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公開番号2023078860
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192167
出願日2021-11-26
発明の名称金属材料の試験方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類G01N 3/08 20060101AFI20230531BHJP(測定;試験)
要約【課題】金属材料の成形可否を高精度で判断するのに適した特性を取得することができる、金属材料の試験方法を提供する。
【解決手段】試験方法は、切り出し工程と、圧縮工程と、採取工程と、引張試験工程と、算出工程と、を備える。切り出し工程は、金属材料から矩形板状のサンプルを切り出す。圧縮工程は、サンプルに所定の条件で圧縮荷重を負荷し、0.20以上の相当塑性ひずみをサンプルに導入する。採取工程は、サンプルから丸棒状の引張試験片を採取する。引張試験工程は、引張試験片に軸方向に引張荷重を負荷して、引張試験片を破断する。算出工程は、引張試験工程の結果より、上記の所定の条件での相当塑性ひずみに対応する機械的特性を算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属材料から矩形板状のサンプルを切り出す切り出し工程と、
金型によって、前記サンプルに所定の条件で圧縮荷重を負荷し、0.20以上の相当塑性ひずみを前記サンプルに導入する圧縮工程と、
前記圧縮工程後に、前記サンプルから丸棒状の引張試験片を採取する採取工程と、
前記引張試験片に軸方向に引張荷重を負荷して、前記引張試験片を破断する引張試験工程と、
前記引張試験工程の結果より、前記所定の条件での前記相当塑性ひずみに対応する機械的特性を算出する算出工程と、を備える、金属材料の試験方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の金属材料の試験方法であって、
前記圧縮工程において、前記所定の条件は、下記条件(a)及び(b)のうちのいずれか一つである、金属材料の試験方法。
(a)前記サンプルの縦方向及び横方向の変形を開放し、前記サンプルに圧縮荷重を負荷する、及び
(b)前記サンプルの縦方向及び横方向のいずれか一方向の変形を拘束し、いずれか他方向の変形を開放し、前記サンプルに圧縮荷重を負荷する。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の金属材料の試験方法であって、
前記採取工程において、下記条件(i)又は(ii)に従って前記サンプルから前記引張試験片を採取する、金属材料の試験方法。
(i)前記引張試験片の前記軸方向が、前記サンプルにおける前記金属材料の圧延方向と一致する、及び
(ii)前記引張試験片の前記軸方向が、前記サンプルにおける前記金属材料の圧延方向に垂直な方向と一致する。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の金属材料の試験方法であって、
前記引張試験工程において、前記引張試験片の破断位置における試験前断面積S0と試験後断面積S1を計測し、
前記算出工程において、前記試験前断面積S0と試験後断面積S1より、前記機械的特性として極限変形能を算出する、金属材料の試験方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、金属材料の試験方法に関する。より詳細には、本開示は、圧縮変形を経た後に最終的に引張変形を経る金属材料の試験方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
自動車部品の多くは、鋼板をプレスすることによって成形される。プレス成形のとき、鋼板は、曲げられたり、絞られたりする。このため、鋼板は、引張変形したり、圧縮変形したりする。従来、プレス成形時の鋼板の特性を把握するため、鋼板材料から採取した試験片で引張圧縮試験が行われている(例えば、特許第6246074号公報(特許文献1)、及び特開2016-3951号公報(特許文献2))。引張圧縮試験では、試験片に長手方向に沿って、圧縮荷重の負荷と引張荷重の負荷が繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6246074号公報
特開2016-3951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、カップ状部品(例:トランスミッションギヤ)のような自動車部品を成形する過程において、鋼板を鍛造して部分的に増肉する場合がある。この場合、相当塑性ひずみで0.5に達するような大きな圧縮塑性ひずみが、鋼板に導入される。この鋼板は、後工程でさらにプレスされる。このため、鋼板内の部位によっては、大きな圧縮塑性ひずみが導入された後、最終的に引張変形を受ける。本明細書では、このように大きな圧縮塑性ひずみが導入される圧縮変形を経た後、最終的に引張変形を経るという一連の変形過程を複合変形過程とも言う。
【0005】
従来、複合変形過程を経る鋼板材料内の各部位について、FEMによって成形可否を判断するために、延性破壊パラメータが用いられる。延性破壊パラメータとして、Cockroft-Lathmanの下記式(1)で表されるダメージ値Dfが汎用される。
【0006】
TIFF
2023078860000002.tif
26
158
【0007】
したがって、ダメージ値Dfには、変形に伴って鋼板材料内のFEM解析要素に生じる最大垂直応力とひずみのみが関与する。このため、ダメージ値Dfは、圧縮変形では変化しない。一方、実現象として、圧縮変形後の残延性の低下により、その後の引張変形で割れが発生することがある。また、特許文献1及び2に記載の技術では、試験片に導入される圧縮塑性ひずみは、大きくても0.10程度にすぎない。したがって、従来の技術では、大きな圧縮塑性ひずみが導入される圧縮変形を含む複合変形過程を経る成形の場合、鋼板材料の成形可否を高精度で判断することは困難である。
【0008】
本開示の目的は、大きな圧縮塑性ひずみが導入される圧縮変形を含む複合変形過程を経る成形の場合、評価対象の金属材料の成形可否を高精度で判断するのに適した特性を取得することができる、金属材料の試験方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る金属材料の試験方法は、切り出し工程と、圧縮工程と、採取工程と、引張試験工程と、算出工程と、を備える。切り出し工程は、金属材料から矩形板状のサンプルを切り出す。圧縮工程は、金型によって、サンプルに所定の条件で圧縮荷重を負荷し、0.20以上の相当塑性ひずみをサンプルに導入する。採取工程は、圧縮工程後に、サンプルから丸棒状の引張試験片を採取する。引張試験工程は、引張試験片に軸方向に引張荷重を負荷して、引張試験片を破断する。算出工程は、引張試験工程の結果より、上記の所定の条件での相当塑性ひずみに対応する機械的特性を算出する。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る金属材料の試験方法によれば、大きな圧縮塑性ひずみが導入される圧縮変形を含む複合変形過程を経る成形の場合、評価対象の金属材料の成形可否を高精度で判断するのに適した特性を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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