003】
特開2021-161285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来用いられてきたポリイミド材料では、5Gの通信に用いられる高周波信号を伝送する際に、伝送損失が大きく、電気信号のロスや信号の遅延時間が長くなる等の不都合が生じる。そのため、伝送損失の低減を目的として、誘電正接(以下、Dfと記載することがある)及び比誘電率(以下、Dkと記載することがある)の低いポリイミドフィルムが検討されているが、比誘電率及び誘電正接が十分に低いポリイミドフィルムは見出されていない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、高周波帯域での伝送損失の低いCCLを形成し得る、Dfの低いポリイミド系フィルムを形成可能なポリイミド系樹脂、該ポリイミド系フィルム及びその製造方法、並びに該ポリイミド系フィルムを含む積層フィルム及びフレキシブルプリント回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
【0007】
[1]テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)とジアミン由来の構成単位(B)とを含有するポリイミド系樹脂であって、
テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A)は、エステル結合含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A1)及びビフェニル骨格含有テトラカルボン酸無水物由来の構成単位(A2)を含み、
ジアミン由来の構成単位(B)は、ビフェニル骨格含有ジアミン由来の構成単位(B1)を含み、
前記構成単位(A1)の含有量は、前記構成単位(A)の総量に対して15~75モル%であり、
前記構成単位(A2)の含有量は、前記構成単位(A)の総量に対して25~85モル%であり、
前記構成単位(A1)と前記構成単位(A2)との合計含有量は、前記構成単位(A)の総量に対して60モル%以上であり、
前記構成単位(B1)の含有量は、前記構成単位(B)の総量に対して30モル%を超える、ポリイミド系樹脂。
[2]前記構成単位(A1)は、式(a1):
TIFF
2023079092000001.tif
30
100
[式(a1)中、Zは2価の有機基を表し、

a1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアリールオキシ基を表し、
sは互いに独立に、0~3の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(a1)である、請求項1に記載のポリイミド系樹脂。
[3]前記構成単位(A2)は、式(a2):
TIFF
2023079092000002.tif
41
74
[式(a2)中、R
a2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアリールオキシ基を表し、
sは、互いに独立に、0~3の整数を表す]
で表されるテトラカルボン酸無水物由来の構成単位(a2)である、[1]又は[2]に記載のポリイミド系樹脂。
[4]前記構成単位(B1)は、式(b1):
TIFF
2023079092000003.tif
20
81
[式(b1)中、R
b1
は、互いに独立に、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアリールオキシ基を表し、
pは0~4の整数を表す]
で表されるジアミン由来の構成単位(b1)である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂。
[5]前記構成単位(B)は、式(b2):
TIFF
2023079092000004.tif
30
72
[式(b2)中、R
b2
は、互いに独立に、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアリールオキシ基を表し、R
b2
に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
Wは、互いに独立に、-O-、-CH

-、-CH

-CH

-、-CH(CH

)-、-C(CH



-、-C(CF



-、-COO-、-OOC-、-SO

-、-S-、-CO-又は-N(R

)-を表し、R

は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基を表し、
mは0~4の整数を表し、
qは互いに独立に、0~4の整数を表す]
で表されるジアミン由来の構成単位(b2)を含む、[1]~[4]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂。
[6]前記構成単位(b2)中、mが3であり、Wが互いに独立に、-O-又は-C(CH



-である、[5]に記載のポリイミド系樹脂。
[7]ガラス転移温度は200~290℃である、[1]~[6]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂。
[8][1]~[7]のいずれかに記載のポリイミド系樹脂を含むポリイミド系フィルム。
[9]10GHzにおける誘電正接は0.004未満である、[8]に記載のポリイミド系フィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高周波帯域での伝送損失の低いCCLを形成し得る、Dfの低いポリイミド系フィルムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、透過法X線回折測定により面内配向指数を求める方法を説明するための概略図である。
図2は、実施例4のポリイミド系フィルムの透過法X線回折測定により得られる方位角プロファイルを示す図である。
図3は、反射法X線回折測定により分子周期性指数を求める方法を説明するための概略図である。
図4は、実施例4のポリイミド系フィルムの反射法X線回折測定により得られる回折強度プロファイルを示す図である。
図5は、透過法X線回折測定により面内異方性指数を求める方法を説明するための概略図である。
図6は、実施例4のポリイミド系フィルムの透過法X線回折測定により得られる方位角プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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