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公開番号2023078780
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192052
出願日2021-11-26
発明の名称ターボ式流体機械
出願人株式会社豊田自動織機
代理人弁理士法人ぱてな
主分類F16C 27/02 20060101AFI20230531BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】フォイル軸受の軸受面や被軸受面に形成されたコーティング層の耐久性を向上させて、フォイル軸受の製品寿命を向上させることができることができるターボ式流体機械を提供する。
【解決手段】ターボ式流体機械は、被軸受面24gを有する回転体24と、回転体24と一体的に回転して外部流体を圧送する作動体と、回転体24及び作動体を収容するハウジング11と、被軸受面24gに対向する軸受面60aを有し、回転体24をハウジング11に対して回転可能に支持するフォイル軸受60と、を備える。被軸受面24g及び軸受面60aのうちの少なくとも一方にコーティング層61が形成されている。コーティング層61は、樹脂バインダ61aとしてのポリアミドイミドと、固体潤滑剤61bとしての二硫化モリブデンと、を含有する。ポリアミドイミドの含有量に対する二硫化モリブデンの含有量の質量百分率が42質量%以上である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
被軸受面を有する回転体と、
前記回転体と一体的に回転して外部流体を圧送する作動体と、
前記回転体及び前記作動体を収容するハウジングと、
前記被軸受面に対向する軸受面を有し、前記回転体を前記ハウジングに対して回転可能に支持するフォイル軸受と、を備えるターボ式流体機械であって、
前記被軸受面及び前記軸受面のうちの少なくとも一方にコーティング層が形成され、
前記コーティング層は、樹脂バインダとしてのポリアミドイミドと、固体潤滑剤としての二硫化モリブデンと、を含有し、
前記ポリアミドイミドの含有量に対する前記二硫化モリブデンの含有量の質量百分率が42質量%以上であることを特徴とするターボ式流体機械。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記ポリアミドイミドの含有量に対する前記二硫化モリブデンの含有量の質量百分率が127質量%以下である請求項1記載のターボ式流体機械。
【請求項3】
前記コーティング層は、固体潤滑剤としてのポリテトラフルオロエチレンをさらに含有する請求項1または請求項2記載のターボ式流体機械。
【請求項4】
車載燃料電池へ空気を圧送するためのターボ式流体機械であって、
10万rpm以上で回転しつつ前記回転体を駆動する電動モータを備える請求項1~3のいずれか1項記載のターボ式流体機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はターボ式流体機械に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来のターボ式流体機械が開示されている。このターボ式流体機械は、回転体と、回転体と一体的に回転して外部流体を圧送する作動体と、回転体及び作動体を収容するハウジングと、回転体をハウジングに対して回転可能に支持するフォイル軸受とを備えている。
【0003】
回転体は被軸受面を有する一方、フォイル軸受は被軸受面に対向する軸受面を有する。フォイル軸受は、低速回転する回転体を接触支持し、高速回転する回転体を非接触支持する。すなわち、フォイル軸受は、回転体の低速回転時には、軸受面と被軸受面とが接触した状態で、相対回転する回転体を支持する。回転体が高速回転すれば、軸受面と被軸受面とが非接触な状態で、軸受面と被軸受面との間の軸受隙間に生じる流体膜で回転体を支持する。
【0004】
フォイル軸受が回転体を接触支持する低速回転時には、軸受面と被軸受面とが摺動し、この摺動面に焼付きや損傷の問題が起こりやすい。このため、摺動面における焼付きや損傷を抑えるべく、軸受面や被軸受面にコーティング層を形成することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-82195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなターボ式流体機械におけるフォイル軸受では、その製品寿命を向上させるために、コーティング層の耐久性を向上させることが重要である。
【0007】
発明者らは、コーティング層の耐久性を向上させるべく、コーティング層の材料に高硬度のポリアミドイミドを用いてコーティング層の耐摩耗性を向上させることを指向した。しかし、発明者らの試験によれば、フォイル軸受の軸受面に耐摩耗性の高いポリアミドイミドをコーティングしても、期待するほどコーティング層の耐久性が向上しない。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、フォイル軸受の軸受面や被軸受面に形成されたコーティング層の耐久性を向上させて、フォイル軸受の製品寿命を向上させることができるターボ式流体機械を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のターボ式流体機械は、
被軸受面を有する回転体と、
前記回転体と一体的に回転して外部流体を圧送する作動体と、
前記回転体及び前記作動体を収容するハウジングと、
前記被軸受面に対向する軸受面を有し、前記回転体を前記ハウジングに対して回転可能に支持するフォイル軸受と、を備えるターボ式流体機械であって、
前記被軸受面及び前記軸受面のうちの少なくとも一方にコーティング層が形成され、
前記コーティング層は、樹脂バインダとしてのポリアミドイミドと、固体潤滑剤としての二硫化モリブデンと、を含有し、
前記ポリアミドイミドの含有量に対する前記二硫化モリブデンの含有量の質量百分率が42質量%以上であることを特徴とする。
【0010】
発明者らは、コーティング層の耐久性を如何にして向上させるかについて鋭意検討し、発想の転換により、フォイル軸受の浮上能力を向上させることによって、コーティング層が相手材と摺動する時間を短縮すること、すなわちコーティング層が摩耗する機会を減らすことを指向した。フォイル軸受の浮上能力を向上させるには、コーティング層の平滑性を向上させること、特に相手材との摺動による初期摩耗後においてもその平滑性を維持することが重要であると考え、試行錯誤を重ねて本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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