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公開番号2023078936
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192276
出願日2021-11-26
発明の名称アルミニウム合金製熱交換器
出願人株式会社UACJ,株式会社デンソー
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類F28F 21/08 20060101AFI20230531BHJP(熱交換一般)
要約【課題】Biの添加による耐食性低下を抑制しつつ、Biの添加によるろう付け性向上効果が得られる熱交換器を提供すること。
【解決手段】フラックスを用いずに不活性ガス雰囲気中で加熱してろう付け接合してなるアルミニウム合金製熱交換器1である。冷媒通路管2は、心材に犠牲陽極材22をクラッドしたクラッド材からなる。フィン3は、心材にSiとBiを含有するアルミニウム合金からなるろう材をクラッドしたクラッド材からなる。犠牲陽極材22とフィン3とが接触してろう付け接合されている。フィン3の表面の孔食電位Ef、および冷媒通路管2の犠牲陽極材22の表面の孔食電位Esが、式(1)~(3)の関係を有する。孔食電位Ef≧孔食電位Es・・・(1)、孔食電位Es≧-830mV(vs Ag/AgCl)・・・(2)、孔食電位Ef≧-780mV(vs Ag/AgCl)・・・(3)
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
冷媒通路管とフィンとをフラックスを用いずに不活性ガス雰囲気中で加熱してろう付け接合してなる、アルミニウム合金製熱交換器であって、
前記冷媒通路管は、アルミニウム合金からなる管用心材の片面にアルミニウム合金からなる犠牲陽極材をクラッドした管用クラッド材からなると共に、前記犠牲陽極材が外面側に露出するように管状に成形されており、
前記フィンは、アルミニウム合金からなるフィン用心材の片面または両面に少なくともSiとBiを含有するアルミニウム合金からなるフィン用ろう材をクラッドしたフィン用クラッド材からなり、
前記冷媒通路管の前記犠牲陽極材と前記フィンとが接触してろう付け接合されており、
前記フィンの表面の5質量%NaCl溶液中における孔食電位Ef、および前記冷媒通路管の前記犠牲陽極材の表面の5質量%NaCl溶液中における孔食電位Esが、下記式(1)~(3)の関係を有する、アルミニウム合金製熱交換器。
孔食電位Ef≧孔食電位Es ・・・(1)
孔食電位Es≧-830mV(vs Ag/AgCl) ・・・(2)
孔食電位Ef≧-780mV(vs Ag/AgCl) ・・・(3)
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記フィン用心材は、Mn:0.6~2.0質量%、Mg:1.0質量%以下のうち1種または2種を含有するアルミニウム合金からなる、請求項1に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
【請求項3】
前記フィン用心材は、さらに、Cu:0.2質量%以下を含有する、請求項2に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
【請求項4】
前記フィン用心材は、さらに、Si:0.7質量%以下、Fe:0.7質量%以下の1種または2種を含有する、請求項2又は3に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
【請求項5】
前記フィン用心材は、さらに、Zn:1.5質量%以下を含有する、請求項2~4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
【請求項6】
前記フィン用ろう材は、Si:5~13質量%、Bi:0.02~0.50質量%を含有するアルミニウム合金からなる、請求項1~5のいずれか1項に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
【請求項7】
前記フィン用ろう材は、さらに、Mg:1.5質量%以下を含有する、請求項5に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
【請求項8】
前記管用心材は、Mn:0.6~2.0質量%、Cu:1.0質量%以下、Mg:1.0質量%以下のうち1種または2種以上含有するアルミニウム合金からなる、請求項1~7のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記管用心材は、さらに、Si:0.7質量%以下、Fe:0.7質量%以下のうち1種または2種を含有する、請求項8に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
【請求項10】
前記管用心材は、さらに、Ti:0.01~0.30質量%を含有する、請求項8又は9に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒通路管とフィンとをフラックスを使わずに不活性ガス中でろう付接合してなるアルミニウム合金製熱交換器に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
自動車用熱交換器には、一般に、軽量性と熱伝導性が良好なアルミニウム合金を材料として使用したアルミニウム合金製熱交換器が使用されている。それらの熱交換器は、例えば、アルミニウム合金からなる板材を曲げ加工又はプレス加工により管状に成型した部材を冷媒通路管として用い、当該冷媒通路管とフィン等の部材を所定構造に組み付け、不活性ガス雰囲気中でフッ化物フラックスを用いてろう付け接合する製造方法が広く採用されている。
【0003】
また、近年の自動車の軽量化に伴い、熱交換器用材料も薄肉化が要求されている。これにより冷媒通路管用板材の高強度化や、薄肉材での成形性、ろう付け性および耐食性確保が課題となってきている。
【0004】
耐食性に関しては、例えばエバポレータは、使用中に凝縮により生じる結露水によって外面が腐食環境に曝される。またコンデンサは、走行中に融雪塩を含んだロードスプラッシュ等によって同様に外面が腐食環境に曝される。腐食により冷媒通路管に早期に貫通孔が生じた場合、冷媒が漏洩し熱交換器としては機能しなくなるため、冷媒通路管の外面には防食処理を施し熱交換器寿命を伸長させることが一般的である。
【0005】
冷媒通路管の外面防食法としては、従来、犠牲陽極材としてAl-Zn系合金を外面にクラッドした板材を偏平管状に成形して用いる方法(特許文献1及び2等)や、冷媒通路管に押出多穴管を用いる方法がある。これらの熱交換器においては、一般的に、冷媒通路管の外面に、ろう材をクラッドしたフィン材を用いてろう付け接合する構造が取られる。ろう材をクラッドしたフィン材を用いることにより、冷媒通路管外面に別途準備したろう材を付与することが不要となる。
【0006】
また、アルミニウム合金のろう付を可能にするには、材料表面の酸化皮膜を破壊することが必要であり、従来より、酸化皮膜を破壊するために、ろう付部にフラックスを供給するのが一般的である。しかし、フラックスを使用することは、その塗布工程、ろう付け後の洗浄工程等が必要であるだけでなく、種々の不都合が確認されている。そのため、フラックスを用いないフラックスフリーろう付け方法が検討されてきている。
【0007】
フラックスを用いない(フラックスフリー)ろう付け方法としては、例えば、ろう材中に含有されるMg等の酸化皮膜破壊作用を利用して真空雰囲気中で実施する真空ろう付け方法、同じくMg等の酸化皮膜破壊作用を利用して窒素ガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気中で実施する方法などが開発されてきている。
【0008】
不活性ガス中でのフラックスフリーろう付けにおいては、アルミニウム合金クラッド材のろう材にBiを添加することによって、ろう付中の表面の酸化をより抑制することができ、酸素濃度が比較的高い不活性ガス雰囲気中であっても、ろう付性が良好になることが開示されている。
【0009】
一方、アルミニウム合金においては、Biを含有すると耐食性が悪化することも知られている。フラックスフリーろう付では、ろう付性を向上させるためにろう材にBiを添加することは有効であるが、単純にろう材にBiを含有するだけでは、フィンの自己耐食性がさらに悪化するため、腐食により早期にフィンが消失し、その結果、熱交性能が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2004-225061号公報
特開2005-16937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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