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公開番号2023078948
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192289
出願日2021-11-26
発明の名称電力取引システム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G06Q 50/06 20120101AFI20230531BHJP(計算;計数)
要約【課題】電力取引に不履行が発生する場合であっても、電力の授受を可能として、P2P電力取引市場の信用度の低下を抑制する電力取引システムを提供する。
【解決手段】電力取引システムにおいて、取引市場サーバ3の取引代替部320は、電力取引の履行が困難である不履行取引が発生すると、P2P電力取引市場の運営者が管理する代替蓄電装置である蓄電装置10A、バッテリパレット10Bを用いて、不履行取引にかかる電力取引の代替取引を行う。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項１】
電力の供給側と需要側で電力取引を直接行う電力取引市場を管理するサーバと、前記電力取引市場に参加するユーザが入札を実行するためのエージェントと、を備えた電力取引システムであって、
前記電力取引市場を運営する運営者が管理する代替蓄電装置を有し、
前記エージェントは、
前記電力取引市場を通じて電力取引を行うための電力取引計画を作成する電力取引計画作成部と、
前記電力取引計画に基づいた入札を行う入札部と、を備え、
前記サーバは、
前記入札を集約して、前記電力取引の約定を行う約定部と、
約定した前記電力取引の履行が困難である不履行取引が発生する場合、前記代替蓄電装置を用いて、前記不履行取引にかかる前記電力取引を行う取引代替部と、を備える、電力取引システム。
続きを表示（約 780 文字）【請求項２】
前記サーバは、前記約定に対する前記ユーザの履行履歴に基づいて、前記ユーザの評価値を算出する評価値算出部を、さらに備え、
前記評価値算出部は、約定した前記電力取引が履行されなかった場合、不履行が生じる要因となった前記ユーザの前記評価値が悪化するよう前記評価値を算出する、請求項１に記載の電力取引システム。
【請求項３】
前記取引代替部は、前記不履行取引が複数発生し、前記ユーザ間における前記代替蓄電装置を用いた前記電力取引が競合したとき、前記ユーザ間において前記評価値が最も良いユーザの前記不履行取引にかかる前記電力取引を前記代替蓄電装置を用いて行う、請求項２に記載の電力取引システム。
【請求項４】
前記代替蓄電装置は、蓄電装置を搭載した車両である、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の電力取引システム。
【請求項５】
前記電力取引計画作成部は、電動車の前記電力取引計画を作成するものであり、
前記取引代替部は、前記電動車の位置情報に基づいて、前記不履行取引の発生を予測する、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の電力取引システム。
【請求項６】
前記取引代替部は、前記ユーザから前記不履行取引の申告があると、前記不履行取引が発生する場合であると判定する、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の電力取引システム。
【請求項７】
前記取引代替部は、ＳＯＣが所定値以上である前記代替蓄電装置から放電を行うことにより前記不履行取引にかかる前記電力取引を行うとともに、前記ＳＣＯが所定値未満である前記代替蓄電装置に充電を行うことにより前記不履行取引にかかる前記電力取引を行う、請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の電力取引システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、電力取引システムに関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
特開２０２０－９３３４号公報（特許文献１）には、構成員同士の電力取引を、ブロックチェーン技術に基づいた分散型台帳によって管理する電力プラットフォームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２０－９３３４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
近年、電力自由化により、特許文献１のように、電力取引市場において、電力リソースを有する個人・法人と他の個人・法人との間で電力の売買取引を直接行なうＰ２Ｐ（Peer to Peer）電力取引の導入が検討されている。Ｐ２Ｐ電力取引市場は、電力の供給側と需要側で電力取引を直接行うので、参加者の一方が、何らかの理由で約定した取引を履行しなかった場合、他方側に不利益や損失を与えることになる。このような不履行が頻繁に発生すると、Ｐ２Ｐ電力取引市場の信用度が低下するので、Ｐ２Ｐ電力取引市場の利用促進にとって好ましくない。
【０００５】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電力の供給側と需要側で直接行われた電力取引に不履行が発生する場合であっても、電力の授受を可能とすることにより、Ｐ２Ｐ電力取引市場の信用度の低下を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示の電力取引システムは、電力の供給側と需要側で電力取引を直接行う電力取引市場を管理するサーバと、電力取引市場に参加するユーザが入札を実行するためのエージェントと、を備えた電力取引システムである。電力取引システムは、電力取引市場を運営する運営者が管理する代替蓄電装置を有する。エージェントは、電力取引市場を通じて電力取引を行うための電力取引計画を作成する電力取引計画作成部と、電力取引計画に基づいた入札を行う入札部と、を備える。サーバは、入札を集約して、電力取引の約定を行う約定部と、約定した電力取引の履行が困難である不履行取引が発生する場合、代替蓄電装置を用いて、不履行取引にかかる電力取引を行う取引代替部と、を備える。
【０００７】
この構成によれば、エージェントから電力取引計画の入札が行われると、サーバは、入札を集約して電力取引の約定を行う。サーバの取引代替部は、約定した電力取引の履行が困難である不履行取引が発生する場合、取引電力市場の運営者が管理する代替蓄電装置を用いて、不履行取引にかかる電力取引を行う。電力取引に不履行が発生する場合であっても、代替蓄電装置を用いた電力の授受ができ、不履行取引にかかる電力取引を行うことができるので、参加者（ユーザ）の一方が、何らかの理由で約定した取引を履行しなかった場合であっても、他方側に不利益や損失を与えることを回避でき、Ｐ２Ｐ電力取引市場の信用度の低下を抑制することができる。
【０００８】
電力取引システムにおいて、サーバは、約定に対するユーザの履行履歴に基づいて、ユーザの評価値を算出する評価値算出部を備え、評価値算出部は、約定した電力取引が履行されなかったとき、評価値が悪化するよう評価値を算出するようにしてもよい。
【０００９】
この構成によれば、評価値算出部は、約定した電力取引が履行されなかったとき、ユーザの評価値が悪化するよう、評価値を算出する。評価値が悪化しないよう、ユーザが電力取引の履行に努めることを期待できるので、電力取引の不履行の発生頻度の低下を期待できる。
【００１０】
電力取引システムにおいて、取引代替部は、不履行取引が複数発生し、ユーザ間における代替蓄電装置を用いた電力取引が競合したとき、ユーザ間において評価値が最も良いユーザの不履行取引にかかる電力取引を代替蓄電装置を用いて行うようにしてもよい。
（【００１１】以降は省略されています）

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