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公開番号2023077481
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-06
出願番号2021190751
出願日2021-11-25
発明の名称ビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質
出願人長瀬産業株式会社
代理人個人
主分類C12N 15/53 20060101AFI20230530BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本明細書では、放線菌を宿主とする発現系での発現に適した、ビリルビンオキシダーゼ(BOD)活性を有するタンパク質、前記タンパク質を用いた基質の酸化方法、並びに、前記タンパク質を生産するための発現ベクター及び形質転換体を開示する。
【解決手段】本明細書は、ストレプトマイセス・ポプリ、ストレプトマイセス・ラウレンティ等の放線菌に由来する、BOD活性を有するタンパク質、前記タンパク質を触媒として用いて、所定のpH条件においてABTS、DMP、SGZ及びビリルビンを酸化する方法、並びに、プラスミドDNA中に前記タンパク質のアミノ酸配列をコードするDNAを含む発現ベクター、及び、前記発現ベクターが導入された形質転換を開示する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
放線菌に由来する、ビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記放線菌がストレプトマイセス・ポプリ(Streptomyces populi)である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項3】
(a)又は(b)に記載のタンパク質である、請求項1又は2に記載のタンパク質:
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、且つ、ビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質。
【請求項4】
前記放線菌がストレプトマイセス・ラウレンティ(Streptomyces laurentii)である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項5】
(c)又は(d)に記載のタンパク質である、請求項1又は4に記載のタンパク質:
(c)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(d)配列番号2に示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、且つ、ビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質。
【請求項6】
ABTS(2,2’-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸))を酸化する方法であって、
pH4.0~6.0の条件下で請求項2又は3に記載のタンパク質を触媒としてABTSの酸化反応を行うこと、又は、
pH3.5~6.0の条件下で請求項4又は5に記載のタンパク質を触媒としてABTSの酸化反応を行うこと
を含む方法。
【請求項7】
DMP(2,6-ジメトキシフェノール)を酸化する方法であって、
pH4.5~8.5の条件下で請求項2又は3に記載のタンパク質を触媒としてDMPの酸化反応を行うこと、又は、
pH5.0~8.5の条件下で請求項4又は5に記載のタンパク質を触媒としてDMPの酸化反応を行うこと
を含む方法。
【請求項8】
SGZ(シリングアルダジン)を酸化する方法であって、
pH5.5~8.5の条件下で請求項2又は3に記載のタンパク質を触媒としてSGZの酸化反応を行うこと、又は、
pH6.0~8.5の条件下で請求項4又は5に記載のタンパク質を触媒としてSGZの酸化反応を行うこと
を含む方法。
【請求項9】
ビリルビンを酸化する方法であって、
pH7.0~8.5の条件下で請求項2又は3に記載のタンパク質を触媒としてビリルビンの酸化反応を行うこと、又は、
pH7.0~8.5の条件下で請求項4又は5に記載のタンパク質を触媒としてビリルビンの酸化反応を行うこと
を含む方法。
【請求項10】
プラスミドDNA中に、請求項1~5のいずれか1項に記載のタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAを含む、発現ベクター。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の一以上の実施形態は、ビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質、前記タンパク質を用いてビリルビンオキシダーゼの基質を酸化する方法、前記タンパク質のアミノ酸配列をコードするDNAを含む発現ベクター、並びに、前記発現ベクターが導入された形質転換体に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ビリルビンオキシダーゼ(BOD)(EC:1.3.3.5)はビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒する酵素である。BODは、反応液中の溶存酸素による、ビリルビン等の基質の酸化反応を触媒する。
【0003】
BODは、血清ビリルビン濃度の測定のための臨床検査薬に用いられる。ビリルビンはヘモグロビンの分解によって血液中に生じる色素であり、血清ビリルビン濃度は、肝疾患診断、黄疸鑑別等の診断における指標となる。
BODの別の用途として、例えば、特許文献1に、バイオ燃料電池の酵素電極における用途が記載されている。
【0004】
従来から利用されているBODの起源生物としては、ミロセシウム属菌(特許文献2、3)、イネいもち病菌(特許文献4)、バチラス・サチルス(特許文献5)が挙げられる。
【0005】
一方、特許文献6では、放線菌においてタンパク質を発現するためのプラスミドベクターが記載されており、このプラスミドベクターに有用なタンパク質の遺伝子を組み込み、放線菌を宿主として前記タンパク質を効率的に生産できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2018/185417
特開昭57-159487号公報
特開2004-89042号公報
特表2014-523235号公報
特開2006-68003号公報
特開2014-207898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
臨床検査薬用途のBODは高コストであるため、酵素電極等の他の用途での使用には適さないことがある。
【0008】
本明細書では、放線菌を宿主とする発現系での発現に適した、BOD活性を有するタンパク質、前記タンパク質を用いた基質の酸化方法、並びに、前記タンパク質を生産するための発現ベクター及び形質転換体を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)放線菌に由来する、ビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質。
(2)前記放線菌がストレプトマイセス・ポプリ(Streptomyces populi)である、(1)に記載のタンパク質。
(3)(a)又は(b)に記載のタンパク質である、(1)又は(2)に記載のタンパク質:
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、且つ、ビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質。
(4)前記放線菌がストレプトマイセス・ラウレンティ(Streptomyces laurentii)である、(1)に記載のタンパク質。
(5)(c)又は(d)に記載のタンパク質である、(1)又は(4)に記載のタンパク質:
(c)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(d)配列番号2に示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、且つ、ビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質。
(6)ABTS(2,2’-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸))を酸化する方法であって、
pH4.0~6.0の条件下で(2)又は(3)に記載のタンパク質を触媒としてABTSの酸化反応を行うこと、又は、
pH3.5~6.0の条件下で(4)又は(5)に記載のタンパク質を触媒としてABTSの酸化反応を行うこと
を含む方法。
(7)DMP(2,6-ジメトキシフェノール)を酸化する方法であって、
pH4.5~8.5の条件下で(2)又は(3)に記載のタンパク質を触媒としてDMPの酸化反応を行うこと、又は、
pH5.0~8.5の条件下で(4)又は(5)に記載のタンパク質を触媒としてDMPの酸化反応を行うこと
を含む方法。
(8)SGZ(シリングアルダジン)を酸化する方法であって、
pH5.5~8.5の条件下で(2)又は(3)に記載のタンパク質を触媒としてSGZの酸化反応を行うこと、又は、
pH6.0~8.5の条件下で(4)又は(5)に記載のタンパク質を触媒としてSGZの酸化反応を行うこと
を含む方法。
(9)ビリルビンを酸化する方法であって、
pH7.0~8.5の条件下で(2)又は(3)に記載のタンパク質を触媒としてビリルビンの酸化反応を行うこと、又は、
pH7.0~8.5の条件下で(4)又は(5)に記載のタンパク質を触媒としてビリルビンの酸化反応を行うこと
を含む方法。
(10)プラスミドDNA中に、(1)~(5)のいずれかに記載のタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるDNAを含む、発現ベクター。
(11)宿主細胞に、(10)に記載の発現ベクターが導入された、形質転換体。
(12)前記宿主細胞が放線菌である、(11)に記載の形質転換体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一以上の実施形態に係るビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質は、放線菌を宿主とする発現系での発現が容易である。
(【0011】以降は省略されています)

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