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公開番号2023079007
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192389
出願日2021-11-26
発明の名称制振材
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類B32B 27/00 20060101AFI20230531BHJP(積層体)
要約【課題】制振性に優れ、かつ、曲面に対する追従性に優れた制振材を提供すること。
【解決手段】1以上の粘着層(1)と、1以上の樹脂層(2)と、最外層として粘着層(1)または樹脂層(2)のいずれか一方に接するように設けられた拘束層(3)とを備え、樹脂層(2)が、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピーク温度が0℃~40℃の範囲内にあるオレフィン系重合体(A)を含み、粘着層(1)が、オレフィン系重合体(A)および軟化材(B)を含み、粘着層(1)の1つと樹脂層(2)の1つとが少なくとも接している、制振材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
1以上の粘着層(1)と、1以上の樹脂層(2)と、最外層として前記粘着層(1)または前記樹脂層(2)のいずれか一方に接するように設けられた拘束層(3)とを備え、
前記樹脂層(2)が、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピーク温度が0℃~40℃の範囲内にあるオレフィン系重合体(A)を含み、
前記粘着層(1)が、前記オレフィン系重合体(A)および軟化材(B)を含み、
前記粘着層(1)の1つと前記樹脂層(2)の1つとが少なくとも接している、制振材。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記粘着層(1)の1つは、前記拘束層(3)と反対側の最外層である、請求項1に記載の制振材。
【請求項3】
前記粘着層(1)と前記樹脂層(2)とが交互に接し積層されており、前記粘着層(1)と前記樹脂層(2)との合計数が、2~10である、請求項1または請求項2に記載の制振材。
【請求項4】
前記樹脂層(2)の室温における貯蔵弾性率が1×10
6
Pa以上である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の制振材。
【請求項5】
前記粘着層(1)の室温における貯蔵弾性率が1×10
6
Pa未満である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の制振材。
【請求項6】
制振材の厚みが0.5mm~10mmである、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の制振材。
【請求項7】
前記拘束層(3)が、金属箔、金属板、金属メッシュ、繊維強化樹脂層、およびガラスクロスからなる群より選ばれる1つである、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の制振材。
【請求項8】
前記拘束層(3)の厚みが、0.06mm~10mmである、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の制振材。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の制振材と、基材と、を備える制振材付き基材。
【請求項10】
前記基材が曲面を有する、請求項9に記載の制振材付き基材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制振材に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動車、船舶、鉄道車両、航空機、家庭電化機器、OA機器、AV機器、事務機器、建築・住宅設備、工作機械、産業機械などの分野に用いられる部品および筐体には、その運転時に振動や騒音を生じやすく、振動および騒音の発生を抑制すべく制振性が要求される。前述の部品および筐体の制振性を向上させるために、部品および筐体に制振材を貼付することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、母材と母材の双極子モーメント量を増大させる活性成分とからなるシート状の制振層と、ブチル系ゴムからなる粘着層とを備え、上記制振層及び粘着層はそれぞれ複数層から構成されるとともに、制振層と粘着層が交互に積層されている積層成形物からなることを特徴とする制振成形物が記載されている。
また、特許文献2には、互いにガラス転移温度が異なる複数の樹脂組成物から形成される樹脂層と、上記樹脂層に積層される拘束層とを備えていることを特徴とする、制振シートが記載されている。
特許文献3には、2枚の拘束板間にゴム粘弾性体を積層して構成する拘束型制振材において、ゴム粘弾性体は、個々の層の厚さが0.03~1.00mmの複数のゴム層から構成され、ゴム層相互およびゴム層と拘束板とが、弾性率が拘束板より小さく、ゴム粘弾性体より大きく、かつ1×10
7
(N/m
2
)~1×10
11
(N/m
2
)である接着剤で接着されていることを特徴とする制振材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-278832号公報
特開2011-89547号公報
特公平7-39160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~3に記載の制振材においては、制振対象が曲面である場合の制振性までは検討しておらず、優れた制振性を有し、かつ、曲面に対する追従性にも優れる制振材についての更なる開発が求められている。
本発明に係る一実施形態が解決しようとする課題は、制振性に優れ、かつ、曲面に対する追従性に優れた制振材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 1以上の粘着層(1)と、1以上の樹脂層(2)と、最外層として前記粘着層(1)または前記樹脂層(2)のいずれか一方に接するように設けられた拘束層(3)とを備え、
前記樹脂層(2)が、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピーク温度が0℃~40℃の範囲内にあるオレフィン系重合体(A)を含み、
前記粘着層(1)が、前記オレフィン系重合体(A)および軟化材(B)を含み、
前記粘着層(1)の1つと前記樹脂層(2)の1つとが少なくとも接している、制振材。
<2> 前記粘着層(1)の1つは、前記拘束層(3)と反対側の最外層である、<1>に記載の制振材。
<3> 前記粘着層(1)と前記樹脂層(2)とが交互に接し積層されており、前記粘着層(1)と前記樹脂層(2)との合計数が、2~10である、<1>または<2>に記載の制振材。
<4> 前記樹脂層(2)の室温における貯蔵弾性率が1×10
6
Pa以上である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の制振材。
<5> 前記粘着層(1)の室温における貯蔵弾性率が1×10
6
Pa未満である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の制振材。
<6> 制振材の厚みが0.5mm~10mmである、<1>~<5>のいずれか1つに記載の制振材。
<7> 前記拘束層(3)が、金属箔、金属板、金属メッシュ、繊維強化樹脂層、およびガラスクロスからなる群より選ばれる1つである、<1>~<6>のいずれか1つに記載の制振材。
<8> 前記拘束層(3)の厚みが、0.06mm~10mmである、<1>~<7>のいずれか1つに記載の制振材。
<9> <1>~<8>のいずれか1つに記載の制振材と、基材と、を備える制振材付き基材。
<10> 前記基材が曲面を有する、<9>に記載の制振材付き基材。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る一実施形態によれば、制振性に優れ、かつ、曲面に対する追従性に優れた制振材が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の内容の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されることはない。
本明細書において、「重合体」とは、単独重合体および共重合体を含む概念である。
本明細書において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、数値範囲を示す「~」とはその前後いずれか一方に記載される単位は、特に断りがない限り同じ単位を示すことを意味する。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
(制振材)
本発明に係る制振材は、1以上の粘着層(1)と、1以上の樹脂層(2)と、最外層として上記粘着層(1)または上記樹脂層(2)のいずれか一方に接するように設けられた拘束層(3)とを備え、
上記樹脂層(2)が、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピーク温度が0℃~40℃の範囲内にあるオレフィン系重合体(A)を含み、
上記粘着層(1)が、上記オレフィン系重合体(A)および軟化材(B)を含み、
上記粘着層(1)の1つと上記樹脂層(2)の1つとが少なくとも接している。
発明者らが鋭意検討した結果、本発明に係る制振材が上記構成を有することで、制振性に優れ、かつ、曲面に対する追従性に優れることを見出した。この理由は明らかではないが以下のように推定される。
樹脂層(2)に含まれるオレフィン系重合体(A)は、tanδのピーク温度が0℃~40℃の範囲内にあるので、上記温度範囲に相当する周波数帯での振動エネルギーの吸収が効果的に働き、優れた制振性を発揮することができ、また、上記粘着層(1)は、上記オレフィン系重合体(A)と軟化材を含むので、優れた制振性を発揮しつつ、柔軟性にも優れるので、本発明に係る制振材はこのような樹脂層と粘着層とが組み合わされた構造を有することで、曲面等の複雑な形状に対しても追従性に優れ、かつ、制振性にも優れると推定している。
以下、制振材の各構成について詳細に説明する。
【0010】
<樹脂層(2)>
本発明に係る制振材は、1以上の樹脂層(2)を備え、樹脂層(2)は、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピーク温度が0℃~40℃の範囲内にあるオレフィン系重合体(A)を含む。
制振材が備える樹脂層(2)の数の上限は、特に制限はないが、15以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下が更に好ましい。
制振材が備える樹脂層(2)の数としては、制振性および曲面に対する追従性に優れる観点から、1以上15以下が好ましく、1以上10以下がより好ましく、1以上8以下が更に好ましく、1以上6以下が特に好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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