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公開番号2023078953
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192297
出願日2021-11-26
発明の名称樹脂組成物、および、成形品
出願人三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C08L 69/00 20060101AFI20230531BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 透明性に優れ、離型性がよく、かつ、ガスの発生が抑制された成形品を提供可能な樹脂組成物、および、樹脂組成物から形成された成形品の提供。
【解決手段】 式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂と、式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂と、ガラス充填剤と、エステル化合物を含む樹脂組成物であって、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、ガラス充填剤7~100質量部を含み、樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂成分の屈折率と、ガラス充填剤の屈折率の差が0.0150以下であり、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、エステル化合物を0.3~5.0質量部含み、エステル化合物が、炭素数40以上であり、融点60℃以上である、樹脂組成物。式(1)中、R1はメチル基を表す。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2023078953000028.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">33</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">134</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂と、前記式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂と、ガラス充填剤と、エステル化合物を含む樹脂組成物であって、
前記ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、ガラス充填剤5~100質量部を含み、
前記樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂成分の屈折率と、ガラス充填剤の屈折率の差が0.0150以下であり、
前記ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、エステル化合物を0.3~5.0質量部含み、
前記エステル化合物が、炭素数40以上であり、融点60℃以上である、
樹脂組成物。
式(1)
TIFF
2023078953000024.tif
34
137
(式(1)中、R
1
はメチル基を表し、R
2
は水素原子またはメチル基を表し、X
1
は下記のいずれかの式を表し、
TIFF
2023078953000025.tif
29
133

3
およびR
4
は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、ZはCと結合して炭素数6~12の、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素を形成する基を表す。)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ポリカーボネート樹脂が、さらに、式(2)で表される構成単位を含む、
請求項1に記載の樹脂組成物。
式(2)
TIFF
2023078953000026.tif
33
139
(式(2)中、X
2
は下記のいずれかの式を表し、
TIFF
2023078953000027.tif
26
136

3
およびR
4
は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、ZはCと結合して炭素数6~12の、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素を形成する基を表す。)
【請求項3】
前記他の熱可塑性樹脂の屈折率が1.4900~1.5500である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリカーボネート樹脂中、式(1)で表される構成単位の割合が5質量%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記他の熱可塑性樹脂が、(メタ)アクリレート重合体を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記(メタ)アクリレート重合体が、芳香族(メタ)アクリレート構成単位(b1)を含む、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記(メタ)アクリレート重合体が、芳香族(メタ)アクリレート構成単位(b1)とメチルメタクリレート構成単位(b2)を含み、その質量比(b1/b2)が5~50/50~95である、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ガラス充填剤が扁平断面を有するガラス繊維を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記エステル化合物が、炭素数10~26の脂肪族カルボン酸と炭素数22以下の脂肪族アルコールとのエステル化合物を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記エステル化合物が、炭素数16~26の脂肪族飽和モノカルボン酸と炭素数16~22の一価脂肪族飽和アルコールとのエステル化合物、および/または、炭素数16~26の脂肪族飽和モノカルボン酸と、炭素数2~12の多価アルコールとのフルエステル化合物を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物および成形品に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は機械的強度に優れると共に、耐熱性、透明性などに優れているために、エンジニアリングプラスチックとして、電気・電子機器分野、自動車分野など様々な分野において幅広く使用されている。
ポリカーボネート樹脂は、プラスチックガラスとしての用途も多く、各種方面で広く使用されている。しかしながら、プラスチックガラスとして従来の無機ガラスと比較すると、剛性が劣る傾向にある。この欠点を改良するために、ポリカーボネート樹脂にガラス充填剤を配合したガラス強化ポリカーボネート樹脂組成物が検討されている。
ポリカーボネート樹脂にガラス繊維等のガラス充填剤を配合することにより、弾性率、曲げ強度、耐衝撃性等の機械的物性を改善することができるが、ポリカーボネート樹脂とガラス充填剤との屈折率の差が大きいことに起因して、ポリカーボネート樹脂本来の優れた透明性が著しく損なわれるという課題がある。
【0003】
かかる問題を解決するため、特許文献1には、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に、該芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が0.0150以下であるガラス繊維1~150重量部、およびポリオキシエチレングリコール成分を50重量%以上含むポリオキシアルキレングリコールまたはポリオキシエチレン誘導体1~40重量部を配合してなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平09-194712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の通り、ポリカーボネート樹脂にガラス充填剤を配合した樹脂組成物の透明性を向上させることは検討されている。しかしながら、用途によっては、前記樹脂組成物から形成される成形品の表面におけるガラス充填剤の浮きに由来する透明性が問題となる場合がある。ここで、本発明者らは、エステル化合物を配合することにより、熱可塑性樹脂成分のガラス転移温度を低下させ、ガラスの浮きを抑制した。しかしながら、成形時にガスが発生してしまう場合があることが分かった。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、透明性に優れ、かつ、ガスの発生が抑制され、離形性の良い成形品を提供可能な樹脂組成物、および、前記樹脂組成物から形成された成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、ポリカーボネート樹脂として所定のものを用い、かつ、エステル化合物として所定のものを用いることにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂と、前記式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂と、ガラス充填剤と、エステル化合物を含む樹脂組成物であって、前記ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、ガラス充填剤5~100質量部を含み、前記樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂成分の屈折率と、ガラス充填剤の屈折率の差が0.0150以下であり、前記ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、エステル化合物を0.3~5.0質量部含み、前記エステル化合物が、炭素数40以上であり、融点60℃以上である、樹脂組成物。
式(1)
TIFF
2023078953000001.tif
34
136
(式(1)中、R
1
はメチル基を表し、R
2
は水素原子またはメチル基を表し、X
1
は下記のいずれかの式を表し、
TIFF
2023078953000002.tif
29
136

3
およびR
4
は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、ZはCと結合して炭素数6~12の、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素を形成する基を表す。)
<2>前記ポリカーボネート樹脂が、さらに、式(2)で表される構成単位を含む、<1>に記載の樹脂組成物。
式(2)
TIFF
2023078953000003.tif
34
135
(式(2)中、X
2
は下記のいずれかの式を表し、
TIFF
2023078953000004.tif
25
135

3
およびR
4
は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、ZはCと結合して炭素数6~12の、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素を形成する基を表す。)
<3>前記他の熱可塑性樹脂の屈折率が1.4900~1.5500である、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記ポリカーボネート樹脂中、式(1)で表される構成単位の割合が5質量%以上である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>前記他の熱可塑性樹脂が、(メタ)アクリレート重合体を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6>前記(メタ)アクリレート重合体が、芳香族(メタ)アクリレート構成単位(b1)を含む、<5>に記載の樹脂組成物。
<7>前記(メタ)アクリレート重合体が、芳香族(メタ)アクリレート構成単位(b1)とメチルメタクリレート構成単位(b2)を含み、その質量比(b1/b2)が5~50/50~95である、<5>に記載の樹脂組成物。
<8>前記ガラス充填剤が扁平断面を有するガラス繊維を含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<9>前記エステル化合物が、炭素数10~26の脂肪族カルボン酸と炭素数22以下の脂肪族アルコールとのエステル化合物を含む、<1>~<8>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<10>前記エステル化合物が、炭素数16~26の脂肪族飽和モノカルボン酸と炭素数16~22の一価脂肪族飽和アルコールとのエステル化合物、および/または、炭素数16~26の脂肪族飽和モノカルボン酸と、炭素数2~12の多価アルコールとのフルエステル化合物を含む、<1>~<9>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<11>前記樹脂組成物からガラス充填剤を除いた組成物のISO19252に準拠に従った動摩擦係数が0.40以下である、<1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<12><1>~<11>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形品。
<13>前記成形品が、ディスプレイ用部品、携帯情報端末部品、家庭用電気製品、または、室内調度品である、<12>に記載の成形品。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、透明性に優れ、離型性がよく、かつ、ガスの発生が抑制された成形品を提供可能な樹脂組成物、および、前記樹脂組成物から形成された成形品を提供可能になった。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。本明細書では、置換および無置換を記していない表記は、無置換の方が好ましい。
本明細書で示す規格で説明される測定方法等が年度によって異なる場合、特に述べない限り、2021年1月1日時点における規格に基づくものとする。
【0009】
本実施形態の樹脂組成物は、式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂と、前記式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂(以下、単に、「他の熱可塑性樹脂」ということがある)と、ガラス充填剤と、エステル化合物を含む樹脂組成物であって、前記ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、ガラス充填剤7~100質量部を含み、前記樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂成分の屈折率と、ガラス充填剤の屈折率の差が0.0150以下であり、前記ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、エステル化合物を0.3~5.0質量部含み、前記エステル化合物が、炭素数40以上であり、融点60℃以上であることを特徴とする。
式(1)
TIFF
2023078953000005.tif
34
139
(式(1)中、R
1
はメチル基を表し、R
2
は水素原子またはメチル基を表し、X
1
は下記のいずれかの式を表し、
TIFF
2023078953000006.tif
26
135

3
およびR
4
は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、ZはCと結合して炭素数6~12の、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素を形成する基を表す。)
【0010】
このような構成とすることにより、透明性に優れ、離型性がよく、かつ、ガスの発生が抑制された成形品を提供可能な樹脂組成物が得られる。
すなわち、本発明者らは、成形品の透明性を向上させるために、ポリカーボネート樹脂として、ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂を用いることを検討した。ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂は、本来的に流動性が高いため、樹脂組成物の流動性を高めることができ、ガラス充填剤の周辺にも十分に熱可塑性樹脂成分を充填させることができる。このように充填性を高めると、ガラス充填剤の浮きも抑制でき、成形品の透明性の向上が期待できる。しかしながら、ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂は、ガラス充填剤との屈折率差が大きい。そのため、かかる観点から透明性が劣ってしまうことが分かった。そこで、ポリカーボネート樹脂に加え、さらに、ガラス充填剤よりも屈折率の低い熱可塑性樹脂を配合し、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂成分とガラス充填剤の屈折率の差を所定の範囲以下とすることによって、透明性を向上させることができたと推測される。さらに、エステル化合物を配合することにより、可塑性樹脂成分のガラス転移温度を低下させ、ガラスの浮きを抑制した。また、エステル化合物の種類によっては、ガスを発生してしまうことが分かった。そこで、炭素数40以上であり、融点60℃以上であるエステル化合物(以下、「所定のエステル化合物」ということがある)を配合することにより、ガスの発生も効果的に抑制できた。特に、本実施形態においては、断熱金型などを用いずに透明性を向上させることができる点で価値が高い。
(【0011】以降は省略されています)

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