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公開番号2023079026
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192417
出願日2021-11-26
発明の名称アスファルト改質剤
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08G 63/21 20060101AFI20230531BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】アスファルト合材の充填効率およびアスファルト舗装の強度が両立できるアスファルト混合物を得るためのアスファルト改質剤、アスファルト組成物、アスファルト混合物、及び道路舗装方法の提供。
【解決手段】結晶性ポリエステル(A)を含むアスファルト改質剤であって、該結晶性ポリエステル(A)は、アルコール成分(a1)由来の構成単位及びカルボン酸成分(a2)由来の構成単位を含み、下記条件(i)及び条件(ii)の少なくとも一方の条件を満たす結晶性ポリエステルであるアスファルト改質剤。
(i)前記カルボン酸成分(a2)が1価の脂肪族カルボン酸を含む
(ii)前記アルコール成分(a1)が1価の脂肪族アルコールを含む
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結晶性ポリエステル(A)を含むアスファルト改質剤であって、
該結晶性ポリエステル(A)は、アルコール成分(a1)由来の構成単位及びカルボン酸成分(a2)由来の構成単位を含み、
下記条件(i)及び条件(ii)の少なくとも一方の条件を満たす結晶性ポリエステルであるアスファルト改質剤。
(i)前記カルボン酸成分(a2)が1価の脂肪族カルボン酸を含む
(ii)前記アルコール成分(a1)が1価の脂肪族アルコールを含む
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記カルボン酸成分(a2)中、1価の脂肪族カルボン酸の含有量が5モル%以上25モル%以下である、請求項1に記載のアスファルト改質剤。
【請求項3】
前記一価の脂肪族カルボン酸中、炭素数6以上100以下の1価脂肪酸の含有量が60モル%以上である、請求項1又は2に記載のアスファルト改質剤。
【請求項4】
前記アルコール成分(a1)中、1価の脂肪族アルコールの含有量が5モル%以上25モル%以下である、請求項1~3のいずれかに記載のアスファルト改質剤。
【請求項5】
前記1価の脂肪族アルコール中、炭素数6以上100以下の1価脂肪族アルコールの含有量が60モル%以上である、請求項1~4のいずれかに記載のアスファルト改質剤。
【請求項6】
前記アルコール成分(a1)中の炭素数6以上20以下の飽和脂肪族ジオールの含有量が60モル%以上である、請求項1~5のいずれかに記載のアスファルト改質剤。
【請求項7】
前記カルボン酸成分(a2)が1価の脂肪族カルボン酸を含み、前記結晶性ポリエステル(A)の水酸基価が0.1mgKOH/g以上5mgKOH/g以下である、請求項1~6のいずれかに記載のアスファルト改質剤。
【請求項8】
前記アルコール成分(a1)が1価の脂肪族アルコールを含み、前記結晶性ポリエステル(A)の酸価が0.1mgKOH/g以上5mgKOH/g以下である、請求項1~6のいずれかに記載のアスファルト改質剤。
【請求項9】
ポリエステル(B)を更に含むアスファルト改質剤であって、
該ポリエステル(B)はアルコール成分(b1)由来の構成単位及びカルボン酸(b2)由来の構成単位を含み、前記アルコール成分(b1)中のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の含有量が40モル%以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載のアスファルト改質剤。
【請求項10】
カルボン酸成分(b2)中のテレフタル酸及びイソフタル酸から選ばれる1種以上の合計含有量が40モル%以上である、請求項9に記載のアスファルト改質剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト改質剤、アスファルト組成物、アスファルト混合物、及び道路舗装方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
自動車道や駐車場、貨物ヤード、歩道等の舗装には、敷設が比較的容易であり、舗装作業開始から交通開始までの時間が短くてすむことから、アスファルト混合物を用いるアスファルト舗装が行われている。このアスファルト舗装は、骨材をアスファルトで結合したアスファルト混合物によって路面が形成されているので、舗装道路は良好な硬度や耐久性を有している。
しかしながら、アスファルト舗装面は、長期使用によって劣化し、舗装の補修を行う必要が生じる。舗装の補修を行うことにより、維持費用が増大するとともに、自動車の交通に大きな影響を与える結果となっていた。
【0003】
特許文献1には、施工後の舗装面の耐久性に優れるアスファルト組成物として、アスファルト、熱可塑性エラストマー及び特定量のポリエステルを含有してなり、前記ポリエステルが、特定の軟化点及びガラス転移点を有する、アスファルト組成物が開示されている。
特許文献2には、低温でも施工可能であり、更に高温下でも安定性を保持した路面に走行車による轍の跡のつきにくい道路舗装用に適したアスファルト組成物として、アスファルト及びポリエステル系重合体を含有してなるアスファルト組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-19325号公報
特開平04-8766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリエステルによりアスファルトを改質することで、優れた強度を有し、耐久性に優れるアスファルト舗装を得ることができる。
一方で、耐久性に優れるアスファルトは同時に粘弾性が高く、アスファルト舗装を施工する際のローラーによる転圧時におけるアスファルト合材の充填が不十分になる場合があった。転圧回数が不足すると耐久性の低下、表面美観の悪化等の問題が生じる可能性があり、十分な充填を達成するために転圧回数を増加する必要がある。しかし、転圧作業は施工工程の多くを占め、転圧回数を増加させることは、施工効率の低下や交通規制時間の増加による渋滞につながる。
すなわち、少ない転圧回数で強度の高いアスファルト舗装を達成できる技術が求められている。
本発明は、アスファルト合材の充填効率及びアスファルト舗装の強度が両立できるアスファルト混合物を得るためのアスファルト改質剤、アスファルト組成物、アスファルト混合物、及び道路舗装方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の〔1〕~〔4〕に関する。
〔1〕 結晶性ポリエステル(A)を含むアスファルト改質剤であって、
該結晶性ポリエステル(A)は、アルコール成分(a1)由来の構成単位及びカルボン酸成分(a2)由来の構成単位を含み、
下記条件(i)及び条件(ii)の少なくとも一方の条件を満たす結晶性ポリエステルであるアスファルト改質剤。
(i)前記カルボン酸成分(a2)が1価の脂肪族カルボン酸を含む
(ii)前記アルコール成分(a1)が1価の脂肪族アルコールを含む
〔2〕 アスファルト及び上記〔1〕に記載のアスファルト改質剤を含有するアスファルト組成物。
〔3〕 アスファルト、骨材、結晶性ポリエステル(A)及びポリエステル(B)を配合してなるアスファルト混合物であって、
該結晶性ポリエステル(A)は、アルコール成分(a1)由来の構成単位及びカルボン酸成分(a2)由来の構成単位を含み、
下記条件(i)及び条件(ii)の少なくとも一方の条件を満たす結晶性ポリエステルであり、
該ポリエステル(B)はアルコール成分(b1)由来の構成単位及びカルボン酸(b2)由来の構成単位を含み、前記アルコール成分(b1)中のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の含有量が40モル%以上である、アスファルト混合物。
(i)前記カルボン酸成分(a2)が1価の脂肪族カルボン酸を含む
(ii)前記アルコール成分(a1)が1価の脂肪族アルコールを含む
〔4〕 上記〔3〕に記載のアスファルト混合物を道路に施工し、アスファルト舗装材層を形成する工程を有する、道路舗装方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アスファルト合材の充填効率及びアスファルト舗装の強度が両立できるアスファルト混合物を得るためのアスファルト改質剤、アスファルト組成物、アスファルト混合物、及び道路舗装方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[アスファルト改質剤]
本発明のアスファルト改質剤は、結晶性ポリエステル(A)を含むアスファルト改質剤であって、
該結晶性ポリエステル(A)は、アルコール成分(a1)由来の構成単位及びカルボン酸成分(a2)由来の構成単位を含み、
下記条件(i)及び条件(ii)の少なくとも一方の条件を満たす結晶性ポリエステルである。
(i)前記カルボン酸成分(a2)が1価の脂肪族カルボン酸を含む
(ii)前記アルコール成分(a1)が1価の脂肪族アルコールを含む
【0009】
本発明者らは、所定のポリエステル(A)アスファルトを含むアスファルト混合物に含有させることで、アスファルト合材の充填効率およびアスファルト舗装の強度が両立できることを見出した。
本発明の効果が得られる詳細な機構は不明であるが、一部は以下のように考えられる。
従前技術において、ポリエステル主鎖末端の極性基、すなわちカルボキシ基及びヒドロキシ基の存在により、ポリエステル分子間に相互作用が生じ、その結果バインダにおいて粘度が増加し流動性が低下する傾向があったと考えらえる。
これに対して本発明では、1価の脂肪族カルボン酸及び/又は1価の脂肪族アルコールがポリエステルの分子末端に結合し疎水化することで、分子間相互作用による増粘を抑制できると考えられる。更に、1価の脂肪族カルボン酸及び/又は1価の脂肪族アルコールの脂肪族部分は、疎水性のアスファルトと親和性が高く、アスファルトを可塑化できると考えられる。このような効果が相乗的に寄与してバインダの流動性が高くなり、アスファルト合材の充填効率の向上が達成されると考えられる。
また、ポリエステルとアスファルトとの親和性が更に高まる結果、ポリエステルが介在する骨材とアスファルトとの接着もより強固になることで、アスファルト舗装の強度が向上すると考えられる。
【0010】
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
「バインダ混合物」とは、アスファルトと熱可塑性エラストマーとを含む混合物を意味し、例えば、後述の熱可塑性エラストマー等で改質されたアスファルト(以下、「改質アスファルト」ともいう)を含む概念である。
ポリエステル中、「アルコール成分由来の構成単位」とは、アルコール成分のヒドロキシ基から水素原子を除いた構造を意味し、「カルボン酸成分由来の構成単位」とは、カルボン酸成分のカルボキシ基からヒドロキシ基を除いた構造を意味する。
「カルボン酸成分」とは、そのカルボン酸のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及びカルボン酸のアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)も含む概念である。カルボン酸成分がカルボン酸のアルキルエステルである場合、カルボン酸の炭素数には、エステルのアルコール残基であるアルキル基の炭素数を算入しない。
樹脂が結晶性であるか非晶質であるかについては、結晶性指数により判定される。結晶性指数は、樹脂の軟化点と吸熱の最大ピークの温度との比(軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される。結晶性樹脂とは、結晶性指数が0.3以上1.4以下のものである。非晶性樹脂とは、吸熱ピークが観察されないか、観察される場合は、結晶性指数が0.3未満又は1.4超のものである。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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