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公開番号2023078519
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021191671
出願日2021-11-26
発明の名称燃料噴射弁
出願人日立Astemo株式会社
代理人ポレール弁理士法人
主分類F02M 61/18 20060101AFI20230531BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】
本発明の目的は、複数の偏向噴霧を組み合わせて全体噴霧を噴射する燃料噴射弁において、全体噴霧の形状を変化させたり、全体噴霧の断面内における燃料分布率を変化させたりすることができるようにすることにある。
【解決手段】
本発明の燃料噴射弁では、複数の旋回用通路は、噴霧断面に長軸Ax1と短軸Ax2とを有する偏向噴霧を噴射する少なくとも3つの旋回用通路を備え、複数の旋回用通路の横方向通路が単純な直線状の通路として構成される場合と比べて、3つの旋回用通路から噴射される第1偏向噴霧SPS1、第2偏向噴霧SPS2及び第3偏向噴霧SPS4は、第1偏向噴霧SPS1、第2偏向噴霧SPS2及び第3偏向噴霧SPS4を含んで構成される全体噴霧断面SPHの中心部a0における重なりを低減して、中心部a0における燃料の分布密度が低減するように配置される。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
協働して燃料通路の開閉を行う弁座及び弁体と、前記弁座及び前記弁体の下流側に燃料に旋回力を付与して噴射する複数の旋回用通路と、を備え、前記旋回用通路が燃料噴射孔と、前記燃料噴射孔の上流側に設けられ燃料を旋回させる旋回室と、前記旋回室に接続される横方向通路と、を備えた燃料噴射弁であって、
前記旋回用通路は、断面形状が円形からずれている偏向噴霧を噴射し、
前記横方向通路は、上流端と下流端との間に、燃料の流れる方向が変わる曲がり通路部を有する燃料噴射弁。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1に記載の燃料噴射弁において、
前記横方向通路は、内周側に配置されて径方向外側に向かって延設される内周側通路部と、前記内周側通路部をそのまま径方向外側に向かって延設した場合と比べて前記旋回室との接続部が径方向内側に位置するように前記内周側通路部に対して傾斜した方向に延設される外周側通路部と、を備え、
前記曲がり通路部は、前記内周側通路部と前記外周側通路部との間に設けられる燃料噴射弁。
【請求項3】
請求項2に記載の燃料噴射弁において、
前記旋回室は、前記外周側通路部に対して径方向外側に向かって突出するように配置される燃料噴射弁。
【請求項4】
請求項3に記載の燃料噴射弁において、
前記複数の旋回用通路は、噴霧断面に長軸と短軸とを有する偏向噴霧を噴射する少なくとも3つの旋回用通路を備え、
前記3つの旋回用通路は、第1偏向噴霧と、前記第1偏向噴霧の長軸の軸方向両端部でそれぞれ前記第1偏向噴霧に隣接する第2偏向噴霧及び第3偏向噴霧と、を噴射し、
前記第1偏向噴霧、前記第2偏向噴霧及び前記第3偏向噴霧は、
前記第1偏向噴霧の前記長軸と前記第2偏向噴霧の長軸とが第1交点で交差し、
前記第1偏向噴霧の前記長軸と前記第3偏向噴霧の長軸とが第2交点で交差し、
前記第1交点が、前記第1偏向噴霧の前記長軸の一端側に位置すると共に、前記第1偏向噴霧の前記長軸の軸方向において、前記第1偏向噴霧の前記長軸の中心よりも前記第1偏向噴霧の外縁の近くに位置し、
前記第2交点が、前記第1偏向噴霧の前記長軸の他端側に位置すると共に、前記第1偏向噴霧の前記長軸の軸方向において、前記第1偏向噴霧の前記長軸の中心よりも前記第1偏向噴霧の外縁の近くに位置する噴霧断面を有するように噴射される燃料噴射弁。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料噴射弁において、
前記複数の旋回用通路は、前記3つの旋回用通路を含んで、噴霧断面に長軸と短軸とを有する偏向噴霧を噴射する4つの旋回用通路で構成され、
前記4つの旋回用通路から噴射される前記第1偏向噴霧、前記第2偏向噴霧、前記第3偏向噴霧及び第4偏向噴霧は、当該第1偏向噴霧、当該第2偏向噴霧、当該第3偏向噴霧及び当該第4偏向噴霧で構成される全体噴霧断面の中心部に、当該第1偏向噴霧、当該第2偏向噴霧、当該第3偏向噴霧及び当該第4偏向噴霧が存在しない、或いは、当該第1偏向噴霧、当該第2偏向噴霧、当該第3偏向噴霧及び当該第4偏向噴霧による燃料噴霧の希薄な領域を有する燃料噴射弁。
【請求項6】
協働して燃料通路の開閉を行う弁座及び弁体と、前記弁座及び前記弁体の下流側に燃料に旋回力を付与して噴射する複数の旋回用通路と、を備え、前記旋回用通路が燃料噴射孔と、前記燃料噴射孔の上流側に設けられ燃料を旋回させる旋回室と、前記旋回室に接続される横方向通路と、を備えた燃料噴射弁であって、
前記複数の旋回用通路は、噴霧断面に長軸と短軸とを有する偏向噴霧を噴射する少なくとも3つの旋回用通路を備え、
前記複数の旋回用通路の前記横方向通路が単純な直線状の通路として構成される場合と比べて、
前記3つの旋回用通路から噴射される第1偏向噴霧、第2偏向噴霧及び第3偏向噴霧は、当該第1偏向噴霧、当該第2偏向噴霧及び当該第3偏向噴霧を含んで構成される全体噴霧断面の中心部における重なりを低減して、前記中心部における燃料の分布密度が低減するように配置される燃料噴射弁。
【請求項7】
請求項6に記載の燃料噴射弁において、
前記複数の旋回用通路は、前記3つの旋回用通路を含んで、噴霧断面に長軸と短軸とを有する偏向噴霧を噴射する4つの旋回用通路で構成され、
前記4つの旋回用通路から噴射される前記第1偏向噴霧、前記第2偏向噴霧、前記第3偏向噴霧及び第4偏向噴霧は、当該第1偏向噴霧、当該第2偏向噴霧、当該第3偏向噴霧及び当該第4偏向噴霧で構成される全体噴霧断面の中心部に、当該第1偏向噴霧、当該第2偏向噴霧、当該第3偏向噴霧及び当該第4偏向噴霧が存在しない、或いは、当該第1偏向噴霧、当該第2偏向噴霧、当該第3偏向噴霧及び当該第4偏向噴霧による燃料噴霧が希薄な領域を有する燃料噴射弁。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料噴射孔の上流で旋回燃料を生成し、旋回燃料を燃料噴射孔から噴射する燃料噴射弁に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2018-165512号公報(特許文献1)に記載された燃料噴射弁が知られている。この燃料噴射弁は、旋回室と横方向通路とを有する燃料噴射弁において、微粒化性能の変化を抑制しつつ、燃料噴射孔から噴射される燃料の流量を調節可能にするために、燃料噴射孔と、燃料噴射孔の入口が開口する旋回室と、一方の側壁が旋回室の内周壁の上流端に接続され、他方の側壁が内周壁の下流端に接続された横方向通路とを有する燃料噴射弁において、一方の側壁に沿って延長した第一の延長線と、他方の側壁に沿って延長した第二の延長線とを仮想した場合に、燃料噴射弁の中心軸線に垂直な投影面上において、燃料噴射孔の入口開口の投影図が第二の延長線の投影図を越えて一方の側壁の投影図側又は第一の延長線の投影図側に位置する(要約参照)。
【0003】
また特許文献1には、旋回室を十分に旋回することなく燃料噴射孔に流入する燃料と、旋回室を十分に旋回して燃料噴射孔に流入する燃料とがあり、旋回室を十分に旋回することなく燃料噴射孔に流入する燃料は燃料流速(軸方向速度)が大きく、かつ貫徹力の強い燃料噴霧を形成し、噴霧角度が小さく、かつペネトレーションが長くなること、一方、旋回室を十分に旋回して燃料噴射孔に流入する燃料は燃料の軸方向速度が小さく、かつ貫徹力の弱い燃料噴霧を形成し、噴霧角度が大きく、かつペネトレーションが短くなることが記載されている(段落0071参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-165512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者等は、特許文献1のような旋回室及び燃料噴射孔を備えた燃料噴射弁を用いて、図11Cに示すような断面形状が扁平な形状(以下、扁平形状噴霧という)をした燃料噴霧を噴射できることを発見した。以下、図11A乃至図11Dを用いて、この扁平形状噴霧について説明する。図11Aは、本発明との比較例となる旋回室212-1~212-4及び燃料噴射孔220-1~220-4を備えたノズルプレート21nを示す平面図である。図11Bは、本発明との比較例に係る燃料噴霧の断面形状を示す図である。図11Cは、旋回用通路210-1~210-4から噴射される燃料噴霧SPS-1~SPS4の配置を示す概念図である。図11Dは、旋回用通路210-1~210-4から噴射される燃料噴霧(全体噴霧)について、燃料の分布率を示す図である。なお以下の説明では、燃料噴霧の断面形状について説明する場合、特に説明する場合を除いて、燃料噴霧の噴射方向、又は燃料噴射弁の中心軸線に垂直な断面について説明するものとする。
【0006】
図11Aに示す4組の旋回室212-1~212-4及び燃料噴射孔220-1~220-4は、特許文献1の燃料噴射弁と同様に構成され、旋回室212-1~212-4を十分に旋回することなく燃料噴射孔220-1~220-4に流入する燃料と、旋回室212-1~212-4を十分に旋回して燃料噴射孔220-1~220-4に流入する燃料とを噴射する。その結果、4つの燃料噴霧SPS1~SPS4は図11Cに示すように配置され、燃料噴霧(全体噴霧)SPHはその断面形状が円形に形成される。
【0007】
個々の燃料噴射孔220-1~220-4から噴射される個々の燃料噴霧SPS1~SPS4の断面形状は、図11Bに示すように、長軸Ax1と短軸Ax2とを有する扁平形状である。本例では、燃料噴霧SPS1~SPS4の個々の断面形状は、概ね、長軸Ax1と短軸Ax2とを有する楕円形状としている。楕円形状を含めて、断面形状が円形からずれて偏向している燃料噴霧を偏向噴霧と呼ぶことにする。偏向噴霧では、その偏向方向は、横方向通路211-1~211-4と、この横方向通路211-1~211-4に接続される旋回室212-1~212-4との位置関係によって決定されるが、複数の燃料噴霧によって構成される全体噴霧の断面形状を変形させたり、全体噴霧の断面内の燃料分布率を変化させたりしたい場合がある。この場合、複数の燃料噴霧SPS1~SPS4において、個々の燃料噴霧の偏向方向を変化させる必要がある。なお偏向方向は、楕円噴霧においては長軸Ax1及び短軸Ax2の配置(向き)に相当し、偏向方向を変化させることは楕円噴霧の長軸Ax1及び短軸Ax2の配置(向き)を変化させることに相当する。
【0008】
本発明の目的は、複数の偏向噴霧を組み合わせて全体噴霧を噴射する燃料噴射弁において、全体噴霧の形状を変化させたり、全体噴霧の断面内における燃料分布率を変化させたりすることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の燃料噴射弁は、
協働して燃料通路の開閉を行う弁座及び弁体と、前記弁座及び前記弁体の下流側に燃料に旋回力を付与して噴射する複数の旋回用通路と、を備え、前記旋回用通路が燃料噴射孔と、前記燃料噴射孔の上流側に設けられ燃料を旋回させる旋回室と、前記旋回室に接続される横方向通路と、を備えた燃料噴射弁であって、
前記旋回用通路は、断面形状が円形からずれている偏向噴霧を噴射し、
前記横方向通路は、上流端と下流端との間に、燃料の流れる方向が変わる曲がり通路部を有する。
【0010】
また上記目的を達成するために、本発明の燃料噴射弁は、
協働して燃料通路の開閉を行う弁座及び弁体と、前記弁座及び前記弁体の下流側に燃料に旋回力を付与して噴射する複数の旋回用通路と、を備え、前記旋回用通路が燃料噴射孔と、前記燃料噴射孔の上流側に設けられ燃料を旋回させる旋回室と、前記旋回室に接続される横方向通路と、を備えた燃料噴射弁であって、
前記複数の旋回用通路は、噴霧断面に長軸と短軸とを有する偏向噴霧を噴射する少なくとも3つの旋回用通路を備え、
前記複数の旋回用通路の前記横方向通路が単純な直線状の通路として構成される場合と比べて、
前記3つの旋回用通路から噴射される第1偏向噴霧、第2偏向噴霧及び第3偏向噴霧は、当該第1偏向噴霧、当該第2偏向噴霧及び当該第3偏向噴霧を含んで構成される全体噴霧断面の中心部における重なりを低減して、前記中心部における燃料の分布密度が低減するように配置される。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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