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公開番号2023078935
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192275
出願日2021-11-26
発明の名称漂流軽石利用法
出願人個人
代理人
主分類C01B 33/035 20060101AFI20230531BHJP(無機化学)
要約【課題】省エネ、環境問題を考慮した、原料を漂流軽石とした高純度金属シリコンの製造方法を提供する。
【解決手段】海上を漂流した大量の多孔質軽石を原料に用いる為、粉砕処理と還元処理に特徴を持たせた発明であり、原料を漂流軽石とした高純度金属シリコンの製造方法を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
原料が、海上を漂流する軽石とすることを特徴とする漂流軽石利用金属シリコンの製造法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
海底火山等にて噴出した、漂流軽石の活用に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
海上の火山が噴火するとマグマが噴出し、急激冷却され多孔性の軽石として海上を漂う。特に2021年8月13日の6時20分頃に福徳岡ノ場の海底火山にて起こった噴火は、過去にない大量の軽石として海上を漂うこととなった。この為、潮流に乗って、海岸迄押し寄せた軽石が、船やボイラの冷却水の取り入れ口等から入り込み冷却を邪魔し、また回転部に絡みつき、正常に機能できない様にしてしまった。このため、海上や港に浮かぶ軽石は除去が必要となり、除去した軽石の処置を考える必要がある。
軽石即ち火山灰の活用において、特許文献1には、火山灰を多孔質セラミックス焼成体の材料とすることが記載されている。ただし火山灰の多孔質を利用した、保水性、放湿性を有する素材とする事を目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008―001564
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2021年9月ごろより、世界の大きなシェアを握る中国の金属シリコン製造会社の減産が実施され、金属シリコン全般で品不足と価格上昇が発生した。これは中国での電力規制によるもので、大量の電力を消費する金属シリコン製造は、原料である珪石等は地球上に大量にある原材料にもかかわらず、著しい生産減となった。
金属シリコン製造には、主に中国でアーク炉が用いられるが、アーク炉では電力消費は大きく、カーボンによる還元反応させるので大量のCO、CO2が排出されることとなり環境破壊になっていた。
このような、省エネ、環境破壊と相容れぬ金属シリコン製造の大量電力消費およびCO2排出を出来るだけ小さくし、安価に製造することは重要な課題であり、金属シリコン(1~2N程度の純度のシリコン)を金属シリコン原材料に用いる業界、すなわち半導体用(11N以上に高純度化される)、さらには半導体を用いる車載分野、ソーラー用(5~9N程度に高純度化される)、アルミ合金、等の分野にて、連鎖的供給ひっ迫を生み出さぬ様、省エネ、環境問題を考慮した製造方法とする事は大切な課題である。尚、例えば5Nとは、wt%で、9が5つ並ぶことを意味し、99.999%の事である。
【0005】
また、浮遊軽石を原料でアーク炉に用いると、ガスが抜け多孔質であるので、汚染物、ガス、空気が残留しやすく、軽いので溶融すると上方に行って浮かんでしまったりはねたりする不具合が生じ均一に溶融、加熱が出来難い。また、中国に比し、日本では電気代が高く、アーク炉を用いる金属シリコンの製造は国内ではほとんどなされていない。
大量に存在する噴火岩や漂流軽石を原料で用いることが出来るようにすることは、火山国日本での金属シリコン製造を促進し、国内生産で有ればコスト的にも有利であるので、その製造方法の確立が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
原料が、海上を漂流する軽石とすることを特徴とする漂流軽石利用金属シリコンの製造法を提供する。
具体的には、海上を漂流した大量の多孔質軽石を原料に用いる為、粉砕処理と還元処理に特徴を持たせた発明であり、原料を漂流軽石とした高純度金属シリコンの製造方法。
である
【発明の効果】
【0007】
大量に入手可能で、噴火等により発生した、海上で除去必要な軽石を、粉砕、汚染除去し還元熱処理する事で、アーク炉を用いず低温で日本国内で製造できる。日本国内に大量に存在する噴火岩や軽石を原材料とする金属シリコンを得る事で、材料費も抑えることが出来るという効果がある。
又、直接粉末で洗浄、汚染除去、金属除去や、還元するので、電力も削減出来、CO2排出も低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
従来の金属シリコンの製造工程
本発明第1の金属シリコン製造工程
本発明第2の金属シリコン製造工程
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に、従来の金属シリコンの製造工程を示す。
原料は、Si02(2酸化シリコン)を99~98%含む、珪石 等が用いられる。中国等が多く産出を行っており、SiO2の純度の高い鉱物である。
アーク炉工程1(又はアークプラズマ炉工程)では、2000度以上の高温で珪石を融解する。そして、電極のカーボンやその他コークスおよび、木材等投入するカーボンにより、珪石中にある2酸化シリコンをシリコン(Si)金属とする還元反応をおこさせ、金属シリコンは冷却され固体で取り出される。これによりある程度の純度(98%程度)の金属シリコンが得られる。所謂2N純度の金属シリコンである。
塩化工程前の粉砕工程2では、金属シリコン塊を、粉砕する。
塩化工程にて均一な滞留となるようにミルサイズを統一する為、篩で分類する。
塩化工程3では、公知の方法であって、粉砕工程2で粉砕した金属シリコン粒(粉)を、流動床に充填し、加温し、反応容器の底部より塩素ガスを導入し、金属シリコン粒内を通過させる事で、金属シリコンを塩化物のガスとし反応器上部より取り出し、冷却してシリコンの塩化物の液体とする。つまり、テトラクロロシラン(SiCl4:四塩化ケイ素)、トリクロロシラン(SiHCl3:TCSと呼ぶ)の、塩化物を得る。この金属シリコンの塩化物は常温で液体である。また、その他の金属も塩化物として存在し、分離が必要となる。
蒸留工程4においては、公知の方法にて、沸点の違いにより、TCSを得ることが出来る。
多結晶CVD成長工程5は、いわゆるシーメンス法と呼ばれ、水素ガス雰囲気で前記TCSを還元させ、シリコンの種結晶にシリコンを1000~1100度程度の温度でCVD成長させる事で、高純度金属ポリシリコン(多結晶シリコン)を得る。
【0010】
この多結晶の高純度金属シリコンは、公知の方法により単結晶化で高純度化され、シリコンウェーハとなり表面近傍に、パターニングが施され酸化、窒化、P/N拡散、P/N/絶縁層の積層等が行われ、たとえば車用半導体デバイスとすることが出来る。
(【0011】以降は省略されています)

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