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公開番号2023078771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192043
出願日2021-11-26
発明の名称液体吐出ヘッド、その検査方法及び製造方法
出願人ブラザー工業株式会社
代理人弁理士法人ATEN
主分類B41J 2/14 20060101AFI20230531BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】同じ設計のプレートを連続して積層した場合であっても、正確に位置ずれの検査を行うことができるようにする。
【解決手段】上下方向に積層され、流路を構成する貫通孔及び凹部がそれぞれ形成されたプレート11a~11kで構成された流路ユニット11を備える。流路ユニット11に、プレート11a~11kにそれぞれ形成された第1孔41a~41kにより構成される第1検査用穴41と、プレート11a~11kにそれぞれ形成された第2孔42a~42kにより構成される第2検査用穴42とを設ける。第1検査用穴41は、積層方向の一方側から他方側に向かって段階的に広がっている。第2検査用穴42は、積層方向の他方側から一方側に向かって段階的に広がっている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
積層方向に積層された複数のプレートで構成される積層体を備え、
前記複数のプレートは、
流路を構成する第1流路穴が形成された第1プレートと、
前記流路を構成する第2流路穴が形成され、前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層された第2プレートと、を含み、
前記積層体は、
前記複数のプレートに形成された第1孔により構成される第1検査用穴と、
前記複数のプレートに形成された第2孔により構成される第2検査用穴と、を有し、
前記第1検査用穴は、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がっており、
前記第2検査用穴は、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がっていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記第1流路穴、前記第2流路穴、前記第1孔及び前記第2孔は、エッチングにより形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第1検査用穴及び前記第2検査用穴は、円形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記積層体は、前記積層方向から視て複数の角部を有する多角形形状を有しており、
前記第1検査用穴は、前記複数の角部のうちの1つの角部に形成されており、
前記第2検査用穴は、前記複数の角部のうち前記1つの角部とは異なる角部に形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記流路は、液体を吐出するノズルを含む複数の個別流路と、前記複数の個別流路に共通して設けられたマニホールドと、を含んでおり、
前記第1流路穴及び前記第2流路穴は、いずれも前記マニホールドを構成することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
液体吐出ヘッドにおける積層体を構成する複数のプレート間の位置ずれを検査する検査方法であって、
前記複数のプレートは、積層方向に積層された第1プレート及び第2プレートを含み、前記第1プレートは、流路を構成する第1流路穴が形成され、前記第2プレートは、前記流路を構成する第2流路穴が形成され、前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層され、
前記積層体は、前記複数のプレートに形成された第1孔により構成される第1検査用穴と、前記複数のプレートに形成された第2孔により構成される第2検査用穴と、を有し、
前記第1検査用穴は、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がっており、
前記第2検査用穴は、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がっており、
前記第1検査用穴を前記積層方向の前記他方側から目視し、前記第2プレートの前記第1孔の縁が前記第1プレートによって隠れているか否かを確認する第1確認工程と、
前記第2検査用穴を前記積層方向の前記一方側から目視し、前記第1プレートの前記第2孔の縁が前記第2プレートによって隠れているか否かを確認する第2確認工程と、
前記第1確認工程及び前記第2確認工程の少なくともいずれかにより前記第1プレート及び前記第2プレート間の位置ずれを検査する検査工程と、を備えていることを特徴とする検査方法。
【請求項7】
液体吐出ヘッドの製造方法であって、
第1基材に、流路を構成する第1流路穴、第1孔及び第2孔を形成して、第1プレートを作製する第1プレート作製工程と、
第2基材に、前記流路を構成する第2流路穴、前記第1孔及び前記第2孔を形成して、第2プレートを作製する第2プレート作製工程と、
前記第1プレート及び前記第2プレートを含む複数のプレートを積層方向に積層する工程であって、前記第2プレートを前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層する積層工程と、
前記複数のプレートに形成された前記第1孔により構成された第1検査用穴であって、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がった前記第1検査用穴を、前記積層方向の前記他方側から目視し、前記第2プレートの前記第1孔の縁が前記第1プレートによって隠れているか否かを確認する第1確認工程と、
前記複数のプレートに形成された前記第2孔により構成された第2検査用穴であって、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がった前記第2検査用穴を、前記積層方向の前記一方側から目視し、前記第1プレートの前記第2孔の縁が前記第2プレートによって隠れているか否かを確認する第2確認工程と、
前記第1確認工程及び前記第2確認工程の少なくともいずれかにより前記第1プレート及び前記第2プレート間の位置ずれを検査する検査工程と、を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層方向に積層された複数のプレートで構成される積層体を備えた液体吐出ヘッド、その検査方法及び製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のプレートを積層してなる流路ユニット(積層体)を備えたインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)が開示されている。流路ユニット内には、共通インク室、共通インク室に連通する複数の圧力室及び複数の圧力室にそれぞれ連通するノズルを含む流路が形成されている。流路は、流路ユニットを構成する各プレートに形成された穴からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-107299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような液体吐出ヘッドの積層体は、積層された複数のプレート間に位置ずれがあると、流路が適正に形成されないおそれがある。したがって、液体吐出ヘッドを製造する際には、積層体を構成するプレート間の位置ずれの検査を行う必要がある。位置ずれの検査方法として、積層体を構成する各プレートに形成された孔により積層体に設けられた、積層方向の他方側から一方側に向かって広がるすり鉢状の検査用穴を使用する方法が考えられる。各プレートに形成される孔は、積層方向の一方側の端に位置するプレートに形成されるものが最も大きく、積層方向の他方側の端に近いプレートに形成されるものほど小さい。
【0005】
位置ずれの検査を行う際には、検査用穴を積層方向の一方側の端(広がっている方の端)から目視する。そして、隣接する2枚のプレートのうち積層方向の一方側(目視位置に近い側)に位置するプレートの孔の中に、積層方向の他方側(目視位置から遠い側)に位置するプレートの孔の全体が入っているか否かを検査する。隣接する2枚のプレートに位置ずれが生じている場合は、積層方向の他方側に位置するプレートの孔の縁が、積層方向の一方側に位置するプレートにより隠れた状態となる。
【0006】
液体吐出ヘッドを製造する際、部品の種類を削減する目的等により、同じ設計のプレート(すなわち、流路を構成する流路穴及び検査用穴を構成する孔が同じパターンで形成されたプレート)を2枚重ねて積層することがある。しかし、同じ設計のプレートであっても、製造誤差により孔の大きさにばらつきが生じ、積層方向の他方側(目視位置から遠い側)に位置するプレートの孔が、積層方向の一方側(目視位置に近い側)に位置するプレートの孔よりも大きい場合が生じ得る。このような場合は、これら2枚のプレートの位置ずれが生じていなくとも、積層方向の他方側(目視位置から遠い側)に位置するプレートの孔の縁が、積層方向の一方側(目視位置に近い側)に位置するプレートにより隠れた状態となる。したがって、正確に位置ずれ検査を行うことができない。
【0007】
本発明の目的は、同じ設計のプレートを連続して積層した場合であっても、正確に位置ずれの検査を行うことができる液体吐出ヘッド、その検査方法及び製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液体吐出ヘッドは、積層方向に積層された複数のプレートで構成される積層体を備え、前記複数のプレートは、流路を構成する第1流路穴が形成された第1プレートと、前記流路を構成する第2流路穴が形成され、前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層された第2プレートと、を含み、前記積層体は、前記複数のプレートに形成された第1孔により構成される第1検査用穴と、前記複数のプレートに形成された第2孔により構成される第2検査用穴と、を有し、前記第1検査用穴は、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がっており、前記第2検査用穴は、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がっている。
【0009】
また、本発明の検査方法は、液体吐出ヘッドにおける積層体を構成する複数のプレート間の位置ずれを検査する検査方法であって、前記複数のプレートは、積層方向に積層された第1プレート及び第2プレートを含み、前記第1プレートは、流路を構成する第1流路穴が形成され、前記第2プレートは、前記流路を構成する第2流路穴が形成され、前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層され、前記積層体は、前記複数のプレートに形成された第1孔により構成される第1検査用穴と、前記複数のプレートに形成された第2孔により構成される第2検査用穴と、を有し、前記第1検査用穴は、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がっており、前記第2検査用穴は、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がっており、前記第1検査用穴を前記積層方向の前記他方側から目視し、前記第2プレートの前記第1孔の縁が前記第1プレートによって隠れているか否かを確認する第1確認工程と、前記第2検査用穴を前記積層方向の前記一方側から目視し、前記第1プレートの前記第2孔の縁が前記第2プレートによって隠れているか否かを確認する第2確認工程と、前記第1確認工程及び前記第2確認工程の少なくともいずれかにより前記第1プレート及び前記第2プレート間の位置ずれを検査する検査工程と、を備えている。
【0010】
さらに、本発明の製造方法は、液体吐出ヘッドの製造方法であって、第1基材に、流路を構成する第1流路穴、第1孔及び第2孔を形成して、第1プレートを作製する第1プレート作製工程と、第2基材に、前記流路を構成する第2流路穴、前記第1孔及び前記第2孔を形成して、第2プレートを作製する第2プレート作製工程と、前記第1プレート及び前記第2プレートを含む複数のプレートを積層方向に積層する工程であって、前記第2プレートを前記第1プレートに対して前記積層方向の一方側に積層する積層工程と、前記複数のプレートに形成された前記第1孔により構成された第1検査用穴であって、各プレートに形成された前記第1孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記一方側から他方側に向かって段階的に広がった前記第1検査用穴を、前記積層方向の前記他方側から目視し、前記第2プレートの前記第1孔の縁が前記第1プレートによって隠れているか否かを確認する第1確認工程と、前記複数のプレートに形成された前記第2孔により構成された第2検査用穴であって、各プレートに形成された前記第2孔の大きさの違いにより、前記積層方向の前記他方側から前記一方側に向かって段階的に広がった前記第2検査用穴を、前記積層方向の前記一方側から目視し、前記第1プレートの前記第2孔の縁が前記第2プレートによって隠れているか否かを確認する第2確認工程と、前記第1確認工程及び前記第2確認工程の少なくともいずれかにより前記第1プレート及び前記第2プレート間の位置ずれを検査する検査工程と、を備えている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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