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公開番号2023077607
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-06
出願番号2021190944
出願日2021-11-25
発明の名称バイオセンサ及びその製造方法
出願人三菱マテリアル株式会社
代理人個人
主分類G01N 27/327 20060101AFI20230530BHJP(測定;試験)
要約【課題】 副反応物による抵抗値の変動を抑制し、正確な酵素反応熱を計測することが可能なバイオセンサ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 酵素を備えたバイオセンサ1であって、薄膜状の感熱部3と、感熱部の一方の面に互いに対向して形成された一対の対向電極4と、少なくとも感熱部の他方の面に固定された酵素Gとを備えている。さらに、感熱部の他方の面に凹凸が形成されていることが望ましい。また、感熱部がサーミスタ材料で形成された薄膜サーミスタであり、一対の対向電極が、複数の櫛部を有して互いに対向配置された櫛形電極である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酵素を備えたバイオセンサであって、
薄膜状の感熱部と、
前記感熱部の一方の面に互いに対向して形成された一対の対向電極と、
少なくとも前記感熱部の他方の面に固定された前記酵素とを備えていることを特徴とするバイオセンサ。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載のバイオセンサにおいて、
前記感熱部の他方の面に凹凸が形成されていることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のバイオセンサにおいて、
前記感熱部がサーミスタ材料で形成された薄膜サーミスタであり、
前記一対の対向電極が、複数の櫛部を有して互いに対向配置された櫛形電極であることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のバイオセンサにおいて、
前記感熱部の他方の面の組成が、酸素原子を含む無機物であることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項5】
請求項4に記載のバイオセンサにおいて、
前記感熱部が、Alを含有したAl含有窒化物のサーミスタ材料で形成され、
前記感熱部の他方の面に、前記Al含有窒化物が酸化したAl含有酸化窒化膜が形成され、
前記Al含有酸化窒化膜が、前記Al含有窒化物よりも高い親水性を有していることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項6】
請求項5に記載のバイオセンサにおいて、
前記Al含有酸化窒化膜の材料が、M-Al-N-O(但し、MはTi,Fe,Co,Mn,Cu,Ni,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,W,Zn,V及びCrの少なくとも1種を示す。)を含むことを特徴とするバイオセンサ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のバイオセンサの製造方法であって、
絶縁性の基板上に互いに対向した一対の対向電極を形成する電極形成工程と、
前記基板上に前記一対の対向電極を覆う薄膜状の感熱部を形成する感熱部形成工程と、
前記感熱部上に酵素を固定する酵素固定工程とを有していることを特徴とするバイオセンサの製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載のバイオセンサの製造方法において、
前記感熱部の表面に凹凸を形成する凹凸形成工程を有していることを特徴とするバイオセンサの製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のバイオセンサの製造方法において、
前記電極形成工程で、前記一対の対向電極として、複数の櫛部を有して互いに対向配置された櫛形電極を形成し、
前記感熱部形成工程で、前記一対の対向電極の直上における前記感熱部の表面に複数の櫛部の形状を反映した凹凸を形成することを特徴とするバイオセンサの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、グルコース等を高精度に検出可能なバイオセンサ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、バイオマーカーを反応熱でセンシングするバイオセンサが開発されている。例えば、特許文献1では、密閉容器であるカラム内に固定化生体素子(固定化酵素)を充填、固定化し、そこへ生体物質を導入し、酵素反応における発熱をサーミスタ等の温度センサで測定する機構を備えた酵素サーミスタ装置が記載されている。
また、特許文献2では、サーミスタに、酵素(グルコースに対する識別機能を有するグルコースオキシダーゼ(GOD))を直接固定化することで、装置の小型化や、構成を簡略化したバイオセンサが記載されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、反応系を恒温に保つための恒温槽が必要になり、装置が大型になってしまうと共に、恒温のための機器構成や制御系も必要になり、高コストであった。また、酵素反応におけるエンタルピー変化は1~100kj/mol程度であり、温度変化が非常に小さく、高精度の測定が困難であった。
また、特許文献2に記載の技術では、構成が簡略化され、温度変化も比較的大きくできるが、反応系の熱容量が大きく、十分な精度を確保することがやはり困難であった。
さらに、特許文献1及び2に記載の技術よりも多くの酵素を固定することが要望されていた。
【0004】
このため特許文献3及び4では、小型で熱容量が小さく、多くの酵素を固定させて高感度・高精度な測定が可能なバイオセンサとして、薄膜サーミスタの感熱部と、感熱部上に互いに対向して形成された一対の対向電極と、感熱部及び対向電極の表面に固定された酵素とを備えた高感度・高精度なバイオセンサが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平2-65773号公報
特開平7-113773号公報
特開2021-117171号公報
特開2021-117172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、特許文献3及び4の技術では、酵素が感熱部表面だけでなく対向電極の上にも固定されるため、酵素と基質とが反応した際の副反応物を電極が検知してしまい、発熱以外の要因で抵抗値が変化して正確な計測ができない場合があった。例えば、グルコースオキシダーゼを用いたグルコース(血糖値)の測定では、次の反応が選択的に触媒される。
β-D-グルコース+O

→ β-D-グルコノラクトン+H



ここで、発生した過酸化水素に電極を通じて電圧がかかると酸化還元反応を起こし、測定計に電流が流れる現象が生じる。
陽極:H



→ 2H

+O

+2e

陰極:O

+4H

+4e

→ 2H


これにより、見かけ上の抵抗値が下がってしまい、発熱/吸熱反応自体の抵抗値変化を切り分けて測定することが困難であった。
また、対向電極上にも酵素が固定されているため、対向電極を介した放熱によっても発熱/吸熱量が正確に計測できない場合があった。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、副反応物による抵抗値の変動を抑制し、正確な酵素反応熱を計測することが可能なバイオセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るバイオセンサは、酵素を備えたバイオセンサであって、薄膜状の感熱部と、前記感熱部の一方の面に互いに対向して形成された一対の対向電極と、少なくとも前記感熱部の他方の面に固定された前記酵素とを備えていることを特徴とする。
【0009】
すなわち、このバイオセンサでは、感熱部の一方の面に互いに対向して形成された一対の対向電極と、少なくとも感熱部の他方の面に固定された酵素とを備えているので、酵素が対向電極とは逆の面に固定されて副反応物の影響を除くことができる。また、酵素が対向電極に接触している部分からの放熱も抑制することができ、正確な発熱/吸熱量を計測することができる。
【0010】
第2の発明に係るバイオセンサは、第1の発明において、前記感熱部の他方の面に凹凸が形成されていることを特徴とする。
すなわち、このバイオセンサでは、感熱部の他方の面に凹凸が形成されているので、アンカー効果が生じて酵素の密着性が向上すると共に酸素固定量が増え、感熱部上で酵素反応量を増加させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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