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公開番号2023078764
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192034
出願日2021-11-26
発明の名称薬液合成装置
出願人東レエンジニアリング株式会社
代理人
主分類B01J 8/16 20060101AFI20230531BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】薬液を大気と非接触で送液する薬液合成装置において、反応容器部内の担体と薬液との合成効率を高めることができる薬液合成装置を提供する。
【解決手段】薬液が収容された薬液収容部と、薬液と担体とを反応させる反応容器部と、を備え、薬液収容部から反応容器部に配管を通じて薬液が大気に触れることなく送液される薬液合成装置であって、反応容器部を変位させることにより担体が反応容器部に付着するのを抑える反応容器変位機構をさらに備えており、反応容器部に接続される配管は、可撓性を有しており、反応容器部の変位に配管が追従して変形することにより、反応容器変位機構による反応容器部の変位が許容される構成とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
薬液が収容された薬液収容部と、
前記薬液と担体とを反応させる反応容器部と、
を備え、前記薬液収容部から前記反応容器部に配管を通じて薬液が外気に触れることなく送液される薬液合成装置であって、
前記反応容器部を変位させることにより前記担体が前記反応容器部に付着するのを抑える反応容器変位機構をさらに備えており、
前記反応容器部に接続される前記配管は、可撓性を有しており、前記反応容器部の変位に前記配管が追従して変形することにより、前記反応容器変位機構による前記反応容器部の変位が許容されることを特徴とする薬液合成装置。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記反応容器変位機構は、前記反応容器部が鉛直方向に直立した姿勢から水平方向に横たわる姿勢の間で前記反応容器部を変位させることを特徴とする請求項1に記載の薬液合成装置。
【請求項3】
前記反応容器変位機構は、前記反応容器部の上端部と下端部との位置関係が入れ替わるように前記反応容器部を変位させることを特徴とする請求項1に記載の薬液合成装置。
【請求項4】
前記反応容器変位機構は、前記反応容器部を鉛直方向に加速度を変えて振動させることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の薬液合成装置。
【請求項5】
前記反応容器変位機構は、前記反応容器部を固定する反応容器部ホルダーを有しており、この反応容器部ホルダーを変位させることにより、前記反応容器部を変位させることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の薬液合成装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大気に触れることなく送液される薬液を合成させる薬液合成装置に関するものであり、特に合成効率の低下を抑えることができる薬液合成装置に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
タンパク質、ペプチド、ポリマー、核酸等を化学合成する薬液合成装置では、複数の薬液(試薬)を反応容器部に供給し化学合成が行われる。例えば、核酸を合成する場合には、反応容器部内に担体(多孔質のビーズ。)を多数設け、この反応容器部に薬液を順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、キャッピング等の処理を繰り返し行ってビーズに塩基を次々に結合させる。
【0003】
一般的な薬液合成装置としては、例えば、図4に示すように、担体110(図5参照)を収容し薬液が供給される反応容器部100と、この反応容器部100に供給する薬液を貯留する薬液タンク101等の薬液収容部と、反応容器部100から排出された排液を貯留する排液タンク102とを備えている。そして、それぞれが配管103で接続されており、圧力供給源107からの圧力により薬液が圧送され、薬液が大気に触れることなく、薬液と担体110を合成反応させることができるようになっている(例えば、下記特許文献1参照)。具体的には、反応容器部100は、鉛直方向下端部に薬液が供給される薬液供給部106と、鉛直方向上端部に薬液が排出される薬液排出部105とを有しており、選択された薬液タンクから配管103を通じて下端部の薬液供給部106から薬液が供給されると、反応容器部100で薬液と担体とが合成反応された後、反応後の薬液が上端部の薬液排出部105から配管103を通じて排液タンク102に排出される(図5(a)参照)。
【0004】
ここで、上述の通り、反応容器部100への薬液の供給が鉛直方向下端部の薬液供給部106から行われる場合には、下端部の薬液供給部106から薬液は、重力の影響により反応容器部2の径方向に広がりつつ貯留される。そのため、反応容器部2全体に薬液を行きわたらせることができ、上端側から薬液を供給する場合に比べて、担体110との合成効率が向上し、反応容器部2内の担体110と薬液とを無駄なく化学合成させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-093236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記薬液合成装置では、反応容器部100における合成効率が低下する虞があった。すなわち、反応容器部100に薬液を貯留させて合成反応を行わせた後、図5(a)に示すように、上端部の薬液排出部105から薬液を排出すると、図5(b)に示すように、反応容器部100の上部に担体110の一部が貼り付いたままという現象が生じる。この状態で反応容器部100に少量の薬液を貯留させて反応させたい場合に、薬液供給部106から薬液を供給すると、貼り付いた担体110に薬液が到達せず、反応が十分に行えないという問題があった。
【0007】
また、薬液供給直後の担体の中には、反応容器部100内の薬液表面に浮遊するものが存在する場合があり、薬液供給時の液面の揺れにより、反応容器部100の壁面に付着する場合がある。このような場合にも、上述した問題と同様の問題が生じ、供給完了後の薬液が、担体が付着した高さ位置まで到達しない状態では、反応が十分に行えないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、薬液を大気と非接触で送液する薬液合成装置において、反応容器部内の担体と薬液との合成効率を高めることができる薬液合成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の薬液合成装置は、薬液が収容された薬液収容部と、前記薬液と担体とを反応させる反応容器部と、を備え、前記薬液収容部から前記反応容器部に前記配管を通じて薬液が大気に触れることなく送液される薬液合成装置であって、前記反応容器部を変位させることにより前記担体が前記反応容器部に付着するのを抑える反応容器変位機構をさらに備えており、前記反応容器部に接続される配管は、可撓性を有しており、前記反応容器部の変位に前記配管が追従して変形することにより、前記反応容器変位機構による前記反応容器部の変位が許容されることを特徴としている。
【0010】
上記薬液合成装置によれば、反応容器変位機構を備えているため、反応容器部の内壁に担体が付着するのを抑えることができる。すなわち、反応容器部に接続される配管が可撓性を有しており、反応容器部の変位に追従して変形するため、反応容器変位機構により反応容器部を変位させることができる。これにより、反応容器部に貯留した薬液を反応容器部内で移動させ、付着した担体に接触させることにより担体を薬液内に浸すことができる。また、反応容器変位機構により反応容器部自体が揺らされることにより、付着した担体が反応容器部自体の揺れにより落下させることもできる。したがって、薬液供給部から供給された薬液内に担体を浸して接触させることができ、担体と薬液との合成効率を高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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