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公開番号2023077739
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-06
出願番号2021191146
出願日2021-11-25
発明の名称積層コイル部品
出願人TDK株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01F 17/04 20060101AFI20230530BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高周波域でのQ特性を向上し得るコイル部品を提供する。
【解決手段】積層コイル部品は、素体2と、素体2の内部に配置されているコイル3と、を備える。コイル3は、方向D3に並んでいると共に互いに接続されている複数のコイル導体31,33,37を有する。複数のコイル導体31,33,37のそれぞれは、コイル3での環状の軌道の一部を構成しており、コイル3には、複数のコイル導体31,33,37のうち対応するコイル導体31,33の一部を挟んで隣り合う複数の空隙S1,S2,S3が形成されている。
【選択図】図4


特許請求の範囲【請求項1】
素体と、
前記素体の内部に配置されているコイルと、を備え、
前記コイルは、前記コイルのコイル軸方向に並んでいると共に互いに接続されている複数のコイル導体を有し、
前記複数のコイル導体のそれぞれは、前記コイルでの環状の軌道の一部を構成しており、
前記コイルには、前記複数のコイル導体のうち対応するコイル導体の一部を挟んで隣り合う複数の空隙が形成されている、積層コイル部品。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記複数のコイル導体のうち、前記コイル軸方向で隣り合う一対のコイル導体は、前記コイル軸方向で互いに重なっていると共に互いに接続されている端部を有し、
前記複数の空隙は、前記一対のコイル導体の前記端部が互いに接続されている部分に形成されている、
請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項3】
前記コイル軸方向に沿った断面での、前記一対のコイル導体の前記端部が互いに接続されている前記部分のアスペクト比は、1以上である、
請求項2に記載の積層コイル部品。
【請求項4】
前記複数の空隙のうち一つは、前記対応するコイル導体の前記環状の軌道と交差する端面に開口している、
請求項2又は3に記載の積層コイル部品。
【請求項5】
前記複数のコイル導体のうち、前記コイル軸方向で離間している一対のコイル導体の一方には、当該一対のコイル導体の他方と対向する位置に、前記環状の軌道に沿う溝部が形成されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の積層コイル部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、積層コイル部品に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
素体と、素体の内部に配置されているとコイルと、を備えている積層コイル部品が知られている(たとえば、特許文献1参照)。コイルは、コイルのコイル軸方向に並んでいると共にビアホールを介して接続されている複数のコイル導体を有している。複数のコイル導体のそれぞれは、コイルでの環状の軌道の一部を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2011/155241号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの態様は、高周波域でのQ特性を向上し得る積層コイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様に係る積層コイル部品は、素体と、素体の内部に配置されているコイルと、を備える。コイルは、コイルのコイル軸方向に並んでいると共に互いに接続されている複数のコイル導体を有する。複数のコイル導体のそれぞれは、コイルでの環状の軌道の一部を構成しており、コイルには、複数のコイル導体のうち対応するコイル導体の一部を挟んで隣り合う複数の空隙が形成されている。
【0006】
積層コイル部品のQ特性は、抵抗成分に依存する。積層コイル部品のQ特性は、コイルの抵抗成分が低いほど高い。コイルの抵抗は、たとえば、コイル導体での電流が流れる方向に交差する断面の面積に依存する。したがって、Q特性は、コイル導体での電流が流れる方向に交差する断面内において、コイル導体の電流が流れる領域が大きいほど高い。コイルに高周波域の交流電流が流れる際には、表皮効果が発生して、コイルを構成しているコイル導体の中心に近い領域には電流が流れがたい。結果として、表皮効果によって、コイル導体の中心から離間した領域には、電流が流れやすい。すなわち、コイルに高周波域の交流電流が流れる場合、表皮効果によって、コイル導体の中心に近い領域よりも、コイル導体の表面に近い領域に電流は流れやすい。結果として、積層コイル部品の高周波域でのQ特性は、コイル導体の中心に近い領域の大きさよりも、コイル導体の表面に近い領域の大きさに影響を受けやすい。
【0007】
上記一つの態様では、コイルにはコイル導体の一部を挟んで隣り合う複数の空隙がコイルに形成されている。コイルに複数の空隙が形成されている構成では、コイルを流れる電流は、複数の空隙から離間したコイル導体の表面に近い領域を流れる。高周波域での抵抗成分を低減するためには、コイル導体の表面に近い領域を増加させ得る構成が望まれる。コイル導体の導体体積が同等の構成であっても、複数の空隙の存在は、コイル導体の表面に近い領域を増加させやすい。したがって、上記一つの態様は、高周波域での抵抗成分を低減し得る。
上記一つの態様では、コイルに形成されている複数の空隙は、コイル導体の一部を挟んで隣り合っている。複数の空隙の間にコイル導体の一部が介在することで、各空隙は、潰れがたい。各空隙が潰れるとコイル導体の表面に近い領域が減少しやすい。コイルに形成されている複数の空隙がコイル導体の一部を挟んで隣り合う構成では、各空隙が潰れがたいので、コイル導体の表面に近い領域が維持されやすい。したがって、上記一つの態様では、コイルを流れる電流は、確実にコイル導体の表面に近い領域を流れるので、上記一つの態様は、高周波域での抵抗成分を確実に低減し得る。
したがって、上記一つの態様は、高周波域でのQ特性を向上し得る。
【0008】
上記一つの態様では、複数のコイル導体のうち、コイル軸方向で隣り合う一対のコイル導体は、コイル軸方向で互いに重なっていると共に互いに接続されている端部を有してもよい。複数の空隙は、一対のコイル導体の端部が互いに接続されている部分に形成されていてもよい。
コイル軸方向で隣り合う一対のコイル導体がコイル軸方向で互いに重なっていると共に互いに接続されている端部を有している構成では、複数の空隙は、コイルの一対のコイル導体の端部が互いに接続されている部分に形成される。コイルの一対のコイル導体の端部が互いに接続されている部分は、コイルの他の部分よりも、コイル軸方向で大きい厚みを有する。よって、コイルの複数の空隙が形成されている部分は、コイルの他の部分よりも、コイル導体の表面に近い領域を多く有する。したがって、本構成は、高周波域でのQ特性をより一層向上し得る。
【0009】
上記一つの態様では、コイル軸方向に沿った断面での、一対のコイル導体の端部が互いに接続されている部分のアスペクト比は、1以上であってもよい。
コイル軸方向に沿った断面での一対のコイル導体の端部が互いに接続されている部分のアスペクト比が1以上である構成では、アスペクト比が1より小さい構成と比べて、コイル軸方向に沿った断面においてコイル軸方向と交差する方向での長さに対するコイル軸方向での長さの比が大きい。よって、アスペクト比が1以上である構成では、一対のコイル導体の端部が互いに接続されている部分のコイル導体の表面に近い領域は、アスペクト比が1より小さい構成よりも、コイル軸方向に長く延在する。したがって、アスペクト比が1以上である構成では、アスペクト比が1より小さい構成よりも、コイル導体の表面に近い領域は増加する。結果として、本構成は、高周波域でのQ特性をより一層向上し得る。
【0010】
上記一つの態様では、複数の空隙のうち一つは、対応するコイル導体の環状の軌道と交差する端面に開口していてもよい。
複数の空隙のうち一つは対応するコイル導体の環状の軌道と交差する端面に開口している構成では、一対のコイル導体の端部が互いに接続されている部分と、当該部分とコイル軸方向で隣り合うコイル導体との間隔が減少しがたい。この結果、本構成は、一対のコイル導体の端部が互いに接続されている部分と、当該部分とコイル軸方向で隣り合うコイル導体とのショートを抑制する。
(【0011】以降は省略されています)

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