TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2023078856
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192163
出願日2021-11-26
発明の名称ロータリーエンジン
出願人マツダ株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類F02B 55/02 20060101AFI20230531BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ロータリーエンジンの燃費を改善する。
【解決手段】ロータ2の外周面2aのリセス7は、外周面2aの長手方向の中央よりロータ回転方向の前側に延びるL側凹部7aと、L側凹部7aに連続し当該中央よりロータ回転方向の手前側に延びるT側凹部7bとを備え、ロータ2の外周面2aの長手方向に直交し且つロータ2の中心を通る平面でリセス7を横断したときのリセス7の断面積は、外周面2aの長手方向の中央部分7cにおいて最も大きく、且つL側凹部7aの長さがT側凹部7bの長さよりも長い。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
略楕円形状のトロコイド内周面を有するロータハウジングと、該ロータハウジングの両側に配置されて、該ロータハウジングと共にロータ収容室を形成するサイドハウジングと、上記ロータ収容室内に収容されて、該ロータ収容室内に3つの作動室を区画するとともに、回転によって各作動室を周方向に移動させながら、各作動室において吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程を順に行なわせる略三角形状のロータと、上記ロータハウジングに設けられた点火プラグと、該点火プラグの作動を制御する制御部とを備え、上記ロータの上記作動室を区画する各外周面にリセスがそれぞれ形成されたロータリーエンジンであって、
上記ロータの外周面のリセスは、該外周面の長手方向の中央より上記ロータの回転方向の前側に延びるリーディング側凹部と、該凹部に連続し当該中央より上記ロータ回転方向の手前側に延びるトレーリング側凹部とを備え、
上記ロータの外周面の長手方向に直交し且つ上記ロータの中心を通る平面で上記リセスを横断したときの該リセスの断面積は、上記外周面の長手方向の中央部分において最も大きく、且つ上記リーディング側凹部の長さが上記トレーリング側凹部の長さよりも長くなっており、
上記制御部は、点火時期が、上記点火プラグがL側凹部に臨む、圧縮行程上死点よりも進角した時期になるように上記点火プラグの作動を制御することを特徴とするロータリーエンジン。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
請求項1において、
上記リーディング側凹部は、上記断面積が上記中央部分から上記ロータ回転方向の前側に行くに従って該中央部分の断面積の1/3以上1/2の大きさまで漸次減少し、この大きさで上記ロータ回転方向の前方に向かって該リーディング側凹部の全長の少なくとも6/10の長さまで延びていることを特徴とするロータリーエンジン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
上記トレーリング側凹部は、その底面が上記外周面の長手方向の中央部分から上記ロータ回転方向の手前側の端に至るまで該凹部の深さが漸次浅くなるようになだらかに傾斜して、上記断面積が上記中央部分から上記ロータ回転方向の手前側の端に至るまで漸次連続的に小さくなっていることを特徴とするロータリーエンジン。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
上記トレーリング側凹部の長さが上記リーディング側凹部の長さの2/10以上5/10以下であることを特徴とするロータリーエンジン。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
上記リーディング側凹部の長さが上記外周面の長手方向の中央から該外周面の上記ロータ回転方向の前側の端までの長さの7/10以上9/10以下であることを特徴とするロータリーエンジン。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
上記点火プラグは上記ロータハウジングの短軸位置よりも上記ロータ回転方向の前側において上記作動室の混合気に点火するように設けられ、
上記制御部は、上記点火プラグを上記リーディング側凹部に臨む圧縮行程上死点より55゜以下の範囲で進角した時期に点火するように制御することを特徴とするロータリーエンジン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はロータリーエンジンに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ロータリーエンジンは、トロコイド内周面を有するロータハウジングとロータの間に燃焼室が形成される。ロータの外周面には燃焼室を形成するリセス(凹み)が形成されている。このロータのリセスに関し、特許文献1には、上記外周面の長手方向の中央からロータ回転方向の前側に延びるリーディング側凹部の容積をロータ回転方向の手前側に延びるトレーリング側凹部の容積よりも大きくすることが記載されている。リーディング側凹部の容積を大きくすることによって火炎の成長を促進し、アドバンス点火及び着火遅れ期間の短縮を可能にして、燃焼重心のアドバンス化による熱効率の改善を図る趣旨である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-12410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、火炎の成長促進は混合気の燃焼が速くなって熱発生が急になる結果を招く。そのため、燃焼音やガス漏れが懸念され、さらに、冷却損失が大きくなって燃費の向上に不利になる。これを本発明は解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の解決のために、圧縮行程上死点付近においてトレーリング側からリーディング側の火炎に向かう未燃混合気の流速を抑えるようにした。
【0006】
ここに開示するロータリーエンジンは、略楕円形状のトロコイド内周面を有するロータハウジングと、該ロータハウジングの両側に配置されて、該ロータハウジングと共にロータ収容室を形成するサイドハウジングと、上記ロータ収容室内に収容されて、該ロータ収容室内に3つの作動室を区画するとともに、回転によって各作動室を周方向に移動させながら、各作動室において吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程を順に行なわせる略三角形状のロータと、上記ロータハウジングに設けられた点火プラグと、該点火プラグの作動を制御する制御部とを備え、上記ロータの上記作動室を区画する各外周面にリセスがそれぞれ形成されており、
上記ロータの外周面のリセスは、該外周面の長手方向の中央より上記ロータの回転方向の前側に延びるリーディング側凹部(以下、「L側凹部」という。)と、該L側凹部に連続し当該中央より上記ロータ回転方向の手前側に延びるトレーリング側凹部(以下、T側凹部」という。)とを備え、
上記ロータの外周面の長手方向に直交し且つ上記ロータの中心を通る平面で上記リセスを横断したときの該リセスの断面積は、上記外周面の長手方向の中央部分において最も大きく、且つL側凹部の長さがT側凹部の長さよりも長くなっており、
上記制御部は、点火時期が、上記点火プラグがL側凹部に臨む、圧縮行程上死点(以下、「TDC」という。)よりも進角した時期になるように上記点火プラグの作動を制御することを特徴とする。
【0007】
これによれば、TDCよりも前にL側凹部に臨む点火プラグによって混合気に点火され、火炎が主としてL側に伝播していく。その火炎に対して、ロータ回転方向の手前側(以下、「T側」という。)から混合気が供給されて火炎が成長していく。ロータが回転しているから、TDCに近づくに従ってロータの外周面の中央部分とロータハウジングの隙間が狭くなってくる。
【0008】
これに対して、上記ロータリエンジンでは、ロータの外周面のリセスの断面積は外周面の中央部分において最も大きい。従って、TDC頃に、ロータハウジングの短軸位置よりもロータ回転方向の前側(以下、「L側」という。)で成長する火炎に対するT側からの混合気の供給速度が大きくなること、すなわち、T側からL側への混合気の流動が強くなることが避けられる。よって、点火後の主燃焼の燃焼速度が大きくならず、言わば、燃焼が緩慢になって、熱発生が急になることが避けられる。このため、冷却損失が大きくならず、燃費の向上に有利であり、燃焼音の低減やガス漏れ防止の面でも有利になる。
【0009】
また、ロータの外周面のリセスの断面積がその外周面の長手方向の中央部分において最も大きいということは、この中央部分よりもさらにL側の凹部の容積が相対的に小さいということである。換言すれば、ロータの外周面の中央部分の断面積を大きくする代わりにL側の凹部の容積を小さくしたということである。従って、燃焼を緩慢にしながらもエンジンの圧縮比を維持して熱効率を確保することができる。また、点火プラグよりもL側の容積を小さくすることにも繋がるから、点火後の火炎の急激な成長を抑える上で有利に働く。
【0010】
また、ロータの外周面の長手方向中央からのL側凹部の長さがT側凹部の長さよりも長いということは、点火プラグをL側凹部に臨ませた状態で点火することができるロータの回転角度の範囲が広いということである。従って、EGR(排気ガスの再循環)に伴う点火時期の進角化が容易になる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社クボタ
エンジン
10日前
個人
増設・ロータリーエンジン
20日前
個人
水素バーナー発電機及び発電システム
今日
トヨタ自動車株式会社
内燃機関
2日前
本田技研工業株式会社
内燃機関
14日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
今日
株式会社アイシン
内燃機関
15日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の冷却構造
16日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の排気装置
1日前
本田技研工業株式会社
車両
15日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
14日前
日本製鉄株式会社
クランク軸
14日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
7日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関制御装置
14日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の制御装置
16日前
本田技研工業株式会社
鞍乗型車両の排気装置
16日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の点火時期制御装置
14日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の点火時期制御装置
20日前
日立建機株式会社
運搬車両の管理システム
7日前
本田技研工業株式会社
内燃機関の燃料供給装置
17日前
株式会社ミクニ
バルブ装置
7日前
本田技研工業株式会社
内燃機関の失火判定装置
14日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の停止システム
10日前
株式会社セイブ・ザ・プラネット
内燃機関の制御方法
2日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の停止システム
2日前
株式会社ミクニ
バルブ装置
7日前
株式会社筑水キャニコム
斜面除草車両
14日前
本田技研工業株式会社
燃料供給装置
14日前
本田技研工業株式会社
燃料供給装置
14日前
トヨタ自動車株式会社
制御装置
20日前
愛三工業株式会社
弁システム
7日前
トヨタ自動車株式会社
オイル回収構造
9日前
株式会社SUBARU
エンジン
15日前
株式会社SUBARU
ピストン
15日前
愛三工業株式会社
弁装置
1日前
スズキ株式会社
内燃機関の制御装置
8日前
続きを見る