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公開番号2023078866
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192175
出願日2021-11-26
発明の名称画像補正処理装置およびプログラム
出願人日本放送協会
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H04N 9/64 20230101AFI20230531BHJP(電気通信技術)
要約【課題】制作意図により、特定色の領域のみの彩度を低下させることのできる画像補正処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】画像補正処理装置は、少なくとも、彩度補正処理部を備える。彩度補正処理部は、画像内において所定の条件に合う色の画素の彩度を補正するための補正ファクターfcorを求め、当該画素の彩度を前記補正ファクターfcorに基づいて補正する。また、彩度補正処理部は、前記画素の少なくとも明度と色相角とに基づいて、前記明度の変化に対応して連続的に変化する前記補正ファクターfcorであって、且つ前記色相角の変化に対応して連続的に変化する前記補正ファクターfcor、を決定し、当該画素の彩度に決定された前記補正ファクターfcorを乗ずることによって当該画素の彩度を補正する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
画像内において所定の条件に合う色の画素の彩度を補正するための補正ファクターf
cor
を求め、当該画素の彩度を前記補正ファクターf
cor
に基づいて補正する彩度補正処理部、
を備え、
前記彩度補正処理部は、前記画素の少なくとも明度と色相角とに基づいて、前記明度の変化に対応して連続的に変化する前記補正ファクターf
cor
であって、且つ前記色相角の変化に対応して連続的に変化する前記補正ファクターf
cor
、を決定し、当該画素の彩度に決定された前記補正ファクターf
cor
を乗ずることによって当該画素の彩度を補正する、
画像補正処理装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
入力されるハイ・ダイナミック・レンジ(HDR)映像が含む画像を、HDRに対応したCIELAB色空間の信号に変換して前記彩度補正処理部に渡す色空間変換処理部と、
前記彩度補正処理部によって処理された後のHDRに対応したCIELAB色空間の信号を、HDR映像に再変換して出力する色空間再変換処理部と、
をさらに備え、
前記彩度補正処理部は、前記色空間変換処理部から渡されるHDRに対応したCIELAB色空間の信号に基づいて前記画素の彩度を補正する、
請求項1に記載の画像補正処理装置。
【請求項3】
前記補正ファクターf
cor
は、前記画素の彩度を低下させる作用を有するものであり、
前記彩度補正処理部は、前記画素の補正前の彩度C

ab
が高いほど前記補正ファクターf
cor
による彩度の低下の度合いを小さくする、
請求項1または2に記載の画像補正処理装置。
【請求項4】
前記彩度補正処理部は、前記画素の補正前の彩度C

ab
に応じて、前記補正ファクターf
cor
による彩度の低下の度合いを表す減少関数値C

func
を計算するものであり、
前記減少関数値C

func
は、前記画素の補正前の彩度C

ab
の増加に対して単調に減少するものであり、
前記画素の補正前の彩度C

ab
が50以下の場合には、前記減少関数値C

func
は0.95以上であり、
前記画素の補正前の彩度C

ab
が150以上の場合には、前記減少関数値C

func
は0.02以下であり、
前記彩度補正処理部は、前記画素の明度および色相角に基づいて決定される所定の値に、前記減少関数値C

func
を乗ずることによって、前記補正ファクターf
cor
による彩度の低下の度合いを求める、
請求項3に記載の画像補正処理装置。
【請求項5】
前記彩度補正処理部は、前記補正ファクターf
cor
を、下の数式;
TIFF
2023078866000010.tif
23
170
によって求めるものである(ただし、上の数式で算出した結果としてf
cor
<0となる場合には、f
cor
=0とする)、
(ただし、L

max
は明度の最大値であり、L

は前記画素の明度(0≦L

≦L

max
)であり、L


は前記画素の色相角h
ab
の変化に応じて連続的に変化するように決定される明度についての所定の変曲点の値であり、h

およびh

のそれぞれは補正対象とする色相角h
ab
の領域に応じて適宜定められるパラメーター(ただし、h

≦h

)であり、σ

は前記画素の明度の変化に応じて連続的に変化するように決定される彩度補正パラメーターであり、C

func
は前記減少関数値である)
請求項4に記載の画像補正処理装置。
【請求項6】
画像内において所定の条件に合う色の画素の彩度を補正するための補正ファクターf
cor
を求め、当該画素の彩度を前記補正ファクターf
cor
に基づいて補正する彩度補正処理部、
を備え、
前記彩度補正処理部は、前記画素の少なくとも明度と色相角とに基づいて、前記明度の変化に対応して連続的に変化する前記補正ファクターf
cor
であって、且つ前記色相角の変化に対応して連続的に変化する前記補正ファクターf
cor
、を決定し、当該画素の彩度に決定された前記補正ファクターf
cor
を乗ずることによって当該画素の彩度を補正する、
画像補正処理装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、画像補正処理装置およびプログラムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
HDR映像(HDRは、「High Dynamic Range」(ハイ・ダイナミック・レンジ)の略)による放送番組は、番組間の明るさのばらつきを抑制するために、HDR基準白を考慮して制作されている。HLG方式(HLGは、「Hybrid Log Gamma」(ハイブリッド・ログ・ガンマ)の略)を用いた場合のHDR基準白は、75%のHLG映像信号レベル(以下において、「75%HLG」と称す場合がある)である。
【0003】
映像を構成するうえで人の顔の肌のレベルは重要である。特許文献1では、人の顔の肌のレベルは、HDR基準白を考慮した場合、45%HLGから55%HLGに収まることが報告されている。しかしながら、映像制作時の意図や人物と照明の条件が変化したときに、55%HLGよりも高いレベルで顔の肌が表現される場合もある。HLG方式では75%HLGで白くなるように明るさを調整するため、55%HLGから75%HLGまでの間で表現された肌は、肌色として彩度が保たれた状態となる。
【0004】
一方で、非特許文献1では、従来のSDR映像(SDRは、「Standard Dynamic Range」(スタンダード・ダイナミック・レンジ)の略)による番組制作において、人の顔肌レベルは、男性の場合よりも女性の場合の方が高いことが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-025241号公報
【非特許文献】
【0006】
Report ITU-R BT.2408-3「Guidance for operational practices in HDR television production」,2019年7月,ITU-R(Radiocommunication Sector of ITU).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
SDR映像の番組において、女性の顔肌は、レベルが高くなればなるほど、階調表現を重視し低い彩度で表現される。これを特許文献1に記載された彩度補正処理で表現しようとした場合、肌色の多くは75%HLGに相当する明度よりも低く、彩度補正処理が適用されないため、肌色を低い彩度で表現できないという問題があった。
【0008】
また、彩度補正処理の変曲点である75%HLGに相当する明度を55%HLGに相当する明度に下げたとしても、すべての色相角で等しく彩度を低下させるため、顔肌以外の色の彩度が低下するという問題があった。
【0009】
肌色の色相角の範囲についてのみ彩度補正処理の変曲点を55%HLGに相当する明度に下げるという解決手段も考えられる。しかしながら、肌色の色相角から肌色以外の色相角へ切り替わる場合、またはその逆への切り替えの場合において、補正処理の数式が数学的に急峻な変換となる場合には、変換後の階調表現が不連続となってしまう場合もあった。また、明度と色相角とで肌色の範囲を限定する場合には、同じ色相角でありながら肌色と知覚されないような彩度の高い色までも補正処理の対象となってしまうという問題も起こり得る。
【0010】
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、制作意図に応じて、HDR番組制作における顔肌レベルを高くし、且つ従来のSDR番組制作における顔肌の表現のように彩度を低下させて表現したい場合に、特定色の領域のみの彩度を低下させることができ、さらに、彩度補正後における階調表現に不連続性が現れないようにしたり、補正処理によって目的とする色以外の色が補正されてしまうことのないようにしたりすることのできる画像補正処理装置およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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